1.平成14年度実態調査の概要
平成14年度は、全ての一級水系(109水系)において、水質212地点、底質213地点(一般監視地点及び重点監視地点)でダイオキシン類の調査を実施した(表−1、表−2、図−1及び図−2参照)。このうち、重点監視地点(過去に比較的高い濃度のダイオキシン類が検出されたことがあるなど、重点監視状態にある地点:26地点)においては一般の秋期調査に加え、冬期にも調査を実施した。また、平成14年度より、上記に加え新たに河川の感潮域(水質42地点、底質43地点)において調査を開始した(表−3参照)。
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2.一般監視地点及び重点監視地点における結果と今後の対応
調査の結果、水質及び底質のいずれに関しても、環境基準(水質:1.0pg-TEQ / L、底質:150pg-TEQ / g)を上回ったところはなかった。一方で、今後重点的に監視をしていかなければならない濃度の判断基準である「要監視濃度」(いずれも環境基準の2分の1)を上回っているのは、水質で9地点、底質で1地点あり、これらの地点では今後新たに「重点監視状態にある地点」として年4回の調査を実施し、監視を強化していくこととなる。
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3.過去に環境基準を超えた地点におけるダイオキシン類濃度の推移
平成11年度から平成14年度までの調査で環境基準値を超えた地点のダイオキシン類濃度の推移を表−4に示す。これまでに8地点において、水質の環境基準値を超える濃度が検出されているが、平成14年度までに、いずれの地点においても環境基準を達成している。なお、底質に関しては、これまでの調査で環境基準値を超える濃度は検出されていない。
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4.感潮域における結果と今後の対応
河川における特殊な環境を有する感潮域において、水質及び底質の状況を把握するため、平成14年度より、新たに調査検討を開始した。調査の結果、感潮域における底質に関しては、すべての調査地点において環境基準を下回った。 一方、感潮域においては、河川によっては潮汐等の影響で底質が強く巻き上がり、水質の分析に影響を及ぼす場合がある。今回実施した感潮域の調査に関しても、一部の調査地点において、底質の巻き上がりが生じていたことがうかがえる結果となっており、採水試料には強く巻き上がった底質そのもののダイオキシン類が含まれていると考えられるが、こうした状況下での適切な採水方法は確立されていない。また、このような試料の分析結果は、環境基準値設定の際の前提条件と状況が異なり、環境基準値と単純に比較して評価することは必ずしも適切ではない。このため、採水方法及び評価については、今後調査検討を実施し、常時監視マニュアル等に反映することとしている。 また、これらの調査と並行して、このような感潮域における生物に対する影響に関しても、関係機関と密に連絡をとりながら、さらに知見の集積に努めてまいりたい。
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表−1 平成14年度ダイオキシン類実態調査結果一覧表(一般監視地点 秋期調査)(PDFファイル 45.7KB)
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表−2 平成14年度ダイオキシン類実態調査結果一覧表(重点監視地点 秋期調査及び冬期調査)(PDFファイル 34.8KB)
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表−3 平成14年度ダイオキシン類実態調査結果一覧表(感潮域 秋期調査)(PDFファイル 35.9KB)
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表−4 平成11年度から平成14年度で環境基準値を超えた地点の濃度の推移(水質調査)(PDFファイル 11.1KB)
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図−1 平成14年度水質ダイオキシン類濃度ヒストグラム(一般監視地点+重点監視地点)(PDFファイル 11.1KB)
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図−2 平成14年度底質ダイオキシン類濃度ヒストグラム(一般監視地点+重点監視地点)(PDFファイル 11.1KB)
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【全国一級河川におけるダイオキシン類に関する実態調査地点】(PDFファイル 136KB)
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問い合わせ先 |
国土交通省 河川局河川環境課 |
課長補佐 |
宮藤 秀之 |
(内線35452) |
係 長 |
小野寺 秀明 |
(内線35483) |
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代表電話 |
03-5253-8111 |
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夜間直通 |
03-5253-8447 |
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