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記者発表

社会資本整備審議会河川分科会答申のポイント

〜新しい時代における安全で美しい国土づくりのための治水政策のあり方〜


●全体構成

○その1:「美しい国土づくり」「安全で安心できる国土づくり」

治水政策の目標として、国民にわかりやすい観点から、「美しい国土づくり」「安全で安心できる国土づくり」を提案しています。

治水事業の目標は、従来から「治水」「利水」「環境」を設定
アウトカム目標など国民側からわかりやすい説明が求められる中、治水政策の目標としても、「美しい国土づくり」「安全で安心できる国土づくり」を設定
「美しい」は、地域住民の合意形成も含めた概念として整理
「安全で安心できる」は、施設整備等のハード対策に加え、ハザードマップなどの情報提供による日常からの防災に対する安心感も含めた概念として整理

○その2:事業連携による治水効果の発現に期待

治水対策による効果を向上させるために、下水道行政をはじめとする事業連携をすすめることに重点を置いています。

従来から事業連携は進められてきたものの、社会資本整備重点計画(仮称)の策定を見据え、さらなる事業間連携に期待
都市水害対策、水質汚濁対策を進めるための下水道行政等との連携や、水と緑のネットワークづくりのための都市計画行政等との連携など


●各論

○その1:地域の特性に応じた河川整備

洪水防御のための方策として、地形的、土地利用的な特性から、それぞれの地域に応じた適切な方法を選択することが重要である、としています。

都市部や地方部、平地部や山間部など、土地利用や地形的な特性を考慮し、洪水の発生とその対応について、定量的な分析を行い、適切な方法を選択することが重要
連続堤防、洪水調節施設、流域調節池、輪中堤、宅地嵩上げなど、それぞれの地域に適した洪水防御の方策の選択
都市水害に対しては、総合治水の枠組みの強化、流域における責務の明確化、下水道行政との連携等が重要
「地域の地形特性等の自然的特性と社会的特性に適合した治水対策を実施する必要がある。」(V−1より)
地形上、土地利用上の特性から・・・通常の河川改修である連続堤防の整備が必ずしも地域にとって有効でない場合には、通常の河川改修に加え、輪中堤、宅地嵩上げ等の対策や土地利用規制等の代替案により、地域住民との合意を図りつつ、地域にとって望ましい治水対策を進めていくべきである。」 (V−1(1)より)
「総合的な治水対策をより強力かつ幅広く進めるためにも、地元自治体における連携を強化する枠組みの検討を行っていくべきである。」 (V−1(1)より)
「既存調節池の位置付けの明確化を行うことや地方自治体の行政指導に基づく調節池の設置について必要最小限のものを設置することを法的に位置付けるなど、水害に対する流域での一定の責務について、明確にしていくべきである。」 (V−1(1)より)
「このように、流域毎の適切な治水対策を進めるにあたっては、各流域における水循環系を構造的に把握し定量化に努めるとともに、それに基づき流域・氾濫域の特性に応じた治水政策を選択するべきである。」 (V−1(1)より)

○その2:都市水害への適切な対策

東海豪雨等の教訓を踏まえ、都市水害へ適切に対応するため、総合治水の枠組みの強化、下水道行政等との連携の強化、流域における保水・遊水機能の確保の推進等が重要である、としています。

東海豪雨、地下室への浸水による死亡事故等の発生に加え、集中豪雨の増加傾向の危険性から、都市水害への対応が必要
総合治水の始まりから四半世紀を経て、流域における責務の明確化、下水道行政や都市計画行政との連携の強化など、総合治水の枠組みをさらに強化した対策が、新しい時代の総合的な治水対策として重要
「都市化の著しい流域において、より効果的に治水対策を進めるには、通常の河川改修に加え、流域における保水・遊水機能を確保するなどの総合的な治水対策を実施していくことが重要である。」 (V−1(1)より)
「総合的な治水対策をより強力かつ幅広く進めるためにも、地元自治体における連携を強化する枠組みの検討を行っていくべきである。」 (V−1(1)より)
既存調節池の位置付けの明確化を行うことや地方自治体の行政指導に基づく調節池の設置について必要最小限のものを設置することを法的に位置付けるなど、水害に対する流域での一定の責務について、明確にしていくべきである。」 (V−1(1)より)

その3:「安全で安心できる国土づくり」のための施策

治水施設の整備による安全性の向上に加え、国民が安心して暮らせるという観点からの施策が重要である、としています。

安心できる生活に不可欠な飲料水の安全性の確保のため、近年問題となっている環境ホルモン等の化学物質の影響を考慮し、取排水系統の見直しが重要
自然災害の多い我が国に暮らし、いつ、どのような自然災害が発生するか、わからない中で、安心して暮らしていくためには、防災情報がしっかり伝わっていることが重要
「自然災害に対して安心できる生活を確保するためには、・・・自然災害の発生状況が正確に把握できることや、発生時の対応方策等災害に対する備えを事前に十分認識できるようにしておくことなど、防災に関する情報が適切に伝わることが重要である。」   (U.(1)より)
「安心できる生活環境を実現していくためには、生活に不可欠な飲料水の安全性を含め良好な水の確保に関する施策が不可欠である。」 (U.(1)より)
「一部の化学物質等の人体に対する危険性が指摘されている中で、流域での社会経済活動の諸活動の結果、・・・様々な化学物質を使用していることなど、流域の水循環を介して生活用水へ影響を与える可能性がある。これらによる影響が懸念されていることから、取排水系統の見直し等による対応を進めるべきである。」 (V−1(4)より)

○その4:「美しい国土づくり」のための地域社会との合意形成

「美しい国土づくり」について、主観的な「美しさ」を治水政策に適切に反映させていくには、地域社会による合意形成が重要である、としています。

「美しい国土づくり」という観点の重要性と「美しい」の概念について、河川分科会で大変熱心な議論が展開
「美しい国土づくり」を進めるには、我が国の多様で豊かな自然環境を活かしつつ、地域社会の合意形成も含めた適切な施策展開が重要
「美しい国土づくり」の具体的施策としては、「河川等を活かした地域づくり等の支援」や「自然再生への取り組み」など
「美しさとは、・・・あえていえば人間の感性に訴え感動を与えるもので、景観等の外見的美しさばかりでなく、風土、文化、生態系等から感じとれる内面的な美しさを含めたものである。」 (U.(1)より)
「美しさは、地域住民の意識によるところが多いことから、美しい国土づくりには、発想の柔軟さや手続きの柔軟さも含めた地域社会の意見の形成をも含むものである。」 (U.(1)より)
「河川ごとに異なる個性を十分に把握した上で、地域社会と河川との関わりに十分配慮し、地域社会にとって望ましい河川像を想像できるよう、各河川の個性を活かした治水政策に取り組んでいく必要がある。」 (U.(2)より)
「美しい国土づくりのためには、地域の風土や文化を学びながら、地域社会と河川との関係を再構築すること・・・に努めていくことが重要である。」 (V−2より)


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