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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第46回河川整備基本方針検討小委員会

平成18年8月10日


出席者(敬称略)
委員長  近 藤   徹
委   員   綾  日出教

池 淵 周 一
伊 藤 和 明
岡 本 敬 三
楠 田 哲 也
小 池 俊 雄
越 澤   明
坂 本 弘 道
中 川  一
福 岡 捷 二
福 永 浩 介
虫 明 功 臣
森    誠 一
森 田 昌 史
潮 谷 義 子


1.開      会

 

(事務局)  ただいまより、第46回社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催いたします。  私は、本日の進行を務めさせていただきます事務局○○でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、お手元に配付しております資料のご確認をお願いいたします。議事次第、名簿、配席図の3枚がございます。それから、資料目次、本日は、資料1、2、3、4と資料がございます。また、参考資料1から8まで、これはこれまでのお配りしている資料等でございます。また、別添ファイルといたしまして、机の上に2冊ファイルをご用意いたしております。以上でございます。資料を確認していただきまして、過不足がありましたらお申しつけください。よろしいでしょうか。  それでは、本日はBグループでございます。○○委員、○○委員は、ご都合によりご欠席されております。○○委員は、遅れてご出席されます。
 傍聴の皆様におかれましては、傍聴のみとなっております。議事の進行にご協力願います。それでは、委員長、よろしくお願いいたします。

2.議      事

 

(委員長)  ○○でございます。
  本日は大変お暑いところ、早朝から委員の皆様にはご多用中にもかかわらずご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 まず議事に入る前に、地元の方々から意見書や要望書が来ております。既に配付しているものも含め、各委員にはこの場に用意してございます。各委員におかれましては、意見書の専門的な分野については既にごらんになっていることと思います。なおまた、大変直前に届いたものもありますので、お気づきの点は審議の中でお読みいただきたいと思います。これらの意見書の内容も踏まえまして、ご意見をいただきたいと思います。
 それでは、議事に入ります。前回は基本高水のピーク流量につきましてご審議いただきました。今回も引き続き基本高水のピーク流量についてご審議をいただきたいと思います。まず前回の審議での質問事項等について、事務局より説明をお願いいたします。
(事務局)  事務局○○でございます。それでは、座って説明をさせていただきます。
 お手元のA3判のカラーの資料、横長のものでございますが、左上に「資料2」と書きましたものをごらんいただきたいと思います。
 1枚目は、前回お話をさせていただいた中で、昭和40年7月の洪水のときに、人吉の町の中で30分ぐらいで一気に2mも水位が上がったというような体験のお話がございました。これについて、ダムとの関係等申し上げたわけでありますが、市街地で急に水位が上がったことについて、もう少し丁寧な内容をお話ししてくださいというようなお話がございましたので、ちょっとご用意しております。左上が、そのときの人吉の町中の水色で書きましたところが浸水している場所でございます。写真のところも少しマークをしてございますが、この中の60k/400というのは、河口から60kmと400mとか、そういうふうなものでございます。61k/200という線が出てございますが、それぞれのところの川のほうの水位が左下の絵でございまして、ちょっと時間とだぶらせて書いてございますけれども、7月3日の0時から3時、6時、9時というところで徐々に上がっていって、6時ぐらいをピークにしてまた下がっていくというところです。見ていただくとわかりますように、大体1時間で1mぐらい、30分で言いますと50cmぐらいでございます。
 川のほうの水位はこのぐらいの変動でございますが、先ほどの体験のお話があったという、30分ぐらいで2mというのは、右の下のほうにご用意いたしましたが、実際は市街地のところというのは、一番右下の絵で見ていただきますと、1洪水のはじめは、川の中にどんどん水がたまりまして、だんだん水位が上がっていくわけでございます。ここは、市街地はまだ水がついていないわけでありますけれども、2で書きましたように、少し周りからあふれましたのを含めて、だんだん低いところから少し水がつき始めます。そのとき川の水位はだんだん上がっていきまして、右側の3の河川の水位が堤防の水位に達しましたら、急に今度はそれを越流してといいますか、堤防を越えまして、町中の低いところを上がりますので、急に上がるという現象が起きます。その上のグラフがそれを時間とともに書いてあるものでございますけれども、緑の線は、ちょっと小さくて恐縮ですが、河道水位とありますが、川の中の水位でございますけれども、しばらく、3時ぐらいまでのところは、市街地のところは水がつくわけではありませんが、氾濫開始と書いてありますところから青い太い線が始まりますが、市街地としては最初ずっと地盤高ぐらいのところにありましたのが、川を越えますと、堤防を越えますと、急に青い線のように上がって、川の水位とあるときは一緒に結びつくということで、ここで見ますと、大体これが30分で2mぐらいだったと、このあたりのご体験の話かなと思われます。
 それから、次にもう1枚おめくりいただきまして、今度は別な地元の方のお話の中に、矢黒地区というところがございますが、矢黒地区の改修のときに、矢黒地区の河川改修があれば今後の被害は全くなくなるというようなお話があったのではないかというようなお話が来ておりました。ちょっと事実関係を左上に時間とともに書いてございますが、ご案内のとおり、昭和40年7月の大きな洪水を契機に、昭和41年に球磨川の工事実施基本計画というのが策定されました。この中身は、基本高水のピーク流量を人吉市で7,000m3/s、それから、上流のダム群などで調節いたしまして、計画高水流量、川のほうで流れます流量としては、人吉地点が4,000m3/s。これは、今お話が出ています矢黒地点というのは少し場所が下流のほうでございますので、その地点を見ますと4,400m3/sというふうになります。河川改修をこのときに、その下にございますけれども、昭和42年から昭和56年にかけまして水害対策としての河道改修をやるわけでございますが、当然、先ほどの前提でございます計画高水流量に対してやるわけでございますので、矢黒地点ではその4,400m3/sがうまく流せるようにというようにしてきているわけです。その下に現状といいますか、当時2,500m3/sから4,200m3/sと、人吉市の基準点ではこのぐらいの改修効果といいますか、その42年から56年の改修を見まして、このぐらいの洪水を流す力が出ておりますが、これはあくまでも上流のダムなどで貯めました後の計画高水流量に対して改修をしているものでございます。
 絵で見ていただきますと、下の写真は人吉市の町で、川は右上から左下へ流れている写真でございます。左岸側、この絵でいきますと南側、下側の赤い点線のところまで堤防を引堤といいますか、そこに堤防をつくって河道を広げた。それから、右岸側のところ、この絵の上のほうの点線は、特殊堤というコンクリートのパラペットといいますか、コンクリートの壁をつくったものがその場所でございます。断面は右上のような断面でございまして、もともと赤い川の断面でございましたのを、先ほどの改修工事で広げまして、今は黒い線のような断面になってございます。大体引堤、こういうことがなされませんでした場合の水位が赤い点線で、下のほうが約2mぐらい57年7月の洪水でも下がっているというのがわかります。
 それから、ちょっと別な話題でございますが、右下に中流部の狭窄部がございますけれども、ここの水位上昇が、市房ダムの完成後、洪水被害が激化しているというようなお話がございました。これについていろいろ調べてみますと、特に市房ダムの完成よりも前の状況というのは、少しデータは少ないのでございますけれども、一応データで見てみますと、下のほうの上のほうが、今申し上げましたように、流量で見ますと、黄色が市房ダムの完成前のところでして、濃い青とか薄い青とかで書いていますところが、市房ダムができてからでありますが、その前のデータは、黄色い部分は少のうございます。それで、正確なものではございませんが、雨量からごらんいただこうということで、下に用意しておりますのが、これは年最大の2日雨量を、こちらのほうは昭和2年からデータがございますので、載せてございます。見てみますと、大体大きな被害だとかが出ましたやつ、これは青いところだけのもので見ますと、少し濃い青から薄い青に変えたところが10本ぐらい載っていますが、これが浸水被害を起こしているようなものでございまして、このぐらいの雨が降りましたときの、これが黄色の段階といいますか、市房ダムができる前ですと、24年前後ぐらいですか、この辺にございますが、もともと雨の頻度がここから後ろに非常に多くなっている、これが1つの原因ではないかと思われます。前回、ダムの放流につきまして、下流のピーク流量といいますか、ダムの放流が下流の洪水流量を上げているわけではない資料はお話し申し上げましたが、それを勘案いたしますと、こういうのが原因だったのではないだろうかと思われます。
 それから、その次のページでございますが、委員のほうからお尋ねで、全国の河川整備基本方針のこれまで策定を行いましたときに基本高水のピーク流量そのものを改定いたしました川はどういうのがあって、その理由はどういうものだったでしょうかというようなお話がございました。これまで約50ぐらいの水系の河川整備基本方針の策定を行っておりますが、そこの左上の表に書いておりますような大淀川、五ヶ瀬川、番匠川、安倍川、庄内川、沙流川、高津川と、これらが先ほどのような基本高水のピーク流量を見直したものでございます。
 表の右のほうに主な改定の理由というのが書いてございますけれども、大淀川につきましては、もともとの計画が1/70規模でございました。これに対して、昭和57年8月だとか、平成5年8月とか、平成9年9月だとかにこういう計画を超えますような洪水が出ておりますので、こういうデータを含めまして見直して、1/150の、150年に1回の洪水に対して検討いたしまして、基本高水のピーク流量を9,700m3/sというふうに出しているわけであります。あと、同じようにずっと理由を書いてございますが、五ヶ瀬川につきましては、こういう計画を上回るもの、それから、それに近いものが発生しております。番匠川、これはもともとの基本高水のピーク流量、もともとの計画のものは超えておりませんが、ほぼ同じぐらいのものが連発いたします。確率の話からしますと、こういうものが連発するということは、これより少し大きいものは簡単に出てくるといいますか、容易にそういうものが想定されるということで、こういうものを確率で検討いたしまして、現在の流量にしてございます。それから、安倍川につきましては、静岡市内を貫流する川でございます。もともとこれが1/80という計画規模でございましたものを上げる必要が、そういう川の状況からしてございます。また、相当な急流河川でございまして、単に洪水の流量だけではなくて、流れの破壊力、それから流れに伴って土砂を運んできて、周りを、堤防を削っていくとか、そういう破壊力がございまして、それらも勘案して計画の見直しをしております。あと、庄内川につきましては、計画の流量よりは超えてございませんが、かなり大きなものが、かつ大氾濫、東海豪雨大被害を起こしましたので、全体のさっきのデータまで見直しをしてやる必要があってやったというものでございます。あと、沙流川につきましては、計画を上回るものが発生した。高津川につきましも、同じようなものでございます。
 それから、その次のページでございますが、この7月に球磨川、それから最も大変なことになりましたのは、その少し南の鹿児島の川内川でございますけれども、梅雨前線で被害がございました。若干の状況のご報告をさせていただきます。これについては、特段ご質問があったわけではございません。この中に書いてございますように、球磨川につきましては、人吉上流域平均雨量、大体760mm連続したものでは降ってございます。ただ、最大の2日雨量では430mmぐらいです。それから、短時間といいますか、もう少し短い時間のものは右の表のほうへ用意してございますが、右の表の薄い黄色で書きましたのが、18年7月の今回の洪水です。ちょっと見ていただきますと、1時間、3時間、6時間、12時間とか見たところで、場所場所といいますか、洪水洪水、それから時間時間で必ずしもではございませんが、比較的小さめでございまして、こういうことが幸いして、過去の出水に比べて3,700m3/sというぐらいの洪水の流量が出てきたものと思われます。
 下のほうには、今の各、上の表に載せておりますようなものを、雨と、それからどんなふうに降っていると洪水がどんなふうに出てというものを出してございますが、左の40年7月なんかは、10時間前後ぐらいのところでどんと固まって降っています。大と書かせていただいておりますが、こういうパターン、それから、57年7月も同じようなものです。今回の特徴は、これはここだけではございませんが、全体的に長く降っております。しかし、ピークはあんまり大きくなくて、だらだらとしているというのが全国的な降り方でございまして、そういう意味では、川内川は大変な被害でございましたが、それ以外はどちらかというと土砂災害といいますか、山が湿って長く雨にさらされて崩れたというのが全国的な今回の水害の特徴でございましたので、ここでもそんなものです。
 最後でございますが、そのときの球磨川での出水の状況を載せてございます。左上に水位の状況等ございますが、一時期人吉でも危険水位、一部のところではもう氾濫するかもしれないというふうなところまでいってございます。被害につきましては、図の中で赤い丸だとかで示してございますけれども、これを表にしたものが左下でございます。まだ全部のいろんな被害についてのまとめができておりませんが、浸水の戸数だけを見ますと、左下のようなところで、これは大体この右の絵で見ていただくとわかりますが、中流部の狭窄部のところで大体の被害がなっているというものでございます。また、人吉の町中を含めまして、低いところがございましたり、先ほどの危険水位も超えているというようなこともございますので、避難勧告だとかも発せられてございます。その状況は左下のようでございます。
