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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第11回河川整備基本方針検討小委員会
(議事録)

平成16年4月16日


2.議事
安倍川水系、芦田川水系、遠賀川水系
河川整備基本方針について

(委員長) 本日は委員の皆様にはご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。それでは、議事次第に従いまして、安倍川等3水域の河川整備基本方針について、審議をいただきたいと思いますが、その前に前回の小委員会において審議されました石狩川水系の中で、支川千歳川の新しい治水計画等について、再度、事務局が説明を求めておりますので、補足説明をお願いいたします。
(事務局) まず、この石狩川水系の審議のため、地元に詳しい委員として、先日は○○委員、○○委員にご出席いただきましたが、きょう、ご説明申し上げますことは、ご質問になりました○○委員につきましては別途ご説明をして、一応、ご了解をいただいております。それから、○○委員につきましても同様のご説明を今後、する予定にしております。お手元の資料7、千歳川の治水計画というものをお開きいただきたいと思います。番号が後ろで恐縮ですが、A3横長のカラーのものでございます。千歳川の治水計画について、少し補足的整理をさせていただいております。
 まず、左側でございますが、一つのご質問といたしまして千歳川の治水計画を考えます場合、千歳川が合流します石狩川の水位をどのように考えているのかという点でのお尋ねがございました。
 1番に書いてございますように、千歳川の治水計画につきましては、結論的に言いますと、本川の高い水位を前提に100分の1の安全度を確保するということで考えてございまして、特性1というところに表がございますが、これまでありました実際の主要洪水の降雨、水位、被害状況を見てみますと、昭和36年から昭和62年まで幾つのケースが述べてございますけれども、各流域平均雨量、ピーク水位等、左側が石狩川の値だと見ていただければと思いますけれども、石狩川では、例えば昭和36年に152ミリが降っている、右側は千歳川で125ミリ。右のピーク水位のほうも合流点と書きましたのは注釈で書いておりますが、千歳川の洪水が合流しますときの石狩川の水位と見ていただければと思います。裏の沢というのは千歳川の基準点でございます。
 ここを見ていただきますと、石狩川の水位が高いときに千歳川の水位が高いという大きな相関がございます。下の特性2のところで千歳川流域と石狩川上流域両方の雨量についてグラフにしておりますけれども、非常に大きかった昭和56年のものも含めまして、そのような関係にございますので、当然、千歳川で洪水が出ますときに石狩川でも同じように大きなものが降っているということを想定して考えておく必要がある。
 治水計画上、石狩川全体からしますと、150年に1回の雨を考えているわけでございますけれども、少し小さな流域の千歳川としては、黄色でありますように100分の1で320ミリでございまして、それぞれがちょっと数字が違うように見えますけれども、両方が同様の形で大体生起している。過去に実際の上の表で見ましても同じような傾向がございますので、一番上に書いてございますが、石狩川本川の高い水位、実際の千歳川の洪水が来ますときに、石狩川の洪水は今の150年に1回の洪水が流れているものを想定いたしまして、そのときでも大丈夫なようにと考えておく必要があるだろうということで考えてございます。
 それから、今度に右側のほうに移らせていただきますが、2点目のお尋ねの部分でございます。お尋ねの中身は千歳川から石狩川に合流いたします際の合流部に過去、北海道と国の北海道開発局の委員会の提言で、合流部に締切水門というものが記述されていたわけでございますけれども、この取り扱いにつきましてお尋ねがございました。
 ちょっと振り返ってみますと、2番にありますように、従前の工事実施基本計画、千歳川放水路というものを考えておりましたものから、変えましたものが2番にありますように、千歳川放水路では水位を7.5メートルまで下げようとしたわけでありますけれども、作業のためにどこかへ水をはかないといけないということが、うまくいかなくなっているということで、従前の水位、9.5メートルまで戻すということでございます。
 3番にございますように、こういうことをいたしますと、当然、その水位に対して大丈夫な堤防にしないといけない。それもある程度の長時間にわたりますので、石狩川の堤防も地盤も含めたかなり強化された堤防でございますが、通常、バック堤と申しておりますけれども、括弧にございますように石狩川本川と同様の強度を有します堤防をつくるというようなことを考えまして、ちょっと下のほうに模式図が書いてございますが、堤防強化をしましたときに、千歳川の水位がこの9.5mよりもさらに上がらないように、遊水地というものを設けてやっていこうというプランでございました。
 1枚おめくりいただきますと、これの縦断図が書いてございます。左側が石狩川の合流点でございまして、右側の方が上流でございます。一番下の線が川底、河床でございます。緑の線で横一線に書いてあるような水位まで下げるプランであったわけでございますけれども、もとの計画の水位、昭和49年計画水位とございますが、ここまでは上げるというか、戻そうということでございます。ただ、それでもまだその上に洪水調節を行わないときの水位とございますように、そのままではいろいろなところがあふれてくるというのがございますので、この部分を先ほどありましたような遊水地でため込もうというものが基本でございます。
 5のほうは締切水門はどうだろうかというので、従前の平成11年から14年までに国と道でなされました検討委員会の中では、そのあたりはまだ細かいところまで詰めておりませんでしたが、今回、そのあたりの具体の検討を行ってみましたところ、左側のほうに字で幾つか書いておりますが、2つ目にございますように、大きな洪水のときには千歳川から石狩川に流れるだけで、石狩川から千歳川へ逆流することはない。その一番厳しいものでも昭和50年型で、毎秒200トンから300トンの合流ぐらいになっております。
 それが右側の絵で見ていただきますと、その例を示させていただいておりますけれども、上のほうが石狩川の合流点の水位でございます。この水位が上がると水が千歳川からはけなくなりますので、その分、大変になるわけでございますけれども、そういう石狩川の水位に対しまして、千歳川からはどのぐらい合流していることになるかというのが下のグラフでございまして、ゼロの線から上のほうへいっているわけでございます。一番ピーク時でも合流量としては毎秒200から300トン。ゼロよりも下のほうへ線が出ますと逆流をするということでありますが、そういうことは基本的にはない。同じようなことを昭和36年、37年、40年、41年、48年、56年という主要洪水すべてを行いましても、先ほどの同時生起等の状況もございまして、逆流をするということはございませんので、そういうのであれば、この締切水門というものは要らないということで、今回、計画の中で考えているわけでございます。
 前回、お話の中で、私どもの説明が不十分なことがございまして、そのときにこの合流量というのがどうだろうかという話で、ほぼゼロであるというお話を申し上げましたが、右のほうに幾つか流れを書いてございます。今、申し上げましたように毎秒200トンとか300トンぐらいの合流はあるわけでございまして、流れのことからすると右の絵の一番上、時間で見ていただきますと洪水の起こり始めは、最初、石狩川の水位があまり高くないところへ千歳川が来ます。右側のグラフは左側が合流点、右側へいきますと上流でございます。水位の勾配がありますと、水の流れは位置エネルギーで決まりますので、これでどんどん石狩川に安全に流れていくわけでございます。
 2番目、石狩川の水位も高くなりますと、水位全体が千歳川のほうも上がりまして、遊水地のほうへあふれ出す。石狩川の水位ピーク時には、最大毎秒200〜300トンぐらい合流いたしまして、その他は遊水地へ流すということで、右側のようにその計画高水位ぐらいになるということでございます。洪水のほうが終わりますと石狩川の水位が下がり始めます。こうなりますとまた千歳川の水が水面勾配、位置エネルギーによって流れやすくなりますので、遊水地の量を含めまして、だんだん低下させることができる。ここで出ました毎秒200トンとか300トンというのは、従前よりも石狩川本川からいたしますと、少し増加しているのではないかということがございますが、右下のほうに書かせていただいておりますように、従前の工事実施基本計画では夕張川付近にダム計画がございましたが、具体の夕張シューパロダム計画となりましたときに、ダムの場所ですとか、そこでで決めました操作運用等を考えますと、その200〜300トンぐらいのところをそちらのダムのほうで対応できるというのが全体の治水計画の検討の中でちゃんと確認ができましたので、そちらの対応で全体としては十分可能であるということで、今回の治水計画全体の整理をさせていただいたわけでございます。
 それから、お尋ねの3つ目にここのペーパーでは用意しておりませんが、ダムが存在いたします支川、特に北海道の場合は大きな支川でございますけれども、そこの計画高水流量だけが書いてあって、基本高水、ダムで調節する前の量が書かれていないものにつきましても記述すべきではないかというご意見も3点目としてございました。これらにつきましては、ここの説明資料の中に用意しておりませんが、実際の本文の中では、石狩川のこれらの支川につきましては、十分、大きな支川でもございますので、今回、記述をさせていただくようにしたいと事務局としては思っておりまして、委員長ともご相談の上、そういう整理をさせていただければと思います。ただ、従前から環境その他についての書きぶり等のご議論もございましたが、全国的な横並びとしてどういうふうにしていくかという整理も必要でございます。特に、もう少し小さな支川というのが本州その他では出てくるわけでございますので、この点につきましては、全体的な整理をしまして、またこの当委員会にこういうふうにしたらという案もお示しして対処していきたいと思っておりますが、今回の石狩川につきましては、前回、ご指摘いただきましたような形で大きな支川の基本高水、ダムでの洪水調節する前の数字も記述するという整理をさせていただければと思ってございます。
 私からは以上でございますが、もう一点、河道内の樹木伐採についてのお話がございましたので、治水課長からご説明させていただきます。
