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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第41回河川整備基本方針検討小委員会

平成18年6月16日


出席者(敬称略)
委員長  近 藤   徹
委   員   綾  日出教

池 淵 周 一
伊 藤 和 明
海 田 輝 之
楠 田 哲 也
越 澤   明 
佐 藤   準
塚 本 隆 久
辻 本 哲 郎
浜 田 康 敬
福 岡 捷 二
虫 明 功 臣
渡 辺  寛
増 田 寛 也
村 井 嘉 浩
野 呂 昭 彦


1.開      会

(事務局)  ただいまより第41回社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催いたします。私、本日の進行を務めさせていただきます事務局○○でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、お手元に配付しております資料のご確認をお願いいたします。議事次第、名簿、配席図、この3枚がまずございます。それから資料目次が1枚ございます。この資料目次の中の資料について今からご説明いたします。
 資料1−1、これは北上川の補足説明資料、A3版でございます。
 資料1−2は、雲出川の補足資料でございます。A3版でございます。
 資料2−1、北上川水系河川整備基本方針(案)の骨子でございます。A4でございます。
 資料2−2、こちらが雲出川のものでございます。
 資料3−1、北上川水系工事実施計画と北上川水系河川整備基本方針(案)、A4でございます。
 資料3−2、同じく雲出川のものでございます。
 資料4、北上川水系河川整備基本方針 基本高水等に関する資料(案)でございます。A4版でございます。
 参考資料1−1、北上川水系の特徴と課題、A3版のカラーでございます。
 参考資料1−2、同じく雲出川のものでございます。
 参考資料2、雲出川水系河川整備基本方針 基本高水等に関する資料(案)でございます。A4版でございます。
 参考資料3−1、北上川水系河川整備基本方針 流水の正常な機能を維持するための流量に関する資料(案)、A4版でございます。
 参考資料3−2、同じく雲出川のものでございます。
 参考資料4−1、北上川水系河川整備基本方針 土砂管理等に関する資料(案)、A4版でございます。
 参考資料4−2、同じく雲出川のものでございます。
 参考資料5−1、北上川水系の流域及び河川の概要(案)でございます。A4版の冊子でございます。
 参考資料5−2、同じく雲出川の冊子でございます。
 参考資料6−1、北上川管内図でございます。
 参考資料6−2、同じく雲出川のものでございます。
 参考資料7−1、北上川流域図でございます。
 参考資料7−2、雲出川流域図でございます。
 以上でございます。資料に不備がございましたら、申しつけいただきたいと思います。
 本日の審議は、Aグループでございます。会議に先立ちまして、本委員会の新しい委員をご紹介させていただきます。○○委員にかわりまして○○委員でございます。
(委員)  ○○でございます。
(事務局)  また、本日、○○委員、○○委員はご都合によりご欠席されております。
 また、傍聴の皆さんにおかれましては傍聴のみとなっております。議事の進行にご協力願います。
 それでは、○○委員長、よろしくお願いいたします。

2.議      事

(委員長)  ○○でございます。本日は、委員の皆様には、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、議事に入ります。
 前回は、北上川等2水系の特徴と課題につきましてご審議いただきました。今回は、前回の審議を踏まえて、河川整備基本方針の本文案等について、雲出川水系、続いて北上川水系と順にて審議をいただきたいと思います。
 まず、雲出川水系の前回委員会での指摘事項について補足説明をお願いいたします。
(事務局)事務局○○でございます。それでは、座って説明をさせていただきます。
 横長A3の資料で、右肩資料1−2と書きましたもの、左上、補足説明資料です。真ん中上に、開口部の浸水域の状況についてが1枚目にありますA3版のカラーの資料でございますが、ごらんいただきたいと思います。
 お尋ねの1つは、前回、雲出川につきまして、連続した堤防を築造いたしますが、一部、開口部を設けた手法がとられているんだけども、その辺の状況、それから、おととしなどの浸水でどうだっただろうかというようなお話がございました。
 一番上のほうにも書いてございますが、浸水範囲をできるだけ最小限として浸水頻度を下げるよう、開口部以外を堤防の整備をするということをしておりますが、全体の安全度の整備ができていないということの部分がありますので、開口部を一部残して、水系全体としての安全度をバランスよく高めようとしてきております。今まで12カ所ありましたが、現在では順次、整備に伴いまして開口部を閉め切ってございまして、6カ所が今残っている状況でございます。幾つかその6カ所につきまして写真、それから浸水している、これは16年9月の洪水によります浸水が青い点線、薄い水色で塗りましたところです。開口部が赤い○のところでございまして、例えば右側のほうの写真、小戸木地区というのをごらんいただきますと、雲出川が流れていて、開口部が左岸側のほうにあります。ちょっとわかりづらいので拡大の写真を入れてございますように、周りに堤防がありまして、一部こういうふうにあいていることが見受けられます。この部分、例えばおととしの水害のときでも浸水はしてございますが、ほかの築堤、開口部以外の築堤がされていない場合、もっと広範に浸水をしておりましたものがこのぐらいになっていると。一応住宅のほう、赤のほうは浸水のおそれがないもの、これはある程度地盤が高くなったりしております。一部黄色のところにつきましては、開口部が開いている部分でまだ浸水は残ってございますけれども、全体としては安全度は高めてあって、下流や全体の整備に伴いまして、今後これらを閉め切っていく予定にされているものでございます。
 続きまして、1枚おめくりいただきたいと思います。
 お尋ねの2つ目に、取水堰の設置状況のお話がございました。これは取水堰が幾つかあるんでございますが、これが洪水の流下の阻害になっているというようなお話をさせていただきましたが、その辺の状況についてどうだろうかというお尋ねでございました。本川、支川、たくさんありますが、本川の主要区間につきまして、現在5基の堰がございます。ほとんどの堰は、この右上の断面図をごらんいただきますと、これは下の黒い線が河床のラインでございます。それから、青い線が計画高水位でございますが、現在、この河床の状況で流れますと赤い線のようになりまして、ピンクで塗ってあるところがオーバーしてしまうというか、洪水が流せないでいるという場所でございます。河床の状況を見ていただきますと、頭首工のところだけでなく、周りの河道の河床全体も掘削をしていかないといけないという状況でございますので、先ほどの堰の改築は、堰のみならず、河道掘削全体の中であわせて改築をしていくというような予定でございます。
 堰の例を下のほうに写真と断面で入れてございますが、写真の横の断面図のような赤の線で掘削を予定しております。この分、堰につきましても一部河道堰化等の対応をしようという計画でございます。
 次をおめくりいただきたいと思います。
 3つ目でございますが、河口部の砂州が洪水に対して影響はないだろうというお尋ね、それから逆に、川底が下がっておりますと塩水の遡上の問題があって、その辺はどうなっているかというようなお尋ねがございました。
 今申し上げました1点目の河口の砂州の部分につきましては、左側のほうに写真を載せてございますけれども、この雲出川は2つに分かれてございますが、両方の河口とも一部見受けられます砂州などがございますけれども、洪水のところにはフラッシュされて流れていくようなものでございますので、洪水の流下上は特に問題はございません。
 それから、もう1つの塩水のお話でございますが、右のほうに図を載せてございます。このあたりの取水は、先ほどもございましたが、頭首工、堰のほうで取水をされておりまして、一番下流部の右側が香良洲頭首工というものでございます。これによりまして塩水はシャットアウトされてございますので、ここから上の取水については、特段問題はございません。
 以上でございます。
(委員長)  ただいまの質問に対して、1ページは○○委員でしたか。
(委員)   状況はよくわかりました。おそらく雲出川の議論の中でこれの取り扱いがまた議論されると思いますので、ご説明は了解いたしました。
(委員長)  この3つ目のポツのところに、「今後の治水対策としては、現に有する遊水機能をできるだけ活かし、地元関係者等と十分調整を図ったうえで実施」と書いてあるんですが、今の事務局の説明と違ったような気がするんですが、そこはどうなんでしょうか。
(事務局)こういう遊水している場所でございますので、今後の治水対策を考えます場合に、1つは、整備されている過程の中でなるべく、今までもこういうふうに少し遊水させながらという工夫がされてきたところでありますので、同じような遊水機能をできる限り活かして進めていくというのが1つです。
 それから、前回お話を申し上げましたが、まだ洪水そのものをダムだとか遊水地とかでためる必要性が少しございますので、そういう場所もこういった実際に遊水しているところなんかを1つの候補にも考えて、地元と十分ご相談をしながら進めていこうということでございます。
(委員長)  2ページは、これも○○委員でしたか。
(委員)   雲出川を先日見せていただきまして、やはり頭首工のところでは相当土砂がたまっているという認識を持ちました。今のご説明では、軒並みずっと浚渫しなければならないということではあるんですが、この頭首工をどういうふうに考えるのか。ここに書いてありますように、関係機関と十分調整して、一部河道化するというご説明だったと思うんですが、そのあたりをちゃんと計画的に考えていくことが、先ほどの開口部の処理の問題とともに非常に重要だなということを認識いたしました。
 以上です。
(委員長)  3ページは○○委員でしたが、いかがですか。
 これについて、ほかの委員はよろしゅうございますか。
(委員)   3ページの写真を見て、香良洲頭首工というのは、流れの向きはこうなんでしょうけど、頭首工は、今ではほとんど向きが下流に向かって凸になっているというのはないですよね。これは問題を起こしていないんですか。すなわち、このあれですと、流れは河岸に向かう。普通は往々にして中央に向けることが多いんですが、これは河岸に向かう流れになりますよね。これは問題には全然なっていないんですか。この堰を見せていただいて、きれいな堰だなというのはわかったんですが、何かわかりましたら、お願いします。
(事務局)先ほどの、おととしの取水のときは特段問題は起こしていないというのが1つ事実でございます。それから、先ほど申し上げましたように、これらの頭首工は、全体の河床の掘削とともに全部改築を計画していく中で、おっしゃられましたような構造を直したいというようなものでございます。
(委員)   ありがとうございました。
(委員長)  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、雲出川水系河川整備基本方針の本文案について説明をお願いいたします。
(事務局)それでは、引き続き説明をさせていただきます。資料2−2と右肩に書きましたA4縦の白黒の資料と、右肩に資料3−2の書きましたA4横の白黒の資料でございますが、この2つでごらんいただきたいと思います。
 A4横のほうをお開きいただきますと、最初に目次がございますけども、左側のほうが現在の工事実施基本計画、右のほうが今回ご審議をお願いしております河川整備基本方針の案でございます。先ほどの資料2−2という縦長のほうは、これの骨格を書かせていただいたものでございます。お時間の関係もございますので、少しはしょらせた説明になるかもしれませんが、ご容赦をお願いしたいと思います。
 まず最初に、1ページの河川の総合的な保全と利用に関する基本方針というものでございます。
 最初に(1)流域及び河川の概要ということでございまして、前回ご説明させていただきましたこの川の概要、特徴を流域全体、自然環境だとか社会環境、それから災害の歴史と治水事業の沿革等を書いてございます。1ページは全体の概要、2ページの下のほうから流域の自然環境でございます。
 それから、3ページの第2段落ぐらいから、災害の歴史と治水事業の沿革について述べさせていただいておりますが、前回お話申し上げたようなことでございますので割愛させていただきます。
 次に、4ページでございますけれども、3段落目ぐらいから河川水の利用について入れさせていただいております。その下、水質、河川の利用というもので4ページが構成されてございます。