 以上でございます。
(委員長)  ありがとうございました。
  ただいまの質問について、まず1ページは、私からの注文でした。一応30分で2.01m上がるということがあり得るという説明だったと思います。一般的にこの資料を見たときに、まず河川の堤防の破堤でないと、そう急速に水位は上がらないのではないか。当時人吉は堤防がほとんどない状態ですから、こういう水位の上がり方というのは、よっぽど特殊な事例ではないかということで質問したわけでありますが、今のお話ですと、地形条件が大変水の貯まりやすいところに氾濫水が集中したと、私は理解いたしました。
 2ページは、矢黒地区の改修状況についてでございますが、意見書は、改修が終わればすべて氾濫はなくなるという前提だったと言っているわけではないんですけれども、最大限協力したにもかかわらずということの意見書でしたので、あえて質問したわけであります。この状況では、まだ治水目標が完成されたということではないと、理解いたしました。
 3ページは、これは○○委員でしたか。
(委員)  そうですね、私なんですが、この資料の大淀川から高津川までの中で、いわゆる実績主義といいますか、実際に工実のときよりも大きな規模の雨あるいは洪水があった、あるいはそれに近いものがあったというのがほとんどなんですが、安倍川だけが1/80だったものを、むしろ守るべきところ、静岡市が非常に重要性があるということと安倍川が急流だということで変えられたと、これだけがある意味では実績主義ではないんですけれども、それなりの理由があるし、おそらく地元もこれをむしろ望んだというか、そういう背景があったんだろうと思います。
 そういう点から言えば、安倍川に近いわけだと思うんですが、そういう意味では、球磨川は実績の工実の計画対象としたものよりは大きいものが出ていないということで、実績主義の立場からは1/80でもいいというふうな感触をこれから得ます。
 以上です。
(委員長)  そのほか多数質問が寄せられておりましたけど、かなり本格的なご質問もございましたので……
(委員)  もう1つ、次のページ、よろしいですか。4ページ、前回の資料に今回の豪雨が追加されていまして、前回ちょっとコメントを言うのを忘れましたので、申します。
 最初の地元からの問題提起として、2日雨量440mm、平成17年9月の豪雨はそれを超えていると。それから、ことしの前回のものもそれに近い430mmというのが出ているわけですが、それにもかかわらず洪水流量が出ていないのはなぜかというような質問があって、これが提示されたわけです。これはいろんな意味を持っていると思います。1つは、もうこれまでもいろいろ議論したように、2日雨量ではなくて、むしろ12時間とか、あるいは昭和40年7月なんかは、6時間、3時間というようなもっとだらだら雨が降った中での短時間集中豪雨で洪水流量が決まるということで、それともう1つ、上の表の一番右に書いてあります前期雨量によって洪水が決まるんだということがかなりはっきり説明されていると思いますので、後の短時間雨量が効くという話と、それから短時間雨量の前に降った前期雨量、あるいは2日雨量というような長期の雨が湿潤状態を決めるというようなことが、ここにはちゃんと出ていますので、いい資料を出してもらったと思っています。
 以上です。
(委員長)  失礼しました。
 それから、5ページは、事務局からの現況報告ということですね。
 それでは、それぞれにまたご質問があろうと思いますが、後の審議の中で、これらの資料も踏まえてご質問なりご討議をお願いします。それから、そのほかにも多数の質問は出ておりましたが、これらはこれからの説明の中に織り込んで説明をお願いしたいと思います。
 それでは、事務局から基本高水のピーク流量算出に関する説明をお願いいたします。
(事務局)  それでは、引き続き恐縮でございますが、「資料3」と左肩に書きましたA3判の資料、それから、そのまま続いて資料4、2つのお話をさせていただきたいと思います。
 まず資料3のA3判カラーの横長のものでございますが、お開きいただきたいと思います。これは分冊にいたしました資料3のほうは、そこに文字を書かせていただいておりますが、工事実施基本計画と河川整備基本方針(案)の基本高水のピーク流量の算出方法にかかわりますものを、大体こちらのほうにまとめてございます。2つの比較ということでございますが、上の四角の中に書かせていただいておりますが、基本的な流れは全く同様ではないかと思います。ただ、工事実施基本計画というものは、その当時の中で一般的な方法というのを使っている。それから、河川整備基本方針(案)というのは、最近の各水系の検討の中で一般的に使っているもので淡々とやったというものでございます。
 真ん中フローは、これまでも似たようなものは見ていただいておりますけれども、さっと見ますと、流れから言うと、基準地点というのを選定しております。水系全体の安全度を代表する地点としてどこだろうか、それから、計画の安全度、これは確率の規模で見ますと、80年に1回だとか、200年に1回とか、そういうものでございます。こういうものを前提にいたしまして、降雨量、雨をまず考えるわけでございますが、計画降雨継続時間というものを出してございます。計画降水量までの雨を計画の雨として、例えば100年に1回の雨としては何mmだろうかというものを出すわけでございますが、その雨の横幅、時間としては何時間分が雨のまとまりで考えるべきかというものを出しているわけであります。データは降雨データの収集・整理ですが、これは最近のものまでなるべく入れるようにして、また、できれば細かい状況がわかりますと時間雨量データを出そうとしているものでございます。それから、それをもとに計画の降雨量というものを確率で出しているわけでございますが、これをもとに、右のほうの洪水流量の算定というところは、時間分布、空間分布と書いてございますが、雨の降り方、時間的な降り方のばらつき、それから空間的な降り方のばらつきで相当違いますので、こういうものについては、従前から実際降りましたものだとか、そういう特性をもとに、ここの地域ではこういうものが起きたところはこういうふうな降り方をするのではないかというものを選択してございます。これを、先ほどの出ました雨と重ね合わせて、コンピュータの中で洪水流量の計算をいたしまして決めているわけでございます。
 そういう流れとしては同じなんですが、実は下のほうに書きましたように、それぞれのところ、基準地点についてはまたご議論があるかと思いますけれども、データにつきましては、日中雨量しかほとんどなかったときから、時間雨量はわかったからそういうものをやったとか、最近までのデータがとれるようになったのでそこも使ったとか、最近の実績のパターンがいろいろ出てきているのでそれを使ったとか、そういうふうに直しただけかと思います。
 個別につきましては、次のページから比較表にさせていただいてございます。同じ話が何ページか続きますが、まず左側は工事実施基本計画、右側が河川整備基本方針の今回の案でお示しさせていただいているものでございます。計画規模は、両方とも1/80と、これは事務局の案でございます。それから、基準地点は、これも事務局の案でございますが、人吉、萩原。八代につきましても、当然洪水の流量というものは算定いたしますが、基準点としては、安全度の1つの基準点としては人吉でどうでしょうかというものが事務局の案でございます。ここは、その分、変わってございます。計画降雨時間につきましては、これも何度かお話をさせていただいておりますが、昔は日中雨量がほとんどでございますので、時間ごとのデータはわかりませんでした。あっても少ししかなかったと。これを、時間ごとのものがわかりますようになりましたので、これを使って出しております。この12時間というものをどうして決めているのかが、ちょっと右のほうに書いてございますが、後ろのほうにまた出てきますので、そのところでお話をさせていただきたいと思いますが、洪水の到達する時間、雨が降りまして、洪水になって、その地点、下流まで来る時間、それから、これまでの雨が降りました時間とピーク洪水の流量の関係などを見て、12時間というのでどうかというものであります。統計期間は、くどいようでございますが、最近までのデータ、これはちょっと出だしが違っておりますのは、時間のデータがあるのが28年からというものです。それから、統計手法は、これもその当時使っておりました、左側のほうは3手法でございますし、右側のほうは、現在大体各河川で使っております11手法、そのうち適合度の低いものを除きますと、その表にあります9つの手法が残っておりますが、出しております。この確率手法で出しますと、一番下のように、例えば人吉市で2日では440mm、それから、右側の基本方針では12時間で262mmとなっております。
 これを、次のページでございますが、そこまでは、ですから、雨を出してくるというところの若干のデータ等の違いでございます。これが、次のステップが、今お開きいただきましたページでございます。今度はこれをもとに流量を出しているわけでございますが、雨の降り方、時間、それから空間でいろいろ違いますので、工事実施基本計画のときは、ちょっとこれは不親切なもので恐縮ですが、時間的なデータにつきましては、40年7月の実績の降雨量というものを基にしております。それから、空間につきましては、上流にたくさん降るもの、川辺川の上流に降るもの、本川の下流に降るものという3つのところを分けて、それぞれのパターンで出しております。河川整備基本方針のほうは、最近までいろんな細かいデータがあっておりますので、実際の大きな洪水、それから大きな雨のものにつきまして、時間的にも空間的にも分布が細かくわかっておりますから、実際のそういう実績を与えているという手法をとってございます。
 それから、次の流出計算の手法は、左のほうは単位図法、これは前もお話をさせていただいておりますけれども、策定当時一般的に使われてきたもので、1時間での一定量の降雨に対する河川への流出波形というのを求めて、これが1つの単位で、この単位が雨の量に応じて積み重なるというような出し方でございます。これに対して、今の方法としては、貯留関数というものを使ってございます。これも前にお話をさせていただいているようなものでございまして、流域で溜まりましたもの、これは森林でございますとか、土壌でございますとか、川の中で溜まるとか、そういうものをモデルの中に組み込んだものでございます。実際の出てきた洪水の流量と検証して使うと。
 結果として、そういう手法で計算をいたしますと、一番下のように、基本高水のピーク流量としては、これも各パターンの中で一番大きいものというのを取っているわけですが、左側のほうは人吉市の本川上流型というのが7,060で一番大きいと。それから、萩原につきましては、川辺川型というのが8,910で一番大きいという、これを採用して、今の人吉7,000、萩原が9,000というものになっているわけでございます。今回の河川整備基本方針の検討につきましては、先ほど申し上げました、実際の波形を入れてございますが、これを過去の大きなもので出しまして、異常値が出ているもの以外の最大のものというので、47年7月の赤く四角で囲みましたものを使っているわけで、それが人吉7,000m3/sというものになります。
 それから、まだ比較でございますが、少しそれを中身に入りたいと思いますが、その次のページは、今申し上げました従前の工事実施基本計画につきましては、これは何回か前のこの球磨川の基本方針の検討のときに、現在の工事実施基本計画の検討のプロセスをお話しさせていただきました。同じものをつけてございますが、真ん中の欄のように、左側から123とずっと書いてございます。先ほどの1ページにありましたフローと同じで、計画の規模を決め、基準点を決め、計画の雨として人吉市、例えば2日440mmと。それに対して、今度のパターンを、先ほどのように、40年7月の時間、それから5つの分布は、下に書いていますのは分布、そういうものをあわせて5で流出計算を単位図法というものでやって、6で基本高水のピーク流量というものを出しているというところでございます。
 実際、単位図法を、少し昔のポピュラーなものということでございますが、右のように書いてございますが、47年7月のものについても再現計算をやって、その妥当性を確認しているものでございます。
 1枚おめくりいただきまして、今、両方の比較の中でごらんいただきました。その中で、いろんなご質問もございました1つに、降雨継続時間のお話でございます。これまで球磨川水系で実際に降りました雨の継続時間というのはどんな特性だろうかというお尋ねがございました。これは、昭和28年から17年までのデータで見ておるわけでございますが、左上のグラフは一連降雨。一連降雨ってちょっとわかりづらいんですが、降り始めから降り終わりまでの時間がどのぐらいであったかというものを全部出してございます。これを見ますと、大体7〜12ぐらいからずっと24ぐらいまでが大きくあって、それからだんだんまだだらだらと続きまして、48とか54とかございます。ただ、これは降り始めから降り終わりですので、例えば、40年7月洪水というのが右のほうに絵で書かせていただいておりますが、こういうのは降り始めからずっと5日間ぐらい続くわけでございますが、これを全部の期間がどれだったかというものではございません。実際はそういうのが洪水に効くわけでは当然ございませんので、洪水としてどんと雨が降ったときがどのぐらいかということを出してみているのが、左の2番目のグラフでございます。
 ということで、大きな実際の洪水になりましたようなものについて、雨が継続している時間がどのぐらいかと。青いのが、今の降り始めから降り終わりですので、相当長いものがございます。ただ、実際の洪水を引き起こしますのは、ここはたまたま5mmとか10mmとありますが、もっと大きなものといいますか、そういうものがまとまって降るわけでございます。それらがどのぐらいかというのを赤で書いてございます。ピンクが5mm、赤が10mmぐらいです。大体見ますと、6時間ぐらいから12時間、5mmまで入れますと、24時間ぐらいのもあるというようなのが、この川の特性でございます。大体そういうものかと思います。
 それから、下のほうは、それらのときの洪水の流量がどのぐらいだったかというものでございまして、実際に流下したというのは、川で観測されたものです。ただ、上であふれますと、その洪水も、実際のところは、河川改修なんかされました後は下流のほうへ流れてきますので、足したものがピンクも入れたものでございます。