(事務局) 前回の小委員会で川の中の樹木、治水上、支障があるような場合もあるけれども、きちんと伐採をしていないのではないかという危惧のご指摘がございまして、全国的に全てどうかというところは不明ですけれども、きちんとやっている例をご紹介することは可能ですと申し上げました。その宿題のお答えということでございます。
 お手元の資料8をごらんいただきますと、具体事例の前に、実は平成10年6月に治水課長通達で樹木の伐採、植樹の基準というものを流しております。平成10年でございますからちょうど河川法の改正を受けた形でこの整理がなされたということです。基本方針と一般的基準とございますが、基本方針は植樹をする場合も伐採する場合も含めたトータルの樹木に対する方針でございます。一般的基準と書いてございますところは、特に伐採の部分だけ抜き刷りをしてここでお示ししております。
 最初の丸にございますように、樹木が治水上等の支障となると認められる場合には云々とございまして、順次伐採をすることを基本とするということに定めてございます。
 2枚目をごらんいただきたいと思います。具体の事例でございますが、石狩川の例でございます。下の左に図がございますけれども、非常に広大なエリアで伐採をしていかなければいけないということで、いろいろな色がついてございますが、計画的に年次を分けて順次伐採をしてきているということで、右が伐採前後の写真でございます。
 その次の3枚目をごらんいただきますと、東北の岩木川でございますが、左の写真で水色と赤に分けてございますが、2年間である区間を伐採したという例で、前後はまた右に写真でお示ししてございます。
 最後の信濃川でございますが、ある部分だけということでございますので、単発で1年間で伐採をした事例ということでございます。非常に広大な場合には計画を立て、単発のものは単年度でということで、こんな形できちんと伐採をしておるという状況のご報告でございます。
 以上であります。
(委員長) ただいまの補足説明でよろしゅうございますでしょうか。支川の扱いについては、事務局でまた皆様のところへ個別にご説明に上がると思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、安倍川水系等についての概要のご説明をお願いいたします。
(事務局) それでは、引き続きご説明をさせていただきます。最初、画像でヘリコプターから見たようなものを用意してございますので、そちらを見ていただいた後、ちょっと流域の特徴をお話しさせていただいて、どういうことが課題かということを説明させていただきたいと思います。
 本日、ご議論をお願いしております最初の川、安倍川でございます。安倍川につきましては流域が567平方キロメートル、幹線流量延長が51キロでございまして、下流は静岡市街地を流れている川でございます。見ていただくとわかりますように、非常に勾配の急な川でございまして、一番最上流部、大谷崩というのが、1707年の宝永地震のときの崩壊で、非常に大量の土砂の供給源になってございます。このため、このあたりで直轄の砂防事業が昭和12年から、これは土砂災害のときの被害の写真でございます。こういう梅ヶ島温泉街等を下りまして、山間部へ入っていきます。幾つかの砂防堰堤等の対策がなされてございます。
 だんだん下流へ下りまして、中流部でございますけれども、急流河川のため竜西橋が平成14年の洪水でこういうふうに壊れたような写真もごらんいただけるかと思います。大正3年に非常に大きな洪水がございまして、水色で塗りましたところがそのときの氾濫をしましたところです。浸水家屋8,000戸でございますが、ちょっとほかのところと違いまして、非常に急激な洪水がどどっと流れる、急勾配に従って流れるという大変な洪水でございます。これがだんだん静岡市の中心部のほうへ入ってございます。ここは昔からの霞堤です。、周りからあふれました、川にあふれましたものが、現在もそういうあふれました水を抑える二線堤として活躍しています。土砂が多いので、画面が速くて恐縮ですが、周りの河岸、堤防が土砂を含んだ洪水で単なる水が流れるだけではなくて、非常な破壊力を持って侵食していきます。それから、大量の土砂が出てきますので、今、見ましたような河床上昇が起きてございます。
 それから、ちょっと下流のほうへいきますと、土砂の川ですが、ところどころに今のような小さい森みたいなものが貴重な自然の部分になってございます。下流は左側、静岡市中心部、東海道新幹線、東名高速という主要交通のたくさん存在している、洪水防備上は非常に重要な川でございます。下流部はちょっと閉塞しているように見えますけれども、洪水のときにはそこからフラッシュされて支障がないという感じでございます。このあたりは非常に砂利採取の影響等がございまして、今の幾つかの写真が早くて恐縮ですが、河岸侵食を受けておりましたが、後で詳しくご説明しますけれども、砂利採取の規制、養浜等で大分回復してきているところでございます。
 ちょっと画像とこっちが行ったり来たりで恐縮ですが、資料2−1という資料がございます。安倍川水系の特徴と課題という資料をつけさせていただいてございます。A3が折り込んでありますが、開いていただきまして、A3の1枚目からごらんいただきたいと思います。
 左上にありましたように、画像でも出ましたが、一般的なほかの川、右側にあります天竜川とかという川も全国の中では決して勾配が緩い川ではないんですが、極端に、ほんとうに滝のように流れる川というのが安倍川でございますので、洪水の流れがそういう強烈な流れ方をするというと、相当な土砂を含んで流れるために破壊力が大きいということと、どんどん土砂が行きますので、それがたまって河床が上がったり、いろいろな被害につながるというところが、この川の大きな大きな特徴でございます。場所としましては、先ほど申し上げましたような静岡市を貫流し、重要な交通網のところを横断しているというものでございます。
 ちょっと時間の関係もございまして大変恐縮ですが、少し飛ばさせていただきます。先ほど画像で見ていただきましたものの資料が入れてございますので、またごらんいただければと思います。
 1枚おめくりいただきますと、大正3年8月の浸水の全体像、それぞれの土砂の災害、先ほどの大きな土砂を含んだ流れによります周りの侵食等の様子が、過去たくさん出ているものをお見受けいただけるかと思います。
 もう1枚おめくりいただきますと、先ほど来、大きな課題でございます土砂につきまして、ちょっとご説明させていただこうと思います。高度成長期の大量の土砂により河床が低下と左上に書いてある4ページでございます。ここは昭和30年代の高度成長期に、年間70万立方メートルの砂利採取が行われまして、その分、河床が低下しております。ちょっと下のグラフが見づらいかもしれませんが、一番左側が下流でございまして、上流までの何キロかというのが下の数字でございます。昭和30年というものを横一線の赤線で見ました場合、これから比べて緑線の昭和42年度は砂利採取等の影響がありまして、どんどん下がっております。一番ひどいところで最大2.9メートル、全体平均で1.3メートルぐらい河床が下がってございます。
 これでありましたが、ちょっとその後、砂利採取の規制等で、平成12年度は下流・中流部では、ある程度黒い線まで戻ってきておるというのが現状でございます。下のグラフは年代でございますが、昭和43年に直轄区間、下流部の主要部分につきましては砂利採取規制を行いました。それまでは赤い棒グラフのように年平均70万立方メートルぐらいの砂利をとっておりました。ここから規制をいたしましたので、先ほどの河床の低下というのは横ばいになって直っております。それから、またその後、上流の県の区間の砂利採取が行われていましたものも、現在、平成6年度はそれをやめてございます。
 これはそういう土砂の量が多過ぎても少な過ぎてもいろいろな問題を起こす部分がございます。こういう砂利採取をやめまして河床が戻ってきますと今、どういうことが起きているかというのが左下にございますが、砂利採取規制後には、今度は河床が上昇いたしまして、断面図や写真にございますけれども、川が中心的にどこを流れるかというのは一部分、低水路というふうに深く掘っているわけですけれども、そこが埋まってしまいます。そうすると川の流れは右へ行ったり左へ行ったりどこでも行くということで、結果、人家に近い堤防のところへどんどん行ったりいたしますと、そこが破壊されると大変な被害になるという心配をしております。
 右のほうには、そういうことで高水敷の被災とございますが、本来、掘られるところでないところに洗掘があります。一番右には海岸の侵食状況で、砂利採取規制になりました一つの大きな要因ではございますけれども、逆にとり過ぎますと、上は昭和59年の静岡清水海岸でございますが、それまでありました海岸べりが相当侵食しますと、ほとんど砂浜が見えなくなっております。これの先、もうちょっといきましたところが三保の松原でございますが、そういったところも従前の景観と大きく変わってしまった。砂利採取規制後で、下の写真は平成13年2月でございますが、正直にその分、回復してきます。これは規制だけではなくて、川の砂をこちらへ持ってくるということもしてございます。今、このままいきますと20年か25年に三保の松原までが昔の風景のとおりに戻っていくという状況かと思います。
 その次のページをおめくりいただきますと、今の特徴を踏まえまして工事の計画はといいますと、左上に工事実施基本計画というのが現在の計画でございますが、昭和41年につくられてございます。計画の安全度というのは80年に1回発生するかもしれない洪水、80分の1の洪水に対して対応するというので、流量としましては基準点で毎秒5,500立方メートルの値になっております。ただ、右のほうにちょっとグラフがございますが、昔、その当時につくられました計画でございますので、今、全国的にきちんとバランスを見てみますと、わかりづらくて恐縮ですが、上の丸い点々は計画の安全度でございまして、右側のほうです。左側半分ぐらいが150年に1回というところにはどんな川が存在しているか。筑後川がありましたり、最上川がありましたり、富士川がありました。もう一つ右側の低いラインは100分の1で、米代川、手取川、由良川という川が並んでいる。やはり県庁所在地にそれがありましたり、重要な日本の動脈があるというところに関すると、普通は150分の1ぐらいをとるべきものでございますので、結果的に見るとそういうふうにしたいということでございますが、周りの状況も含めてそうすることが妥当ではないかということをちょっと入れております。
 左下のほうには、昭和41年に決めましたけれども、最近見ましてもたびたびある程度大きな洪水が来ておりまして、下には被災箇所経年変化とありますが、ここの洪水というのは水がはんらんするというよりは周りを削っていくという被害でございますが、そういう箇所も近年も非常にたくさん出てございます。