 ここまでは全体の状況でございます。実際、この川の整備としてどういうふうにしていくかというのが、その次の5ページからの(2)河川の総合的な保全と利用に関する基本方針というところからでございます。
 最初に、骨子の先ほどの縦長のほうをごらんいただきたいと思いますが、治水、利水、環境の総合的な方針について書かせていただいております。治水、利水、環境にかかわる施策を総合的に展開すべきであること、水源から河口まで一貫した計画であること、段階的な整備を進めるに当たり目標を明確にして実施をしていくこと、健全な水循環系の構築を図るため流域一体となった取り組みをしていこうということ、河川の有する多面的な機能を発揮できるよう十分維持管理を適切に行うということ、総合的な土砂管理の観点から安定した河道の維持に努めるというようなことを5ページ全体で書かせていただいております。
 次、6ページへまいりまして、アでございますが、災害の発生の防止または軽減でございます。最初に、流域全体の河川整備の基本方針を書かせていただいております。本川及び支川中村川におきましては、流域内の洪水調節施設によって洪水調節を実施、その際には関係機関と調整しながら既存施設の有効活用などを図るとともに、本川の中村川合流点から長野川合流点付近までの区間において洪水調節を行う。それから、雲出川の多様な自然環境に配慮しながら堤防の新設、拡築及び河道掘削、取水堰の改築などによりまして河積を増大し計画規模の洪水を安全に流下させる。それから、流下の阻害になっております先ほどの取水堰の改築の関係につきましては、関係機関と連携を図りながら実施をしていく。河道掘削は河道の安定・維持、河岸等の良好な河川環境などに配慮するというところでございます。これが6ページの上のほうまででございます。
 6ページの中段ぐらいから河川管理施設の管理、ソフト対策ということで、河川管理施設の平常時、洪水時におけるきめ細やかな管理と河川空間監視カメラ等による施設管理の高度化、効率化。あと、内水排除施設につきまして、排水先の河川の出水状況等を把握し、適切に運用をしっかりやると。それから、河道内の樹木については、計画的な伐採等により適正な管理を実施すること。それから、地震による津波への対応など、地震防災を図るため堤防の耐震対策をきちんと実施をすること。それから、超過洪水などに対しましての被害の軽減をちゃんと考える。情報伝達体制、それから本支川及び上下流バランスを考慮した水系一貫の河川整備をするというところが7ページの少し下のほうまでのアの部分全体でございます。
 7ページ下のほうのイの河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持というところでございますが、関係機関と連携して水利用の合理化を促進するなど、都市用水及び農業用水の安定供給、それから流水の正常な機能を維持するために必要な流量の維持に努める。それから、渇水などの発生時の被害を最小限に抑えるため、情報提供等の整備、水利使用者相互間の水融通の円滑化等を推進しようというものでございます。
 それから、次の8ページへまいりまして、ウとして、河川環境の話でございます。最初に、河川環境の整備と保全の全体的な方針を書かせていただいております。雲出川の流れ生み出した良好な自然環境と河川景観を保全し、多様な動植物の生息・生育する豊かな自然環境を次世代に引き継ぐよう努めるということ、それから、河川環境の整備と保全が適切に行われるよう、空間管理を初めとした河川環境管理などの目標を定め、地域住民や関係機関と連携しながら地域づくりにも資する川づくり推進するということでございます。
 その次から個別のものとしまして、動植物の生息地、生育地の保全についてでございます。自然植生が繁茂します高水敷き、河口部の干潟、そういう雲出川の特徴を踏まえて動植物の生息・生育環境の保全に努めようと。魚道などの整備を図りまして、先ほどの堰等もございますが、縦断的な生息環境の確保に努める。アユなどの生息場、産卵場となっています瀬や淵の保全。それから、雲出川、雲出古川の河口部において、シギ、チドリ、その他渡り鳥等ございます、潮干狩りの場としても活用されております干潟、オオヨシキリ等のヨシ原がございます。こういうものの保全に努めるというものであります。
 それから、良好な景観。大きな蛇行と瀬や淵が連続する河川景観や渡り鳥の中継地として利用されている河口部の干潟の景観保全でございます。
 9ページからは、今度は人とのかかわりが出ております。人と川の豊かなふれあいの確保ということで、この前ご紹介させていただきました地域の方々のいろいろなかかわりを醸成できるような形で河川の利用、人と川の関係の再構築を努める。
 水質につきましては、関係機関、関連事業、その他と連携をいたしまして良好な水質の維持に努める。
 それから、河川敷地の占用及び工作物の設置、管理は、動植物などの環境面、景観面などに十分配慮し、治水、利水、河川環境の調和を図った形でやる。
 それから、モニタリングをしっかりやって、それを整備や維持管理に反映をするということ。
 地域の魅力と活力を引き出す河川管理をするということを述べさせていただいております。
 11ページからは、今までは各どういうふうにしていくかという方針でございますが、これに当たります基本事項というものを11ページの2番から書いてございます。河川整備の基本となるべき事項ということでございまして、基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項ということでございます。
 1枚おめくりいただきまして、表が出てございますが、この雲出川水系につきましては、基本高水のピーク流量、左側が現在の工事実施基本計画でございますけれども、現在の工事実施基本計画のピーク流量を踏襲する、また上流でのダム、その他遊水地などの洪水調節施設も現在と同じように上流で1,900m3/sカットいたしまして6,100m3/sが雲出橋の計画流量とするというものが基本でございます。前回申し上げましたように、中村川、波瀬川につきましては、少し小さい川でございますのと、流域全体も、この雲出川全体の流域もあまり大きなものではありませんし、雨の降り方もそんなに大きな違いがあるというものではございませんので、全部今回は雲出川の雲出橋で全部包括して、基準点、かつここの流量を設定するというものにしてございます。安全度においては、全く変わりはございません。
 13ページにいかせていただきます。これを流量配分図で示しますと、下の、小さくて見づらくて恐縮でございますが、左のものを右のようにしてございます。基本的な雲出橋、それから下流の香良洲だとか、全体の流量は、現在と同じでございますが、先ほど申し上げました中村川、波瀬川については、雲出橋1点を基準点として再検討しております。中村川につきましては現在と同じ値でございますが、波瀬川につきましては同じ安全度、これはもとの計画も今回も、前回申し上げましたように50分の1の確率のものでございます。この安全度をそのまま変えないで、最近のデータも入れまして410m3/sというふうに修正をしてございます。安全度においては、変わりはございません。
 次のページでございますが、主要な地点における計画高水位及び計画横断形にかかる川幅に関する事項ということで、表に書かせていただきましたものでございます。基本的には、左側の現行と大きく変わるものではございません。
 それから、下は水系図でございます。
 それから、最後の15ページでございますが、(4)としまして、流水の正常な機能を維持するために必要な流量に関する事項でございます。これも前回見ていただきましたように、政令で定めました項目で検討して、舞出地点における流水の正常な機能を維持するために必要な流量については、そこの検討項目を考慮しまして、非かんがい期におおむね2.5m3/s、その他の時期はおおむね1m3/sというふうにするということで、今回計画の中で整理をしたいと思ってございます。
 以上でございます。
(委員長)  それでは、ただいまの説明に対してご意見、ご質問等がございましたら、お願いします。
 一応地元からということですが、○○委員はその次ということにして、○○委員のほうからご意見ありましたら、お願いします。
(委員)   結構かと思いますけれども、治水計画のポイントはどうなのかというのは、本文そのものではないんですけども、遊水地をベースに考えるというふうなことなのかなというふうな気がしましたけども、その辺は特に基本方針でどうのこうのいう必要はなかったんだろうか。すなわち、基本方針の中に守るべきところはどう考えているんだということを少し、本来なら河川整備計画の議論になるのかもしれないけれども、その辺がちょっと気にかかりました。今までの方針で守られているときには、いずれ安全度が上がっていくと閉め切りますよといっているところを、今後は少し考えながら開口部を残していくこともあると。一番最初のご説明に対して座長のほうからもご指摘がありましたけども、その辺について、方針として、そういう守るべきところをしっかり考えた治水を進めるんだというふうなことが1つ入ればいいのかなという気がいたしました。これはいろいろなものの書き方の中で議論されるところですので、特に要望事項でもございませんけども、少しご勘案いただければという気がします。
 それから、ご説明の中で、少しデータを見てみますと、13ページ、これは前もありましたけれども、少し変わっているのは、波瀬川の流量が変わっていると。安全度は変わっていないんですけれども、基準点を1つにしたことによって計画値が変わったというふうに判断したらいいのかなと思っていたんですけども、先ほどの説明では、安全度は変わっていないんだけども、最近のデータをつけ加えることによって再検討した結果、流量がこのようになりましたというふうな説明がありました。そのようなことになりますと、ほかの河川でも工実踏襲と簡単に言っていたんだけども、最近のデータを加えた検討をしているのかどうかということをいろいろなところではっきり言っていく必要があるんじゃないかなという気がしました。ただ単に工実踏襲と言わずに、例えば波瀬川では最近のデータを加えて検討した結果は基本高水、あるいは計画流量に相当する、通過流量ですけれども、下がることもあるし、一方では上がることがあるというのは、そういうことなんだということがあるわけですから、そういう検討がしっかりなされて踏襲しているとか、踏襲していないとか、部分的にですね。そういうことが説明として、ほかの河川でもそういうことをしっかり言っていかないといけないのかなと。すなわち、ここだけ最近のデータを再検討した結果、流量が少し変わったんだというふうな説明だと、今までのところの流量検討はどうなっていたのかなという気がいたしました。基準点というのは1つになったために、流出解析等の仕組みが変わって流量の値が変更になっているというのは、私はそれでもいいのかなという気がしますので、その辺、データをつけ加えて、最近のデータまで検討しての話なのか、基準点を1つにして小流域に分割しない――分割しないといいますか、小流域ごとに50分の1にして計算したことと違ったのか、その辺は少し専門的になりますけれども、外向けには必要ないかもしれないけども、内ではきちっと検討されておいたほうがいいかという気がいたしました。
(委員長)  大変基本的な事項ですが、第1点は大事なことだから書き加える必要があるんじゃないかなと思います。わざわざ補足説明にも書いてあったわけだし、前の計画には遊水地が書いてあって、今度の方針案にはないから、やめたのかと思われますね。事務当局の扱いは、整備方針ではダム・遊水地は書かないんだということなんですが、そこははっきりしておいたほうがいいと思うので、案文につけ変えることを検討いたしましょうかね。後段の部分は事務局で答えてください。
(事務局) 先ほど委員おっしゃるように、基準点を3点から1点にしただけです。そういうときに、全く計算のそこのところを、そういう新しい流量を算定するところについては、もう一度最近のデータまでを詳細に確認して出したというものでございます。検証と新しいデータの確認等、新しい流量が出るところについてはそういうふうにして、あと全体もそういうふうなものでバランスが崩れていないかという検証も行って、そのほうも同じような数字でございましたので、これでいこうというものでございます。
(委員長)  若干私も意見を言わせてもらうと、水系のバランスということで、どうもバランスをとったら、上のほうが計算流量は本来少ないよというならいいんですけど、前計画のほうが大きかったですね、旧案がですね。ということは、下流に負荷を与えているんじゃないかという考え方もあるので、上流は少し小さめがいいし下流は大きめがいいという原則で今回は修正したんだと、そう考えたいと思うんですけれども。
(委員)   多分そのとおりだと思うんですけれども、470m3/sは別の解析をされているはずだから、470m3/sは合流流量で入っているはずだから、下流には470m3/sの負担は、前の計画でも考慮済みだと私は思っていたんですけども。