 右のほう、実際の雨と洪水のグラフを書いてございます。先ほどの5mmとか10mmというのがどのぐらいの時間かというのをグラフで書かせていただきましたが、これをこの絵の中でもちょっと線を引いてございます。大体見ていただきますと、大きな洪水を引き起こしました40年7月なんかも、本当に降っている部分は4時間から8時間とか、このぐらいでございます。それから、例えば、そういうふうにずっと見ていただきまして、46年8月では、それが13時間とか、5mmまでいくと30時間。47年6月ですと、5mm、10時間、7時間ぐらい。それから、47年4月だと、6時間、10時間。それから、57年7月ですと、13時間、14時間。このぐらいがこの川の特性です。近年の16年とか17年のものを、少し長うございますが、これは先ほどありましたように、ピークそのものは高くならない、ちょっとだらだらと降りましたものでございます。
 1枚おめくりいただきまして、今度は計画降雨継続時間につきましてお尋ねが幾つか出ておりますが、先ほど球磨川全体の状況はどうかというのが、今申し上げましたものです。それから、どんなふうに決めているかというところの中身につきましてもお尋ねがございました。これを用意しましたのが、今のページ、6ページでございまして、計画降雨継続時間の設定の考え方というのを左の上に書いておりますが、最初の四角のところは、これは一般論といいますか、全国共通してこういうふうにしているというものでございます。実際、雨が時間的だとか空間的に分布がございます。これが実際の洪水のピーク流量に影響いたしますので、いろんな種類のものを、先ほど来幾つか出ておりますが、入れて出しているわけでございます。ただ、検討にあたりまして、洪水全部といいますか、降りました雨を計画の降雨まで引き伸ばすのでございますが、全部引き伸ばすと非常に過大になりますので、必要なところだけを引き伸ばせばいいというのが一般的な手法でございます。必要なところとして、計画降雨継続時間という部分を引き伸ばすということにして、ほかは引き伸ばさないということをしているわけでございます。
 では、その引き伸ばすところだけの時間はどの分ぐらいを見ればいいかというのが、球磨川につきましては、その次の欄でございまして、1つは、(1)洪水の到達時間、これは、例えば山の上というか、流域の上のほうに降りまして、下に到達して、みんな集まって洪水になるわけでございますので、そこから流れ着く時間が、ここの川では9時間とか10時間ぐらいでございます。それから、(2)は12時間の雨量、12時間に降りました雨量と、実際の洪水のピーク流量というのが、どこで、どの時間のときに一番ピーク流量が発生しているかというのが、相関を見ますと、12時間ぐらいのところが相関が高い。それから、(3)は、大きな洪水流量が発生するのが、過去のもので見ますと、先ほどのグラフで何時間ぐらい降っているところの洪水だったかというのを、40年7月だとどうだっただろうかと見ますと、12時間よりももう少し短いものから、その前後ぐらいにかなり多いのがわかります。そういうことを踏まえて、12時間で考えるべきではないかというのが、私どもの考えでございます。
 今のところで、山の上に降りましたものが下へ到達するまでのが、今度は洪水到達時間というのがございます。降雨継続時間と到達時間とか、いろんなものがあってわかりにくくて恐縮ですが、洪水が到達する時間という概念を見る上で用意しております。こういう流域がありまして、右のほうが山の上、左のほうが下流の基準地点だと思っていただきますと、上から降りましたものが、例えば一番上の流域からでは、下の赤い点まで行くのにどれだけかかるのかというのが、この川では10時間とか12時間ぐらいです。また、途中の流域で降りましたものが、もう少し下流への近いところですと、8時間ぐらいだとか4時間ぐらいとあります。これを重ねますときに洪水になりますので、一番山の上といいますか、この流域に降りましたものが何時間で届くだろうかというのが洪水到達時間でございまして、これを分析したのが、下のように、今はKinematic Wave法と角屋の式というのをご用意しておりますけれども、ちょっと細かくなりますが、このグラフを、左下を見ていただきますと、雨の絵が棒グラフです。雨の大体降り始めから降り終わりぐらいのところ。で、この時間というのが、この下のグラフで見ますと、これは流量でございますが、ピーク流量、洪水の一番ピークが、雨の降り始めから何時間ぐらいのところでピークになっているかという、これがTpと書いてございます、こういうものをこれまでのデータから拾っているもの。角屋の式は、それをもう少し流域面積とか平均降雨強度で分析をいたしまして、このCというのが流域特性を表す係数と書いてございますが、この球磨川ではどのぐらいかというのを、実績と継承しているというのが右側のものです。
 基本的には同じようなものですが、これを結果を見ますと、人吉地点でKinematic Wave法が大体4〜25時間ぐらい、角屋の式だと8〜10時間ぐらい。平均が11時間とか8時間というので、このぐらいのところが人吉地点のものかと思います。
 ちょっとすいません、ワープロミスが1つございまして、恐縮ですが、左上の2つ目の欄、赤い時間で12時間と書いてあります、その下に「9〜11」というのは、これは単純ミスでございますが、「8〜11」です。「9〜11」というのをお直しいただければと思います。恐縮でございます。
 ということで、洪水到達時間、洪水の雨が降りまして、それから洪水なって下へ来るまでの時間と見ると、8〜11時間ぐらいが人吉地点でございますので、こういうものを見ているというのが1つでございます。
 それから、次のページでございますが、日雨量と時間雨量、昔は2日雨量というのをとっておりました。それから、今度、12時間雨量というのをとっておりますが、48時間といいますか、2日という時間と12時間という時間という問題もあるんですが、大きく違うのは、日単位の雨量と細かく時間ごとの雨量というものを変えていることが含まれてございます。それは左のほうにグラフが書いてございますが、日雨量というのは、9時から次の日の9時まで、ちょうど9時を境目に日界と書いてございますが、時間を変えているんですね。これを、昔はこういうふうに1日単位でしかとっておりませんでしたので、今は時間ごとに細かくわかります。
 日単位だとちょっと問題がございまして、どういう問題があるかというのを、下のほうに用意しております。一番上のグラフは、左上の12時間雨量だとか、これはもうちょっと長い雨量でもよろしいんですけれども、うまく9時から9時の中に主要な雨がどんと入っていれば間違わないのでございますが、例えば、この真ん中の濃い青のところなんかがどんと入っていると。ただ、2段目の絵を見ますと、例えば平成9年9月の洪水では、ちょうどその境目に雨の中心が来るといいますか、こういうふうにわたりますと、実際は、例えば12時間で190mm、もうちょっと周りのも入れますと二百何十mmになりますが、ところが、日雨量で報告されると、薄く青く書いてございますように、日で分かれますので、126mmとか114mmというふうなデータになってしまうわけです。これは実際のその自然現象は、別段時刻で変わるような話では当然ないわけでございますので、そういう意味で、日雨量よりは時間雨量がいいと通常言われているのは、こういう問題が大きく存在しているからでございます。これがもっとひどくなりますと、その下の昭和60年7月の洪水がございますが、今のようにちょうど境目がどこか別なところへ行きましたので、60年7月は、7月2日から7月9日まで書いてございます。7月9日、年最大12時間の雨量で見ると、実は7月9日が一番大きいと出るんですが、ちょうど境目の関係があったり、トータルの日の雨量だけを見ると、たまたまトータル、だらだらと降りました7月2日のほうがちょっと大きいので、こちらは日雨量で見ると、7月2日の雨でしたというふうになってしまうわけでございますが、こういう問題が内在しているわけです。そういうので、なるべく時間雨量を使おうとしているものでございます。
 それから、右下のところは、年最大日雨量と年最大12時間雨量の関係で、今申し上げましたように、日すらずれるので、相当なばらばらになっているというのをちょっとつけております。こういうものでございます。
 それから、次のページでございますが、いろんな問いをいただきました、この中で、次のお話は、他の水系、これまでの河川の他のいろんな基本方針の計画降雨継続時間というのがどんなふうに設定されているだろうかというようなお尋ねがございました。8ページ、これは、その基本方針をつくっております中で、洪水の流量を見直したものを全部載せてございます。大淀川、五ヶ瀬川、番匠川、安倍川、庄内川、沙流川、高津川というものでございまして、これらにつきましては、流量改定前の計画というところが、計画規模が1/70だとか、1/80だとか、先ほどもちょっと出ておりましたが、こういうもので、左側の流量改定前の計画というところの欄の下の計画降雨量というところの320mm、それから棒を引いて「日」と、日雨量で320mmと、そういうふうに読んでいただきたいんですが。それから、5時間と書いたのは、5時間で260mmだとか、そういうものであります。これを、全部最近のデータまで、それから時間雨量等の最近のデータ等がみんなわかってきてございますので、そういうことで、右側のように、流量改訂後のものは、赤で示したように、計画降雨継続時間というものを設定してございます。各水系の今の到達時間、それから、どういうところで集中するかというものを見まして、大淀川は48時間、それから五ヶ瀬、番匠、安倍川、庄内川というふうに決めております。加えて、先ほども安倍川の話がございましたが、計画規模についても見直している状況でございます。
 それから、その次のページでございますが、今度は降雨の時間分布、空間分布のパターンでございます。これは、どういうものを使っているかという資料をお示ししたものでございまして、今回、基本方針の検討の中で、1つは、まず時間の分布につきましては、右側にございます洪水につきまして、30年9月の洪水から始まりまして、17年9月の洪水まで入れて、青く塗りつぶしましたところの12時間だけを引き伸ばして、全体をあまり引き伸ばさないようにして出したものの分布を使ってございます。これは、先ほど、何度か繰り返しになりますが、左のところの四角に書いてございますように、洪水の到達時間、それから12時間の雨量とピーク流量との相関、それからどのぐらいの期間のもので雨が降ったら洪水流量が大きいかというようなところで、12時間というのを伸ばしたもののデータといいますか、結果でございます。
 もう1つ次のページは、空間的な分布はどういうものを使っているかということでございまして、左側のほうは、引き伸ばし前でございますけれども、この流域の絵につきまして、上流にたくさん降っているものだとか、下流に降っているもの、それから台風性のもの、梅雨性のもの、これはそれぞれの年の分布をそのまま引き伸ばして使っているものをお示ししております。
 それから、この引き伸ばしにあたりまして、右のほうでございますが、例えば、12時間なら12時間降りました場合も引き伸ばしても、もっと4時間とか8時間という時間を見ますと、こんな降り方の雨はないんじゃないかというような異常な雨になる場合がございます。大きく全部を引き伸ばしてしまっている結果、局所的に見るとすごく大きなものになってしまっているというものがございまして、これは右上のほうに書いてございますが、そういうものにつきましては、非現実的だということで棄却をしてございます。
 それが、ここの川ではどうだろうかということでありますが、下のグラフ、1つは、このグラフの下の軸が各年何月の洪水かというものでありまして、左のほうが確率の規模でございます。12時間で見て、例えば、1/80だと思っておりましても、8時間だけで見ると、40年7月のものは1/1500、1500年に1回のものになってしまう。ほかのは、下のほうに大体存在しているわけでございますが、こうなってしまう。それから、4時間だけで見ますと、今度は下のグラフのように、40年7月のものにつきましては、実に1/30000と。それから、47年6月のものにつきましては、1/900というふうに、こういうふうに周りからとんと飛び抜けてしまっているというものを、これはおかしいだろうということで対象外にしているものでございます。
 それから、次に資料4でございますが、工事実施基本計画策定時の検討を、資料4のところにちょっと文字を書いておりますが、基本高水のピーク流量についてのさまざまな検証をしてございます。これは、幾つかの手法で、大体この川の基本高水の流量がどの程度だというように、いろんな考え方から見ると評価できるかというものをしてございます。
 まず1枚目は、工事実施基本計画を策定いたしました検討のうち、真ん中に検討1と書いてございますが、工事実施基本計画時の検討に近年の2日の雨量データを追加して検討していると。前の2日雨量につきましては、昭和40年までのデータでございましたが、平成17年までの2日雨量も全部入れて、そこだけを直して検討いたしましたのが、真ん中の検討1でございます。時間の関係もあって、結果を申し上げますと、全く同じ計算をいたしますと、下のほうに黄色で周りが赤四角で書いてございますが、近年までのデータを含め、人吉地点で約8,600m3/sになります。もう1つの検討を、今の同じように、工事実施基本計画のときと同じようなことをもとに、一部新しいものにしようということをしているわけですが、右側の検討2でございます。これは、工事実施基本計画のやり方の中で、先ほどのように、1と同じように、近年の2日雨量のデータをまず入れる。それから、もう1つは、単位図法というものでやっておりましたので、これは貯留関数でやってみようということをしたものが右側でございます。これも、ちょっとグラフ等は出しておりますが、結果から申し上げますと、一番下にございますように、人吉地点で約9,900m3/sぐらいになるというものでございます。このぐらいの洪水の発生がこういう検討では出てくるというものであります。
 次のページでございますが、今は工事実施基本計画のときの検討をベースに、少し最近までの状況を入れたものでありますが、今度は、実際雨というのは、少し雨域がずれて降った場合に大変なことになることがございます。実際、九州南部もしくは九州真ん中も含めてでありますが、その雨がここへ降ったらというのをしております。