 真ん中には基本高水の検討とございますが、大変恐縮でございますが、A4縦長、資料5−1「安倍川水系河川整備基本方針 基本高水等に関する資料(案)」というものがございます。これの6ページをごらんいただきたいと思います。ここからは、今の150分の1の洪水した場合、どれだけの流量を考えないといけないかというご説明をさせていただいています。6ページの下の4−4からまずは雨の確率を出しまして、計画降雨継続時間、大体、この流域で見まして12時間の洪水をカバーする。それに対しまして150分の1の雨というものを過去のデータを分析いたしますと、下には一般手法があるものですから、確率の手法としていろいろありましても、大体大きな差異はございません。一応、この平均値は383ミリということで、これを採用しております。
 7ページにはそのグラフがありますが、下には3番、対象降雨パターンの抽出というのがございます。今、ありました降雨量に合わせまして、過去の主要な洪水をちょっと平均的に全部計画の洪水まで伸ばしますと、一部分だけで見ますと非常に異常な値が出るものは棄却いたしますと、下の54年10月、56年8月、57年8月、58年8月、平成2年8月というものを検討パターンにしております。これを流出計算、貯留関数法でやっておりますが、8ページには既往の洪水でそれらの再現をコンピューターでやりますと、実際の線が点々で書きましたもの、計算が実線ですが、非常によく合っているというので、このモデルで大丈夫ではないかということであります。
 9ページはそれをもとに、先ほどの異常なものでないもので、みんな計算いたしますと、幾つかいろいろな結果が出ますが、昭和54年10月の洪水型を引き伸ばしました毎秒6,000トンというのがここでは一番心配をしないといけない洪水であるというので、これをベースに考えていくべきではないか。
 10ページはそれを別な角度での妥当性を見ております。先ほどは雨の確率でしたが、洪水が発生しましたときの流量で確率で見まして、これもいろいろな手法がありますので、その中の妥当な手法で見ますと、毎秒5,500トンから7,200トンぐらい、ちょっと振れ幅がございますが、これは確認でございますので、この中に入っているとそんな流量間でもおかしくないというものでございますが、毎秒6,000トンというのが妥当な値ではないか。
 11ページには、それを踏まえて、今度はもう一つ、既往洪水、過去実際にありました洪水で、下のグラフを見ていただくとわかるんですが、54年10月の洪水では、実績流量毎秒4,900トンでございます。これは実際の流量ですが、まだ山のほうが少し乾いておりまして、非常に前のほうで雨が降っておりますと、すぐにほとんど山がため切れずにどんどん出てくるというのがございます。これも実際にありましたもの、昭和40年9月の山の湿りぐあいの実際をちゃんととらえてやりますと、毎秒6,200トンの洪水が簡単に出てくるという状況でございますので、この点から見ましても毎秒6,000トンというのは妥当ではないかというので、12ページにはそれを150分の1、毎秒6,000トンでやるべきではないかということを書いてございます。使いますハイドロも先ほどのようなことで54年10型というのが基本になるかというものでございます。
 以上、別な資料のほうへ行きましたが、計画高水流量を毎秒6,000トンという、先ほどのA3判のカラーの資料にお戻りいただきたいと思います。そういうふうに考えてみましたものを少しつまんでダイジェストにしたものを入れております。ここでの特徴でございますが、計画高水流量が毎秒5,500トンでございましたのを確率を150分の1と上げますと、毎秒500トンだけが上がるわけです。これはどのぐらいかといいますと、ほぼ現況の河床を一部掘削いたしますと、洪水の流量としては無理なく流せる流量でございますので、その量を流す面ではちゃんとした管理をやるためのことをやれば、容易に到達できるものでございます。ここの問題は量が流れるというよりは、先ほど来、何回も申し上げております土砂を含んだ急流をどうディフェンスするかということでございまして、この点においては毎秒6,000トンであろうが毎秒5,500トンであろうが、基本的には大きな変わりがないものでございます。ですので、毎秒6,000トンで150分の1というのできちんとやっていくということが、量としては大事かと思います。
 今、申し上げましたように、もう1枚めくっていただきました6ページに土砂のほうで、こちらも非常に難物でございます。どういうことをやらないといけないかということで、左上に河道掘削というのがございます。先ほどのように土砂で埋まっております河道が低い低水路、洪水の中心が流れますところを定めようとしてつくっているわけですが、ここがどこかわからなくなって、あちこち水が暴れ回る。これを固定するために低水路の部分、下の絵で薄く黄色のところを河道掘削といいますが、それをきちんと設けてあげるということが大事でございまして、この部分は全体で約200万立方メートルの掘削が必要になります。この部分を掘っていくのは重要課題でございます。
 左の2番目にあります堤防の整備や強化、高水敷の整備とございまして、下の図のように堤防そのものにいろいろなエネルギーがかかりますので、細かいのはこれから整備計画その他で検討がされますが、趣旨としては表面をきちんとそういうエネルギーに対して大丈夫なように堤防のところもディフェンスするというのと、すそのところが特に重要でございますので、そのあたりもきちんと守る。それから、先ほどつくりました低水路のところもそういうのがちゃんと維持できて、流れが暴れないような形をしてあげる必要がある。
 右側には二線堤の管理、昔からできている二線堤は過去の生活の知恵でございます。この辺であふれましたものも急流でございますので、すぐ戻る形の幾つかのディフェンスとしての赤い線が二線堤でございますが、これをちゃんと保持して維持管理をしていこうということでございます。
 次を1枚めくっていただきますと、先ほど来の中心課題の土砂の全体のバランス、この安倍川水系の総合的な土砂管理計画というものはどういうものなのかというので、これをちょっとうまく書いていないんですが、今後20年間の量をバランスシートとして書かせていただいております。ですので、数字は20年分で見ております。左にありますように、上流からいきますと砂防事業によりまして、土砂流出の調整、急激に流れてこないための対策をたくさん計画してございます。
 2番目にございます河道の掘削。先ほど申し上げましたようなところで掘削量は200万立方メートルでございます。毎年17万立方メートルぐらいが入ってきますので、この分の20年間で見ますと340万立方メートルという結果、掘らないといけないのは、20年間で見れば540万立方メートル。
 高水敷整備、先ほどの低水路をちゃんと設けて高水敷をちゃんとつくるというので、実際、河川の中での再利用が210万立方メートル。
 右側へいきまして、海岸の養浜、先ほどの三保の松原まで含めましたところの海岸のところへ養浜でもっていっておりますのは、現在の実績等を踏まえまして年間約10万立方メートル、20年で200万立方メートル。あと130万立方メートルは現地のいろいろな産業のための骨材としてご利用いただく。その他、当然こういったことをやっていくための簡単で確実なレーザプロファイラ等での使用その他の工夫をいたしますが、真ん中の絵のようにトータルはオレンジで書きました540万立方メートルというのを、高水敷の整備等、中の事業で再利用するのが210万立方メートル。オレンジでいきまして骨材として一般社会の中でいろいろ使っていただくのが130万立方メートル。海岸部へ持っていくのが200万立方メートル。あと書いてございませんが、当然、掘削しないで川を流れてくるものがあって、大体、三保の松原まで戻りますのが大体20年間から25年で戻っていくということで、この全体の総合土砂管理計画というものを想定してございます。細部にわたりましては、今度の整備計画の中で具体化させていただきたいと思っております。
 それから、ちょっとお時間の関係でさっと行かさせていただきますが、次は、全く別な観点で水利用の状況はどうかといいますと、この川は場所的には静岡市のところにございますので、いろいろな水利用のニーズがあるところですが、川が先ほどのような土砂、砂れきの川でございますので、右のほうに瀬切れの状況という写真もありますけれども、通常、水が流れているところが表面上は非常に少なうございます。伏流といいまして、砂れきの下だとか中を流れている川でございまして、それでも水が要るということで安倍川の伏流水、ちょっと下にしみ込んだ水もとらえる格好で利用がされたりしてございます。
 一番下に河川整備基本方針の正常流量につきまして定めることになっているわけですが、今のようにほとんど伏流しているような川でございますから、ちょっとこのように伏流水なんかも合わせた調査検討をきちんといたしまして、今後、定めるとこととしたいと思っています。ここで何トンというのは十分使えるものかどうかというところをよく吟味する必要があります。水質は右のほうにございますが、ほとんどの場合、基準をちゃんとクリアしてございます。安倍川下流BODのところに一部2つぐらい高い値が出ていますが、これは渇水の年で、先ほどのような川の流れでございますので、ちょっと特異点としてぽんと高くなっておりますが、全体的に水質は大丈夫です。
 基本的にこの辺の水はどうするかということでございますけれども、新たな取水は行わないで、現状を維持していくというのを基本線に置いております。
 その次の9ページでございます。こちらは自然環境と河川利用でございます。ちょっと水がない川でございますので、水辺の生物は非常に少なうございます。一部下のほうの例が左側にございますが、下流部のところで一部湧水から起こりますようなクリークですとか、砂れき河床といったところに特徴的なものが見えてございますが、全般的には水そのものがないような感じでございますので、できる限りのことはしておきたいと思いますが、そういう特徴はございます。
 あと、静岡市の近くでございますから、人と川とのふれあいの確保だとか、幾つかの景勝地、滝、大谷崩、川の中にこんもりと木枯の森とかというのがございますけれども、そういったものも大事にしていこうということでございます。
 以上、さっと雑駁にお話ししましたが、表紙、A4の分をごらんいただきたいと思うんですが、今のようなカラーの資料は用意しておりませんが、ここの特徴の一つに、一番下に書きました東海地震などへの対応というのがございます。東海地震などの震源地に非常に近い場所でございますので、実は、東海地震の新しい震度分布とか津波の分布も詳細にわかるようになってきておりますので、これに合わせて今、検討しております。