(委員長)  合流量じゃないでしょう。
(委員)   波瀬川は波瀬川で解析して、合流量で本川に入れるという形をとっておられるんでしょうか。その辺……。
(事務局)前は流域全部で計算しましたものと、それとインクルディングされる格好になりますけど、個別の基準点でもう一度計算をしていると。ただ、流入量は全体の中で計算をしていると、そういう手法です。
(委員)   そうすると、やはり委員長おっしゃったように、470m3/sの器をつくってしまうと下流に対して負担が大きいということで判断したということで了解いたしました。
(委員長)  それでは、○○委員、いかがでございますか。
(委員)   前回申し上げました人文的な環境といいますか、歴史的な環境についてもう少し最初強調してほしいと言っておいたんですが、1ページに少し改善されていると思います。雲出川流域というのは、上流から下流まで非常に歴史遺産といますか、文化財が非常に豊富なところでありますけども、そのことを力点が置かれておるので結構です。
 特に、これは現在の河川利用というか、河川改修、あるいは護岸工事とか、そういうことも含めてのときに留意してほしいことをどこかに入っているんでしょうか。例えば、この雲出川の河口部に、先ほどからお話の雲出橋というのがたびたび言われていますが、雲出橋のちょうどつけ根のところに雲出島貫遺跡というのがありまして、これは縄文時代から中世までの遺跡なんです。縄文時代からの遺跡というのは、雲出川左岸というのは非常に安定したところだということが自然科学的にもわかるんですが、そのつけ根のところで、そういうところでもし護岸工事なり川の整備を行うときには、よく近年、川の周辺に公園風なものをおつくりになっているときに、これらの取り組んだことが考えられるかもしれないと。それから、ごく最近発掘調査いたしましたが、その雲出橋よりちょっと上流の舞出というところがあるんですけど、頭首工かなんかある近辺ですけども、ちょうど川の岸辺、土手のところから、奈良時代からの大集落、あるいは古墳、下層部が古墳で上層部が史跡なんですが、そういうようなものが出ております。舞出遺跡というところからです。これは前回の会合の後、お話も関係の方に申し上げたんですけども、護岸工事、この辺は大体進んでいるようなところなんですが、何か河川の、現在の1つのつながり、歴史を知るとともに、利用という点で河岸公園というんですか、そういうようなことがあれば、これらを十分に配慮、これを入れる。何もないところに単なる公園をつくるよりも、そういう取り組んだことが考えられるんじゃないかと。
 それからもう1点は、どの川にも考えられることです。河川工事の際、特に川底をいじる場合、河床をいじる場合には、現在の川底の下に遺跡がある可能性が非常に多いんです。一番有名なのが広島県の芦田川ですけども、草戸千軒遺跡という、現在の芦田川が河床の1メートル下にある草戸千軒という、大きな都市なんですけど、それが発掘されて、それは今発掘調査が終わりましたが、あと、それほど大きくないですけど、岡山の百間川遺跡とか、それから、これはあまり調査が進んでいませんけど、愛知県の矢作川、岡崎の。雲出川はそういう可能性が、上流からの流れが非常に砂の量が豊富でありますので、そういうことが考えられることも、十分に河川改修などに考慮してという、一応どこかに入れておいてほしいなと思うんです。
 右岸のほうは、この間申し上げましたけれども、これもごく最近ですけども、現在の右岸よりも1キロぐらい離れていますけども、嬉野町というところですけども、これは合流したところです。スジカワ遺跡といいまして、弥生時代前期、2300年か400年ぐらい前の、水田の遺構と、それに伴っての集落、建物の遺構が検出されていますが、こういうものが河川整備方針の中にどういうふうに取り組むのか、あまりくどくなってもいけませんでしょうけども、ちょっと配慮していただければと思います。
(委員長)  理念についてはおっしゃった趣旨を生かすようにいたしましょう。
 それでは、河川関係の委員からお聞きしたいと思いますけれども、○○委員、ご意見ありましたらお願いします。
(委員)   別にないんですが、さっき複数基準点から1基準点になったということで、上下流バランスということで、従前はそれぞれの複数基準点で、確率で、なおかつ違う、降雨波形とか、そういう形で出された数字が既定計画とかそういうところに出ていただろうと思うんですが、今度の1基準点で、100分の1で流域全体で、1基準点で出されたときに、それぞれの従前の支川の流量というか、100の1で計算した1基準点と従前の複数基準点の、そういう100分の1で流したやつと個々に出した従前の流量、規模というか、その過不足という形もすべて1基準点で凌駕するという形じゃなしに、包含された形で、含まれていると、そういう形で1基準点、本支川も含めてなっているというふうに理解することでいいわけですね。100の1で1基準点でやったやつと、今まで幾つかの川では複数基準点、主要な基準点ということだったかな。そういうところではそれぞれの確率でまた違う波形を用いて出されたときに、それが同居することはないにしても、配分、流下するときに、1基準点で流したやつと、支川の、それぞれの個々の基準点で出した違う波形に基づいて出したやつとの、その過不足量というか、そういう形のものが生まれているのか生まれていないのか、そういう形を思ったもので。若干、さっき○○委員がご指摘のやつは、それに類したことなのかなとちょっと思ってお聞きしたんですが、今ご説明のそういうことになっているということで、ある程度理解しましたので、これで結構かというふうに思います。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いします。
(委員)   少し一般的なことになるのをご容赦いただきたいと思います。きょうの雲出川のところでも、環境のところで、上流、中流、下流という分け方で記載されています。生物のほうからのお願いなんですが、下流というところでは、地形的に上・中・下流というふうに分かれると思うんですが、河川の機能でいった場合に、下流は淡水域と汽水域に分けられるのではないか。そういう意味で、非常に問題になりそうなところは分けて記載をしていただけたらというふうに思います。汽水域で記載されるときには、従前、あまり説明がなかったんですが、塩分の混合形態を必ず明記していただけたらありがたいというふうに思います。それで対応が異なってくると思います。きょうの場合は、潮止堰がついているということですので、おそらく塩水楔で入ってくることが多いかと想定されるんですけれども、きょうお話がありましたように、改築されるというときは、いわゆるミチゲーションの発想からいきますと、潮止で、本来は塩水楔でずっと上流まで上がっているわけです。そうすると、そこにいろいろな生物の産卵場がある可能性がある。そういう意味で、改築されるときには、その機能をとめたことによって少し下流側で回復するミチゲーション的な発想のようなものが、もし書けるところであるならば書いていただけたらありがたいというふうに思います。あるいはそういう具体的な方法を開発しないといけない段階でもあるんですけども、その方向に向けて河川の整備を進めていくというふうな表記にしていただければと思います。
 同じく汽水域で申し上げますと、いわゆる2点ありまして、正常流量のほうでは、塩水楔の侵入長というのは流量によって変わりますので、それに必要な維持水量というふうな発想もあってもいいのかなというふうに思います。もう1点は、出水時に、普通は何千m3/sという議論になっているんですが、そのときに土砂が一緒に運ばれてきまして、その土砂がどういうたまり方をするかというのは、汽水域の生物の生息環境に大きな影響を及ぼします。それはどんなものがたまるかは、河口の形状にも依存します。ですから、あわせて検討していただけるような方向で進めていただければと思います。
 以上です。
(委員長)  大変基本的なお話です。ただ、上流、中流、下流はここでもう定義していますね。例えば、源流から八手俣川合流付近が上流、八手俣川合流付近から高野頭首工までが中流、それから下流と、こういう定義はずっと一貫しているんですね。ですから、今の汽水域との話はまた、上・中流とは切り離してやっていただくことにします。今の注文は大変難しいですね、雲出川では。潮止堰までつくらないと農業とかが成り立たない川ですから、これは工夫が必要なのかもしれませんね、おっしゃる意味は。
(委員)   ですから、潮止堰はそれで結構なんですけれども、下流のところにミチゲーションの発想を少し入れていただいてもいいんではないかというふうに申し上げたんです。
(委員長)  まさに汽水域というよりは、海水そのものが上がってきちゃうでしょう、潮止堰のところまで。
(委員)   塩水楔ですと上に淡水が乗っていますので、河岸の勾配を工夫するとかというようなこともあり得るかと思います。
(委員長)  何か案文を提案していただけますか。
 ○○委員、お願いします。
(委員)   2点お願いします。
 先ほどの遊水地の話はもう少し説明を加えることをぜひお願いしたい。今日の対象河川である北上川に遊水地があるし、雲出川にも遊水地が考えられています。河川区域の1号地、2号地、3号地と遊水地がどういう関係にあるのか。委員会では、遊水地を洪水調節施設と書いて、遊水地と明確に書かなくなってきました。おそらく2つくらい理由があると思います。1つは、本来遊水地機能を持ったところですから、無理して手を入れて調節機能を高めなくても、全体をうまく使えばいいじゃないかという議論と、それから、もう少し手を入れて遊水面積を小さくしてでも有効に調整池化すればいいという考え方があると思うんです。遊水地をどのようにするかの選択の仕方は私にはわからない。3号地までの河川区域の決め方では、洪水調節をやるときの遊水地をどう位置づけるのかが今の制度の中ではできないんじゃないかと思います。ダムのような人工のものをつくって水位が上がるとか、土砂がたまって、それによって湛水範囲が広がるときの3号地については、私にはわかるんですが、遊水地もある種のコントロールをやり出すと、きっと同じような問題も出てきたり、あるいはそれではだめで、新しい制度を考えなきゃならないのじゃないかなと、わからないなりに感じています。きょうの資料を読んでいますと、あいまいというか、この区間で洪水調節を行いますと書いてあるのですが、どのように調節を行おうとしているのか、ほとんど理解しづらい。
 お願いは、今までいろいろ遊水地が作られているんですけど、遊水地がどういう制度や考え方のもとに作られているかわかるような説明資料を用意していただきたい。渡良瀬遊水地、一関遊水地等多くの遊水地があります。そういうものをグルーピングして、法制度の面から、あるいは運用の面から整理していただきたい。雲出川では、開口部を閉じますということになっています。今は開口部があるものですから、開口部の高さで水の入り方が決まっているわけです。あふれていくだけです。遊水効果は調節すれば大きくなるはずなのに、開口部の高さで決まっていますから相対的に小さいわけです。それを閉じるということは、遊水地化をするんでしょうけれども、制度的にどういうようにやるのか私にはよくわからないので、遊水地は大事な洪水対策のひとつであるということからすれば、わかるような説明が欲しいというのが1点目です。
 2点目は、雲出古川についてです。雲出川と雲出古川の間にある香良洲町が非常に稠密な人口を持っています。前回配られた参考資料1−2の5ページ左下にあるように、デルタ地帯にある香良洲町は人口・資産が集中しています。雲出川と雲出古川に、こういうふうな何もコントロールなしで、この流量配分のような流れ方ができるのでしょうか。これは三千何百m3/sと二千何百m3/sを分流すると数字では書いてありますが、ともに三千m3/sに近い流量が分流していく計画が考えられています。河口デルタ上にある香良洲町の治水計画を確かなものにする必要があることを現地を見て思いました。河床は上がっていない、安定していると書いてあるんですけど、結構砂が貯まっているようにも見えました。この地域の治水というのは、上流の遊水地のあり方とともに大事じゃないかなと思いました。これら2つを具体の中では考えていただきたいというのが私の感じたところです。
 以上です。
(委員長)  第1点は次の北上川でもいいですし、また別の場でもいいですから、議論したらいいと思いますし、事務局に聞いても事務局も返事ができない状況じゃないかと私は思っています。新しい制度が必要じゃないかなと思います。ですから、表現については少し丁寧に示唆して書いていったらどうかと思います。
 第2点は、整備計画の段階で議論すべき事項ですね。河川の水位で決まるので、流量を数字を書くことが意味があるのかどうかでしょうけどね。