 1つは、2ページのほうは、菊池川のところで、平成2年に洪水が出ております。この雨をそのままずっとスライドして、球磨川のところに降ったらと。それは、そうなるかもしれないし、ならないかもしれないのでありますが、そういう少し雨域がずれて降ったら大変なことになるということが、ずっとそういう検討をしてみてございます。ちょっと細かいご説明を省かせていただきますが、実際の菊池川の分布、それを球磨川の流域に持ってきたときのものが左下のような格好になるかと思いますけれども、それをもとに流量を出してございますのが右下でございます。基準地点における雨量比較というのがございますけれども、玉名上流域は、これは菊池川のほうですね。それから、人吉上流域、それから菊池川全流域と横石上流域とを出してございます。それぞれ、実際の青で降りましたのが菊池川のものでございますが、これが人吉のほうへそのままスライドしてくると、ちょっと流域の形とかが違いますので、全く同じ数字になりません。大体399mmのが419mmになったり、306mmは318mmになったりと、そういうものでございます。これを入れますと、大体人吉地点では7,400m3/sぐらいの洪水になっただろうと思われます。
 もう1つ、次のページでございますが、ことしの7月の鹿児島県を中心に降りました豪雨でございます。川内川、大変な被害が出て、今も復旧、復興のさなかでございますけれども、この雨がもう少し、さっきは北のものが南へ来たらですが、今度は南のものがちょっと北のほうへ行ったらというものを仮定してございます。これも仮定でございますので、そういうふうにごらんいただければと思いますけれども、全く同じようにやりますと、右下のように、それぞれ人吉の上流域ではこのぐらいになるとか、横石ではこうなるというようなものでございまして、洪水の流量としては、大体人吉地点では7,800m3/sぐらいの洪水が出ていたことになります。
 次のページでございますが、今度はさらにちょっと視点を変えまして、これは若干のご紹介を以前もしておりますが、昔の洪水はどうだっただろうかというふうに見たものでございます。歴史的な洪水の痕跡が幾つかございますので、それで検討してございます。左下のほうの1氾濫シミュレーションについてというのがございますが、これは、コンピュータの中で、当時の地形が全くそのままはわかりませんので、とりあえず昭和40年代とか50年代のデータなんかであった場合というので想定しておりますので、もう少し地形が違うかもしれませんが、40年より前には大きな地形の変化はないだろうと見ますと、その平面の絵のように、どの場所ではどのぐらいの深さの浸水が起きただろうというのを、これは寛文9年(1669年)の洪水がもし起きたとしたらみたいなことをしてございます。それは、実際当時の細かいデータはわかりませんので、こういう神社のところの、そのときの洪水の浸水はここまで来たということと、今のコンピュータでやりましたものを合わせますと、逆に、このぐらいの雨、このぐらいの洪水が来ていないとこのぐらいはあふれないだろうという検討をいたしますと、左下でございますが、赤で書いておりますが、大体8,100m3/sぐらいの洪水になっていたのではないかと思われます。
 それから、右上のほうは、今は氾濫をした場合をのせておりますけれども、洪水の水位と周りの地形の流れ方といいますか、洪水の流量と周りの地形でどのぐらいまでの水位になるだろうというのを断面で計算いたしますと、8,200m3/sぐらいになるというのが、同じ寛文9年の洪水では想定されます。それから、右下は、1712年の洪水でございますが、これも細かい古文書等のデータがあるわけではございませんが、一部あるものにつきまして、合わせてみますと、同じような手法をやると、このときの洪水では大体8,900m3/sぐらいというふうに推定されます。
 以上は、古いもので、痕跡から追いかけたものでございます。
 その次は、ちょっとわかりづらいんですが、モンテカルロシミュレーションに基づくシミュレーションをしてございます。これは、モンテカルロと言ってもわかりづらいんですが、何をしているかというと、洪水は、先ほど来申し上げましたように、いろいろたまたまの雨の降り方で相当違う部分がございますので、過去の降りましたデータをもとに、実際はいろんな降り方をするかもしれないということを、コンピュータの中で乱数、要は、あんまりだれかがこういうふうにしようとかではなくて、もうとにかくいろんな発生をコンピュータの中で想定させます。これを合計しますと大体100万回ぐらいの計算をやるわけでございますけれども、そうした場合、いろんな起こる可能性を全部検討した中で、左の検討の流れというのがございますけれども、この100万回ぐらいの組み合わせを出してきました場合、これをもとに、例えば、80年に1回の洪水の流量というのはどのぐらいになるかというのを出しております。これも確率を使いますので、確率の手法によって、書いてございますけれども、この結果でいきますと、7,119〜7,466m3/sぐらいがこの方法では出てきます。
 それから、次のページでございますが、これは80年に1回の洪水というのを考えました場合に、真ん中の棒グラフの絵がございます、上のように。左側の表がございますが、12時間で例えば降りましたものは、80年に1回では、12時間に降る雨は何mmだろう、と、262mmと。それから、一番下へ行きまして、80年に1回、1時間ぐらいで降る雨はどのぐらいだろう、と、42mmと。同じように、80年に1回の確率で降る雨は、2時間の雨ではどのぐらいだろうというふうにずっと見ますと、各時間ごとに降ります雨の80年に1回の確率というのが、ずっと並んできます。そういうことを考えますと、右側の先ほどのグラフでありますが、1時間で降る雨は80年に1回だというふうに思えば、42mmぐらい降るのではないか。そういたしますと、次に2時間の雨は、80年に1回では73mmということですので、1時間目のやつは、最初の1時間だけで考えて、42mmを先取りいたしますと、残りが2時間目の雨になると。3時間目は、そういう同じような繰り返しをいたしますと、全部の時間単位で1/80という確率での雨で構成されたらということをしてございます。それは、波形としては、一番下のように降雨波形を書いてございますが、こういう洪水を流しますと、今、右のように、7,975m3/sぐらいになります。要は、1時間だけ見ても80年に1回、2時間だけ見ても80年に1回、3時間を見ても80年に1回、10時間を見ても80年に1回というような洪水が仮にそう発生したとすると、このぐらいの洪水が出るという検討でございます。
 今ずっとやっておりますものを、次の7ページにまとめてございます。一番上には、工事実施基本計画では80年に1回で7,000m3/s、萩原で9,000m3/s。河川整備基本方針で私どもがお示しさせていただいているのは、80年に1回のものは7,000m3/sというものであります。それから、100年に1回というのは参考でお示ししたものでございますが7,200m3/s。下の表が、ずっとこの前のページまでありましたものを整理したものでございまして、一番上のほうは、工事実施基本計画のやつから、雨だけ最近のデータまで入れた。それから、2段目は、それに貯留関数法というものを使ってみた。3段目は、少し北の川、少し南の川の最近降りました雨を、少しずれて降った場合というのを想像いたしましたものが、菊池川と川内川のも用意しております。それから、歴史的洪水、寛文、正徳のもの。それから、流量確率につきましては、何回か前にお示ししておりますが、80年に1回の流量確率で見ると、6,000m3/s〜7,159m3/sぐらいになります。それから、モンテカルロという先ほどの、いろんな発生の仕方をするわけですので、コンピュータに全部それを想像させてといいますか、検討させて出しました、100万回やりましたものが、7,100〜7,500ぐらい。それから、一番下のは、先ほどの全部同じ確率だと思った、こういうことは実際やっている検討も全国ではございますが、そういうのでやると8,000m3/sぐらいというふうになるかと思います。
  今までが前回のほかの手法によるいろんな、どのぐらいの基本高水の流量がここで出るかという検討でございましたが、今度は、お尋ねの中に、全国の河川の複数の基準点の設定状況についてのお尋ねがございました。これはちょっと話題が変わって、基準地点のほうの話になります。左のほうにこれまで策定いたしました河川整備基本方針の中での計画基準地点、一般的には1地点が多いわけです。これは、前も申し上げましたとおり、あまりたくさんの地点でやりますと、安全度のバランスが逆転する場合などが出てきますので、なるべくならば1地点のほうがいいわけでございますが、以下のような幾つかの例を示しております。これもすべての理由ではなくて、主な理由。それから、川によりましては、1の理由であったり、2の理由と両方というのもございます。
 1つは、狭窄部等によって氾濫区域が分断されていたり、流出特性が上下流で異なったり、そういう上下流の特性みたいなものから分けましたものが、石狩川、これは旭川とカムイコタンがあって、すっと相当長い距離の川があって、下に札幌があったりという川です。それから、天塩川も、北海道の相当な大河川でございます。阿武隈川も、福島から宮城のほうまで何回か大きな主要な盆地を経て流れていく川でございます。それから、富士川、上に甲府があって、それから静岡のほうへ流れていく川。あと、庄内川が、名古屋のほうへ流れますが、上流は岐阜県の幾つかの盆地のところを流れていくという川でございます。
 2番目が、下流部で支川が合流している等によりまして、実態上別の川、例えば、吉野川の本川と旧吉野川というのは、今はもう洪水のときは全く別の川として流れているものでございますので、別々に考えようとか、同じく、これは徳島でございますが、本川と桑野川、両方とも那賀川水系ですが、別々に流れている感じと思える川です。
 3番目は、主要な防御対象区域が支川付近にあるというので、本川以外にそういうものを設けているもの。右のほうに例がございます。
 あと、4番目が、流域面積や流出特性が違っておりましたりしてとか、大きいとか、違っているというので、基準地点を設けているのがあります。石狩川や利根川は相当大きい支川がございますし、九頭竜川はそれぞれちょっと流出特性が変わっているというので設けているということです。
 右のほうに例を入れてございますが、庄内川、下のほうは名古屋でございまして、上のほうは岐阜県になりますが、全体的に、1つ、雨の特性も少し違うのでございますけれども、上流のほうで盆地を形成して流れていっている川でございます。ここにつきましては、多治見の治水安全度を1/100、下の下流の安全度を1/200にしております。それから、支川の石手川、下のほうは重信川ですが、石手川本川は南側なんですが、もし堤防が切れたりとかあふれたりというのは、この今の石手川という重信川の本川ではなくて、石手川と書いてあるほうの川のほうが心配でございますので、ここにここからの氾濫域を踏まえて基準点を設けているものだとか、右側の阿武隈川は、上流と下流とで台風の進路、大体南から北のほうへ雨が行くわけですけれども、そういうものが重なったりしまして、雨の特性が非常に特徴的でございます。こういう南北の長い盆地を幾つか経ている川で基準点を設けているというものでございます。基本的には、右下に書いてございますように、なるべく全体のバランスからいって、水系の基準点としては1地点ぐらいのほうが望ましいと私どもは思っておりますが、流量の設定については、たくさんのものを設けることではございますけれども、ここの洪水流量は幾らかというのは複数ありましても、安全度の基準としては1地点を提案させていただいております。
 それから、最後のページでございますが、基準地点を1地点と2地点にした場合の比較を載せてございます。一番上の欄は、現在の工事実施基本計画でございまして、何度か見ていただいております川辺川型本川上流型で、7,000m3/sと8,910m3/sというものであります。基本方針の案では、最近のデータまで入れまして、人吉のところで安全度1/80と1/100というものを出してございます。
 すみません、ちょっと、これ、表がぐちゃぐちゃになって見づらいようでございますが、この上の人吉地点というので、例えば、1/80安全度というのを出しますと、人吉地点は、一番大きいものが47年7月の6,997m3/sというふうになります。このときの横石地点では、そのまま流れていったものが9,625m3/sということでございます。
 それから、人吉地点を100年に1回のもの、確率で考えますと、これも47年7月型が大きくなりますが、7,200m3/sぐらい。それから、そのまま流れていったときの横石は9,886m3/sぐらいになります。今のは、人吉を中心に計算した場合です。今度、下の欄は、横石を中心に、そこから上の流域で計算をいたしましたものが、下の横石と書いたものでございまして、これもちょっと似たような表なので、わかりづらくて恐縮でございますが、このときの人吉の地点というのは、ごめんなさい、これは横石の地点を先に見ていただいたほうがいいんですね。横石の地点は、1/80ですと、47年7月の2段目、9,528m3/sというのが出てきます。このときに、逆に人吉はどのぐらいだっただろうかというのが、6,921m3/sでございまして、ちょっとわかりづらくて恐縮ですが、横石地点に着目して、80年に1回の洪水は9,528m3/s、それから1/100の洪水は9,834m3/sというものでございまして、このときに人吉地点というのは何m3/s流れているだろうかというのが、その上の欄の6,921m3/sとか7,161m3/sというものでございます。
 これを見ますと、例えば、私どもご提案申し上げている80年に1回で、人吉で考えておけばいいんじゃないかというのは、上の段の基準点人吉と書きましたものの47年7月の人吉、1/80、6,997m3/sというのがここの基本高水で、そのときの横石地点、下流の流量というのは9,625m3/sというようなことで、計画のほうではまた考えていけばいいのかなというように思っているものでございます。
 ちょっとわかりづらいので、左下のように、それを表にしておりますが、河川整備基本方針の案で、基準地点、安全度、1地点で人吉1/80、人吉地点で80年に1回の洪水ということだけを考えました場合は、今の上の表、ちょっとくどい説明で恐縮ですが、基本高水の流量としては6,997m3/s、約7,000m3/sになります。これ、※が書いてございますのは、基本高水流量ではございませんが、このときの横石の流量はと見ると、9,700m3/sぐらいというのが右に書かせていただいております。これを、この前からご議論ございますように、人吉にも、それから横石――八代のほうですね――にも両方基準点を設けた場合というのが下のほうにご用意してございまして、1つは、人吉でも80年に1回、横石でも80年に1回、もう1つ下の欄は、人吉は80年に1回、横石は100年に1回と出しましたものが、右側のラウンドの数字にしたら7,000m3/sと9,600m3/s、7,000m3/sと9,900m3/sというものでございます。
