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河川局

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「河川事業の計画段階における環境影響の
分析手法に関する考え方」の提言



 この度、国土交通省河川局は、河川整備計画の策定段階における環境影響の分析方法の基本的な考え方について、「河川事業の計画段階における環境影響の分析方法に関する検討委員会」(委員長:小野勇一氏 北九州市立いのちのたび博物館館長)が計画策定者向けにとりまとめた提言を受けた。

 河川局では、近年の環境に対する国民的関心の高まりを受けて、平成9年に、新たに河川環境の整備と保全を法の目的に位置付け治水、利水及び環境の調和のとれた総合的な河川整備を推進するとともに、地域の実情に応じた河川整備を進めるため、河川整備計画策定に当たり地域の意見が反映されるよう、河川法を改正した。

 この改正河川法に基づく、河川整備計画の策定は、社会・経済面や技術面と並んで、環境面からの分析結果を意思決定に確実に反映させることや、地域住民、専門家に対し十分な情報公開や意見収集を行なうといった観点から見れば、事業に先立つ上位計画や政策決定などのレベルで、環境への配慮を意思決定に統合する取り組みとして環境基本計画にその必要性が記載されている、いわゆるStrategic Environmental Assessment(戦略的環境アセスメント)に相当する。

 しかしながら、河川整備計画の策定に際して行なう複数案に関する環境面からの分析は、情報の質・量等の制約がある計画段階において、各河川で様々な試行を交えながら分析を行なっているのが実情であり、ともすれば社会・経済面や技術面からの分析にともすれば埋もれがちとなっている。
 そこで、河川局は、環境影響の分析手法について基本的な考えを提言いただくため、平成13年10月に専門家からなる上記委員会を設置したものである。

 今後、複数の河川を対象に実際の河川整備計画の策定作業において、この提言に盛り込まれた考え方を適用し、実効性と有効性を検証するとともに、課題をとりまとめ、適宜内容を充実させるなど、河川整備計画策定に際し広く適用できる考え方の確立を目指していく予定である。

提言の主なポイントは、

(1) 計画段階という情報が限られている中で、これまでの河川管理で蓄積されていた測量データや文献などを活用し、複数案を作り複数案毎の影響分析を行う手法について具体的に示したこと。

〜例えば以下のようなポイント〜
過去の測量データを活用し、河床変動計算などを行うことで、河道の経時変化や河床構成材料など「河川の物理的化学的環境」の変化を予測することが可能であることを示した。
その上で、「河川の物理的化学的環境」と「生物の生息・生育環境」の相互関係の分析による、生態系、動物・植物への影響予測手法を示した。
(2) 計画段階における環境面からの分析結果を的確に計画策定の意思決定に反映させるため、また地域住民等との間で意思疎通を円滑に図るため、スコーピング(※)を行うこと、また分析結果を記した「分析報告書」を作成、公表し、意見収集することを提案したこと。

(※)スコーピング: ここでは、「環境影響分析を適切に行うために、複数案の設定及びその過程や分析手法等をとりまとめた分析計画書を作成し、地域住民や専門家等の第三者に公表するとともに、意見を収集し、必要に応じて環境影響分析の項目や分析手法等の選定に反映すること。」としている。


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