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河川局

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河川審議会について

河川審議会計画部会流域治水小委員会
第1回議事要旨


平成12年8月2日
建設省 第一会議室




    ○鹿島台では、昭和61年8月に吉田川の破堤によって洪水氾濫が生じ、町の4年分の一般 会計予算に匹敵する被害が発生した。鹿島台は仙台市から列車で35分の位置にあり開発のポテンシャルの高い立地にあるが、洪水の危険性が高いと開発も進まないため、従来の河川改修に加え、二線堤の整備など線的な治水対策だけでなく面 的な治水対策を実施している。

    ○総合治水対策協議会のメンバーの中には開発許可に関わる部局が入っていながら、調整池等の対策の担保ができないのは何故なのか。

    ○開発指導要綱に基づき対策を行っているが、必ずしも法的な位置づけがない。所有者が同一である場合には問題とならない場合が多いが、所有者が変われば問題となることが多い。

    ○都市計画法に基づく、開発許可申請は大規模開発のみ必要とされており、鶴見川の場合は、調節池の部分だけが第三者に譲渡され、その面 積が小さいため申請の網にかからず、対策の担保がとれないといった問題が発生した。

    ○計画を制度化することを最終の目的とし、中味を吟味すると、計画の変更という問題がある。現行法の中では、計画の変更の手続きだけが記述され、変更の要件については記述がない。流域の整備が暫定か最終か等について、苦心していることを勘案すると、要件を詳細に明確化するという制度にする必要がある。

    ○氾濫してよい地域と、してはならない地域を分けるといったゾーニングについては、生命にも関わることなので、通 常地形的な要素で決められる。ゾーニングは計画の中の非常に重要な道具になるが、地形以外の要素を入れてゾーニングすることの合理性を検討する必要がある。

    ○消防法の21条に消防水利の指定という条項があり、消防水利は所有者の承認を経て指定することになっているが、当該条項がどのように運営されているか調査することが必要である。また、消防法では19条(協議の規定)が削除されたが、どのような経緯で削除されたか調べることが必要である。

    ○流域治水の検討の中に現在の河川技術がどの様に反映されるのか。河川で実施する対策がないので、流域で取り組むということでは問題がある。現在の河川技術や計画技術で当時の総合治水対策がどうであったか検証することが必要である。

    ○既成市街地の対策について言えば、雨の降り方を考えて下水道との連携を十分行えば、相当の検討ができる段階にある。

    ○気象や雨の降り方のパターンが大きく変化しているが、これを前提として補完する努力が必要である。また、水害を許容して、安全確保のための予防体制をどうするかが問題である。このとき中山間地帯と平坦部(都市部と農村部)を分けて考えることが必要である。日本の洪水はピークの時間が短いので、氾濫による湛水時間を短くして被害を少なくすることも重要である。

    ○今後は市町村が防災対策を行うことを念頭に、防災事業や災害復旧事業を自治体が街づくりという観点から検討し、実施できるようにする必要がある。そのための財源を確保することも必要ではないか。

    ○水田から畑地へ転換すると遊水機能が低下するが、こういったこともあるので、農水部局との連携が大きなポイントになる。制度論を検討するのであれば、「流域」の概念を明確にする必要がある。

    ○農地については、洪水時に湛水防除事業が行われるが、その内水排除とこの流域治水の問題を調整する必要がある。遊水地等を設けることにより下流部の都市が恩恵を受けることになるので、下流の都市との連携をどうするかが重要である。

    ○流域において洪水に対する耐力がメッシュ毎にどの程度か明確にする必要があるのではないか。

    ○輪中堤や宅地嵩上げについて、時間や予算の観点から説明していたが、由良川などは堤防を築堤することにより、生活基盤である農地が潰れてしまい、守るべきものがなくなってしまう場所である。

    ○道路をつくった時は、便利になるところは地価があがり、逆に便利でないところは地価が下がるという可能性もあるが、一般 常識としてその点を責めることはなく、もっと便利にするということで収まっている。また、アウトプットをイメージしているものもあるが、もっとブレイクダウンして議論すべきではないか。

    ○戦後半世紀間で水害になりやすい場所で開発を行ってきた。土地利用の問題を解決する必要がある。全国の市町村で50年前と今の土地利用状況及び水害を比較し啓発していってはどうか。

    ○洪水の危険の度合いによって建物の規制を行う土地利用の規制、保険及び治水対策の3つをうまくリンクさせることによって、安全なところに人が住むようにすることが必要である。これらの例として、アメリカの洪水保険制度等が参考になるのではないか。




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