1.概要 |
|
平成13年8月1日(水)10:00〜12:00に、合同庁舎3号館11階特別会議室において、「第一回 地球温
暖化に伴う海面上昇に対する国土保全研究会(座長:三村信男 筑波大学広域水圏環境科学教育センター教 授)」が開催されたので、その概要を報告する。 |
|
(出席者) |
|
|
委 員: |
三村座長、磯部委員、寶委員、野田委員、花木委員、原沢委員、山崎委員 |
|
事務局: |
国土交通省河川局、港湾局 |
|
関係部局等: |
国土交通省都市・地域整備局下水道部、気象庁、海上保安庁、国土地理院、国土技術 政策総合研究所、独立行政法人港湾空港技術研究所、環境省
|
|
2.議題 |
|
1)研究会の設置目的と調査項目について |
|
2)調査実施方針について |
|
3)モデル地域について |
|
4)観測・監視体制の現状について |
|
3.議事概要 |
|
各議題の説明内容と委員の主な意見は以下の通り。 |
|
1)研究会の設置目的と調査項目について(別紙1参照)
本研究会の設置目的と、研究会全体の進め方について説明を行い、了解された。 |
|
2)調査実施方針について(別紙2、別紙3参照) |
|
3)モデル海岸について |
|
(説明内容) |
・ |
過去に行われた検討結果を再評価し、見直しする。 |
・ |
モデル地域を伊勢湾地域とする。 |
・ |
モデル地域において、詳細検討モデル区域を設定し、検討海面上昇値における影響を 把握するとともに、海面 上昇シナリオについて、時間軸を入れた対策を検討する。 |
・ |
観測・監視体制の充実・強化方策について検討する。 |
・ |
これらの検討を踏まえて、国土保全対策の基本的方向性について検討する。 |
|
|
|
|
(委員の主な意見) |
|
(1)検討シナリオについて |
|
○ |
海面上昇以外の事象変化(降水量など)への対応や異常気象との同時生起への対応、台風の巨大化への対応等 については、予測精度や研究の現状も踏まえながら検討していくことが必要である。
|
|
○ |
モデル地域においては、地球規模の海面上昇予測(IPCCによる予測)と地域規模の海面上昇予測の両面を 対象に影響を把握することが望ましいが、一方、地域予測の困難性についても十分配慮する必要がある。
|
|
(2)影響把握について |
|
○ |
背後地の人口・資産によって影響度合いが大きく異なることから、影響を把握する際には、社会経済状況の変 化も含めるべき。 |
|
○ |
影響・対策を実施する際には、コスト評価を行うことも重要である。 |
|
(3)対策について |
|
○ |
100年後以降も視野に入れた長期的な観点からの検討を行うべき。 |
|
○ |
海面上昇への対策を考える際には、海面上昇による影響を防災施設の設計に反映するといったハード面の対 策、コスト等を踏まえたハード対策と土地利用などのソフト対策を連携するといった対策などが考えられる。 |
|
○ |
気象・海象変化の予測精度の状況等を勘案しながら、具体的な対策が可能となる打ち出しをするべき。 |
|
○ |
長期的な気象変動に対する防災の必要性について、科学的知見を用いて、国民に対し具体的に分かりやすい打 ち出しを行うべき。 |
|
○ |
地球温暖化に伴う海面上昇への対策について検討する際には、地球温暖化防止対策が重要であるとの認識に立 って調査を進める必要がある。
|
|
|
4)観測・監視体制の現状について |
|
(説明内容) |
・ |
我が国では、国土地理院、海上保安庁、気象庁、地方整備局等の機関がそれぞれの目的に沿って検潮場を設置 し、潮位変化を観測している。 |
・ |
海岸昇降検知センターにおいて各省庁・機関等の151箇所の検潮場のデータを取りまとめている。 |
・ |
日本最南端の沖ノ鳥島では、関係機関によって潮位観測が実施されている。 |
|
|
|
(委員の主な意見) |
|
○ |
近年はリモートセンシング技術が向上していることから、これら技術を用いたモニタリングも視野に入れるこ とが重要である。 |
|
○ |
検潮記録は年平均でまとめられているが、最大潮位などのデータも整理することが重要である。 |
|
○ |
領海・経済水域の確保という観点からも沖ノ鳥島の潮位観測は重要である。 |
|
5.今後のスケジュール |
|
平成13年11月に第2回研究会を開催する予定。 |