国土交通省では、河川における外来種問題に対応するため、平成10年に「外来種影響・対策研究会」(座長:鷲谷いづみ東京大学大学院農学生命科学研究科教授)を設置し、外来種の現状や疑われる影響、とるべき対策について検討を重ねてきました。その成果として、平成13年に「河川における外来種対策に向けて(案)」を作成し、各地域で取り組まれている外来種対策の支援に活用されています。
その後、昨年9月に河川における外来種対策の実施状況の把握、外来種対策に関する意見の収集を目的として、全国の河川を管理する担当者に対してアンケート調査を実施したところ、「実際の対策事例等をまとめた情報を提供してほしい」といった意見が多く寄せられました。そこで、これを受け、このたび「河川における外来種対策の考え方とその事例―主な侵略的外来種の影響と対策―」としてまとめました。
この事例集では、上記アンケート結果等をもとに、河川において大きな影響をもたらしていると考えられる侵略的外来種10種(ハリエンジュ、アレチウリ、オオブタクサ、セイタカアワダチソウ、ホテイアオイ、シナダレスズメガヤ、ネズミムギ等のイネ科外来植物、ブルーギル、オオクチバス、コクチバス)を取り上げ、その特徴や影響のほか、各地で実施されている対策事例をまとめています。今後は、これを参考に、河川管理の現場において地域住民等と連携、協力して外来種対策を講じるとともに、さらなる外来種問題に関する調査・研究、対策の充実を図ることとしています。 |