 結論から言いますと、津波に対する高さはみんなございますが、非常に強い震度を受ける、揺れを受けるところの堤防でございますので、耐震化につきましては検討、点検をしておりまして、必要な対策を計画をつくってやるようにしております。
 それから、静岡の町中でございますから、緊急河川敷道路を、緊急時のいろいろな救援活動等に使うということで、今現在、下流部で7.5キロぐらいが整備されておりますが、さらに必要区間の整備を進めているということで、この辺もひとつ安倍川の置かれた特徴でございます。
 今、ご説明差し上げました基本高水につきましては、A4縦の資料でお話しさせていただきましたが、もう一つ、資料6−1というのが流水の正常な機能を維持するための流量につきましての資料でございます。これは5ページをごらんいただきたいと思いますが、そういう特徴のある川でございますので、5ページの表は非常に欠測がたくさんございます。量そのものがはかれない、それは若干流れているんでしょうけれども、どんどん流れる場所が変わっておりますので、正確にそれがはかれないというような川でございますので、先ほど申し上げましたような状況で、この辺の資料だけはまたごらんいただければと思いますが、先ほどの大きなA3の中でお示ししたようなことの少し細かいデータを入れております。どちらにしましても伏流水その他を含めて今後、検討していこうとしております。
 ちょっとお時間の関係で、次の芦田川のほうも説明させていただきたいと思います。
 芦田川でございますが、広島の東に重要な非常に大きな福山市という、そちらを流れている川でございます。全体が860平方キロメートルでございますが、上流のほうから非常にたくさん周辺に人が住んでおられます。上流には三川ダムという農業目的に昭和35年につくられたダムでございますが、こちらからずっと山間を抜けてきます。この下に八田原ダム、平成10年に完成しております。洪水対策とか水道・工業水その他の多目的ダムでございます。この後、河佐峡というこのあたりでは非常に自然豊かな名勝がございまして、いろいろな川でのキャンプだとか川遊びだとかがされています。
 それからしばらくいきますと、一つの狭窄部で目崎地区というのがありますが、ここは非常に狭くなってございまして、洪水の対処をしようちすると山のほうをばさっと切らないといけない。目崎地区というのは平成10年のところでも計画高水位を少し超えた量をしております。この目崎の狭窄部を下がりますと府中市に入ってございます。まだ中流部にもこういう大きい都市はございまして、後で出てきますがいろいろ水質等の問題は難しい川でございます。
 このあたりから福山市のほうへ入ってございますが、福山市のほうへ入りますと、支川の高屋川というのが家庭雑排水等を含めた川でございますので、それらの原因で水質の汚濁が問題になっております。左側が高屋川で右側が芦田川ですが、合流しますところに河川浄化施設をつくったりいたしまして、全体の水質改善を図ってきてございます。
 だんだん下にいきますと山陽新幹線その他がございますが、過去、河道の掘削等を行ってこの辺の洪水対策を進めてきてございます。一番下流部で芦田川河口堰というものがございます。これは洪水の疎通能力の増大とこのあたりの都市用水の供給ということでつくられたものでございます。
 ちなみに福山市は現在、人口が40万という非常に大きな都市になってございます。ここで一たん切らせていただきます。あっち行ったりこっち行ったりで大変申しわけございませんが、芦田川の特徴につきまして、さらっと説明をさせていただきます。
 資料2−2でございますが、2ページをごらんいただきたいと思います。今、さっと見ていただいたように、過去幾つかの洪水がありました中で、現在、昭和45年ぐらいに、左側に書いてございますが、確率で100分の1で基本高水のピーク流量が毎秒3,500トン、うち毎秒700トンをカットして計画高水流量が毎秒2,800トンという計画で治水対策が行われております。先ほどありました八田原ダムが平成10年に完成しておりますので、上流で洪水をカットする計画の毎秒700トンというのは、これで一応、完了してございます。こういう状況でございます。平成10年10月に洪水が発生してございまして、ダムがなかった場合、周りに全部あふれておりましたところが狭窄部ですが八田原ダムの洪水調節の効果で水位1.2メートルぐらい、下がってぎりぎりになっている。一部ちょっとオーバーしているぐらいです。当然、もうちょっと大きな洪水が想定されておりますので、平成10年のものでもぎりぎりにはなっておりますが、それなりの効果は発生してきているというものでございます。
 右側の表に、先ほど来見ていただきましたような狭窄部があって、それからその後、大体、掘削で河積が拡大された地区になってございます。ちょっと特徴的な話で右下にございますが、草戸千軒というものがございまして、芦田川河口堰の湛水域の中に過去の遺跡がございます。これにつきましてもこれまで保存と掘削についての検討委員会が設けられまして、平成9年に一度結論を出しておりまして、一部、掘削をいたしますが、大枠の草戸千軒が残る形で保全をするということで事業が進められてございます。
 1枚おめくりいただきますと、芦田川の洪水の特徴は先ほどのようなことであります。今度は水の利用についてでございます。芦田川は特徴といたしましては、瀬戸内全体に水がないんでございますけれども、左側の一つ目の黄色にありますように降水量が非常に少なうございます。全国の中でも少ないんですが、見づらくて恐縮ですが、広島なんかと比べても少ないんでございます。広島は上流のほうが日本海に近いという特徴があるんですが、芦田川はそういう地形関係でもないということで、非常に降水量が少ない。
 次にありますように、流況を見てみましてもグラフのように非常にほかの川よりも少ないというのが、中国地方の瀬戸内でも少ないというのが見てとれます。ところが、水をどう利用しているかといいますと、実に88%がそういう水利用に利用されてございまして、これも瀬戸内のほかの川と比べても非常に大きな利用がされている。ある種、この地域の社会経済を支えてきている川でございます。
 右上のほうにはこういう状況の中で、これまでの渇水はどうだったかというのを見ますと、たびたび渇水が生じてございます。非常に長いものでは約1年に近いものもございますが、平成8年ぐらいまでは三川ダムだけだったわけでございます。これが農業用のダムでございますが、この後、八田原ダムができましたことで、ちょっと右下にもございますが、全く同じではないと思うんですが、平成6年と平成14年に似たようなぐらいの雨が、時期が違いますが、大体見ますと同じようなものでございます。これらのうち、大体、水道は30%が制限だったのがゼロになりましたり、工業用水やかんがい用水もそういうものがかなり軽減されたりという効果は出ております。
 水の関係になりますと、水利権上、量的なものとしては充足しておると伺っております。問題はこういう瀬戸内の川でございますので、全体的に非常に厳しい低い安全度でございまして、これらにつきまして水利用の合理化で今後対処していくと地域では考えているところでございます。
 1枚おめくりいただきますと水質でございますけれども、これも今のような雨が少ないとか、流域にたくさん人がいるというのは大きな特徴でございますので、その辺のデータをつけてございますけれども、真ん中下に芦田川水質の変遷がございます。ちょっと見づらくて恐縮ですが、左側から昭和58年、右側が平成14年です。上に地図がちょっとありますが、このグラフの中の一番下、ちょっと見づらくて恐縮ですが、府中大橋というのは高屋川が合流する前でございますので、ある程度きれいなものでございます。それに対して高屋川というのは一番上の非常に水質が悪うございます。全部合わせましたものがちょうど赤い丸、芦田川山手橋というのが見ていただくとわかりますが、それらが合流しましたところでは環境基準を大きく上回ってきております。そのため、清流ルネッサンスなどいくつかの計画をつくりまして、一番上に写真でありますような高屋川という川への浄化用水で希釈をしてやろうと。それから、真ん中上の写真は浄化施設をつくりまして、一たん汚い家庭雑排水を含んだものを浄化施設に取り入れて、きれいにしてからもう一回高屋川へ返す施設。それから、今度は一番下流部に芦田川河口堰がございますが、ずっと水がとまっておりますといろいろな汚れの助長があるということで、少し雨が降りますようなときをちゃんととらまえまして、上流の流量が多くなりますときに操作をフラッシュというか、一たんドンと流すような操作をしておりますものを近年行ってきてございます。平成13年から行って効果というのを見ておりますが、BOD、トータルリン(TP)の低下効果がかなり相当に見えております。
 1枚おめくりいただきますと環境とか利用でございますが、芦田川はかなり周りに社会生活が営まれている川でございます。そういうところもございまして、非常に特徴的な生物がいるというところではございませんが、川辺、先ほどの渓谷の河佐峡のカワガラス、ヤシャゼンマイがありましたり、河口堰下流の干潟、今の河川の分と違うかもしれませんが、こういうシオマネキ、スナガニ、ハゼなどがおります。本川の中下流部では、メダカとかアユとかゲンゴロウブナがいるという川でございます。周りにたくさんの人が住んでおりますから、流域の住民の方と一体となった川の管理、川へのかかわり、ここを使った環境の学習の場を提供する。先ほどの浄化施設なども実際に子供たちが水質を単に聞くだけではなくて、それを調べたり、いろいろ細工ができるようなことをやって非常に好評を得ております。
 一番下の芦田川河口堰の場合、非常に長い湛水区間ができました。直線で来ておりますので、ここは有名な漕艇コース、レガッタとかのコースになって、アジア大会などでも使われている場所です。
 それからちょっと右上のほうに、人々が水と緑に親しむ憩いの場というところで例示がありますが、歴史的にもいろいろな治水対策、砂防対策がなされておりまして、こういう江戸時代の砂防技術のありました跡も見られるというようなところでございます。
 以上、ちょっとさっとお話をさせていただきましたが、先ほどの安倍川と同じように流量等につきましてお話をさせていただきたいと思いますが、資料5−2の10ページをお開きいただきますと、グラフが載ってございます。おわかりでございましょうか。10ページに山手地点年最大流量というのがございます。これのページより前、6ページから9ページには現在の計画のことが書いてありまして、時間の関係でご説明申し上げませんが、またご確認いただければと思います。
