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河川局

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記者発表

<手取川等4水系の河川整備基本方針の概要>




 河川整備基本方針は、各水系における治水、利水、河川環境等の河川管理の長期的な方針を、総合的に定めるものである。その内容には、工事実施基本計画で記述されていなかった河川環境の整備と保全や維持管理等に対する考え方も明らかにされているとともに、計画規模を超える洪水や整備途上段階での洪水による被害の軽減についても記載を行っている。
 治水計画としての基本でもある基準地点における基本高水のピーク流量、計画高水流量については、最新データも加えてその内容を検証した結果、既定計画を踏襲することとしている。
 流水の正常な機能を維持するため必要な流量については、手取川、筑後川については、さらに諸調査を行い決定することとし、櫛田川については、既定計画では定められていなかったものを、新たな検討を行い設定することとし、肱川については、最新データも加えて検討を行い、既定計画を変更することとしている。

 4水系の河川整備基本方針の主な特徴的内容は次のとおりである。

○手取川
 白山を源とする手取川では、我が国有数の急流河川であり、古くから洪水被害が発生している。このため、急流河川の洪水に特有の強いエネルギーに対する安全性を確保するための必要な対策を講じるとともに、短時間での出水や土石流に対応するため情報伝達体制及び警戒避難体制の充実を図る。
 また、良好な河川環境の保全や石川県の名の由来となった手取川の原風景である石河原の復元などに向けて、地域と一体となって川づくりに取り組んでいく。

○櫛田川
 日本有数の多雨地帯である大台ヶ原に隣接し、豊かな自然環境を有するとともに、歴史と文化を伝える香り高い清流として親しまれている櫛田川では、流域の歴史文化、河川環境に配慮しながら計画的に治水施設の整備を進めていく。なお、派川祓川(はらいがわ)は、国が指定した史跡である斎宮跡等が沿川にあり地域に親しまれていることや、豊かな自然環境が残っていることなどから、現在の河川環境を保全するため、櫛田川から祓川への洪水分派を行わない計画に変更する。

○肱川
 肱川は、中上流部には盆地が開け、下流部には両岸に山脚が迫り狭隘な地形で平地がないという全国でも珍しい流域を形成している河川である。そのため、治水対策が難しく、地形的特性や上下流の治水バランス等を考慮しながら治水施設の整備を進めていく。また、鵜飼いやいもたき等、古くから人と川の結びつきのある河川空間の利用や水郷大洲と称される良好な自然環境の保全を図る。さらに、良好な水量・水質を確保するため、流域全体で一体となって、健全な水循環系の構築を目指して連携を進めていく。

○筑後川
 福岡、佐賀、大分、熊本の4県を貫流し有明海に流入する九州最大の河川筑後川は、別名「筑紫次郎」と呼ばれ、古くから治水、利水及び河川環境上重要な役割を果たしてきた。過去の洪水、高潮被害、風倒木災害等に鑑み治水施設の整備を計画的に進めるとともに、災害情報の伝達等により被害を最小限にくい止めるよう努める。また、「エツ」等の生物に代表される汽水域の良好な河川環境や盛んな河川利用にも配慮した河川整備を行う。さらに、筑後川は広域的な水利用が行われており、既存ストックの有効活用を図りつつ、安定した流量の確保に努める。


(参考)

○河川法(昭和39年法律第167号)(抄)

(河川整備基本方針) 
第16条  河川管理者は、その管理する河川について、計画高水流量その他当該河川の河川工事及び河川の維持(次条において「河川の整備」という。)についての基本となるべき方針に関する事項(以下「河川整備基本方針」という。)を定めておかなければならない。
 (略)
 国土交通大臣は、河川整備基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない
4〜6  (略)


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