 最後になりますが、右下のように、人吉、それから横石の流量の相関の話がございまして、人吉の流量に対して、下流の流量が多く出ているものがあるのではないか。今ちょっとこの赤い丸で書かせていただいております。こういうものは、こういう特性から考えて、下流のほうの洪水は、上流よりも大きく急に出るような部分があるのではないかというご指摘がございました。これは、どういう年の洪水かというのは右上に書いてございますが、この赤丸は、57年7月12日、それから平成5年7月、平成7年7月の3つです。これは、先ほどの上のわかりにくい表で恐縮ですが、これを見ますと、上の表の一番下、横石と書きましたところの、例えば1/100というのをごらんいただきますと、今申し上げました57年7月は9,349m3/s、それから、平成5年7月は7,438m3/s、平成7年7月は8,038m3/sということで、実は47年7月というのは、9,834m3/sという黄色で塗りました。これらよりも全部一応低いわけでございますので、この分のこの外れたものも含んで、先ほどの9,834m3/sというところで全部含んでいるといいますか、インクルーディングしているというか、カバーしているのではないかと思われますので、こういうものも含んで、上の先ほどの表の数字として妥当ではないかと思っているものでございます。
 以上でございます。
(委員長)  ありがとうございました。
 先ほどの補足説明、それから、ただいまの資料3、4、基本高水のピーク流量について説明いただきましたので、これらについてご質問、ご意見をいただきたいと思います。まず、○○委員のほうからご意見をお願いします。
(委員)  最後のテーブルで、この人吉と横石の部分ですが、※を付していただいておりますような、例えば、人吉で1/80で横石の数値を出していただいておりますが、これは通過流量で見れば、安全度が1/90を確保していると、こういうような読み方でいいわけですよね。1/80、同じあれであっても、この通過流量で流量相当でいくと、1/90相当のものが十分過去流れるというように見ると、人吉の1基準点で1/80ということを保持すれば、下流の基準点においても1/80以上の安全度を保持しているというふうに考えるとすれば、1基準点の人吉1/80ということで、計画としてはそういう見方をすることも含めて、この1基準点1/80でいいのかなというふうに思わせていただきました。
  それと、ちょっと細かくなるんですが、降雨の継続時間が12時間相当ということについては、こういった幾つかの事由で説明がありましたので、こういう降雨の継続時間として12時間相当という形で設定するということをうなずきました。その中で、降雨継続時間と洪水の到達時間というところで、幾つかなされておるんですが、案外このKinematic Waveに基づく式による検討とか、角屋の式による検討というのが参考として付されておりますけれども、この流域での河道の効果というんですか、こういう式が出てくる背景には、河道の効果があまり大きくない、そういうような形で出されている理論式だというふうに理解しておりましたので、この幅が結構あるということで、そういった幅の中で平均をすると、8〜11という洪水到達時間、それは降雨の継続時間をさらに包含しているということで、展開としてはいいんですが、こういった洪水到達時間の検討というときに、貯留関数で結構河道の効果を入れておられるんですけれども、こういった式のこれに斜面型の場合がこれですが、河道の効果を入れると若干展開を、一番最初にご説明がございましたような洪水到達時間と組み合わせてみる必要もあるのかなというふうに思ったので、貯留関数法で河道の効果を結構入れておられるので、この洪水到達時間のこの検討というのは、あくまで参考という意味合いのとらえ方のほうがいいいのかなというふうに思わせていただきました。
 それから、いろんな方法でピーク流量を推定等もされて、それぞれがそれなりの意味を持っているやに思ったんですが、このテーブルを見ますと、これだけよく出てくると、それぞれの備考のところを、不確実さとか、仮想とか、想定ということでありますが、総合的に考えてという展開をしたときに、この7,000m3/sという形のもの、こういったものはあくまで推定という形で、その範囲に入っているというような従前からの見方と、結構大きい推定の検討方法が幾つか出てきているので、この検証方法の前提なり、その不確実さ、信頼という言葉がちょっとあれなんですが、総合という評価をする上において、従前の雨量確率でやる、そういう形のものに非常に総合のおもむきがあるような、そういう評価をする材料として、こういったいろんな方法を多くすればするほど、検証はいろんな方法があろうかと思いますが、総合評価をしていくときに、その幅の広さをまたまた思うものですので、今後もこういう形のものをほかの河川でも展開されていかれるのか、そのあたり、これを見て評価したときに、ものによっては大きいほうにずれるような、検証の内容がやればやるほど出てくるものなので、そのあたり、このいろんな方法をやられるのはいいんですが、総合評価をするときの重みといいますか、そういった形のもの、少しそれぞれが思って考えるという材料として提示されたというふうに考えるとすれば、7,000m3/sという形のものに総合評価の絞るような意味合いの内容の範囲を十分意識した形で評価をさせていただきたいし、そういった意味合いでいろんな検証方法の出し方の課題とか、その不確実さ、そういったものを踏まえた形で7,000m3/sということを、最終的には私としては総合評価をすることも含めて、妥当かなというふうに思わせていただきました。
 以上でございます。
(委員長)  ありがとうございました。
 他の河川と比べて、既に5回の審議会もやっております。事務局からもありとあらゆる資料が出てきまして、表から裏からさまざまな視点で出てきますので、それぞれの委員も目移りして、大変難しいんだろうと思います。今おっしゃった総合評価、それに向かってどういう視点で審議し、やっていくかというのは、専門家でない方も含めて、いずれ議論を集約したいと思います。
 それでは、また河川工学の関係から、○○委員、お願いいたします。
(委員)  全体的な議論としては非常に難しいところがあるかと思います。それで、要するに、安全を取るか、環境を取るかということなんですが、0か1かの選択ではありませんで、その真ん中を工夫するという方式もあるのではないかというふうに個人的には思っております。
 きょうの議論のところは、基本高水を幾らにするかというところで、基本的には無理のない数字ではないかというふうに考えております。要するに、いろんな議論がございますけれども、被害を受ける方とそうでない方、いろいろ利害が交錯する中での選択を図られている、求められているわけで、大局的には無理のない数字ではないかというふうに思っております。
 以上でございます。
(委員長)  地元の関係から、○○委員のほうからご意見はありましょうか。
(委員)  皆さん方からこれほどまでに人吉の安全を考えていただいて、本当にいつも恐縮して感謝申し上げております。
 私は現場にいる人間の立場から、57年の災害は体験して知っています。それから、今年も含めまして、昨年、一昨年と避難勧告を出したわけでございますけれども、そういうふうな体験から、いろいろ国交省の方々もこういうふうな資料を出されて、本当に大変だったと思いますけれども、よくわかりました。
 それで、前回も申しましたように、この整備計画につきまして、極めて安全度の高いと、こういうふうな計画をつくってくださいというふうにお願いしましたけども、この今日、聞きました7,000m3/sというのは、八代のほうにも随分配慮した計画のようでございまして、自分自身としては十分納得できる計画だなというふうに受け止めたわけでございます。
 この体験といたしまして、前回も、それから今回も、市房ダムの放流ということについてと災害の関係についての説明、あるいはご意見いろいろありましたけれども、この市房ダムを放流するのは毎年のことでございまして、ただ、私は40年のときは人吉にいませんでしたので、その辺の状況はよくわかりませんが、当然ダムの放流によって40年7月の大災害が発生したというふうなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。しかしながら、確かに原因の1つだとは思えるけれども、それがすべてではない、それ以外の理由がいろいろあったんだというふうなことをおっしゃる方もいらっしゃるわけでして、考えてみますと、市房ダムから人吉までは20kmから30kmぐらいあるわけでして、その間は市房ダムが完成しましてからは、この前も申しましたように、災害は発生していないわけであります。市房ダムから急に地下道を通って、あるいは伏流水として人吉市内にばかっと水が出るわけではないわけでして、当然そういうことですと、その中間の町村の堤防も破壊し、あるいは町村の家屋もなぎ倒して、人吉にやって来て災害をもたらすというふうなことだって考えられるわけでございますので、そういうふうな両方の意見があるというふうなことは申し上げておきたいと思います。
 いつも放流されますと、私どもは本当に緊張感がずっと走りまして、またことしもかというふうに思いますし、避難勧告を出すような状況は本当に恐怖におののいているというのが人吉あるいは下流の住民の皆さん方の率直なる心情ではなかろうかと、こういうふうに思いまして、安全度の高い河川計画をぜひつくっていただきたいと、このように思っております。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  前回の委員会で最後に○○委員から、こういう河川の基本高水を算定する方法について、県民に納得できる説明をしたいと幾つか要点を明確にお示しになられて、私もこういう河川の専門家として、そういう説明が一般的に我々専門家のほうから十分されていなかったなということを、これは球磨川の件に限らず、痛切に思いました。
 今回、国交省のほうで用意された資料を拝見しながら、前回私が記憶している点では、4つほど明確にご指摘になったと思うんですが、なぜ基準点を1つにしたのか、それから、なぜ降雨継続時間を2日から12時間にしたのか、それから、降雨の引き伸ばしをしたら思いもつかないような大雨になっているではないか、そういうものを計画論に入れることが本当に妥当かどうか、それから、おそらく最大のご質問ではないかと思いますが、工事実施基本計画のやり方と今回のやり方、データも方法も違うのに何で同じ値になるのかというようなことを○○委員のほうからご指摘があったと思います。きょう国交省のほうで用意された資料をもとにしながら、その4点につきまして、私なりの見解を述べることによって、この計画の妥当性について私の意見にしたいと思います。
 まず第1点の流域分割、要するに、基準点を1つにするか2つにするかという点におきまして、私はきょうの資料の資料3の10ページ並びに、最初にこれは補足ですがとおっしゃってご説明になりました資料2の4ページ、この2つの図から、それから、きょう先ほど事務局○○のほうからご説明になったことも一応踏まえてでございますが、私は前回の私の申し上げたことを翻して、基準点をやはり2つにしたほうがいいのではないかというふうに考えております。
 と申しますのは、資料3の10ページの資料をごらんいただきますと、これはそれぞれの豪雨の降雨分布、降雨の空間分布が記されております。そこで、そのところにそれぞれの洪水が起こった原因が、梅雨性、台風性というふうに書かれてありますが、人吉に洪水を主にもたらす、上流側に強い雨が降るのは、押しなべて台風性。それから、中流、あるいは全流域、あるいは下流に雨が多く降るのは、ほとんどの場合、梅雨前線性でございます。47年7月のは、中流域から上流域でございまして、これが多少灰色でございますが。それから、ことしの18年7月の雨量分布が資料2の4にございますが、これはこの球磨川の狭窄部のところに集中的に雨が降っているわけでございまして、こういうふうに降雨の期限並びにそれに伴う降雨の空間分布が顕著に違う場合には、それぞれに応じて計画を立てるほうが私は望ましいと思います。
 ということで、これにつきましては、先ほどの資料4の9ページに3点離れているのがございましたが、57年7月、それから平成5年7月はここにないと思いますので、平成7年7月、これ両方を見ましても、全流域型の雨、梅雨前線性の雨でございまして、こういうときには相関が悪くなるということを私どもはやっぱり認識すべきではないか。その場合においては、管理上おそらく複雑にはなりますけれども、計画は2つの基準点で持ったほうがいいのではないかというのが第1点目のことでございます。
 第2点目は、12時間の降雨継続時間のことでございますが、これは一般の方にはなかなかわかりにくいところがございます。先ほど○○委員のほうからもございましたが、この降雨継続時間というのと洪水の到達時間というのと、確率というのは非常に相互に関連があります。
 ここに白板があります。よろしいですか。ちょっと簡単にご説明申し上げたいと思いますが。継続時間というのは、具体的には、これが時間だとしますと、これが降雨の強さ。で、降雨の継続時間が長くなればなるほど、集中的に降る強さは減ります。これは、皆さんおわかりだと思いますが、これがこういう分数関数的な関係になっているというのは、これまでの観測からわかっております。ですから、この降雨継続時間を2日から12時間に持ってきますと、強い雨に対する洪水ピークが生まれるということでございます。この降雨継続時間と強さの関係がまず1つございます。