 現在の計画の後、どうだろうかと見ますと上のグラフでございまして、一番左が昭和20年のものを基にこれまで計画がつくられてきておりますが、その後もそれに近いようなものというのは出てきておりませんので、基本的にはこのあたりを変えていくような必要性が、実際の発生した洪水の中では出てきていないだろうということで、今まで出ておりますものが大体妥当な線かどうかという検証を、11ページからでございますが、一つは流量の確率、降雨の確率は前のページに載っておりますが、そこで出てきました流量が、流量確率としてもどうかというものをいろいろな手法でやっています。そうすると、いろいろな手法の中では、大体毎秒2,500トンから毎秒3,600トンということで計画の流量がこの中に入ってきておりますので、妥当なものではないかと思ってございます。これで決めているのではございませんので、レンジ(幅)の中に入っているかどうかというものを確認をとっているのでございます。
 12ページは実際にありました既往の洪水で、幾つか検証をしてございます。ちょっと最近のいろいろな技術レベルも上がってきてございますので、いろいろな再現計算もできるようになっております。一番上のところ、ちょっと細かく書いてございますけれども、降雨はどうだっただろうかというので、最近の降雨記録がありますものの中では、昭和20年9月が最大の洪水と考えられてございまして、これから戻して流量としてどうかといいますと、毎秒3,200トンというのが現在の技術的な計算をいたしましても出てきます。計画の流量近くのものがこういうところで出てきますし、2番では計画降雨量がどうかというのを見ております。今まで217ミリを計画では使っております。100分の1の確率雨量等を見ますと、大体、現在のいろいろな詳細のデータを見ましても211から222ミリということで、やはりこれもほぼ妥当なものではないかと思われます。
 3つ目は、最近の洪水である平成10年10月というごく最近の洪水でもちょっと出しておりますと、これを実際の計画しています雨ぐらいまで降ったらということをやりますと毎秒3,500トンぐらいが出てくると。こういう点でも毎秒3,500トンぐらいというものを見ておくということは妥当であったんではないかと思っています。ちなみに、ハイドログラフは13ページにありますものが、いろいろな新しくなりましたデータで、平成10年のデータを今後使っていこうということにしてございます。
 恐縮ですが、資料6−2が流水の正常な機能の維持のための流量の資料でございます。こちらも同じく10ページをごらんいただきますと、河川法なりその施行令にございますような検討項目というのが下の表でございますけれども、動植物でどうだ、観光でどうだというのをそれぞれ出してございます。ちょっと内訳の説明まで省かせていただきますが、毎秒1.2トンぐらいが必要だということで、ここでは毎秒1.2トン、結果は現行と同じでございますが、計画の流水の正常な機能の維持、目標の流量とするのが妥当かと思われます。
 ちょっと駆け足で大変恐縮ですが、その次の遠賀川までさっとお話をさせていただきたいと思います。
 遠賀川は、北九州、福岡の北部の川でございまして、1,000平方キロメートルぐらいの流域面積がございます。見てわかりますように、たくさんのまちがございます。流域の人口密度が650人/km2という非常に高いというのが大きな特徴でございます。上流にわたりますまでたくさんの人家が広がっているというのがこの川の特徴でございます。一番上、飯塚市で穂波川と遠賀川が合流いたします。ボタ山も見えますが、過去もいろいろ水害を受けていますけれども、平成13年、15年に非常に大きな水害を受けたりしているところでございまして、ここでその被害の場所が色塗りをされている場所でございます。平成15年の洪水は大体、床上で2,000戸、全体で4,000戸ぐらいの浸水が出ている状況でございます。
 これをどんどん下っていきますと直方市のほうへ入ってまいります。下の直方市へ入っていくところの右側にございます彦山川という支川が合流します。この支川と本川は同じぐらいの規模の川とごらんいただければと思います。基準点はそういう意味もありまして、合流しました後の日の出橋のところを基準点にしてございます。これは昭和28年に非常に大きな洪水がございまして、このあたりで破堤してたくさんの被害を生じてございます。全体的に非常に人のたくさんのかかわりがある川ですが、川の中にちょっと中ノ島みたいなのがございまして、そこがちょっと隔絶された自然空間というので、今のカヤネズミなど貴重な動物がいるということでございますが、全般的にはあまり特徴的な生物が少ないほうの川かとは思います。
 ずっといきますと、一番下には遠賀川河口堰がございます。昭和55年に完成して、洪水の疎通能力の向上、洪水が流れますようにというのと、水道、工業用水、北九州市まで含めましてここからの水で賄われているというのがこの川の概括でございます。
 恐縮ですが、また資料2−3をごらんいただきたいと思います。A3のカラーのような資料でございます。1枚おめくりいただきまして2ページですが、今のようなことでの治水対策はどうかと見ますと、過去、幾つかの洪水が出ております。その中で昭和10年ぐらいが毎秒4,500トンぐらいの洪水が出て、計画高水流量に近いような洪水が出たりしていますし、近年は先ほど言いました13年、15年に洪水が出ています。施設はどうかといいますと、堤防は大体9割方できているというか、完全にできているのは8割方ぐらいでございます。
 今後、何が残るかといいますと、河道内の掘削です。ちゃんと水が流れます掘削は要るんですが、後でちょっと詳細なものが出ますが、これだけたくさんの人が住んで、いろいろな水利用がされていますので、固定堰がたくさんございます。単に掘削するだけではなくて、その堰をどうするかというのがこの川の大きな課題でございます。
 右側にも先ほどの13年、15年の洪水のことをちょっとつけさせていただいております。特徴として少し局地的な豪雨が、ここに限らないんですが、近年、出始めております。
 次のページでございますが、治水対策、先ほど申し上げました堤防は9割ぐらい済んでいる中で、大事なことは河道の中をきちんと掘削をしていくということと、そのための阻害になりますというか、そのものも阻害になっています固定堰の改築というのが大きな課題でございまして、下の絵にあります赤い縦に書いてあるところに固定堰がどんどんとあるわけでございます。このため、計画の流量を流しますと、上のほうの線が水位でございまして、計画の水位を超えているところがピンクとベージュ、そのような地区であふれるおそれがあります。この中でも大きなものが新日鐵堰、鯰田堰というのがございます。
 右側は参考でございますが、15年の出水の改修をやっておりますが、これも緑とか紫で書きましたように、掘削を主体にして、周りが内水被害が非常に多うございましたので、それがうまくはけるように河道の掘削を行って、水位を下げるということを行ってきているわけでございます。
 1枚おめくりいただきますと、今度は水利用はどうかということでございます。これは周りにたくさんの社会生活が営まれている場所でございますので、高度な水利用がなされております。北九州都市圏の都市用水としてのかなりの部分を賄っているわけでございまして、その辺のグラフ等が見受けられます。取水地点その他のことはいろいろ書いてございますが、右側のほうにそれに対しての渇水の状況はというのをつけさせていただいております。真ん中ぐらいの主要利水者である北九州市の渇水被害状況にありますように、昭和33年、35年、42年、43年、53年という感じでずっと続いてものができております。55年にある程度、遠賀川の河口堰で水が潤ってきておりますが、その後も非常に大きな平成6年の渇水などではまだ渇水が出ています。
 ただ、状況といたしまして水利権量といいますか、量としては今の遠賀川河口堰などの開発で、補助のダムもございまして整ってきてございますので、あとは安全度をもう少しどのようにしていくかということで、現在、水の利用の合理化、下水処理水の有効利用、ダムの運用の見直し、もう少し効率的に使えないかということで何とか乗り切ろうということで今、地元でお話をされているところでございます。
 次のページでございますが、今度は水質のほうを見ていただきますと、これは今のような社会生活がたくさん営まれている川ですから、当然のことながら水質が悪うございます。そういうことで幾つかのところで河川の浄化施設をつくりましたり、下水道整備をみんなで協力して、清流ルネッサンスということで下水道、河川、流域の人々みんな一緒になりましてやってきて、若干、よくなってきているかもしれません。
 右上にオレンジのグラフのように、大きく見ると少しずつ下がってきている、効果は出ていると思います。これらにつきまして、地元ぐるみで清流ルネッサンスUということで、今、さらなる飛躍をしようとしております。
 それから、最後のページでございますけれども、遠賀川はたくさんの人がおられますので、そこでの利用、環境というのはどういうことかということでございます。一つは、左上にございますように河川空間、古くからの河川整備にされました部分の高水敷が多いということは、ある程度、利用としてそういうところがまだ使える。それから先ほどありました河口堰の湛水域、これは芦田川も同じでございますが、それを利用した水面の利用が非常に盛んになってございます。それから、地域の住民団体、例えば直方川づくり交流会等の活動、その他、人々と川とのかかわりみたいなものがいろいろな努力で芽生えてきたりしています。幾つかの写真が左側に載せてございますが、レガッタが行われましたり、環境教育として川に身近に接する活動みたいなものがなされましたり、チューリップフェアとかクリーンキャンペーンと川下りを合わせたようなものとか、祭りとかそういうものがございます。
 右側は自然の環境でございますが、そういうちょっと市街地の川でございますので、人の利用が進んだ川ということでございますが、上流域では先ほどの少し上流部の水たまりみたいなところでアサザが生育しておりましたり、彦山川の流域では、オヤニラミも発見されましたり、汽水域に幾つかの生物も見られたりしておりますが、全体的にはあまり現状、生物が豊かな川ではない。ただ、真ん中に中ノ島という貴重な全体の社会と途絶しました中ノ島がございます。ここには一般的利用はあまりないということで、ここでのオオシシウド、ホンドカヤネズミ、こういうものを貴重に保全して、一つの案としていろいろな委員会でやっております絵を下のほうにつけさせていただいておりますが、こういうところはこういうところでさらによく豊かなものになるように関係機関と合わせて工夫をしているという状況でございます。