(委員)   ついでですから、前回までは河口の水位は書かれていたんですよね。今回は河口の水位は、計画の中から抜けています。実は、計画潮位は出発水位に関係するので、重要に思うんですが、削ってしまってほんとうにいいんだろうかと考えます。考えられたほうがよろしいかなと感じています。
(委員長)  検討してください。
 次、○○委員、お願いいたします。
(委員)   先ほどの○○委員の一般的な話なんですけれども、新しいデータを使って検討するという、つまり今までの工実の踏襲とかチェックだけではなくて、その際に上下流バランスを考えるというふうな委員長のお話ですが、部分的に変わっているのは、これは流量改定とは言わないんですね。つまり球磨川でも結構やっているんですが、これは改定ではないと。その辺は言葉の問題とか姿勢の問題なんですが、そこをどう見るかですね。少なくとも踏襲ではないということをはっきりしておいたほうがいいような感じを先ほどの議論で受けました。
(委員長)  それでは、それぞれの委員からまたお伺いしたいと思いますが、○○委員、お願いいたします。
(委員)   私は、地震防災の立場から申し上げたいんですが、本文資料3−2の7ページの一番上のところに「東南海・南海地震防災対策推進地域」についての対策が3行ほど書かれております。これはこれで結構なんですけれども、あえて補足させていただきますと、この東南海・南海地震というのは2004年から30年以内に、発生確率が東南海60%、南海50%ということになっておりまして、もちろん両方ともマグニチュード8クラスの巨大地震でございます。おそらく発生の可能性が一番高いのは2030年代ぐらいであろうと言われているところなんです。ここにありますように、堤防の耐震対策、あるいは津波対策、これはここに書かれてはいるんですけれども、問題は上流部の山地の問題でありまして、この上流部の山岳地帯というのは、いわゆる西南日本内帯の花崗岩地帯で大変崩れやすいという特徴があります。ただでさえここは雨量も大変多いところで、年間2000mm以上超えていると思いますけれど、しかも、中央構造線に大変近いということで、断層破砕帯が上流部にあるということですので、土砂の問題が大きいかと思います。この地域の砂防事業というのは三重県が行っていたと思いますけれども、次の東南海・南海地震を想定したときに、山地の崩壊がどれだけの土砂災害を引き起こすかということをある程度想定をしておかなければいけないのではないのか。それには過去の地震が参考になると思うのは、もう60年以上前ですが、1944年の東南海地震、これは昭和19年12月7日に起きました。大災害になったんですけれども、戦時中だったためほとんど国民に知らされなかった地震でありまして、そのときにどんな被害が出たのかということがほとんどわかっていないので、これは現地をある程度調べれば、例えば土砂の問題にしても、あるいは当時、今とは全然異なっているとは思いますが、堤防がどのような被害を生じたのかということもある程度はわかってくるんじゃないかと思いますので、この1944年の東南海地震と、それから2年後に起きました、これは終戦後になっておりますけれども、1946年12月21日の南海地震、これは両方とも、この地域は震度6にはなったと思いますので、そういった点で、この2つの地震による被害状況というものをもう少し調べて参考にしておくということが大切なのではないかと思っています。
 以上です。
(委員長)  ○○委員、お願いします。
(委員)   特に結構です。
(委員長)  わかりました。
 では、○○委員、お願いします。
(委員)   正常流量の基準点で、15ページですが、舞出地点、実は地図にないんですよ。大抵の場合は、洪水の流出の基準点とこういう正常流量の基準点が一緒なのですぐわかるんですが、一生懸命探しましたら、資料の何ページだったかな、そこに初めて出てくる。9ページです。16ページの水系図にも書いてございませんので、基準点が違っている歴史的ないきさつがあるんだろうと思いますが、こういうのは書いておいていただきたい。探すのに苦労いたしましたので、よろしくお願いします。
(委員長)  ○○委員、お願いします。
(委員)   今のお話の正常流量に関してですけれども、この地域、大体2.5m3/sぐらいで産卵時期は決められるというようなことで、渇水流量が平均でいいまして1.57m3/sでございますので、まあまあかなと思っておりますけれども、正常流量、将来まさにそれを確保していくという手段とどういうふうに実際リンクしていくのかというところが一番気になるところかと思っております。最終的には、基本方針というよりは整備計画の中での話かと思いますし、それぞれの利水開発者の努力が必要になってくるんだろうと思いますが、そこら辺の実現可能性みたいなものともある程度リンクをさせて考えていただけたらというふうに思っております。雲出川に関しては、この値で結構かと思っております。
 以上でございます。
(委員長)  わかりました。
 それでは、○○委員、お願いします。
(委員)   今話題になっております正常流量のところで、これはすべての水系でかつていろいろ議論がされているのと同じように、またこういうことになりますけども、目標が非かんがい期とその他の時期となっておりますのに対しまして、さっき○○委員が1.57m3/sでまあまあなということをおっしゃったんですけど、比較すべきデータがどこにもないというのが不可解なんですけども、ここの表現を今すぐどうこうしろというつもりまで言っているわけじゃないんですが、せめて資料などには現状の非かんがい期とその他の時期の流況ぐらいはあって、それが目標に対してどういう状況なのかということがわかるようなものがあっていいんではないかというふうに思います。
(委員長)  これは事務局のほうでは……。
(事務局)参考資料3−2というので、時間の関係で細かいところまでご説明をしておりませんが、河川整備基本方針、雲出川以外もそうでありますが、こういうふうに個別のものがきちっと整理してお伝えをしているところでありまして、この中に、例えば7ページなどには、各年の豊水、平水、低水、渇水の流量でございますとか、こういうことでお示しをしておるところでございます。全部細かいところまでご説明する時間がなくて恐縮でございますが、こんな状況です。
(委員)   申し上げましたのは、この中にもかんがい期、非かんがい期に分けたデータがなかったと私は承知したんですが、違いますでしょうか。どこか見損なっているでしょうか。
(事務局)ちょっと分けたところについては、お話の点についても分けて記載をこの資料の中には入れさせていただければと思います。
(委員長)  前も同じような質問がありましたので、今後、提出資料については、念のため分けたものを入れておいていただきたいと思います。
 ○○委員は北上川のほうでご出席なのですが、もしこの点で何かご意見がありましたら。いいですか。
 それでは、○○委員の代理の方がご出席ですので、お願いいたします。
(委員)  今回の計画の中で、1,900m3/sの洪水調節を考えられていますけども、具体的にどのような施設になってどの改修に対応するかについては、その効果、検証も含めて、整備計画策定の中で十分検討していただくようにお願いしたいというのと、その際に関係市とか地元の住民に対して十分な説明をいただき、地域全体でのコンセンサスが得られるようによろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
(委員長)  その点については、本文のほうでもできるだけ明快になるようにいたしたいと思います。
 便宜上、前回、北上川のほうではかなり基本論からありましたので、雲出川のほうを優先させて議論させていただきました。あらかたのご意見は雲出川については出たと思いますので、提出された本文案について、幾つか要望のあった点については修正することといたしまして、この本文案、基本骨格はこれで良としたいと思いますが、ご意見いかがでございますか。
 それでは、雲出川の本文案については、皆様からいただいた事項について、私の責任において修正をいたしまして、皆様のご意見を伺った上で河川分科会に提出したいと思います。雲出川水系の関係委員としてご参加いただきました○○委員、○○委員におかれましては、ご多忙の中、委員会にご出席いただきありがとうございました。これから北上川水系の審議に入りますが、もし他に所用があるならば、ご退席いただいても結構でございます。今回をもって最後の委員会となりますが、地域の実情を踏まえた貴重なご助言をいただきありがとうございました。それでは、そういうことにさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、北上川水系の審議に入ります。
 北上川水系の治水安全度の考え方等について、事務局より説明をお願いいたします。
(事務局)それでは、引き続き説明をさせていただきます。
 カラー版のA3の資料でございます。右上に資料1−1と書きましたものでございます。左側に補足説明資料、一番上のタイトルが盛岡市中心部の既往洪水の痕跡水位と計画高水位の水面形についてというものであります。
 まず、前回お尋ねの中に、上のタイトルに書いてありますようなご指摘がございました。下のほうで写真を用意しておりますが、昭和23年と平成15年、盛岡の中心部でございますので、川の際まで、下のほうにも写真はございますが、密集している場所でございます。
 上のほうの赤枠で囲んだところにここの考え方を書かせていただいておりますが、1つ目の○でございますけれども、市街地での拡幅、築堤が困難であるため、ここは地盤高相当の高さで計画高水位を設定しております。周りの町の地盤の高さのほうで水位を設定している、水の流れの水位からものをつくるという、地盤高を相当意識したものになってございます。特に136kmから137.4kmの河岸というのは、一たん勾配がきつくなった後に緩い勾配になっておりますので、これも周りの地盤にあわせた格好でそういう川のほうもなっているものであります。平成14年7月洪水の痕跡、過去の洪水痕跡もどうだったかというようなお話がございましたが、見ますと、あとで資料のほうをごらんいただきますが、計画高水位の勾配が緩くなっている今の地点で水位のほうがぎりぎりいっぱいといいますか、そういう危険な状況かと思われます。そういうことで、河道を掘削することで極力無理のないものにできればと思っておりますのと、河川環境、または都市環境の観点から高水敷の掘削はなるべく行わない、また流量も上流のほうでダムでためることがもう少し可能だということがございますので、現在1,100m3/sでございますものを、ここにありますように、900m3/sの河道で対応しようというように今回考えてございます。当然、少し狭いところでの窮屈なものでございますので、水面形の変動に留意した適切な維持管理というものをしていけたらと思っております。
 今見ていただきました1枚目のところは、上の写真であります。下のほうは、今お話をさせていたただきました、左側が1,100m3/s河道となっています。右側のほうが900m3/s河道です。どちらかというと右側のほうは現状でございまして、左のほうがモンタージュでございますので、架空に河川敷なんかをとった、緑を切ったものになっておりますが、中心部のいろいろな川の価値とか効用みたいなものに対する考え等もあって、今上流でも水がためられるというようなこともありまして、900m3/s河道というものを今回提案してございます。
 1枚おめくりいただきますと、今度は縦断図でございます。先ほどの中心部が真ん中右くらいにずっとつながっております。すごい狭いところが右側のほう、盛岡の中心市街地は堀込河道形状と書きましたような区間でございまして、これは一番下の茶色線が平均の河床高です。それから上のほう、平成14年7月に洪水の痕跡が、ちょっと色が似通って見づろうございますが、薄い水色の線が、上のほうの細い線でございます。これが洪水の痕跡です。それから、上の太い青い線が計画高水、ハイウォーターレベルでございます。大体周りの地盤もこういうことになってございます。見ていただきますと、平成14年7月のところを見ますと、138km前後ぐらいのところでぎりぎりいっぱいになっているというような状況でございます。ちょうどそこの部分を写真で左側のほうに載せておりますが、平成14年4月の状況でございます。これが計画の洪水がきました場合、これは900m3/sのものを載せてございますが、河床の掘削は何もやりませんと赤い線のようなものになります。もう少し掘削をふやしたというか、もともとの計画の掘削まで掘削いたしますと緑の線のようになりまして、若干、この場所、当然縦断で見ますと窮屈な感じではございますけれども、全体の流速というのは、大体場所が変わりましても3m程度で大きな変動もございませんので、少し丁寧な維持管理はしないといけないとは思いますけれども、こういう河川改修の計画で今後進めていけたらというふうに考えております。