 それから、もう1つ考えなくてはいけないのは、降雨継続時間と洪水のピークの形成ということでございます。今日はちょっと難しくKinematic Waveとか角屋の式とかいうのが書いてございますが、簡単に申しますと、斜面がありまして、それが川を流れてきて、川の出口に来る。雨が斜面を駆けおりて、川に集まって、川の出口まで流れてくるということを考えます。このときに、洪水のピークというのは、この流域の一番遠い端のところに降った雨と、それから、それがたらたらと流れてきて、ここに到達したときに降った雨、この流域の末端で。この2つの、ここからこう流れてくる時間がございますが、この時間の中で、過去の雨のいろんなデータの中から、この時間最大というものがこのピークをつくるわけです。おわかりだと思いますが、ここで降った雨がピークをつくる。それには時間がかかるわけですが、その時間の中で、いろんなところに降った雨が全部集まりますので、この時間では。ですから、その時間をきちっと決めてあげますと、洪水のピークがどれぐらいになるかというのがおおよそわかるわけです。
 この流域の場合は、先ほどご説明があったように、大体洪水の到達の時間、洪水のピークを形成する時間が大体12時間ぐらいであろうというのが、これは割と力学的にはっきりわかるものでございます。先ほど○○委員からご指摘のあった、川の中で溜まると、これがわからないんですが、一番大きいのは、斜面を駆けおりる時間が一番長くかかりますので、この時間で大体決まります。山地の場合は、こういうところにたっぷり溜まるということがあんまりありませんので、ですから、先ほどのような算定方法で12時間ぐらいというのが妥当であろうと思います。
 そうすると、この話とこの話をくっつけて考えますと、洪水の算定をしようとしますと、その洪水のピークをつくる、それに必要な時間の雨を使うということが妥当であるということがおわかりいただけるのではないかと思います。そういうことから、12時間という、もう1つ後で出てきますので、ここに書いておきますが、12時間というのがいいんですが、ただし、この関係式は確率によって違ってきます。1/80から、例えば1/200とかになりますと、これが横にシフトしてくるわけですね。同じ時間でも、確率が高いときは、めったに降らないという意味では非常に強い雨になるということを示します。
 こういういろんな関係がきょうの資料の中に全部ありますので、なかなか一般にはおわかりいただけない部分があるかと思いますが、きょうのご説明の中で、12時間を降雨の継続時間として雨を算定するという妥当性は、今ご説明したところである程度おわかりいただけるのではないかと思います。
 これができるのは、1時間ごとの雨量データが観測できるようになって、そして、そのデータを使ってこういう計画を立てることができるようになって初めてでございまして、その前の工事実施基本計画のときにはおそらくできなかったんだと思います。そういう意味で、この2日から12時間に変えた、先ほど課長さんのほうから日界があるとか、相関が必ずしも高くないということももちろん重要なことですが、12時間という値を使って洪水のピークを出すということの妥当性は、これでおわかりいただけるのではないかと思います。
 3番目は、引き伸ばし率です。これは、私、前回も申しましたが、これは科学的にはちゃんとその妥当性が説明できておりません。科学的に説明できていないもので、そうすると、これはいろんなやる可能性があるわけですが、あるいは、もうそれはあきらめるということも1つありますが、こういう洪水対策をするときに、合理的な方法を見出すことができて、それがある程度の実績があれば、計画論として採用することに無理はなかろうというのが私の考えです。
 総雨量は12時間ということで、12時間の雨量で確率で出ますが、それをパターンに分けるところに問題があります。40年の洪水のように、集中的に雨が降ったところにあててしまいますと、先ほど資料3の10ページにございますように、8時間だとか4時間雨量、この図で言いますと、もう少し短いところに移ったときに、それが1/900とか1/3,000などという雨になってしまいます。ですから、そういうものはやはり棄却する必要があると思う。それに対しまして、47年7月、8時間で、これは1/400ですかね。4時間で1/200ぐらい。では、これが妥当かと言うと、これだけでは必ずしも妥当とはまだ言えません。
 その次に、こういう雨を使って洪水を計算したときに、ほかの傍証で、これが非常に不合理なものかどうかということを説明する必要があるわけで、それがおそらく先ほどもちょっと話題になった資料4だと思います。資料4の中で、これは○○委員からもありましたが、あまり余計なことはしなくてもいいような気もするんですが、私が妥当だと思いますのは、資料4の4ページに、歴史洪水の痕跡水位から8,000m3/sとか8,900というのが過去発生していそうだと。こういことは、7,000m3/sというものを80年の確率で持ってくることに、それほど無理なことではないという傍証を与えます。これは確証ではありませんが、傍証を与えます。
 それに対しまして、この6ページにあるような1/80を1時間ごとに割り当てるというのは、これは明らかにパターンを一番大きいものでつくっていますので、こういう計算はあまりされないほうが、私は結構かと思いますが、この1/80、12時間で47年7月のパターンを使って7,000m3/sという数値を出すことそのものについて、先ほど科学的にはこの引き伸ばしの部分は合理的に説明するところはありませんが、計画論としては、こういうやり方で7,000m3/sという数値を出すことに、私は無理はなかろうというのが専門家としての考えです。
 それから、最後に手法でございますが、資料3の1ページに工事実施基本計画と河川整備基本方針の今回の差がございます。その中で、基準点については先ほど申しました。それから、2つ目の降雨継続時間についても、先ほど申しました。それから、3番目の雨量データの範囲でございますが、これはたしか住民の方からのご意見の中にも多少ございましたが、昔のデータを使えば洪水流量がちょっと減るだろうというご指摘がございました。これにつきましては、私は、先ほど言いました12時間の雨が洪水を形成するというところのよりどころを持って、時間雨量データが利用できる期間を最大限取ってやることが望ましいという見解でございまして、この28年から平成17年の値でやることがいいと思います。
 最後に、単位図法と貯留関数法の方法の違いでございますが、これはきょう図でも説明がございましたけれども、単位図法というのは、2倍の雨が降ると2倍の高水流量が出るという形の方法です。これを線形と言いますが、あるいは、ある雨で降った雨とその次の時間に降った雨を時間遅れで足し合わせると洪水がつくれますというような、これも線形と言うんですが、そういうものに対しまして、実は洪水の流れというのは、2倍だとか足し算でない、線形ではない部分、専門的には非線形と言いますが、そういう部分がございます。具体的には、降った雨が地中に浸透する割合が雨によって違いますということと、それから、川の水の流れという、あるいは斜面を駆けおりる水の流れというのは、その水深に対して、水の流れの速さは線形ではないんです。要するに1倍ではなくて、3分の5乗というような値になるんですが、そういう非線形の性質を持っておりますので、そういう非線形の効果を加えないといけないというのが1980年代ぐらいの水文学というか、こういう水の流出を考える学問の見解です。最近はもう少し進んでおりますが、まだまだそれが現業に、こういう計画になかなか反映できないのは、科学的なものの努力、あるいは現業の努力のまだ至らないところだと思いますが、1980年代初めぐらいには、こういう方法でやることが望ましいというふうに変わってきております。
 以上、流域、基準点のとり方、それから、12時間という降雨継続時間のとり方、引き伸ばしの問題点と今回適用された結果の妥当性、それから流出解析という手法についての私の見解を述べましたが、先ほど2点申し上げましたが、基準点のとり方につきましては、私は再考したほうがよろしかろうと。それから、引き伸ばし率の妥当性を説明する資料というものは、もう少しクリアなものに絞ったほうがよかろうということを踏まえて、今回の7,000m3/sというのは妥当な数字だと思います。
(委員長)  ありがとうございました。
  引き伸ばし率というのは、少ないデータの中からやるものですから、大変事務方としては苦労しているんだと思います。40年災を、もとから全部棄却と言ってもいかがかなと思います。現に起きているものですからね。そんな点で、おそらく現場技術屋さんとしては悩むところだと思うんですけれど。
(委員)  これはやっぱり今だとかなりそういうところにメスが入ると思うんです。どういう降雨期限だとどれぐらいの水蒸気を一気に集めて降雨をつくることができるかということが、観測からも、それから、数値シミュレーションのモデルから、コンピュータを使ったモデルからも明らかにすることができますので、この40年7月の豪雨が非常にシャープなピークになっていますが、これがどういう梅雨前線性の集中で降ったかということを解析することによって、と言いますのは、そういうものが近々仮に不幸にしてあったとしたら、こういうものを計画度に入れる道というのは、これからはあると思います。
(委員長)  現時点で40年の気象図を見ながらというのは、なかなか難しいですか。
(委員)  それは不可能だと思います。今、過去100年にわたって、地上分解の100kmで全球の気候を再現した計算、これは日本が誇る地球シミュレーターを使ってやって、その結果が出ておりますが、それは100kmのスケールですので、大まかなことはわかりますが、こういう集中豪雨の場合は、せいぜい10kmから20kmぐらいのスケールで起こっておりますので、そういう現象を現段階で再現することは極めて難しいと思います。
(委員長)  ありがとうございました。
 この時点で○○委員のほうからご意見ありましたら、承りたいと思います。
(委員)  ありがとうございました。
 1つ、九州南部に停滞いたしました梅雨前線、この結果、球磨川流域全域で豪雨に見舞われたという事実に絡んで1点申し上げたいと思います。今回の状況というのは、中流域から下流域にかけての雨量が多い中下流型洪水と、そのように考えられるものではないかというふうに思っております。
 洪水の被災地の中には、昨年、一昨年、台風で被害地域であったところが、また再び被害地域になったという、非常に何とも言いようがないつらい経験をされたという状況がございます。私のところに手紙等々も参っておりまして、濁流の中で自分の家屋が流出しないようにということで、通行できないとわかっている、禁止されているところを無理に入っていって、そしてサッシを破って家屋の流出を防いだというようなことや、とりあえずは仏様、これだけ持って逃げましたというような、大変そういう手紙等々も出てきておりますし、この会場に参りましたときに、エレベーターの前で、このたびも被災に遭われた方から直接、皆様方に届けられたと同じ中身の状況報告を、私もいただいたところでございました。本当に河川整備ということで、国、県一緒になりながら本当にやっていかなければならない、早急にやっていかなければならないということを実感させられたところでございました。
 先ほど委員長のほうから、矢黒地域の河川改修の状況等についてもお触れでございましたけれども、今回の浸水被害が生じたところは、流入支川を含めた堤防の整備、あるいは宅防などが要因と考えられる事態がございますので、治水対策が非常に大事だということを改めて感じさせられたところです。
 もちろん私ども県もハザードマップ等々を作成いたしまして、浸水想定区域、この図の作成をソフト的なところでもやっていきたいというふうには考えております。
 こういった前提をまずご報告させていただきまして、今、○○委員のほうから大変わかりやすい――わかりやすいと言っても、私は専門家ではありませんので、いつもこの資料をいただきますと、まるで乾いたぞうきんを絞るような思いの中で、もう必死でこの状況を読ませていただく。自分で読書百遍意自ずから通ずとか言いながら見ているという状況が素人の私のありのままの姿です。今○○委員のほうからのお話は、そういった状況の中での理解であるというふうにお考えいただければと思います。
 そこで、きょう説明をいただきました資料3のページ5でございます。ここのところで、計画降雨継続時間、ここで頻度分布が12時間、そして、その他の時間で顕著な差が見られない、ここの状況を見る限りでは、12時間が最適だと判断しづらい点があります。今、○○委員のほうのご説明の中では、降雨継続時間、それから洪水到達時間、さらには強さの関係というようなご説明をちょうだいいたしました。今のご説明をもとに、私自身も再度この点については検証していきたいというふうに思いますが、少なくともこの資料3のページ5からは、計画降雨継続時間はどのように考えられているのか、あわせて説明をしていただきたい。八代地点が計画基準地点になった場合に、それはどういうふうな形になっていくのか、ぜひこの辺お示しいただきたいと思いますし、12時間を選んだ根拠を合理的にもう一度説明をしていただきたい。確かに○○委員の説明の中で納得するところもございますが、さらにと思います。
 それから、資料3の8、流量改定を行った7水系の紹介がございました。前回、○○委員も述べられていたと思いますけれども、各水系が計画降雨の継続時間をどのように定められたのか、この点をぜひ教えていただきたいと思いますし、できれば、球磨川の流域特性との比較を織りまぜながら、根拠を説明していただきたいというふうに思います。
 それから、資料3の7、あるいは資料3の1のところで、一般的な方法というようなものが述べられていますけれども、やはり私は、12時間降雨量の採用によって、実は昭和28年以降のデータだけが使用されるようになっております。しかし、住民討論集会では、昭和2年以降の雨量データを使った80年に1度の2日雨量が示されたはずです。つまり、今回のデータ使用は、昭和28年以降のデータによっていますために、この間の26年間のデータは、現実に雨量実績があるのにもかかわらず、用いられていないというような感じでございます。
  資料4の1とも関係するというふうに思いますが、こういったような手法というのは、河川工学の領域ではポピュラーなことかもしれませんけれども、私のように素人で、一般的に統計解析というのを素人が考えた場合には、まず同じデータで計算して、その有意性がどのような状況にあるかということを問うというのが一般的ではないのかなというふうに思うわけです。そこで、ぜひ27年以前の12時間雨量を推定で――さっきの○○委員の話では、推定というのは大変不確実ということであるというご指摘はありますけれども、住民討論集会の中では、現実に国土交通省はこれを使って住民討論集会の中にかけてきているわけですので、やはり住民の皆様たちからいたしますと、この点については、ぜひ、推定ではありますけれども、どの程度の変化が出てくるのか、具体的な数字等々を示していただくというようなことも非常に必要ではないかというふうに思います。