 大変申しわけございませんが、あとちょっとだけ恐縮です。先ほどの資料と同じように、資料5−3から、基本高水に関します資料でございます。これも先ほどの芦田川と同じように10ページまでのところで、これまでのどんなふうに出してきたかのおさらいを入れております。ちょっと省かせていただきます。   状況でいいますと11ページの上のグラフのように、昭和10年という大きなものがございましたが、その後、それに匹敵するようなものはあまり起きていないということもございますので、大きく計画を見直さないといけないということはございません。そういうこともございまして、今までのものが一つの雨の確率処理等はいいんですが、ほかでも最近できるようなことについてはどうかというのを検証しております。
 12ページにはその一つとしまして、いろいろな手法にプラスアルファ、流量確率のことでも検討してみました。これは幾つかの確率処理をいたしましたものを、大体、毎秒4,400から毎秒5,000トンぐらいです。ここの計画高水流量が毎秒4,800トンでございますから、流量確率としてみましても非常に妥当なものだと思われます。
 13ページは既往の洪水、特に最近の洪水などもとらえまして、実際は雨の降り方で相当変わるものですから、事前に流域がある程度湿っておりますと、森林などもほとんど水をたくわえず洪水は流れていきますので、そういう実際に必ず起きる状況を重ね合わせてみますと、結果は一番下にございますが、雨のほうとしては、昭和10年ぐらいの洪水流量としての雨が来ますと、平成9年ぐらいはその前からジグジグと雨が降っておりました関係で、専門的で恐縮ですが、損失雨量10ミリということで、かなり水がたまっている。そういうものを見ますと、大体毎秒4,797トンという上のグラフがございますが、計画の流量と同じぐらいのものが確実に出る可能性があるというようなことでございます。
 ということで、現在の毎秒4,800トンをそのままきちんと着実にやっていくのがいいのかなと思います。14ページにはそこで使いますハイドログラフを載せさせていただきました。
 それからもう一つ、正常流量につきまして、資料6−3の15ページでございます。決められました各項目の検討ごとにどれぐらいの水が要るだろうかということを出してございます。非常にいろいろな水利用があります。苗代、代かき、普通期にそれぞれ分けまして、それの影響を受けます。結果、決まっているのが動植物の保護・漁業というところでございまして、その下のBに流水の清潔の保持とありますが、このあたりは実は先ほどの遠賀川河口堰の湛水区間の影響を受けますので、BODの値は書いておりませんが、単純にBODという評価は難しゅうございます。参考値としてはこのぐらいだということでございます。
 結果といたしますと、代かき期においては、下の水質の項目を見ましてもおおむね毎秒10トンぐらいが下流の基準点のところで確保されている必要があるのではないかというものでございます。
 今の資料に例えば、18、19ページをごらんいただきますと、川の縦断でございます。左側が一番河口部でございまして、一番右が上流でございます。流量でございますが、これだけ非常にたくさんの水利用がなされていますので、一番下流部で魚道として川の連続性を保つ流量が堰で確保してございますが、それぞれの地点で利水があるものを足し算いたしますと、結果として日の出橋では毎秒10トンになっているという位置関係にございます。
 以上、お時間をかけてしまいまして大変申しわけありません。かつ、説明も雑駁だと思いますが、ご説明をさせていただきました。
(委員長) ありがとうございました。ただいま安倍川等3水系の特徴や課題の紹介がございました。ご意見、ご質問などがございましたら、順次、ご発言をお願いいたします。
 ○○委員。
(委員) 安倍川の資料によれば、8キロ付近の河床が低下しています。もちろん8キロより下流は上昇していますし、上流の指定区間では河床低下をしている等、特徴的な土砂移動、河床変動の状況を呈しています。
 8キロ付近は河道が狭くなっており、その8キロより上流は土砂がたまるようになっているし、狭いところで河床が低下しており、さらに下流へ向かって藁科川の合流点から下流でまたたまっている。説明があったように堤防強化とか河道掘削、あるいは土砂収支の制御を考えるというのは結構なことだと思うんですが、この川は8キロ付近に一つの特徴があり、基本方針といえどもこの川の土砂移動のモニタリングが大事になってくるんじゃないのかなと思います。今回の提案は大体20年ぐらいの期間を想定して、土砂収支を数えて、こんな対策ができそうだとことですが、20年じゃなくて永遠にといったら変ですが、整備が行われるまでに相当長い時間がかかるわけです。砂利採取をやめると土砂がたまるということですし、もう一つは指定区間で河床が下がっているというのは、上流のほうの土砂の生産のほうはかなり落ちついてきているのかなと思う反面、支川から出てくる土砂について、治山の関係等、いろいろ大きな課題を持っています。
 個人的な話ですが、安倍川を10年ぐらい勉強させてもらって、川というのはこんなにおもしろいものかということを知って川の勉強をするようにまりました。その当時から見て、安倍川の問題は、何も変わっていないようですし、今後もこういう傾向が続くと思います。ここに提案されたものは大筋において問題がないと思います。しかし、基本方針といえども、この川の土砂収支のモニタリングをどうするのかということは、考えておかなければいけないかなと思いました。
 以上です。
(委員長) 何か特にありますか。
(事務局) そのように意識しておりまして、本文の中でも工夫をさせていただいております。ちょっと十分か不十分か、また本文のほうのご意見もいただければと思っております。
(委員長) ここでせっかくですが、専門委員でご参加いただきました○○委員にひとつご発言をお願いします。
(委員) 芦田川の下流に位置しておる福山市ですが、先ほどのご説明にもありましたように、全国で一番雨量の少ない地域であります。年間雨量1,200ミリ程度で、全国平均で3分の2程度の雨量しかありません。それに半面、今、ごらんいただいたように芦田川流域にはたくさんの人口が集中しておりますし、工業もJFEの世界一の規模の製鉄所があります。シャープの工場等、大企業も立地しておりまして、水利用は八〇数%利用しているという状況でありまして、今、一番我々が課題としてきたことは、洪水対策では河道の整備をしていただくということで、どっと土砂が堆積して中州ができまして、それも大きな雑木が生えて、直径二、三十センチになったような雑木がたくさん生えている。その河道整備を我々は国にお願いしたんですが、環境団体、特に野鳥の会とか漁協が中州をとると魚の産卵場所がなくなるとか、野鳥の巣ごもりをする雑木がなくなるということで、それを残せという話がある。いろいろ関係団体や業者や学者に入ってもらって何年かかけて議論をして、河道の整備は大体やっていただきました。相当の費用、30億円ぐらいかかったんではないかと思いますが、大体、かなり河口から15キロぐらいさかのぼった地域まで河道整備をやっていて、まだまだ残っておりますが、洪水対策はまあまあ安心できるんではないかと思います。
 それから、八田原ダムが平成10年に完成いたしまして、洪水対策と上水、工水、農業の確保ができて、平成6年の大渇水がありまして、四十何日、24時間断水、12時間断水をやりまして、去年の春、平成6年と同じぐらいの雨量だったんです。これはダムのおかげで何とか切り抜けました。
 河口堰がありますが、大体、8万6,000トンぐらいの日量、工業用水専門で取水しております。それがアオコが出たり、水質が汚染しておりますからいろいろ議論があって、芦田川の支川の合流点へ浄化設備をつけていただきました。これは58億円ぐらい直轄でやっていただきまして、処理能力約4万トンぐらいを処理して、高屋川が一番汚染をしておるんですが、その流量の約3分の1程度ではないかと思うんですが、処理をしてもう一回川へ戻す。ですから、この能力をもうちょっと上げられないかということも考えて、お願いしたいんですが、そういうことで芦田川の水質は中国地方一級河川、14あるんですが、その中でワースト1を18年ぐらい続けておるという汚名を返上した、と思っていろいろ清流ルネッサンス21や、清流ルネッサンスUということで、平成14年から始まっておりますが、水質の改善がなかなか難しいということで、いろいろ苦労しております。
 そこで河口堰の、日量8万数千トンとっておるんですが、それを撤去する。あるいは、樋門も全部上げて開放せよという市民運動、環境団体等からの意見が最近かなり高まっておるんです。ところが、水利用の観点からそれは上げられない。したがって、国にお願いしておるのは、今まできちんと閉め切って洪水時にだけ調整をしておったんですが、断続的に放流をして、水を常時流していただく。同時に、八田原ダムが多目的で洪水調整の機能があるんですが、一定の水量までためてかなりまだ上へゆとりがあるんですが、一般の市民から見ると、まだ十分貯水する能力があるじゃないか。したがって、もうちょっと水を貯水して、常時、流量を確保したほうが芦田川の水質は改善されるんじゃないかという素朴な要求もあります。したがって、河川の汚濁防止についての悩みが、我々行政としては、今、一番大きいわけです。
 ですから、どんどん市民運動も高まっておりますし、同時に水を確保するという大きな使命もあります。それから、洪水対策ということもありますし、そういう面から全般的に芦田川をしなければいけませんが、市民が一方的な、自分の主張だけを激しくされてこられると、それをまたいろいろ国会で取り上げる野党の先生もおられたりいろいろありましたので、苦労しておりますが、いずれにしても河口堰の弾力的運用、放水をもうちょっと改善できないだろうかということを、専門的な立場で検討いただければありがたいと思います。
 以上、いろいろございますが、芦田川については非常に河川浄化施設や芦田川の本流から高屋川へ浄化用水を導入するというバイパスのような工事もしていただいたり、非常に河道の整備もやっていただいて、国のご努力に対して我々は感謝いたしております。
 以上です。
(委員長) 今の弾力的運用に関しては事務局から何か……。
(事務局) 先ほどのお話の中でも簡単なお話で恐縮ですが、フラッシュというか、ある程度上流で雨が降りまして、上流の流量が多いときなんかを利用して、まだやり始めて、平成13年ぐらいからですが、19回やったりしてきております。ある程度、効果も出ておりますので、その点を踏まえて、地域の人やみんなを含めて、さらにどういうようにしていったらいいかというのを今、勉強しているところでございます。ご趣旨のようなことをどんどん進めていこうとしております。
(委員長) ○○委員、地元の立場から。
