1 新たな指標の必要性 |
◆現状における河川水質管理の課題点 |
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@ 有機性汚濁指標(BOD)だけでは、河川水質を適切に評価できない。 A川の365日(洪水時や渇水時を含む)に対応した指標が必要。 B住民にわかりやすい河川水質の指標がない。 C住民と連携した水質管理が必要。 Dそれぞれの河川の特性を反映したきめ細かい指標が必要。 E河川法の目的である「河川環境の整備と保全」に対応する指標が必要。 F下流域への影響を評価できる指標が必要。 G人および生物に対するリスクを評価できる指標が必要。
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◆現状の水質環境基準による評価だけでは、河川水質や河川環境上の諸課題を十分に把握することが困難であり、今後の河川水質管理のための指標が必要
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2 新たな指標の視点 |
上記を踏まえ、以下の視点で今後の河川水質管理の検討を進めることとした。 |
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@人と河川の豊かなふれあいの確保のための水質管理 A豊かな生態系の確保のための水質管理 B利用しやすい水質の確保のための水質管理 C下流域や滞留水域に影響の少ない水質の確保のための水質管理
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また、河川法では、計画の策定段階から住民の意見を反映させることとしており、項目設定、調査及び対策の実施、評価の全ての段階で住民と協働していくことが重要である。
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3 新たな指標(案) |
(1)今後の河川水質管理の指標項目(案)【表−1参照】(PDFファイル 215KB) |
河川水質管理の視点毎に、河川水質の確保すべき機能に関連する指標項目を整理し、その中で代表性を持つ項目を今後の河川水質管理指標項目(案)とし、最低限測定すべきものとした。また、住民と連携していく項目を明確にするため「住民との協働による測定項目」と「河川等管理者による測定項目」に分類した。
指標項目(案)の利用上留意すべき点は以下のとおりである。
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@河川等管理者は、河川の特性や地域住民のニーズに応じて住民と協働して水質管理指標項目を定める。 A今後のデータの蓄積や将来的に得られる科学的知見の集積により項目の見直しを行っていくこと。 B他機関との役割分担とデータの共有など連携を図ることにより、効率的な水質管理につとめること。
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(2)評価レベル(案)【表−2参照】(PDFファイル 176KB) |
評価レベル(案)は、河川水質管理の視点ごとにその地点の評価を行うために利用するものである。また、必ずしも全ての河川区間に一律に適用すべきものではないため、当該地域や河川の特性、流域住民等の感覚に応じて評価レベルを設定することが望ましい。
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(3)適用範囲 |
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@平常時だけでなく、雨天時、渇水時も対象とする。 A感潮域や汽水域を除く河川を対象とする。
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4 今後の予定 |
今回提案した水質管理指標(案)については、全国のモデル河川において平成16年度に試行調査及びその結果を踏まえた見直しを行い、平成17年度以降に全国の一級河川で本格的に実施していく予定です。
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