  それから、ページ3の10でございますけれど、引き伸ばしについてですが、計画降雨継続時間を12時間にしたということによって、やはりこの引き伸ばした後の洪水到達時間内の降雨強度、これもさっき○○委員、説明はちょっとしていただきましたけれども、これが強くなって、そして2つの計画検討対象洪水が棄却されたとも考えられるわけですけれども、引き伸ばし、それから棄却、これは計画降雨時間設定に強く関連するというふうに理解させられたわけですので、大変重要な事項でありますので、特に昭和40年7月の雨と47年6月の雨が棄却された理由について、私は国土交通省からぜひ棄却判断基準、そして、その結果に至ったプロセス、データを示して、わかりやすく説明していただければというふうに思います。
 それから、これは非常に単純な疑問ですけれど、資料4の9ですが、八代の基本高水ピーク流量、これが工事実施基本計画の9,000m3/s、これからこれが9,600m3/sに変更になっております。なぜこのようになりますか、次回で結構ですので、わかりやすくこの点の変化についてもお示ししていただければというふうに思います。
 少し長くなりますけれども、計画基準点に関して、資料4の9ページ、8ページ、こういったところから疑問を少し呈させていただきたいというふうに思います。これまで長い間、人吉地点、八代地点の2地点を計画基準点として位置づけたということ、また、今○○委員のお話の中にも、そのことは触れていただきました。そういう前提の中で、ことしの7月豪雨ですけれども、人吉地域のピーク流量は、国土交通省のホームページでは約3,600m3/sと説明がございました。一方、横石地点のピーク流量は、私が見る限りでは、今示されておりません。ぜひお示しいただきたいと思います。地元のテレビ局が繰り返し報道していた状況は、八代地域の洪水状況が示されておりました。そこで、県職員に私は、平成7年の7月の雨を参考に、水位から推測させたところでございます。平成7年7月の横石の水位が8.7mで、約6,600m3/sございました。今回の水位は8.87mとなっていると。つまり、これでいきますと、約7,000m3/s近くまで達したのではないかというふうに思っているところです。
 前回の資料でございますけれども、資料4の3ページにおいて、人吉と横石の流量の相関図、これをお示しくださいました。そうしますと、横石は人吉の1.37倍であったと伺われますが、今回の洪水では約2倍近くになっております。今回の7月豪雨を、資料4の9の右下の表にプロットしてみますと、必ずしも相関が高いとは言いきれないことが伺われます。雨の降り方によっては、八代と人吉の間にはいろいろな関係が生まれ、計画基準地点が本当に人吉1地点で十分なのかどうか、私は今回のことを通しながらも、今なお疑問を感じているところであります。また、前回も申し上げたとおり、八代市民の方々にも、ぜひこの基準地点の問題ということにつきましては、安心感を持っていただく必要があることも申し添えさせていただきたいというふうに思います。
 さらに、本日の資料4のページ8ですけれど、全国の河川、これが複数基準地点の設定状況の中で、理由づけが示されて、そして、5つの水系が紹介されております。しかし、以前の検討小委員会のホームページでは、球磨川は工事実施基本計画ではあるが、同様な理由、つまり、狭窄部がある、氾濫区域が分断されているというようなことなんですけれども、こういった理由から、基準地点を2地点有する水系として分類をされてきております。球磨川の地形の状況は、工事実施計画の時期と、今はいささかも変わっていないということも私は申し添えさせていただきたいと思います。また、工事実施計画から計画基準点が変更された水系、これは今回ずっと2点ということで、特殊な形というふうに示されておりますけれども、しかし、工事実施基本計画の中で示されていたもの、2点であったのか、1点であったのか、それがどのように今回変わってきたのか、今回では1地点とされている水系は、50水系中39水系とされておりますけれども、もともと工事実施基本計画、その中で基準地点を複数に定めていたものが、基本方針策定の中で1地点に変更した水系、それが幾つあるのか。もともと本当に2点であったものが、そのままなのか、あるいは、1地点であったりしたものが、今回変わったのか、逆に、1地点になったのか、そういったようなものをぜひ私は知らせていただきたいというふうに思います。
 本当に5月11日に配付資料されました参考資料等々を改めて見てまいりますと、計画基準地点、こういった資料が、非常にそんな資料の中からなお疑問が深まる。もしかしたら、そういう意味では、○○委員がおっしゃいました検証の方法の幅、そして、こういったものが評価というところの正当性とどのようにつながっていくのか、私自身も全くわからないために、改めて出てきた疑問なのかもしれませんけれども、ぜひただいまのような点について、今後しっかりとお答えを願いたいというふうに思います。
 以上でございます。
(委員長)  ありがとうございました。
 今のご質問の中で、引き伸ばし率の関係における棄却の論理ですね。先ほども説明ありましたけど、少し丁寧に事務局でやっていただきたいことと、横石の流量がいまだに発表されていない。人吉は発表されたけど。今事務局の○○さんに聞いてもわかりにくいんでしょうが、もし、わかっている担当者かおられたら、この席でご説明いただきたいと思います。
(事務局)  今の委員長ご指摘の部分でしょうか。それとも、○○委員の全体のお話をしてよろしいんでしょうか。
(委員長)  もしできるんでしたら、お願いします。
(事務局)  先ほどお話ございました、まず計画降雨継続時間でございます。これは、資料3の5ページでございますが、これは12時間と顕著な差が見られないというお話でございますが、これは、左上のほうは降り始めから降り終わりまでの時間なので、12時間だとか、18時間だとか、24時間というのはあんまり差がございませんが、その左の2つ目のものが、実際の洪水の量に効くある程度の雨のところはどのぐらいの時間かと見ますと、これは顕著にと言いますとあれでございますけど、赤い帯のところは12時間前後ぐらいでございますので、左上のやつは、全部、ほんのわずかでも降ったやつがもう数日間降っていてもというのをみんな入れたもので、ちょっと私どもの説明が不十分だったのかもしれませんが、そういう意味でございますから、やはり右側の各、40年だとか、ほかの年を見ましても、10mm以上だとか、5mm以上というところが、10時間だとか、7時間とかございますところは、どの洪水もそんなふうになっているのが見てとれるかと思います。ちょっと私どもの説明が不十分だったのかもしれませんので、そういうお話をさせていただきます。
 それから、お話の中で、横石の到達時間が、資料としましては、資料3の6ページに、人吉のものだけ、右下のほうに洪水到達時間というものを書いてございます。これを横石地点といいますか、要は八代のところも見ますとどういうものになっているかというと、この表そのものを見ますと、Kinematic Wave法では大体8〜20時間ぐらい、平均ですと14時間ぐらいになります。それから、角屋の式では9〜11時間、平均10時間です。ですから、右側の結果というのを見ますと、大体10〜14時間ということで、総じて私どもとしては、人吉で見ましても、横石で見ましても、おおむね12時間程度を考えておけばいい幅かなというものでございますが、この表には人吉しか書いてございませんが、横石につきましては、そういうものでございます。
 それから、流量改定を行った7水系のお話が資料3の8ページでございました。資料3の8ページに、これまで行った7水系につきまして、計画降雨継続時間をどのように定めたのかというようなことがございました。ちょっと簡単にお話といいますか、少しものによりましては傾向がございますので、そういうお話をさせていただきたいと思いますが。
 まず球磨川でございます。ここに書いてございませんが、ここは何度かお話を申し上げていますように、ここの特性は、一連の降雨、大体1日から5日ぐらいの間、かなり長くだらだらと降ります。ただ、実際の洪水のときは、かなり短時間にたくさん降ったときに大きな洪水が出ているというのが特徴でございます。それで、今、この8ページでは、ほかの川、近傍の川もございますが、まず12時間、赤い線で書きましたところの降雨継続時間が12時間と書いてあるものが、五ヶ瀬川、番匠川、安倍川という川がございますが、これらはどういうものかと言うと、球磨川につきましても、洪水が到達する時間、雨が山の上に降りまして、下のほうにまで来ます時間、それから洪水のピーク流量との相関、それから過去の洪水では何時間ぐらいのものが大きな洪水を導いてきたかというものを、ここも同じようにやってきておりまして、今のこの3つの12時間と書いてあるものにつきましては、洪水の到達時間が大体12時間弱ぐらいのものばかりでございます。それから、相関は12時間、もしくは、もう少し下ぐらい。で、主要な洪水は大体12時間ぐらいで起きているというので、この3つとも、そういうことを含めて、12時間というふうに決定されたものでございます。
 それから、2つ目、もう1つ、24時間というのが下から3つ目と2つ目がございます。これは、庄内川と沙流川でありますけれども、これは大体洪水の到達時間は24時間より少し短こうございますが、相関係数といいますか、かなり24時間ぐらいのときに洪水のピークが出るのが相関は高うございますし、主な洪水は、過去、大体24時間ぐらいのものが出ておりまして、ちなみに、例えば、平成12年の東海豪雨は、まさに24時間ぐらいずっと大きな塊の雨が降ったというのが有名な雨でございまして、それがこの降雨継続時間が24時間と決定のもとになっているものであります。
 それから、残りの48時間と2日というものが、両方とも48時間みたいなものですが、ございまして、上の大淀のほうは、大体到達時間のほうは20時間ぐらい、48時間もないのでございますけれども、相関といいますか、実際の洪水のピークはどのぐらいのときにちょうど高くなるかなというのは、9時間とか48時間ぐらいの間にございます。それから、大きな過去の洪水を見ますと、ここはちょっと幅がございますが、1日から2日の間ぐらいで大きな洪水が出ておりますので、それが総じて48時間というものにしたものであります。それから、一番下の高津川は、これはちょっと変わってございまして、5,200m3/sというのは、これはこういう確率で出したというよりは、昭和47年に実際起きた流量が、洪水が5,200m3/sだったんです。これを計画のもとにいたしまして、これが大体2日ぐらいの雨であるというので、2日雨量にしているというものでございまして、それでちょっと注釈を入れさせていただいております。
 そういうふうなことで、それぞれの川の特性で、今のすぐ洪水の到達時間、それから、どのぐらいの雨が一番大きな洪水を引っ張ってきたかというので全部決めているわけでございまして、球磨川に照らして言えば、一連の細かい雨まで含めますと、1日から5日ぐらいまで降るのでありますが、過去の洪水を見ても、かなり短い時間に集中的に降ったときに大きな洪水を及ぼすというのがこの川のまさに特性でございまして、それを踏まえて12時間というようなことを導いているものでございます。
 それから、計画降雨波形の設定のお話がございました。資料3の9ページをごらんいただきたいと思いますが、棄却というか、その辺のお話が9ページ、10ページのところで、引き伸ばしと棄却のお話が出てございました。10ページのものをごらんいただきたいと思いますが、資料3の10ページの右のほうの8時間の発生確率で棄却されているのは、40年7月の洪水です。それから、4時間の雨量の発生確率が異常なものになっているのが、40年7月と47年6月でございます。これはどんなものかなというのを見ますと、9ページをごらんいただければそれらのものがわかるのでございますが、棄却というものにしたものは、40年の7月洪水と、それから、2段目左側の47年6月洪水です。両方ともどういう特徴があるかというと、極めて短時間に、例えば、6時間、8時間とか、そういうところにすごい真ん中の中心部分があって、それが周りを少し雨が降っているという、全体はだらだら降りましても、集中しているのはそういうものでございまして、こういう短時間に降ったものを引き伸ばすと、先ほどのように、もうちょっと小さく見たといいますか、局所的に見たときにおかしくなっているというものがございます。
 それで、2日雨量でやっておりましたものを12時間に設定したことで、逆にそういうものが出ているのではないかというような感じのお話があったかと思いますが、実際のところ、仮に2日間の雨でこういう同じような作業をいたしますと、実はもっと悪くなると言うと変でございますが、こういう短い雨を大きい長い時間で引き伸ばすとおかしくなるということでございますので、実は40年7月とか47年6月だけではなくて、昭和30年の洪水だとか、平成5年の洪水だとか、平成9年9月の洪水だとかも、異常な引き伸ばしになります。何を申し上げていますかと言うと、短い時間に降った雨がこの川では効くので、逆に、2日雨量にすると、棄却しないといけないものが多くなるといいますか、だから、12時間というもので見ているものであるというふうに思います。
 それから、その次のお話として、八代地点の基本高水のピーク流量のお話がございました。これは資料4の9ページでございます。何で9,000m3/sから9,600m3/sになっているかということでございますが、これは、9ページそのものは、全体の下の表を見ていただくわけでございますけれども、この原因は、1つは、データが平成17年まで、前は昭和40年まででございましたものが、平成17年までというところで増えてございます。この部分、単に時間が増えただけではなくて、時間の分布とか空間分布のデータが増えてございますので、そういう実際降りました最近のものまでを含めると、そのまま入れますとたまたまこうなったというものであります。たまたまという言い方がちょっとあれでございますけれども、実際雨を中で見てみますと、工事実施基本計画のときに、先ほど来お話がございました、中流下流に大きな雨を降らします本川の下流部の雨というのは、大体工事実施基本計画のものでは、これは2日で見ますと285mmでした。これが、先ほどのように、最近の平成17年までのデータを全部入れますと、その中流部や下流部のところへ降ります雨は、2日だと384mmになります。ですから、実際、最近までのデータを入れると、これは引き伸ばした後でも何でもございませんので、事実280mmぐらいから380mmぐらいに雨が増えているというのが、それも下のほうで降っているものが増えていると。そういうデータを当然反映しないといけないわけでございますので、それを入れましたものの結果が、9,000m3/sから9,600m3/sになっているというものでございます。