(委員) 遠賀川から参りました。私たちの遠賀川というのは、先ほどのご説明にもございましたように、人口密度が非常に高い地域でございます。日本の中でも珍しい地域性がございまして、石炭産業はエネルギー社会を支えてきたという石炭の歴史を100年間ほど持っています。その100年以前は2000年以上とも言われる農耕文化が営まれてきているという豊かな農耕文化がありまして、その後、石炭産業ということで、石炭六法の期限切れを去年迎えまして、住民たち、みんな自立をしなければいけないという大変困難な時代と困難な地域にいますが、私たちはこの川が大好きで、川づくりをみんなで勉強しましょうよということで、住民と行政が一緒になって、同じ川を論じ合うということから、いろいろなものが見えてくるのではなかろうかということで、住民は夢を語る、行政の方々は情報を提供してくださる、ものの考え方をヒントにアドバイスしてくださる。そういった同じテーブルについて川を論じ合うというところから始まりまして、今は、直方の中流域という合流点のところで環境学習のコアにならないかと。川を知ることの中で、そこで環境学習が行われる。そうすることで川に近づける、川のことをもっとちゃんと勉強してみましょうというような楽しく、またやり続けることは苦しくもありますけれども、私たちは一生懸命自分たちの川に対して学ぶ、環境学習の場として次の世代の子供たちへそれを語り継いでいくことで、川の周辺、流域の歴史文化を知ることで、みんな誇りを持って子供たちも育っていってくれないものかなということで、今、住民は夢を持ちながら頑張っています。
 最近、チューリップフェアが一週間ほど行われましたが、そのときにも一週間で36万人という人が訪れてくれています。九州、いろいろなところから見においでくださっていました。そういうことも含めまして、私たちは貪欲に川づくりは人づくりよねと。いい人が育つと、そこはいい地域づくりになるよねということで頑張りながらやっていますが、環境学習をやること、いろいろなイベントをやるということを頑張り続けることによって、そこの人が動き、循環型の経済も動きながら、まちじゅうが経済が動くことによって元気なまちづくりに川づくりを通してならないものかなというチャレンジを今、やり続けています。
 よそ様の川に比べますと悪いところ、欠点があるのかもしれませんが、私たち住んでいる流域の住民といたしましては、誇りに思い、大切に思い、今からも川に近づくことによって、いろいろなことを学びたいなということで、頑張っております。
(委員長) ありがとうございました。ほかに。○○委員、お願いします。
(委員) ○○委員のほうから安倍川の話が出ましたけれども、安倍川というのは地球科学的に見ても非常に特異な環境のところにある河川だと思います。実は、きのう私、静岡河川事務所のご好意でフェリーに乗って、源頭部のところを中心に見てまいりました。それから、現地もちょっと歩いてきたんですが、何といっても大谷崩の大崩壊です。これは三大崩壊地の一つとよく言われておりますが、その周辺の斜面崩壊もものすごいです。中には砂防堰堤群が最近の土石流で埋まってしまって、全く見えなくなっているような沢もあるという状況でありまして、大変土砂の生産量が多い、それが最終的には治水に影響しているということだと思うんですが、地球科学という面から見ると、地質の上でいいますと西南日本外帯の一番東の端になります。糸魚川−静岡構造線というのがすぐ東側を走っておりますし、中央構造線の外側、西南日本外帯と言うんですが、ここはプレートの動きによって付加体、アクリーションと言うんですが、砂岩とか泥岩が次々と積み重なっていって山系をつくっているところで大変もろい。しかもそういうところですから断層が大変多くて、南北にほぼ走っているという状況でありまして、そういう点から見ると大変断層破砕帯というのもありますし、いずれにせよもろい地質からできている。
 これは考えてみると、この地域の生い立ちそのものに内在する問題であろうと見られるわけなんですけれども、それとともに南斜面にあるという地形的な特徴、台風なんかが来ますと、南風が入るわけでありまして大変雨量が多くなる。ですから、多いときには年間3,000ミリぐらい降るんだろうと思いますけれども、そういった地形的な特徴も安倍川の上流部での問題を決めているところがあるんじゃないかと思います。
 それで問題は地震とのかかわりなんですが、大谷崩というのは、先ほどご説明があったように1707年の宝永の大地震のときに大崩壊を起こして、それが後々まで多くの後遺症を残してきてしまっているんですが、実は、その次に起きた巨大地震の安政の東海地震、1854年に起きた東海地震のときには、同じようなところで崩壊が起きています。当時の名主さんたちが集まって幕府に報告したのを見ますと、100カ所以上崩壊が起きているんです。ですから、巨大地震が起きれば必ず山地の崩壊が起きると考えておかなければいけないということでありまして、先ほど、最後のご説明であった東海地震の問題は大変大きいだろうと思います。
 東海地震は切迫性が指摘されているわけですけれども、この東海地震対策で、一つは津波です。津波は幸いなことにあまり遡上しないと思います。これは河川勾配が急だということがメリットになっている。ですから、おそらくせいぜい新幹線の鉄橋ぐらいまでじゃないかと思っておりますが、これはもちろん津波の波高にもよります。これが一つ。
 それから、何といっても土砂災害でありまして、宝永とか安政のときと同じように、至るところで斜面崩壊が発生するに違いない。一番大きい問題は、斜面の崩壊が起きて、河川が閉塞されますと、そこに水がたまって、後にそれが決壊をして洪水を起こすという問題。これは過去にも善光寺地震とか、飛越地震にもいい例があるわけですけれども、そういうことまで視野に入れておかなければいけないんではないか。そうなりますと、住民の早期避難体制というものをどのように確立していくのか、これは一つの課題ではないかと思います。とにかくゲントウ部に大崩壊地を持っていて、急流河川で、しかも下流域には大平野が広がっているというのは、常願寺川によく似ていると思います。常願寺川というのはご存じの立山の大鳶崩れです。飛越地震のときに起きたんですが、それ以後、あの地域ではまさに日本の砂防事業の発祥の地になったわけなんですけれども、あれと非常によく似ているような印象を持っております。
 斜面崩壊の問題なんですけれども、実は、静岡県が東海地震対策として山崩れなど災害危険区域図というのをつくっております。これは2万5,000分の1で非常に詳しく調査をして、危険度のランクを1から4までに分けておりまして、1、2のほうが高いんですが、この常願寺川の状況を見ますと、1とか2というのが圧倒的に多いという状況がありますので、これをぜひ参考にしていただければということで、いずれにせよ、土砂の生産量が多いということが、下流域に大変大きな影響を及ぼすという視点が非常に重要だと。それから、東海地震対策というのもやはり重要であるということを申し上げて、以上で……。
(委員長) ありがとうございました。ほかに。○○委員。
(委員) 安倍川の話が出ていまして、いろいろな先生方からご意見が出ました。それに関連してなんですけれども、基本方針を考える中で、総量については20年間の何百万立方メートルというような形で出されているんですけれども、この総量がどんなふうに空間分布するのか、あるいは時間的分布をするのかということが大事ですので、そういう意味では、総量だけではなくて、通過する量としてとらえられることが重要かなという気がしました。
 それで、その量はどこから来るのかというと大谷崩等上流の崩壊地から来るわけで、出水の流量、大きな出水のときにどんな流量か流下してくるかということとともに、そのときに一体、崩壊地の土砂がかなりルーズになって流れてきたら、どの辺まで一つのイベントで達するのかということも、今の○○先生のお話から聞きましても、上でのカタストロフィーが基本方針で書くべき洪水の問題のところにどんなふうに影響するのかということを少し注意されたいという気がいたしました。
 それから、前々から申しましたように、全体の中から計画河床という概念がなくなっちゃったんだけれども、安倍川をずっと管理していくときには、やはりある程度のレベルの計画河床みたいなイメージというのは非常に重要だと思います。総量を想定されているということは、やはり川の中にどれだけの土砂があるかということ、それから、私が今申しましたように、それが空間的にどんなふうに分布しているのかを押しなべて言いますと、結局は、計画的な河床が平均的に大体どの辺にあるのかということを基本的に方針の中で管理するという形が、安倍川では望ましいんじゃないかという気がしました。
 先ほど○○先生の指摘がありましたように、整備計画のレベルでは8キロという、ここは川幅全体が狭いんですけれども、計画の中では低水路、高水敷造成をやって川を守っていくというお話がありました中で、8キロの工夫というのはできると思います。その中で、8キロの図面だけを示すんじゃなくて、基本方針の中で8キロという地点を持っていることの重要性、この川の水系としての重要性を書く必要があるんじゃないかという気がいたしました。実は、8キロのところが狭窄、川幅が狭くなっているので、その上流からその下流少しの区域に対して、左岸側に二線堤が実は残っているわけです。これとの関連もやはり述べる必要があるんじゃないか。
 二線堤は、基本方針レベルでは、例えば、治水というか、洪水低減に数量的には何もきかないものなんです。いわゆるほかの堤防の高さであるとか、ダムとかというもののように洪水低減効果を定量的にはかれないものを書くときに、どんな工夫が要るのかをもう少し工夫していただきたいという気がいたしました。
 それから、なお本日、計画課長が話された中で、前回指摘しました基本高水の決まり方が非常にわかりにくいという説明については、非常に今回、丁寧に説明いただきまして、ありがとうございました。ただ、安倍川についてはそうなんですけれども、その他の川について、少し気になったことがありました。現在、どうも流量の決め方に3つの方法、すなわち雨のデータから流出解析によって基本高水を決める。それから、流量確率で検討して大体の値を知る。それからもう一つは、既往最大であとは湿潤状態を考慮して、はまる。どうもこの3つの方法でぴたっとはまりそうだなというところで基本高水を決められているようなんですけれども、安倍川はそれでいいんだけれども、どうして芦田川、遠賀川の検討のところで、雨量による流出解析による流量解析の中で新しいデータを使われないのか。すなわち、後述の40年代後半までのデータしか使わない検討データしか出されていないのか。現実に治水のきめ細かな検討、ハイドログラフを考慮した治水対策を立てていく中では、対象降雨が必要になってきます。今のように芦田川、遠賀川を第一のやり方をやらないならば、対象降雨の中に昭和47年以降の雨の降り方、パターン、あるいはハイドログラフのパターンが入ってこないことになるんですけれども、その辺はどんなふうに考えられているんでしょうか。
