1.概要 |
○ 平成12年11月27日(月)(10:00〜12:00)に、「第5回高潮防災情報等のあり方研究会」(座長:河田惠昭京都大学巨大災害研究センター所長)が開催された。
○議題は以下のとおり
(1)高潮予測情報の改善について
(2)全国の高潮・高波発生特性について
(3)地域防災計画における高潮対策の強化マニュアル(素案)について
(4)高潮ピクトグラムの作成方針(案)について
(5)高潮広報資料(ホームページ版)(案)について
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2.議事概要 |
各議題の概要及び委員からの主な意見は以下のとおり。
(1)高潮予測情報の改善について
(説明概要)
(1) 今年秋より高潮予測情報(注意報・警報)の改善を実施
・ 代表的な港における予測値、高潮に注意するべき時間帯の明示
・ 過去の主要な高潮における実績との比較を表示
(2) 平成13年より、風や気圧の他に波浪の影響も考慮した
高潮予測システムの開発に着手 |
(主な意見)
・水門操作等に活用するため、河川水位に影響を与える降雨の
予測と併せて活用されることが必要である。
・予測と実際の高潮現象に乖離があった際に、その理由を
公表することにより、高潮予測の困難さを認識していただくことも重要である。
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(2)全国の高潮・高波発生特性について
(説明概要)
全国の海岸を対象に、それぞれの波浪の発生特性を50年確率の高波により計算。
・ 九州南岸、四国南岸、三陸地方等で大きな高波が来襲
・ 日本海側において冬季風浪の影響による高波が来襲 |
(主な意見)
・台風来襲時に発生する潮位と波高との合算の方法及び
その示し方をさらに検討する必要がある。
・高潮の潮位についても高波と同様に生起確率による評価の
導入について検討する必要がある。
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(3)地域防災計画における高潮対策の強化マニュアル(素案)について
(説明概要)
都道府県や市町村が地域防災計画の策定・見直し時の参考とすることをはじめ、高潮防災を効果的に実施するための強化方策を以下3点を中心に年度内にマニュアルとしてとりまとめ。
・高潮防災施設の整備 ・高潮防災の観点からの地域づくり
・警戒、避難を中心とする防災体制の整備 |
(主な意見)
・過去の地盤沈下の影響、要援護者の居住をはじめとする
背後地のきめ細かな状況把握等、高潮常襲地域における
危険性を適確に調査する必要がある。
・高潮対策として、避難所や居住地域の地盤の嵩上げの有効性も
盛り込む必要がある。
・沿岸地域の利用形態は年々変化することから、
防災計画は随時見直しを行う必要がある。
・高潮に対しては、いち早い避難が最重要であり、
このためには、ハザードマップが非常に重要である。
またハザードマップは自治体担当者や住民が理解し、
情報の共有化が図れるものとする必要がある。
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(4)高潮ピクトグラムの作成方針(案)について
(説明概要)
直感的に高潮をイメージできるような高潮ピクトグラムの作成について、海岸事業所管4省庁が進めようとする方針(案)を以下により提案した
・来年始めより一般公募を開始。来春を目途に作成する
・選考の過程で住民や都道府県からインターネット等で意見を聴取
・ 作成したピクトグラムは国で率先して使用するほか、地方でも
防災標識等として活用されるよう、積極的にPRする |
(主な意見)
・ピクトグラムの例や高潮に関する情報を示しつつ、
一般公募を行うようにすべき。
・デザイナーを含む委員会を設置して、具体の検討を進めるべき。
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(5)高潮広報資料(ホームページ版)(案)について
(説明概要)
(1)9月に発行したパンフレット「高潮災害とその対策」の内容をもとに、より詳細な高潮の広報資料(ホームページ版)(案)を年度内に作成。情報を提供する。
(2) これをもとに、地域の特性に応じたホームページを都道府県等において作成する際の参考資料として活用して頂く 。
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(主な意見)
・各個人の居住地の危険性を判断するための情報、台風の特性等の
基礎的な情報も盛り込むべき。
・研究機関や行政機関等の関係するホームページとリンクさせ、
必要な情報を幅広く入手できるシステムにすることが重要。
・クイズ形式などにして、小中学校生等の子供が活用できるものも
作成することを考えるべき。
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3.今後の予定 |
第6回(最終回)を平成13年2月に実施する予定である。
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