参 考
1) 利根川の東遷(付け替え)
治水や舟運等の観点から東京湾に流れていた利根川を改修し、銚子の方に付け替えたこと。
2) 水制工
河川の流れの中に突出させて水流を制御する工作物。舟運等のために適当な水深および幅を確保したり、流速を遅くして河岸付近の流勢を弱め、洗堀を防止して堤防や護岸の安全、河岸の侵食防止のために用いられる。
3) 輪中堤
一個あるいは数個の集落を洪水から守るため、その周囲を囲んだ堤防。
4) 水 屋
土盛りをした上に築かれた洪水時の避難用家屋。洪水があった場合、水が引くまで数日間、避難生活ができるように、米、みそ等の生活必需品が貯蔵されていた。
5) 霞 堤
勾配の急な扇状地河川で多く用いられた不連続な堤防のこと。洪水時には、不連続部から水が逆流して湛水するが、それにより下流に流れる洪水流量を減少させる効果(遊水池効果)がある。
6) 河畔林(水害防備林)
洪水流や氾濫流の流勢を弱め、堤防の破堤を防止したり、氾濫被害を軽減するために、河川に沿って堤防の内外あるいは堤防上に設けられた帯状の樹林帯。
7) 二線堤
本川堤防の背後に位置し、破堤等による洪水氾濫の拡大を防止する各種堤防。
8) 粗朶沈床
粗朶沈床は、粗朶(雑木の枝)を束ねたものを格子状に組んで石を詰め込んで川底に沈め、先堀の進行を防いだり、護岸の基礎として用いる工法。明治初期にオランダの土木技師が伝えたと言われる。
9) 横 堤
川幅の広い河川で河道内にほぼ横断方向に設置して、洪水を調節する堤防。
10) 聖 牛
水制の一種。木を三角錐に組んだもので、形が牛の角に似ているところから名付けられた。
11) 杭出し
水制の一種。多数の木杭を河床に打ち込んだもの。
12) 中条堤
利根川右岸の現在の妻沼町と熊谷市の間付近に設けられた利根川の治水の要の堤防。上流の利根川の氾濫水を一時貯留する効果があった。