〈報告書の示し方〉 |
・ | 本報告書は専門家のみではなく、広く国民一般にも開示すべき。 |
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〈報告書に盛り込むべき項目について〉 |
【気候変動の実態と予測の現状】 |
・ | 現在の気候変動予測が不確実であるのは、排出シナリオの不確かさと予測モデルの違いの2つの要因があるため、将来、海面予測値の幅のばらつきを小さくするには、この2つの要因を改善していく必要がある。 |
・ | 氷期、間氷期といった気候変動のみならず、地盤変動も過去の海水面変化の大きな要因である。 |
・ | 温室効果ガスの排出を押さえることにより気温変化は穏やかになるが、海洋への熱移動は継続することから、海面上昇は進行し、将来にわたって大きな影響を及ぼす。 |
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【海面上昇への対応の考え方】 |
・ | 地球温暖化に対して、日本全体の海岸をどうしていくのかという、大きな流れや、行政としての志の高さを示すべき。 |
・ | 国民の社会的合意を得ることが、地球温暖化に伴う海面上昇への全ての対策を行う上での前提となる。 |
・ | 国民の社会的合意を得ながら対応策を効果的に進めていく上でも、関連する情報は常に公開すべき。 |
・ | 将来の望ましい国土のグランドデザインを考える上で、海面上昇を捉えていく必要がある。 |
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【海面上昇に対応した総合的な取り組み】 |
・ | 確率的な事象である地球温暖化に伴う海面上昇への対策の評価軸の一つとして、費用対効果が重要。 |
・ | 防災体制に関しては、情報の公開や、ハザードマップに関する法制度の整備についても考えていく必要がある。 |
・ | 地球温暖化に万全の対策はないことから、災害を受けた国民への補償もリスクマネジメントを考える上で重要な要素となる。 |
・ | 防災体制や観測・監視等に関して、東南アジアや島嶼部等の開発途上国への国際貢献を進めていく必要がある。 |
・ | 地盤変動量が大きいため、地球温暖化に伴う海面上昇を把握する上では適していないとしても、人や資産が密集している沿岸域では、国土保全の観点から潮位を観測する必要がある。 |
・ | 異常気象の発生の頻度も地球温暖化により多発することが想定され、重要な要素である。 |
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【効率的な対策を進めるための具体的施策】 |
・ | 地球温暖化に伴う海面上昇がどのようなトレンドになっているかを含めて、モニタリングの方法等について関係者で検討すべき。 |
・ | 地球温暖化に伴う海面上昇への国民の認識を深めるためにも、観測・監視や海面上昇予測、対策検討等で得られた情報を集約・発信していく必要がある。 |
・ | 地球温暖化に伴う海面上昇を、堤防等の保全施設の余裕高にどのように反映させていくかを検討する必要がある。 |
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【その他】 |
・ | 人間活動のタイムスパンより地球温暖化のタイムスパンは長く、海面上昇は慣性があることからさらに大きいと考えられる。 |
・ | 地球温暖化による環境や生態系への影響について検討しておくべき。 |
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4.今後のスケジュール |
研究会での委員の意見等を踏まえて修正し、平成14年4月下旬を目途に研究会報告書をとりまとめる予定。 |