 一番下のほうの絵は平面を見ております。河道の幅を上のほうから見たと見ていただければいいかと思います。青い線が堤防と堤防の間、堤防の線でございまして、赤い線が低水路、真ん中の低いところに水が流れる部分でありますが、その低水路の幅でございます。左側の132kmと134kmぐらいのところ、赤い線がかなり右にいったり左にいったりしておりますが、この辺は先ほどの掘削の中で河道の形成をする予定にしておりますが、その右側のところはぎりぎりいっぱいの状況になっているのが見てとれます。
 お尋ねのことがありましたことは重要なことでございますが、洪水痕跡水位は今のようなこと、それから水面形も今のようなことでございますので、今後、それで洪水の流下はできるかと思いますけれども、丁寧な維持管理をしっかりやらせていただければと思ってございます。
 次のページでございますが、お尋ねのありました2つ目でございます。融雪時期と融雪出水量の変化がこの北上川以外のところでも見受けられるというようなことでございまして、この北上川ではその辺がどうだろうかと、それがこの北上川での水量に与える影響はないだろうかというようなご質問、ご指摘がございました。
 上のほうのピンクのところにありますように、10年ごとの平均で見ますと、ダム地点、基準地点での融雪時期とか融雪量の大きさの変化はあまりないようでございます。下のほうにグラフを載せてございますが、左側が各ダムのところで見ておりますけども、大きな支川なんかのものであります。融雪の時期だとか量が、年代で3つの色に分けてございますけども、あまり大きな変化ではございません。右上の狐禅寺というのは北上川全体の基準点でございますけれども、これを見ましてもあまり大きな変化はないかなと思われます。
 もう1点は、量の関係がどうかというのが見てございます。これは右下のグラフでございますけど、このグラフは、左側は各ダムがありますところの地点とダムの容量であります。上のほうは、そのダムのところで入ってきます融雪期の総流入量というので見ますと、オレンジの線が書いてございますけど、例えば四十四田ダムですと、285から610百万m3というのは、少ない年と多い年とございますので、大体これぐらいの幅で変動していると。これに対しましてブルーで書きました棒グラフは四十四田ダムの利水容量でございますので、変動はあるものの、利水容量のところぐらいまで響くような変動ではないというように見てとれるかと思います。
 という点で、先ほどの融雪時期とか融雪出水量の変化が水利用に与えるというほどでは、この北上川では今のところ心配ないのではないかと思われます。
 次のお話でございます。一関遊水地のところで、柳之御所が近接してございます。遺跡を配慮しました計画に直して対応しておりますと申し上げましたが、前回位置関係その他の詳細の資料でなかった面がありましたので、それをご用意しております。
 左上の大きな写真、柳之御所が赤い線で結びました場所でありまして、もともとブルーの線が当初の計画でございました。この平面で見ても当然重なっておりますので、現在変更計画というのが赤い線のようにずらして柳之御所にかからないようにしていると。これを断面で見ますと、右のほうでございまして、もともと柳之御所のほうは右側のところであります。それをブルーのような計画でございましたものを全部左のほうへスライドいたしまして、同じような機能を左のほうで確保する形にしておりますので、柳之御所のところは全く影響を与えないというようなものになってございます。詳細な状況のものをご用意したものでございます。
 次でございますが、4点目、明治橋地点における基本高水のピーク流量6,200m3/sの考え方についてというものを用意しております。これは、この水系の計画が狐禅寺というところで、全体が100年に1回の洪水に対応して計画されておりますが、上流の盛岡のところは6,200m3/sという、これは明治43年の洪水を実際受けましたものを想定いたしましたのと、それを確率にしてみると150分の1ぐらいになるというので、この辺の上下流のバランスの話題が出ておりました。
 まず最初にこの紙でご説明を用意ましたのは、左側に工事実施基本計画の概要というのがございます。現在のものは、文字が並んでいて恐縮でございますが、一番上にございますように、明治43年9月に大洪水が発生してございます。明治橋上流を中心にしておりまして、下流のほうはそんなに大きな雨は降っておりません。氾濫実績図なんかをもとに評価しますと、明治橋地点で6,000m3/sを超える流量が発生したというものでございます。当時の計画におきましては、北上川の全体の治水安全度は下流の狐禅寺地点で100年に1回としておりますが、今の明治橋地点の明治43年9月の洪水の実績が現実としてあったものでございますから、これに対応すべきというふうにしたものであります。しかしながら、その当時の資料があまりはっきりしたものがございませんので、明治43年の洪水の代替として、同規模になるように時間雨量資料などが存在しております昭和22年9月の洪水で算出をしたものであります。下のほうにはその中身みたいなものがございますが、これは代替としてやっているものでございますけれども、雨量確率で評価をして出しますと150分の1の226mm/2日という雨量、これと昭和22年9月の洪水の波形を重ね合わせまして算出いたしまして、6,200m3/sというものでございます。ちなみに、上流のダムでためました後が3,700m3/sというものになってございます。
 ちなみに、それらを経年変化で右の上に用意しておりますが、右の上のグラフは、左側が雨でございまして、右側が流量でございます。雨のほうは明治43年のほうがちょっと多うございますが、先ほどの約6,000m3/sぐらいというので150分の1と出しているものが2日で226mmがオレンジの点線です。右のほうは実績の大体6,200m3/sの流量が明治ぐらいに出まして、その後、最近は少しそういう大きいものは出ておりませんが、そんなものでございます。
 右下のほうには、明治43年9月がどのぐらいの洪水であったかということを検証したものを載せてございます。全く同じような雨の降り方のものというのは、あまり大きなものではございませんで、昭和43年の天気図がありまして、これが大体雨の降り方が似通っているというようなことで、これを明治43年の洪水、その雨まで引き延ばしまして、257mm/2日というのを入れてみました。雨の降り方は昭和43年のものを使って、明治43年のトータルの2日の量は合わせて再現をしてみますと、大体6,200m3/sというものが出ておりますのと、このときの氾濫計算をいたしますと、明治43年の浸水実績の範囲とか河道の水位のデータはかなり残ってございまして、そういうものとあわせるとかなりよく合っているので、現在のレベルで計算すると6,200m3/s程度だったのかなというものでございます。
 次のページでございますが、北上川の治水安全度の設定の考え方というので、先ほど申し上げました上流、下流のバランスのものでございます。
 左側のほうは、現在の工事実施基本計画は狐禅寺で100分の1というもので計画をしてございます。
 右のほうに一般的考え方と書いております。割愛させていただきますが、現在の工事実施基本計画における基準点の考え方というのは、先ほど前のページにございましたような、狐禅寺地点を北上川全体の基準地点として100分の1でやっています。ただ、明治43年の明治橋地点のものを考慮して、代替措置といたしまして150分の1の2日雨量のものを昭和22年の波形で導入したものが現在の計画でございます。ただ、この150分の1、100分の1といいますと、少し上流のほうで大きな安全度みたいになっておりますので、当然水系全体のバランスとしてもおかしくないかという検討が重要になってきます。
 真ん中に表が用意してございますのは、これは比較のために出したものでございます。一番上が現在の工事実施基本計画で、狐禅寺地点で100分の1、明治橋地点の実績流量考慮というものであります。明治橋地点は基本高水のピーク流量に当たりますものが6,200m3/s、これは相当とありますのは、ここは基準点ではなく主要な地点ということでしておりますので、こういうピーク流量というものは出しておりませんが、仮に出してみますと6,200m3/s、計画高水流量は3,700m3/s、狐禅寺のほうは基本高水が1万3,000m3/s、計画高水が8,500m3/sというものがあります。
 のところは、狐禅寺を150分の1としましたときの、それ一発で全部の水系を見たときというものであります。明治橋地点は、そういう意味では、よく言ういわゆる通過流量というものになりますけれども、5,100m3/sのピーク流量です。同じような洪水調節でやりますと計画が2,900m3/sです。
 3番目が見直し案と、私どもこれで今回考えさせていただければと思っておりますものであります。一番右の狐禅寺地点は150分の1、現在100分の1でございますが、150分の1にいたしまして、明治橋地点、それに加えまして明治橋地点の実績を考慮するという現在の考え方を踏襲するということで考えさせていただければと思います。
 後ろのほうに幾つか資料がありますが、考え方とか結論を先に書かせていただいておりますが、下の○でございます。想定氾濫区域内の人口・資産などの状況から見た全国的バランス、後ろのほうで出てきますが、見ましても、北上川全体、盛岡だけではありませんで、北上川全部を見ましても、狐禅寺地点では150分の1というのが全国的に見ましたときは妥当ではないかというのが1つでございます。
 それから、2つ目の○、これに加え、明治橋上流の明治43年9月の実績洪水に対応した計画とすべきではないかというのが2つ目でございます。
 ○の3つ目、今回の北上川、南北に細長い流域でございます。それからまた地形、それから気象の状況から、全部の流域で大きな降雨になっているようなパターンは少のうございます。これも後ろのほうに資料を用意してございます。明治43年9月の洪水では、明治橋上流では2日で257mm降りましたが、このときは下流のほうでは122mmという少ないような状況でございます。
 こういうものを踏まえて、想定氾濫区域内の人口、一番下でございますが、資産等の状況から、全国的なバランスからいって150分の1にすべきではないだろうか。それから、盛岡地区の今の明治43年の洪水も考えようとしましたときに、少し頭でっかちになっているようなことも上下流バランスを逸しないようにという、その2つのことを考えまして、全体の狐禅寺での安全度は、両方考えても150分の1というふうにできればというふうに思います。また、繰り返しですが、明治橋上流につきましては、その実績洪水に対応する。
 次のページ、素材のほうをあとにつけておりますのでちょっとあれでございますけども、今お話をさせていただきましたところのデータでございます。
 次のページを見ますと、これまでの全国のほかの川は、それも最近、基本方針を策定済のところだけを並べてございますが、流域面積、想定氾濫区域内の人口、想定氾濫区域の面積、区域内の資産というものを左のほうから、色がちょっとわかりづらいですが、治水安全度200分の1というのが左側にありますグリーンの棒グラフのもの、それから青い棒グラフのものは治水安全度150分の1、黄色のものが治水安全度100分の1という川でございます。どれを見ましても、北上川というものは水系全体として150分の1というのがおかしくないといいますか、そういうバランスの川かなと思われます。
 次のページでございます。これは先ほどの北上川の地形、地理とか気象から見ますと、南北に長くて、かつ東北は、例えば九州だとか四国みたいに毎年のように台風がくるわけではございませんし、台風は大体南から北へ動くと。そういうようなことからしますと、ここへ並べていますようなのが大体東北のこのあたりの雨の降り方でございます。これは左側から、実は一番下の表にございます狐禅寺上流と書いてございますが、これは狐禅寺流全域の平均雨量です。それを左側からこの地域で観測されました大きなものから順番に並べてございます。その表の上2段が、明治橋上流の平均雨量です。それから、明治橋から狐禅寺というのは、明治橋上流のところを除きました残りの流域の平均雨量でございまして、見ていただくとわかりますが、左側からずっときまして、大体下流のほうが大きゅうございますが、明治43年だけ上流がすごく大きくて下流は少ないと。こういう傾向のものでございますので、必ずしも実際のもの、これまでずっと100年近い中でも明治43年型みたいのが降ったときに下流のほうまで大きく降るということは、そこまで考えなくてもいいのではないかというものでございます。