 以上です。
(委員長) 事務局から。
(事務局) 前段でいろいろお話をいただきましたことはごもっともかと思いますので、河川整備基本方針の中で工夫するところは工夫したいと思います。それから、いろいろ20年間の数量とか何とか、内容をわかっていただくためにお話をしましたが、実際のレベルは、整備計画だとかそういうところで決めることかと思いますので、ちょっとここではそういう数字を出す予定はございません。
 それから、最後のお話は基本的にほかの川の雨のものにつきましては、最新の同じようなデータ、ちょっと川によって濃淡はあるんでございますが、基本的にやっているんですが、時間の関係も含めて検証の部分はお話をさせていただきます。安倍川か何かの雨のやつでも昔はそうやりましたというところのご紹介は、既往洪水のところでとかというところでもご紹介させていただきましたのは、まさに過去の雨のところのデータなんかを、今の現在のデータで直してやっております。この資料の表現ではそこがわかりづらいのかもしれませんが、ご趣旨のとおりで、ただ、そこで少し数字が、例えば1,500という数字が1,550になったとか、そういうところはこの委員会でも、過去、ご議論があったようでございますけれども、大きな中でちょっと毎年のデータでちょこちょこと数字が変わる分で変わるべき性格ではなくて、大きくこれでやっていくことの確認がとれれば、それをしていくという方針で今までご議論していただいてきているかとは思っております。
(委員) 私、ちょっと申しましたことは、今まではピーク流量だけで対応するということがやり方だった。そして、ピーク流量を決めるやり方で、100トンなり200トン、500トン変わるのは全然問題ないと思うんですけれども、ハイドログラフを意識していろいろ水防活動、避難も考えなければいけない時代になってきました。そのときに、どうも見ていると雨量確率で47年までのデータしか使わないということをやりますと、その47年工実以降の対象降雨がないと、対象洪水、対象ハイドログラフもなくなっているんじゃないかということはないんでしょうか。いわゆる芦田川、遠賀川で今回、計算されなかったですね。対象降雨は47年以降、工実以前のものしか使われていませんね。そうすると、遠賀川、芦田川については工実をつくられたとき以降の雨の降り方によるようなハイドログラフというのは対象洪水とはなっていないということですか。基本高水の量はいいんですけれども。
(事務局) 今、○○委員からのご質問は、過去にもこの小委員会で同様の質問がほかの委員の方からもされたと考えております。基本的に現在、我々がもっている計画、工事実施基本計画の計画ハイドログラフも含めた計画外力を変えるべきかどうかということをまず、工事実施基本計画策定以降の流量の状況、あるいは降雨の状況から見て、変えることを検討すべきかどうかという判断をまずやった上で、変える必要があると判断したものについては、降雨量を用いた確率解析から、今回、安倍川で説明したような整理を行っています。現在の既定計画たる工事実施基本計画の計画を変えるような洪水、あるいは降雨が発生していないと。現在の計画を変える必要はないと判断した場合には、現在の計画を基本的には踏襲する方向で考えています。
 そのときに、果たして今の計画を踏襲できるかどうかということを別な角度から検証する方法として、流量確率によるチェック、過去に生じた洪水からのチェックという2つの方法を基本的にやっているということですので、今回のように、安倍川のように新しく流量も変更するような場合を除きますと、現在の工事実施基本計画で定めている計画ハイドログラフも変更はしていないということになります。
(委員) ずっと今まで来た中で、考え方を整理されてきたことは非常にいいんですけれども、それは量だけの問題を議論されているときはよかったんだけれども、せっかくハイドログラフまで考えた議論をしましょうというときに量だけの話で工実が踏襲できますという話ではなくて、ハイドログラフも含めて踏襲できますねというチェックをやっていただかないと、洪水のパターンが工実以前のハイドログラフパターンでしか対象候補になっていないというところが今後、問題になるんではないでしょうか。
(委員長) 次に、また整理してもらうとして、ただいまのご質問の中で47年以降に着目すべき出水があった、あるいは大降雨があった、なかったからこうしたというあたりの整理と、それから必ずハイドログラフで検討しなければいかんということについては、ダム操作をやっている川とない川では大分違うんでしょうから、そこは考えを整理して、今、事務局が説明したものをもうちょっとわかりやすく整理してくれますか。
 何か回答があるんでしたら……。
(事務局) 今、○○先生が言われましたような考え方は、例えば、前回ご審議していただいた肱川でもとっておりますし、今回、単純な既往洪水からの検証で、基本高水のピーク流量が再現されなかった芦田川についても、同様な計算をやっているものについてはやっています。基本的にはさっき申し上げたとおりです。
(委員) これは質問というより教えていただきたいんですが、私の専門外なんですが、安倍川、あるいは大井川なんかもそうだと思うんですが、一級河川とはいえ勾配がきつく、土砂の生産量が多い川ですよね。こういう川で、従来型の高水路で堤防を守りつつ、低水路を固定してそこを掘削していくという方式、すなわち、一般的なほかの日本の河川での方法が適用可能なんですか。コストとサステナビリティの面から見て、しかも近いうちには地震もありそうなということで、そういう工法をとっていって大丈夫なんですね。
(事務局) 大丈夫というか、逆にそういう急流河川では、真ん中の流れの流心が出るようなところをちょっと深く掘って低水路をきちんとしてあげることで、あっちに行ったりこっちに行ったりというのが非常に大きい川でございますから、それを防ぐためにそういうふうにすることがこれでも大丈夫かではなくて、逆にこういうふうにしていかないとと思っています。真っ当な必要性から考えるとこれが大事だと思っております。
(委員) 多分、狭窄というか、川幅があまりないところはそれでやむを得ないと思うんですけれども、我々みたいな生態学者から見るともう少し川幅のある河口域に近い部分、河原がかなり動くことも、河原のダイナミックスを許容するような治水と環境保全みたいなものが成立する余地はないのかなというのが私の印象なんですが。
(事務局) 下流部で動き方と、今の急流のところでドーンドーンと動くのは性質から何から全然違う部分がございますので、下流部のところはある程度の、一定の幅の中で十分に泳いでもらっても結構なんですけれども、上流部の先ほどのような土砂を含んだすごいエネルギーのものが、変な方向に行きますとそのままドンとやって、過去、幾つか写真で見ていただいたようなことが生じてくるということかと思います。
(委員) それで今日はわからなかったんですけれども、縦断方向、平面的に土砂管理をどういうゾーニングをやるかというのも、また今度教えていただければと思います。
 ありがとうございました。
(委員長) 今日は事務局は後ろの時間が決まっているようでございますので、あとお一方。どうぞ。
(委員) 今までの議論に出ていたらすいませんが、流水の正常な機能についてなんですけれども、例えば、遠賀川では、平均低水流量に流水の正常流量が非常に近いんです。平均渇水に遠く及ばない。そこら辺の平均渇水、平均低水から見た流水の正常の量というのはどういうふうに説明するかしないか。そこら辺のことを整理していただければありがたいんです。というのは、基本方針は達成すべき長期的な河川整備の目標を書く、そういうことになっておりますが、そういうところのバックデータとして渇水流量、低水流量と統計は統計としてあるわけです。それと今のこれから定めようとする流水の正常な流量の関係をどうとらえるかという見方が要るんじゃないか。というのは、遠賀川は低水流量に非常に流水の正常な流量は近いですから、非常に行政的な努力は必要だと思いますが、そういう点から見てどうなのか。河川によって個性があるのは当たり前ですから、河川によって説明がいろいろあるんでしょうけれども、それをどういうふうにあらわすか、説明するかというのは必要だと思います。
(事務局) ごもっともだと思います。ただ、今言われた渇水流量という値そのものも瀬戸内と東北とかほかとは非常に違うものですから、この川での一つのあり方みたいなものを整理してきておりますので、次回までに用意したいと思います。
(委員長) それでは、時間の関係もございますので、きょうはここで議論は一応打ち切りにさせていただきますが、特に、資料2−1、2−2、2−3でそれぞれの水系の課題といたしたものについて、これでよろしいでしょうか検討願います。なお、お時間があれば3−1から3−3まで、原案を事務局で書いておりますので、お読みいただいて、それぞれご意見があったら事務局へ提出していただきたいと思います。きょう、○○委員の提案された問題、○○委員の提案もなるほどごもっともで、流水の正常な機能を維持すべき流量を、積極的に確保すべきダムをつくってまでやっている河川と、ダムはつくらないで、このぐらい流れていればよしとして決めた河川と、かなり性格が違うし、ほんとうは表現も違っていいのではないかという気もしないでもないんですけれども、その辺も含めて次回に、ご説明いただければありがたいなと思います。
 それから、安倍川の8キロ状況について航空写真でもあったら、わかりやすいにではsないか。その資料を次に提出していただきたい。次回は本文の審議をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 きょうは、そういうことで打ち切らせていただきます。次回は本日の議論も踏まえ、本文について審議していただくことになりますが、本日、配付された資料も含め、お気づきの点がありましたら、次回以降の議論にも反映できるよう、あらかじめ事務局までご連絡くださいますよう、お願いいたします。
 事務局におかれては、本日の議論や委員からの追加意見を踏まえて、本文案に必要な修正を加え、次回に改めて紹介するようお願いいたします。
 最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員の確認を得た後、発言者の氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般公開することにいたします。
 本日の議題は以上でございます。





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