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河川局

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記者発表

第二次河川技術開発五箇年計画(概要)

〜21世紀の水循環・国土管理に向けた河川技術政策〜



1、21世紀の河川整備を支援する技術革新を目指して

○河川審議会答申「21世紀の社会を展望した今後の河川整備の基本
方向について」(平成8年6月)を踏まえた河川整備を支援する技術
開発を推進
 (基本理念)
  ・信頼感のある安全で安心できる国土の形成(安全)
  ・自然と調和した健康な暮らしと健全な環境の創出(環境)
  ・個性あふれる活力ある地域社会の形成(活力)
○その後の河川を巡る最近の社会情勢も考慮
 (例)
  ・「河川法」の改正(平成9年6月)
  ・蒲原沢土砂災害(平成9年12月)
  ・「公共事業の説明責任向上行動指針」(平成11年2月)

 河川審議会答申の基本認識

  • 流域の視点の重視
  • 連携の重視
  • 河川の多様性の重視(川の365日)
  • 情報の役割の重視


2、総合的な技術研究開発推進体制の強化

産学官の連携:研究開発に関する情報データベースの整備
新技術の普及促進:新技術に関する情報共有システムの検討
技術研究開発の評価の実施:社会背景の変化を踏まえた評価、
               フォローアップ

 研究開発に関する情報データベースの整備

  • 新技術研究開発については、基礎的・論理的研究から、現場における検証に至るまで、個々別々に進められているため、効率的な技術研究開発を行うためには、研究開発に関する情報データベースの整備が必要
  • データベース化にあたっては、データを集中管理するよりも、大学、民間企業等それぞれの情報データベースを例えばインターネットなどで相互に利用できるシステムを目指す。

 新技術に関する情報共有システム

  • 新技術を広く普及させるため、新技術を用いた成果、今後の課題等についての情報を共有するシステム等の検討が必要
  • また、官側は新技術を実際の現場で使う機会を多く確保するため、試験フィールドの提供や、各種パイロット事業の積極的活用を図る。

 評価の実施

  • 評価に当たっては、評価時点における社会背景の変化を踏まえて、今後の成果の活用のあり方及びさらに必要となる技術開発内容及び技術開発レベルを明らかにする。


3、技術研究開発の重点項目

○五つの主要課題のもと、11の重点技術研究開発項目を設定

 主要課題1:水の循環、土砂の連続性の保全

    1. 水循環管理のための技術
    2. 総合的な土砂管理に関する技術

 主要課題2:安全な国土形成と危機管理体制の充実

    1. 水害、土砂災害時等の予測、情報提供体制を高度化するための技術
    2. 治水渇水対策を高度化するための技術

 主要課題3:河川等の環境の保全と整備

    1. 河川、ダム、海岸整備における健全な生態系を保全するための技術
    2. 河川、湖沼における水質保全対策を高度化するための技術

 主要課題4:歴史・文化特性への配慮

    1. 地域の歴史・文化特性に配慮した川づくりのための技術

 主要課題5:アカウンタビリティの向上

    1. 参加型川づくりのための技術
    2. 事業を評価するための技術
    3. 技術基準の性能規定化及びコスト縮減のための技術
    4. 調査観測技術及びデータ収集・提供システム技術

4、重点技術研究開発項目の例

(1)水循環管理のための技術図−1

○水循環の望ましい姿を明らかにし、健全な水循環の保全に効果的な施策立案を可能とする技術などを開発することにより、水循環管理手法を確立する。

 (技術研究開発の必要性)

  • 人口の都市集中・産業活動の増大等により、降雨の流出、地下水等水利用形態などの水循環変化が生じており、健全な水循環を確保する技術開発は必要

  (技術研究開発の目標)

  • 健全な水循環保全のための効果的な対策の立案を可能とし、水循環管理手法 を確立する。

 (技術研究開発の内容)

  • 水循環の評価技術の高度化
  • 都市域等における諸活動が水循環に与える影響軽減評価技術の高度化
  • 地球環境変動が水循環へ与える影響の把握技術の高度化

(2)水害、土砂災害等の予測、情報提供体制の充実図−2

○水害、土砂災害等の予想精度の向上、情報提供システムの高度化により、避難等住民の的確な行動を支援し、被害軽減を図る。

 (技術研究開発の必要性)

  • 我が国は、大規模な水害・土砂災害が発生する可能性を、常に内在している状況にあり、避難等住民の的確な行動を支える技術開発は必要

 (技術研究開発の目標)

  • 高齢者の円滑な避難等を可能とするため、迅速な水害・土砂災害予測情報の提供を目指す。

 (技術研究開発の内容)

  • 平常時における災害リスク管理技術の高度化
  • 緊急時における災害予測、情報伝達技術の高度化

(3) 河川、ダム、海岸整備における健全な生態系を保全するための技術図−3

○河川、ダム、海岸整備にあたっては、必要に応じより効果的な対策を行い、環境への影響を軽減する。

 (技術研究開発の必要性)

  • 河川等における健全な生態系の保全に対する国民のニーズは高く、生物の生息・生育環境、地域の景観、親水性等の保全技術は必要

 (技術研究開発の目標)

  • 流域の変化、河川改修やダム、堰の建設等による生態系への影響を適正に評価し、それらの影響を低減する技術を開発する。

 (技術研究開発の内容)

  • 河川整備、流量変動、土砂移動が河川環境に与える影響の把握技術の高度化
  • 健全な生態系に関する評価、保全技術の開発
  • 環境影響の低減技術及び維持管理に関する技術の開発

(4) 地域の歴史・文化特性に配慮した川づくりのための技術図−4

○河川に求られている治水や利水の機能と整合を取りながら、河川に関係の深い地域の歴史・文化などの地域特性にあった川づくりの推進を図る。

 (技術研究開発の必要性)

  • 河川は地域の歴史・文化の形成に深い関りを持つことが多く、必要な治水や利水の機能と整合を取りながら、地域にあった川づくりを進めることが必要

 (技術研究開発の目標)

  • 伝統的河川技術や歴史的構造物の事例収集、分析評価を行い、河川整備への活用手法を開発する。

 (技術研究開発の内容)

  • 歴史・文化等地域特性を活かした河川計画手法の開発
  • 伝統的河川技術の活用

(5)参加型川づくりのための技術図−5

○住民に河川に関する情報を提供すると共に、河川の計画段階から管理段階までの広い段階における参加を求める「住民参加型川づくり」の推進を図る。

 (技術研究開発の必要性)

  • 「住民参加型川づくり」実現のために、高度な専門知識がなくとも川づくりに、参加可能な環境づくりのための技術が必要

 (技術研究開発の目標)

  • 容易に河川の状態が把握可能な技術を開発するとともに、計画等に住民意見を反映するためのプログラムを開発する。

 (技術研究開発の内容)

  • 簡易な観測技術の開発
  • 参加型事業推進手法


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