 それから、次のページでございますが、基本高水のピーク流量の検討で、先ほど狐禅寺地点の150分の1というのは、これは新たなものでございますので、もう一度計算をしております。前も雲出川で踏襲のお話がございましたが、新たに出しているものでございます。現在は100分の1のものしかございませんので、150分の1のものにつきまして、新たでございますので、ステップを書いてございます。治水安全度は、先ほどのように150分の1、そうした場合の計画の雨量につきましては、各確率分布モデルを入れまして、SLSCが0.04以下のものだけを採用いたしますと、そこに書いてあります雨の数値、もしくはグラフのものになってございまして、150分の1で大体192mmから228mmということでございます。この中で平均値をとりまして、200mm/2日というものを算出してございます。これに従って基本高水のピーク流量を、下の表にございますような構図について、200mmに引き延ばして出しました結果が下の表の右側のピーク流量でございまして、10,000m3/sぐらいから13,600m3/sぐらいまでのものがございます。昭和22年の13,600m3/sというのを採用してございます。
 右上は、今度はそれを流量確率で検証してございます。結果といたしましては、右上にございますように、大体過去の流量から見れば11,500m3/sから14,600m3/sぐらいが150分の1として妥当ではないかと思われますので、今回の13,600m3/sというのはこの中に入っておりますようなもので十分妥当性があるではないかと思います。
 それからもう1つは、その下でございますけど、流域が湿潤状態にありましたのが、昭和58年7月の状況でございました。このときは雨が一番大きい、例えば昭和22年の雨が降った場合というのを出して見ますと、16,000m3/sぐらいになります。実際そういう起こり得る範囲内のものというふうに確認をしてございます。
 その下、基本高水のピーク流量のハイドロをつけてございます。今のは150分の1の検証でございます。
 今までのところで、最初3ページ前ぐらいにございましたようなことで、今回またご議論をお願いしたいと思いますが、先ほどの6ページの表にございましたように、下流の狐禅寺の基準点150分の1で13,600m3/sのピーク流量と。それに対して明治橋のところは、実績の明治43年を考慮しました6,200m3/sというものを入れた基本高水のピーク流量としたいというものでございます。
 10ページからは、前回、北上川の河道の状況、治水対策の課題のようなお話をさせていただきました。先ほど来出ております、連続した堤防がまだない場所での、いろいろ土地利用も踏まえたような守り方、その他のお話もさせていただきましたが、前回のものをまとめて流れとして書きますと、こういうものかなというのが10ページでございます。
 基本的方針というのは、これだけ大きな水系でございますので、水系全体がバランスよく治水安全度を向上させるというようなことが基本かと思います。その中で、河道状況や沿川の土地利用等を踏まえて、地域ごとの特性にあった治水対策を講じる。
 これを基本としまして、でございますが、全体の話としては、北上川は2つございますが、本川のほうでございますが、まず、31kmに及ぶ狭窄部が狐禅寺下流にございます。この狭窄部が大きな水系のポイントになってございます。この狭窄部の大規模な掘削というのは極めて難しいということがございますので、ここが1つのネックなりまして、狐禅寺地点での計画流量は8,500m3/sというのがございます。
 その次に、北上川、狐禅寺から上流ずっとかなりの長い区間で田園地帯を流れます。まだ無堤防もたくさんあってというような場所でございますが、そういう中で、全体の築堤、掘削はかなりの費用とか時間がかかりますので、右のほうにございますように、今までとってきた、それから、これから戦略といたしましても、中上流部や本川の主要な支川で幾つかのダムで洪水をためて全体の負荷を下げてやったほうが全体の築堤や掘削が減りますので、非常に効果的なディフェンスの仕方だと。そういう主要なところでつくりましたダムの、それでも足りない部分について、一関遊水地のところで受け取るというのがこの水系の全体の骨組みかと思います。
 それを踏まえて、今度は各ブロックといいますか、場所でございますが、上流部は、盛岡市明治橋上流は、明治43年9月洪水実績に対応する河川整備を実施する。盛岡市中心部を流下する北上川、雫石川、中津川は引堤や大規模掘削等が困難でありますことから、なかなか難しいことから、既設洪水調節施設の徹底的な有効活用を図るというようなこと、それから洪水調節施設を整備し河道の負担を軽減するということが1つでございます。河道の掘削に当たりましては、先ほどありました緑豊かな空間なんかにも配慮をし、ちゃんとした管理をしようというものであります。
 は、盛岡市の明治橋からずっと下、一関までの長大な区間でございますが、築堤、掘削等による河道の流下能力を向上するというのが1つでございます。また、主要支川における既設洪水調節施設の有効活用、一関遊水地の整備というものをこの区間ではしていこう。治水対策を早期かつ効果的に進めるため、地域の土地利用を踏まえ、その地域の住民の方との合意を図り、連続した堤防にかえて輪中堤とか宅地の嵩上げなんかも考えた対策をこの区間では実施をしていこう。それから、河道の整備に当たっては、自然環境や史跡等にも配慮をしようと。先ほどの柳之御所なんかも含め、そうでございます。
 それから、一関遊水地より下の狭窄部でございますが、地形的特性から大規模な掘削というのは実施が困難でございます。きちんと治水効果を発揮する対策といたしまして、輪中堤というのはちょっとあれですが、宅地の嵩上げ等の対策をここの区間は山間狭窄部の対策として実施をしていこうというものであります。
 5番目は、狭窄部を過ぎました宮城県内でございますが、築堤、河道掘削等により河道の流下能力を向上させるということで対応することかと思いますが、河口のヨシ原、シジミの生息環境みたいなものがここでは重要なものになってございますので、そういう保全に配慮したものにしようと。
 6番は、全体を通しまして計画規模を上回る洪水、それから整備途上段階での施設能力以上の洪水が発生した場合におきましても、被害をできるだけ軽減するため、関係する地域との合意形成を図り、氾濫形態や土地利用状況を踏まえた必要な対策というものを実施していこうというものが基本かと思います。
 これは骨格で、これをベースに基本方針の本文も書かせていただければと思ってございます。
 最後でございますが、旧北上川の治水の考え方という、これは旧北上川のほうでございます。旧北上川につきましては大きな変更等はございませんが、一番上に書いております。石巻中心部、これは前回お話を申し上げましたように、かなり窮屈な中で無堤地区が存在してございます。なかなか市街地が密集しておりますので、築堤とかそういうものが困難になります。大規模掘削はかなり河口部に近いので効果があまりないというようなところでございます。北上川本川から分離ですとか、新江合川による鳴瀬川の分派によって河道の負担を軽減するというのがまず1つの対策で、これらは既になされてきているわけであります。その際、鳴瀬川との整備バランスに配慮するというようなことが1つここの課題としてございます。上中流部におきましての洪水調節施設の整備を実施しますとともに、既存の洪水調節施設を有効活用して河道の負担を軽減する等、堤防の新設、拡築、河道掘削等を実施するというような内容かと思います。
 あと、超過洪水対策等につきましては、先ほどの北上川本川と同じようなものかと思います。流量配分図、北上川側の本川のご説明を飛ばしてしまいましたが、今見ていただいているところは、旧北上川につきましては、これまでと流量においては同様でございます。
 恐縮です。前のページで、計画高水流量配分図につきましては、先ほど来の考え方で見直しますと、上流の館坂橋、盛岡市内でございます。ここが今まで1,100m3/sでございましたのが900m3/s、それから雫石川が1,700m3/sでございましたのが1,500m3/s、この辺はダムの調整、その他、現在の有効活用等を図るということでございます。結果として、明治橋のところでは、従前は3,700m3/sでございましたのが3,100m3/sというふうに減ります。水系全体は150分の1で出してございますが、量としては周りの支川でのダムの有効活用等を行いますと、今の紫波橋と書いてありますところは、前は4,400m3/sでございましたが、4,300m3/sで対応できることになります。男山から下流につきましては、河道がかなり長くなっておりますので、だんだん低減していきまして、現在も8,000m3/sのものが新しい計画でも8,000m3/s。下のほうの狐禅寺も現在8,500m3/sが新しい計画でも8,500m3/s。それから、下流の8,700m3/sも同じように8,700m3/sというようなもので今回整理をさせていただければと思います。
 以上でございます。
(委員長)  ありがとうございました。
 それでは、前回質問が出た事項について先にご意見を承りたいと思いますが、このページの1、2ページは○○委員でしたが。
(委員)   説明はわかりました。しかし、かなり無理するんですよね。掘り込みかどうかという意味では、よく地盤を見てということでおやりになっているのもわかりますけど、反省点として、私なんかそういう役割を持っていないんですけど、これを見ていて反省しちゃうのは、こんな大都市にこんな流れ方をするような川をつくってしまったんだなと。これはいろいろな事情があるからというのはわかるんですけど、できるだけこういう川にしないようにするというのはどういうことなのか。そのためには上流にダムをつくり、いろいろおやりになっているんですけど、逆にダムがあるためにこういうところをかなり安全と見てきているんじゃないかなと感じたりしています。嫌らしいことを言って恐縮ですけど、こういう川をこんな水面形になるような川で、しかも、下流のほうが非常に広くなって、合流するせいもありますけど、変な水面形になって、ほんとうに大水が出たときに安全度は十分なのかなという。数字はこういうふうにして流れますと、こういうふうにやりますというのは十分了解しますけれども、よくよく考えた治水対策をここではやっていく必要があるということを、しつこいようですが、申し上げたいと思います。北上川全体の中でこれをどう見るのかというのは、全体としてまたあとで議論させていただきたいんですが、ここを見る限りにおいては、こういう河道づくりというのはやむを得なかったかもわからないし、歴史的な経緯もありますけれども、非常に心配なところであると私は思っています。
 以上です。
(委員長)  次は、3ページは○○委員。
(委員)   どうもありがとうございました。日本海に流れる川等では、結構そういうデータもあったものでちょっとお聞きしたということで、この流域でこれだけお調べいただきましてよくわかりましたので、ありがとうございました。
(委員長)  次、4ページは○○委員。
(委員)   どうもありがとうございました。私もよくわかりました。
 報道によりますと、先週ぐらいだったと思うのですが、ちょうど平泉の世界遺産に向けての国際機関の会議をどうも現地でやっていたようであります。ですから、世界遺産としての方向はおそらく間違いないと思うのですが、こういう河川関係で世界遺産の指定について、いろいろな意味で協力するということに多分なろうかと思いますので、河川事業に対するいろいろな理解も深まると思いますので、ぜひそこら辺の遺跡に対する配慮なり、遺跡に対して、河川局で何ができるのかちょっとよくわかりませんが、河道付替計画もちょうど同時進行のようですので、ぜひ加えていただくといいのかなと思いました。
 それから、河川と世界遺産指定のほうとやや関係あるのでは、広島の原爆ドームがちょうど河岸緑地帯が整備されたところですが、河川事業には全く責任がないんですけれども、最近、水上タクシーをやったりいろいろ努力されているんですが、実はマンション問題が起きていまして、河川局は全く無関係な部分なんですが。せっかくそこは厳島と原爆ドームの2つの世界遺産を結ぶということで航路なんか運行したりいろいろ頑張れているんですが、一方ではそんな問題も起きていまして、河川局の範疇ではないんですが、そういうところの河川とまちづくりとか、非常に重要な遺産の部分というのは、ぜひ河川局としてもいろいろ考えていただければと感じがいたします。
 以上です。
(委員長)  それから、5ページ、○○委員ですけど、6ページ以降と一緒にあわせた議論でさせていただきたいと思います。
 きょうは、従来の工事実施基本計画に対して新たな視点で今回提案の流量配分がなされましたので、これを中心に議論を詰めたいと思います。河川工学の専門家の皆さんからもご意見を伺いたいと思いますが、きっかけは○○委員のほうからお願いします。
(委員)   私、ここの全体の計画は、納得いたします。上流が実質150分の1だから、下流はそれと同等以上でなければいけないというのは、本委員会の重要な考え方であったし、下流の安全度が上流から水を集めることによって阻害されないことは大事なことですので、これでよろしいと思いますが、計画の数字をつくって、これでよいと決めすぎないようにしていただきたい。
北上川はこれまで相当の治水投資をしてきているんです。5つのダムに始まって、河道整備、遊水地をつくり、いろいろな対策をやってきています。その治水資産を上手に使う、もちろん使おうとした計画になっていると思いますが、新しい洪水の解析技術がつくられ、また、観測が行われるようになり、従来の計画についても、新しい視点から検討が出来るようになってきました。下流に対する洪水のインパクトを考えたとき、上流からやってくる洪水の波形を含めて、それから洪水調節の仕方を含めて、もっと有効にきかせることがあるいはできるんじゃないかという視点での検討も常に行っていくことが必要です。今回の計画では、最上流で1,100m3/sを900m3/sに減らして、ダムの調節量の見直しも含めて、盛岡の環境面と洪水面に対する安全度を上げることになっています。私は、ダムと河道と遊水地、一関遊水地ができて、下流の安全性の確保に対して治水施設の効果について、評価をしていると思いますけど、これまで以上に新しい技術で検討すれば、さらに治水施設を有効に使える可能性があると思いますので、施設の一体的活用により力を入れることを継続して行っていただきたいと思います。
 以上述べたことと関連して、書いていただきたいことがあります。すなわち、河川整備基本方針では、河川整備計画を意識することも必要です。この段階で十分わかっていないことについては、今後も調査をやることによって、しっかりと理解し、それを整備計画に取り込んでいくための調査が必要です。利根川の場合には、そのことを基本方針で書いています。例えば江戸川と利根川の分派点ではどういう分派の仕方をするかについては、必ずしも十分な情報がなく、ちゃんとした精査を行うとか、布川の狭窄部の流下能力はどの程度で、河床変動はどうかについては、ちゃんと調査も含めて検討することを書いていただきました。北上川も同様な意味を持っている河道区間があります。狭窄部はネック部だと言いますけど、私は狭窄部は財産だと思っています。すなわち、下流に対しての狭窄部の役割というのは大変重要でして、これは財産です。そこに平地のダムがあるようなものです。狭窄部によって水がつく地域がありますけど、それはそこで嵩上げをしたり、地盤上げをしたり、輪中堤をつくるとかいろいろな方策をとり、地域の特徴を生かすような、そして遊水地が効果的に働くにはどうするのかということを考えることになります。計画は計画として出来ても、実態が一体どうなのかについてしっかりと見極める必要があると思うんです。それを見極めれば計画が効果を上げてきて、整備計画のところで、もうちょっと具体的にこういう順番でやればいいとか、ここは後回しでいいとかということの順番が決まると思うんです。
狭窄部がネックで問題だという書き方にあんまりこだわりすぎないほうがいいのではないかと私は思います。川全体の安全度、バランスを考えたときに、狭窄部については今後十分調査しながら確実にこういった形でやっていきますというやり方が、むしろふさわしいんじゃないかなと考えております。
 最後に、狐禅寺下流では住宅の地盤を上げる形で地域を守ることになっています。安全度は150分の1ですが、実際の実力はそこまで上がらず、現実には氾濫します。150分の1と言ってしまうともう150分の1なんですけど、実際はあふれるんですということをどういった形で地域の方々に説明するのか。これはすごく大事だと思うんです。その点につきましてはぜひ工夫をしていただきたいなと思います。
 以上です。
(委員長)  どちらかというと、今後への心構えと。
(委員)   はい。
(委員長)  恐縮ですけど、○○委員と○○委員、時間がきましたので、おそらくこういう熱弁をふるう方がまだ続くと思いますので、差し支えなかったらご退席いただいて結構でございます。雲出川についてはそういうことで処理させていただきます。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、○○委員。
(委員)   ○○委員の熱弁にほとんど同感なんですが、上下流バランスとか流域バランスというのは、これは概念としてはありますけれども、地域ごとに違うわけです。北上川ではご存じのように、上流に非常に大都市があると、そこでは治水安全度が非常に必要だということ。中流部が、きょうの説明があったように、それほど開発されていなくて余裕があるということ。それを全体として150分の1として整理されたということは私もいいと思います。ただ、基本高水でふえる600m3/s分を、ここでは既設ダムの有効活用と、残りは狐禅寺遊水地で受け持つというんですが、中流部については連続的ではなくて、場所によっては輪中堤にするということですが、中流部では遊水効果というのは考えないのかどうかというのを1つお伺いしたい。計画上の遊水効果のようなものですね。もう1つ、ここで基本になっているのは、既存ダムの有効活用ということで、これは整備計画の段階で詳細に検討する問題かもしれませんが、ここでは重要なポイントになるので、具体的に少し資料を出していただいて議論することが必要だと思います。
(委員長)  ○○委員、お願いします。
(委員)   私も今までおっしゃった考え方と全く一緒なんですけども、前回、私は上流150分の1、下流100分の1でも土地の使われ方によってそれでもいいじゃないかというふうなことも思いましたし、それでも計画はできるというふうに思っていました。今回150分の1されて、下流への負担をできるだけそうでないように見せる計画論というのは、そういう意味では非常に評価できるなという気がいたしました。そういう意味では、計画論としては、こういうふうな立て方で非常に落ち着くところに落ち着いたんだなという気がしています。
 ただ、そのときに問題になるのは、600m3/sが負担になってしまったということで、それをどうするのかというのが今のような書き方ではなかなか見えないです。すなわち昔あったみたいに、基本高水の量を書いて、括弧書きで、どっちが括弧書きだったか忘れたけど、計画流量を書くとかというふうな形であれば非常によくわかるんだけども、それがないために一体どんなことをしているんだろうなと。例えば盛岡市の1,100m3/sを900m3/sにするためにはどんな努力をしたんだろうということがなかなか伝わってこないところにちょっといらだちがあるんだけども、今はどこにダムを配置するかとか、どこに遊水地を配置して、どこで何を持たせるかということをあからさまにしないということなんですけども、実は流配の中にはそれが入っていないと書けないんだけども、だからそこのところの説明の仕方をきちっと工夫していただきたいという気がします。なかなか難しいんですけども、どこまで説明しなきゃいかんのかというふうな、あるいはどこまでこういう小委員会で議論しなきゃいけないのかという中身の照査とかかわってくると思います。○○委員おっしゃったように、ダムの有効利用といったってどうするのかと。利水容量をふりかえることを本当にやるのか、それとも予備放流形式でやるのかとか、それぞれやり方があるだろうし、それぞれのやり方に対して、それぞれの専門家がいろんな意見が述べられる機会がないまま、それで基本計画ができ上がっていくというのもいかがなものかなというふうなところがちょっと気になりました。
 それから、今回、区間ごとに特徴を非常にうまく指摘されて、あるいは把握されて、それを河川計画に生かしたというところは非常によくて、計画論はこれでいいんだけども、確かに○○委員おっしゃったようなこと、すなわち評価をどうするのか。この計画論は実はどんな評価になっているのかというところをきちっと今後示されていく必要があるなという気がしました。私も苦労したところに庄内川というのがあるんですけども、上で守るべき多治見あたりと、真ん中に長い狭窄部と、それから名古屋市があって、上流の負担を下流にかけないというふうな視点が非常に重要なんだけども、うまく狭窄部で解消されている部分もあると。それが計画論の中でどう生かされたかというのは、この北上川でも同じように、計画論を立てた後にきちっとした評価を皆さんに示していくということが今後非常に大事だろうなという気がいたしました。
 それで結構かと思います。ありがとうございました。
 もう1つ、すみません。超過洪水ということが最後に1カ所書かれていました。超過洪水についても対策をすると書かれました。超過洪水の対策は、対策としては、いわゆる施設だけが対策であるとすれば、スーパー堤防みたいなものだけしか位置づけられないと思います。超過洪水の対策、いわゆるもっと広い意味での対策は、さまざまな施設でないというとり方もある。ここのところも区別しておかないと、超過洪水に対しても、例えば河川管理者が1つ1つ施設、すなわち今までやっているように、堤防なり、嵩上げなり、上で流量カットするというふうなことまで考えていくと、何が超過洪水なんだというふうな話になって、計画論でどこまで守るということは、これは平等性とか公平性とかいろいろなことが必要になるんだけども、超過洪水になったら被害を最小にするわけだから、なかなか平等性とか公平性が守れないところがある。そういうものに対してきちっと施設で対応していくということは非常に難しくなるので、簡単に超過洪水に対して、紛らわしい言葉である、すなわち施設対応するというふうな言葉にとられかねない対策と書くのはいかがかなという気がいたしました。
 以上です。
(委員長)  それでは、○○委員。
(委員)   この狐禅寺の基準点という方式で、その中に前後の配分の中に、上下流というバランスが組み入れた形で分かれているということで、上にという意味合いもカバーした形で取り扱われているので、この基準点150分の1という形で計画論としてはいい考えで進んでいるんじゃないかなというふうに思います。
 それから、それに伴うもとの、明治43年、約6,200m3/sというのを考慮してという形のとらえ方をどう考慮するという形の入り方をこういう形で見せていただいたわけですが、600m3/sが新たに基本高水のピーク流量がアップした、この取り扱いについて、先ほど来お話が出ております、ほかの既存施設の高度活用等々が描かれておりますが、そういった形のもので可能性も含めて描かれているというのであれば、そういう展開で計画論として進むことにしたらいいのかなというふうに思っております。ただ、一方では、文章で、無堤の区間等々があって、一部そういった有堤化とか、そういうお話等が描かれておりますが、そういった形のものがどういう時間順序等々で整備されていくのか。そういったあたりは、ある程度整備計画というオーダーの話になるかもわかりませんが、そういった形のものが下流増に結びつく形を含めて、こういう計画高水流量として確保されているというふうに理解したいと思いますので、そういった意味合いで、こういう進め方というものについてはいいんじゃないかというふうに思っております。
(委員長)  ここまで聞いて上で、○○委員、地元委員としてご意見がありましたら、お願いします。
(委員)   きょうは流量に関するお話で、私はそんなに詳しくはないということで、そんな中で、治水施設の徹底的な有効利用という言葉が結構出てくるんですが、例えば盛岡のところが1,100m3/sから900m3/sに、200m3/s突然減ってきちゃったというようなのがあって、ほんとうにそれでできるのかなというのが、ちょっとそういうのがあるんですが、趣旨としてはそういう形でいいんじゃないかと思います。
 それから、全体を150分の1とするということで、個人的には重要なところが高くて、地域の特性にあった確率でいいんじゃないかなというふうに思っていたんですが、ここの会議としては、全体をまとめるというような形で、安全度が下流のほうでは上がるわけですから、別に意義はありません。ですが、北上川の流域懇談会というのかあったんですが、下流の石巻の人たちは今100分の1をもっと落としてくれというようなお話を結構されていました。というのは、確率が上がると堤防がもっと高くなるんじゃないと。高くなると石巻市内が堤防になってしまって、景観上とか、そういうところで非常に悪くなるというようなお話が結構ありました。そういうところも、こういう基本方針と計画というようなところ、実際に計画というところをどういうふうにするかというのが問題かと思います。
 それから、全体的な考え方というところで、北上川狭窄部とか遊水地とか、そういうのがありまして、先ほど言いました懇談会の話でも、住民の中からもこういうハードとかソフトをあわせた形でもっていくのがいいねというようなお話でありましたので、基本的な考え方というのはそれでいいと思います。
 以上です。
(委員長)  ○○委員、ご意見ありますか。
(委員)   ありません。
(委員長)  この流量については、各委員、今までの経験も踏まえてそれぞれのご意見がありまして、私もちょっと意見を言わせてもらいますと、上流が150分の1で下流100分の1というのは計画論としてはあり得ない。上流で水を集めて、下流でもっと脆弱なところをつくって、そこに破堤の危険を拡大させるということは人為的で、計画の欠陥だと思います。したがって、堤防河川では少なくとも上流より安全度は下流のほうが高くする必要があります。極端なことを言って、盛岡はほとんど掘り込み河川だから数字上の安全度にこだわらない。現地で2、30分の1としてもいいじゃないのと言ったら怒られましたけど。そこで集めた水を下流の高い堤防のところへ集めていって、破堤の予想されるようになる計画はあり得ないと思います。したがって、少なくとも盛岡が150分の1相当であれば、下流は150分の1以上であることが望ましいのではないか。しかも、宮城県内に入ればすさまじい連続堤ですから、どこが破堤しても大変なことになるわけです。上流で何とか抑えていくという意味でも、計画は上下流のバランス――バランスというと上も1割安全度を上げるなら、下流も1割安全度を上げるような考え方じゃなくて、上は下流の加害者だということを考えておかなければいかんのじゃないかという意味で考えてほしい。この提案は、少なくとも狐禅寺150分の1ということですが、盛岡は既往最大洪水流量を何とか流してくれということです。これはある意味で輪中堤の発想で、他への影響を最小化させて自助努力で盛岡を守ることです。盛岡の河道が下流に直結させちゃいかんのじゃないかなと思うんですね。盛岡は盛岡で県都だから、既往最大洪水に堪える計画にいたしましたと。しかし、その下はパイプがつながっていませんということが必要じゃないかと思うので、連続堤に変えてということであります。連続堤に変えてというとどうするのか。現在も堤防はつながっていませんから、今のまま凍結するのが一番いいんじゃないかと思います。遠い将来を考えると、その沿川の宅地は少なくとも100分の1なり150分の1は確保する。その上で、○○委員にお伺いしたいんですが、農地と住宅と安全度を変えた防御方式というのをこれから考えていったらどうかと。そうするといつも遊水地構想が飛び出すんです。遊水地にしますといって計画するんですけど、遊水地というものは、本来は自分の土地に人の洪水を呼び込んで、皆さんのために自分の土地を犠牲にする場合が遊水地なんですね。ところが、水が本来的にたまりそうなところを全部遊水地にするという発想になりがちです。先ほど○○委員が言いましたけど。河川の4号地でも何でもなくて、水害危険区域として、例えば50年に一遍きたら水が浸かる可能性のある土地と、150年でも守る土地と、安全度別に分けて考えていったらいいんじゃないかなと思います。したがって、この河道が上流から下流までずっとつながった絵にしているのが皆さんに疑問を感じさせるので、点線ぐらいにしておいたらどうかなというのが私の考えです。これを事務的にお考えいただきたい。そうすれば皆さんの意見と私のが合うんじゃないかなと思うんです。一応この提案を土台にしながら、ご意見があったらいただきたいということで次回の議論に反映させたいと思います。
 ちょっと専門家同士で議論しましたが、それ以外、きょうご発言のない方からご意見を承りたいと思います。
 ○○委員、お願いいたします。
(委員)   怒られるかもしれませんが、旧北上川は本川と切れているわけです。だから、旧北上川の流域は150分の1なんでしょうかという質問です。変えたら怒られますか。
(委員長)  これは150分の1ですね。旧北上川もかなり人口密集地でということですが。
 ○○委員、お願いします。
(委員)   きょうは資料3−1の説明はなかったんですが、これは次回ですか。
(委員長)  ええ。ちょっと時間の関係で、ほんとうは入りたかったんですが。
(委員)   1つだけ質問があるんですが、先ほどの補足説明資料の5ページで、明治43年と昭和43年が真ん中のところに書いてあるんですね。洪水の天気図が大変よく似ているということが書いてあるんですが、これは秋雨前線豪雨なんでしょうか。どうも前線とは書いていないんですけれども、東シナ海に台風が存在する。大陸に低気圧があるというのはどうも秋雨前線豪雨のような気がするんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
(事務局)詳しくはあれですが、台風に刺激をされた秋雨前線のようです。
(委員)   そうすると、2000年9月の東海豪雨と同じパターンと考えていいですね。これは1つの地域で長い間雨が降るというおそろしい気象状況になるということでありまして、多分、北上川の場合は、そういう天気分布になりますと、南風か南東風が入ってきて、上流部の山地、奥羽山脈や岩手山あたりにぶつかって、そこで大雨を降らせる。だから、そのパターンというのは今後も出現する可能性が高いと考えておかなければいけないのではないかと思ったのでお尋ねをしたんです。
 以上です。
(委員長)  ○○委員、お願いします。
(委員)   特に北上川の場合は、盛岡市が非常に大切なというか、昔から大切に守るべきところということで、なおかつ、ちょうど盛岡は大河川が3本ほど入ってくるという非常に難しいところだったんだろうと思っております。また、さらに明治43年に実際の洪水が起こっているというところも、その時の雨の降り方は特異なんだけども、地元では非常に印象に残っており、洪水に対する意識が高いんだろうというふうに思っております。
 先ほど委員長のほうからもお話ございましたけれども、農地と市街地、それぞれの水に対する考え方というのは、我々計画論的には、普通は10分の1で、特別な場合には30分の1ぐらいまでとるところもありますけれども、そういうようなものに耐えられるということは、それを超えるものについては、基本的に水はあふれるような整備をしてきているというようなことからすれば、おのずと計画論的に差がつけてあり、全体として調和のとれた組み立てになっているんではないかというふうに思っております。
 以上です。
(委員長)  ○○委員、お願いします。
(委員)   1点、問題提起ですが、正常流量のところですけれども、この北上川は非常に長大な大きな河川だと思うんですけど、正常流量の流量目標が狐禅寺地点1点というのが無理があるのではないでしょうか。きょうお配りいただいています参考資料1−1の26ページあたりも眺めていたんですが、普通期と言われる6月−9月のクリティカルな流量というのは、どうも186.9km地点の動植物必要流量から算出されていまして、実際は、狐禅寺というのは70kmぐらいのところですか。つまり、その途中の流入・還元量が圧倒的に多いというような計算になっているんですけども、あまりそこは意味をなさなくなっているんではないかという感じがいたしまして、どこか大きな水系、利根川だったかどうか忘れましたけども、正常流量の目標流量も何点かで決めて、きめ細かい管理をしていくんですというようなことも聞いたような記憶があるんですが、この点について、北上川の正常流量の目標の定め方について、もう少し多点目標を定めるというお考えはないのかどうか、次回お考えを聞かせていただきたいと思います。
(委員長)  では、次回でよろしゅうございますか。
(委員)   はい。
(委員長)  大分お待たせいたしましたけど、恐縮です。○○委員、ご意見をお願いします。
(委員)  代理で出席させていただいております。よろしくお願いしたいと思います。
 県としては、ようやく上下流、盛岡地区と県南地区、150で統一できて、下流のほうの安全度が上がるということについては特に異論はございません。ただ、中流域につきましても、輪中堤と連続した堤防によらない手法もこれから考えていくというようなことなんですが、地元の要望としては、中流域というのはわりと平地部が多くて、田んぼと住居とが、耕地と住むところが必ずしも区分できていないというふうなところもございまして、連続堤による整備というものを強く地域としては要望がございます。そういう意味で、今回こういうふうなのはちょっと違った書き方になっておりますので、地元との調整をこれからよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
(委員長)  ○○委員、お願いします。
(委員)  ○○委員の代理で参っております。北上川、旧北上川の河口につきましては、宮城県の第2の都市であります石巻市を抱えております。また、この旧北上川、北上川につきましては、宮城県の地形特性として低平地であるということから、連続堤防を余儀なくされるということでございますので、今回、100分の1から150分の1と治水安全度が上がったということは、大いに宮城県としては歓迎をいたしているところでございます。
 また、計画高水流量につきましても、これまでと変更がないということでございます。本川の北上川、旧北上川も150分の1でございます。さらには、支川の改修も行ってございますので、それらの整備に支障がないということで、これもいい方向でまとめていただいたのかなと思っております。
 また、この地区は江戸時代から北上川、旧北上川、そして鳴瀬川、さらには迫川などの河川がネットワークを組んでいろいろな形でやってきてまいっておるわけでございまして、この河川ネットワークをきちっとさせながら、これから県としても、国と連携して整備を進めていければと思っております。
 以上でございます。
(委員長)  さっき○○委員からもご意見ありまして、この点は少し現場で、現地に即した議論はしておいていただきたいと思います。
 したがって、本日は、この流量関係の議論に終始いたしました。時間がまいりましたので、これをもって議論を閉じたいと思います。次回は、本文案について審議をしたいと思いますので、きょう出た問題については、ひとつ調整をしていただいて、その上で次回議論をいたしたいと思います。
 なお、本日配付された資料も含め、お気づきの点がありましたら、次回以降の議論にも反映できるようあらかじめ事務局までご連絡くださいますようお願いいたします。事務局におかれましては、本日の議論や委員からの追加意見も踏まえて資料を作成し、次回紹介するようお願いいたします。
 最後に、本日の議事録につきましては、内容について発言者の氏名を除いたものとし、各委員のご確認を得た後、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することといたします。
 本日の議題は以上でございます。

3.閉      会

(事務局)  どうもありがとうございました。
 最後に、事務局○○よりごあいさつを申し上げます。
(事務局)  各河川の基本方針の原案が委員会でご了解いただいたときにごあいさつするということで、きょうは雲出川をご了解いただいたということでごあいさつを申し上げたいと思います。
 雲出川につきまして、全体で51番目、この小委員会でご了解いただいたのは。あと3つ、4ついくと半数を超えるということでございますので、大変精力的にご指導いただきましてまことにありがとうございます。
 ただ、北上川の議論に少し参加していなかったので私のほうからも感想を述べさせていただきたいと思います。北上川も大変に大きな河川でございまして、これまでの計画が、上流の計画の考え方が150分の1では必ずしもなかったと思うんです。明治43年に対応すると、それが実質150分の1だったと、こういう考え方だと思うんですけども、実際に下流が100分の1だということで、非常にバランスが失していたということで、今回ご指導によりまして上下流のバランスのとれた計画を立てるということで、大変ありがとうございます。ただ、今○○委員からお話がありましたけれども、中流部の問題につきましては、これは地域とよく相談をしながら進めるということと、それからもう1つは、よく自然遊水機能と計画遊水機能の議論がありまして、例えば中流部で輪中堤をつくったときに、そこに遊水機能をカウントすればいいじゃないかと、こういう議論があるんですけども、しかし、そこを計画遊水地にしないのであれば、そこで遊水機能をカウントするのは、例えばそこで土地を地域の方があげるということについて、我々そこを規制するものではないものですから、基本的には計画遊水機能と自然遊水機能は少し違うのかなという感じがありまして、そういう意味では、工事途上の部分、計画途上の部分、それからまた、計画を超えるようなものに対する考え方というのがあると思うんですけど、計画上見込むというのはなかなか難しいかなということで思っておりますので、その辺また地域とよく相談しながら進めていきたい、こう思いますので、よろしくご指導お願いします。
 きょうは、残念ながら北上川が最終的なところにいきませんでしたけれども、もう一度ご議論いただきまして、最終的にまとめていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
(事務局)  次回の本委員会は、Aグループにつきまして、北上川水系の審議のため7月28日金曜日、10時から12時の間、場所は低層棟共用2a・bで開催したいと思っております。よろしくお願いいたしたいと思います。
 また、お手元の資料につきましては、お持ち帰りいただいても結構でございますが、郵送ご希望の方には後日郵送させていただきますので、そのまま席にお残しください。
 それでは、閉会いたします。どうもありがとうございました。








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