 それから、次のお話として、計画基準点のお話がございました。これも自身は、先ほど来この審議会、委員会の中でのご議論かと思いますけれども、これまでなりましたものの理由はどうだったかという事実関係だけちょっとお話をさせていただきます。これは資料4の8ページに、左側のほうに基準地点の2つ以上設けているものについての表がついてございます。これは、先ほどのように、球磨川が分類されていたじゃないかというお話は、あれは現時点というか、その資料をつくられました段階で、どういう理由でその川がそこへ多分分類になっただろうというものでございますので、昔、これも前も申し上げておりますが、上流下流、中抜けがあったという中で、この川は多分こう考えただろうという事実だけを整理しておるものでございますので、そうあるべしという資料ではございません。それで、理由につきましてというか、過去基準点が2地点であったものが1地点になったものだとかがあるかというお尋ねがございましたが、最上川という川がございます。最上川が、2地点でございましたものが、1地点になってございます。それから、雲出川が、3地点でございましたものが、1地点になってございます。また、島根県の斐伊川でございます。これが、2地点というものが、1地点になってございます。逆に、石狩川だとか、九頭竜川だとかは、地点の数が増えているものもございます。そういう状況でございます。
 理由につきましては、これは全国基本方針をつくっていきます過程の中で、全国的に整理をいたしまして、過去つくりました川というのは、それぞれの理由が少し全国的にばらばらなものがありましたものを、大体共通した考えのもとに整理をいたしまして、大体なるべく1地点と。それから、ここに出ておりますような、大きな川で氾濫域が違うだとか、そういうものだけは複数基準点を設けるという整理の中で、過去、最上川、雲出川、斐伊川というものは、1地点で大丈夫ではないかという検討のもとにしたものでございます。
 以上でございます。
(事務局)  補足であります。先ほどお問い合わせがありました、ことしの洪水の横石のピーク流量ですけれども、まだ速報値、今後精査が必要な流量しかございませんが、約7,100m3/sをちょっと超えていくということが、今わかっております。これが1つ補足であります。
 それから、もう1つ、12時間で28年以降時間雨量を使用しないという話が、さっき住民討論集会では2日雨量、これは工実ですから日雨量のデータをずっとお話をしてきて、今回、時間雨量は日雨量から推定できるのではないかというお話がございました。きょうの資料でございますように、正直に申して、相当使うのが難しい状況でございます。ですから、本当にやるなら参考程度という話で、もうこれはただやるというだけの話しか多分できないと思うんですけれども、それでよろしければお出しはできると思います。しかし、あくまでも、それを持ってどうというのは、ちょっと難しいと思いますので、それでよろしいでしょうかということですけど。
(委員)  住民討論集会で論議されていたところでもありますので、本当に参考にするしないというような選択はあると思いますけれども、一応はまさに参考ということでお出しいただいたらと思います。
 それから、きょういろいろとお話をちょうだいいたしました点につきましては、また県として内部的にも検討をさせていただきたいと思います。きょうは本当にいろんな面で勉強させていただきまして、ありがとうございました。
(委員長)  それでは、日雨量と12時間雨量の関係だったんですけど、これは事務局は出すというので、私もかなり学問的なというか、技術的なことで心配すると、資料3の7ページ、この下の右から2番目に掲げた、年最大日雨量と年最大12時間雨量の関係の図がありますが、おそらくこういう前提で出すんだということで理解するべきだと思います。ひとつご検討の上で、反映させていただきたいと思いまして。
 それでは、○○委員のほうからお願いします。
(委員)  きょうはたくさんピーク流量の算定の資料を見せていただきまして、7,000m3/sという値が決して安心できる流量ではないなという印象を持ちました。これはおそらく棄却されるデータではありますけれども、実際、平成16年、福井の足羽川では、2日雨量では1/25という降雨だったんですけれども、6時間を見ますと1/10,000というふうな降雨が降っております。実際そういう降雨があったという事実というのは非常に重いわけでございまして、私、こういう事実を見たときに、こういった降雨に対して、どういうふうに今後計画に盛り込んでいくのか考えることは非常に大事なことだというふうに思っておりました。おそらく1/1,000というようなデータは棄却されるだろうというふうに思いますけれども、超過洪水に対しては、ソフト対策とも相まって、治水をやっていく必要があるとの印象を持ちました。結局、7,000m3/sという値につきましては、十分納得できるデータであるというふうに私は思いました。
 以上です。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いします。
(委員)  それでは、二、三、申し上げたいと思います。私が質問した件につきまして、幾つか回答をいただきましたが、それもあわせていたします。
 まず資料3の、雨の降り方についての9ページです。この図を見て私は、雨がインプットされたときに、河川にどういうふうな形で洪水流となって現れてくるのかと、そういう視点でこういうものを見ています。そういう視点でお話ししたいと思います。○○委員が非常にわかりやすく、説得力のある説明をされましたが、私が洪水をどう見ているかという意識の中で、この情報をどう読むのかを、もっとエンジニアリングの視点でお話ししたいと思います。
 左側にあります実際の降雨、昭和40年7月洪水とか、昭和57年7月洪水と、2例が出ていますが、この中に幾つか重要な情報があります。まず1点目は、洪水のピークがどんな時間帯に出てくるのかです。それは、先ほど来からお話がありますように、大きな雨が降った直後に出てくるというのは、この図を見ればわかります。
 2点目は、先行降雨についてです。少し議論が足りないようですので、触れたいと思います。昭和40年7月で言えば、7月1日とか7月2日に先行豪雨があります。計画降雨継続期間として用いられる12時間という青く塗った前に降っている雨が、既に川の中に、洪水流となって出てきている。これは2,000m3/sクラスの流量となって出ているということです。計画では、どんな継続時間の雨を考えているか、どのくらいの大きさの雨を考えるかのときに、実際に降った雨を考慮して、この継続時間の先に降っている雨も含めて考えていることが極めて重要なわけです。そういうことから見れば、先行降雨のないような、昭和47年6月の洪水が棄却され、あるいは、ほかの先行降雨の少ない平成16年8月も含めて見ますと、ピークの雨が降る前の立ち上がりはもちろんシャープですけれども、先行降雨に伴う河道の中に出てくる流量は非常に少ないんだということで、ピーク流量を構成するものは、先行降雨も含めて、それから、計画降雨継続時間の雨の、その両方で考えているんだということがわかります。
 そのときに大事なのは、計画降雨継続時間を決める要因は何なのかです。事務局の資料では3要因があげられています。第一点は、洪水のピーク流量が密接に関係する洪水の到達時間が8〜11時間だということです。山の斜面と河道の中を降雨がどう伝わってくるかということが実質洪水をつくってくるわけです。それから、12時間雨量とピーク流量の相関が高いということです。これは重要なことで、実際、12時間以外の継続時間を含めて検討したときに、ピーク流量がどのような降雨で形成されているのかというのがわかります。3番目は、大きな洪水流量が発生するのは、大きな雨が降ったとき、それは、12時間程度に降雨が集中している場合だということです。この3つの要因は、河道の中に洪水がどんな波形となって出てくるのかということを考える上で、球磨川の場合は、12時間の降雨継続時間が大事になります。
 そのときに、降雨継続時間12時間に決まったとすると、確率総雨量も決まるわけです。そのとき、実際に時間分布と空間分布がどうなるのかというところが問題だというわけです。それで、時間については、実際の波形の降った雨を使っているわけです。問題は、空間分布等わからないものについて、これを引き伸ばすということをやるわけです。どんな雨の降り方をしているかというのは、現在の気象力学を駆使してもまだわからないし、統計的にもわからないということになっていて、実際に起こった降雨に基づいて考えているということが非常に重要となります。
 そのときに、先行降雨を考慮しておいて、そこに12時間ぐらいに集中する降雨が大変に大きな洪水を引き起こすんだということで、そこの部分だけを引き伸ばすということをやっているわけで、この方法は、現在のところ最も合理的な方法だと私は思っています。他に何があるのと聞かれたときに、おそらくいろんな方法があり得ます。降雨のもっとシャープなところを引き伸ばすとか、流域の大きさによってもいろいろ考え得るでしょうけど、継続時間の中で一様に引き伸ばすということが、おそらく一番合理的だろうと考えています。
 計画降雨波形について、○○委員がおっしゃられた、降雨の波形が違うじゃないかということは、それはピークの大きさが引き伸ばされているということなんです。このことが流量に関係するというのは事実ですけど、全体の波形そのものの時間分布と、12時間の降雨の継続時間の中で、大きな洪水が起こり得るということ、実は球磨川の場合は、12時間の継続時間が一番洪水流量の大きさに効くこと。先行降雨は十分考慮されていて、そこに継続時間12時間の大きな雨が出てくる可能性があるということが、極めて重要なことと考えています。私たちが河川の計画、治水上とり得る安全な計画を考えるときに、実際どんな危険なことが起こり得るかということを考えます。一番はっきりしていることは、その計画規模に相当するような雨が出ていることなんですが、そういうものがない場合には、今まで起こった実績の空間分布と時間分布等を考え、しかも、起こった降雨波形について、いろいろな川でこういうことの実績を積み上げてきて、基本高水流量を出してくることをやってきました。私は、この方法が、今やり得るふさわしい方法だろうなと思っています。ですから、ピークが少し高くなるとか、波形が若干変わるというのはあるにしろ、これが基本高水流量の出し方として合理的なものだと私は考えております。その根拠としては、ここに事務局から提出された資料でよろしいのではないかと思っております。
 次に、球磨川の基準点についてです。前回、私は、基準点は人吉と横石の2点を考える必要があるのではないのかと申し上げました。それは、雨の降り方が下流中心で降る雨もある。人吉と横石の洪水流量について、相関が悪い事例を詳細に調べる必要があること、下流中心の雨を考慮する必要が生じたときに、当然、2点の基準点として、下流の八代市には、横石の水位を見ながら洪水対策を考えることが重要であろうということを申し上げました。今回の結果と、それから、先ほど来ご説明ありました新たな平成18年7月の雨の降り方を見たときに、私は、やはり基準点は2点で考えていくべきであろうと思います。
 それから、平成18年7月洪水では、非公式ながら、上流の人吉では3,700m3/sで、下流で7,200m3/s流量が出ていると報告がありました。下流域中心の雨で、横石で7,200m3/sも出ています。もしも、今回の雨が、上流域でもっと降っていれば、当然、横石のほうは流量も増えているだろうということは想像に難くありません。となってきますと、大きな市街地を形成している八代市の安全度を高めなければならないのではないかと思います。今まで人吉と八代を同様の治水安全度で計画をたててきていますけれども、上流域に降った雨を下流に集めて洪水になったときに、球磨川には、人吉と八代という2つの重要な街がある。その中で、本当に上流も下流も同じ安全度でいいのかということが問題になろうと思います。前回、私は下流の八代の安全度は/80ではなくて、もうちょっと大きいほうがいいのではないのかというふうに申し上げましたが、今回の資料を見て、今もその思いを強くしました。基準点の2点化と安全率をどう考えるのかというのは、議論をぜひしていただきたいと思います。
 その他の件については、十分議論されたように思いますし、私は、納得しているところがありますので、これで終わりにいたします。
(委員長)  大分時間は超過していますが、全員からご意見を伺いたいと思います。
(委員)  すみません、1点だけ、今、○○委員のことでよろしいでしょうか。本来でありましたら、先ほど事務局○○がお話しになったときに発言すべきだったことなんですが、今○○委員も触れられましたので、私、違う見解を持っておりますので、申し上げておいたほうがいいと思います。
 降雨のそれぞれの降雨継続時間の雨量に対して、洪水ピーク流量の相関をとって、それが高いところを選ぶというのは、私は危険だと思います。それは、1つの傍証として使うのは結構だと思いますが、洪水を形成する雨がどういう時間で降るかということに基づいて、まず当継続時間を決定すべきで、今回の説明はそれが逆になっているところは、誤解を招くと思います。洪水到達時間というものの定義を先にして、そして、12時間というものをお決めになって、12時間ということで過去の降雨を見てみると、そういうところに非常に強い雨が降っていたという形で理解を進めるのは結構ですが、12時間の雨と洪水ピークが、私は全部調べておりませんけれども、必ずしもそうならない場合は多々あるわけで、要するに、2日雨量と洪水ピーク流量というのは、すべてのデータを扱うと、おそらくそれが一番相関がよくなるはずです。しかし、実際にピーク、非常に鋭いピークをつくるのは、洪水到達時間内にある最大降雨でありますので、そういうところは理解を間違って進めることになりますので、一言申し上げます。
(委員長)  同じようなことを2人とも言っているんでしょうけれど、ちょっと説明の仕方がそうなったと思いますが。
 それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  最初に今の継続時間とか到達時間の話について私も意見がありまして、○○委員があそこで説明したのが、水文学的には本当に流出プロセスを考えた議論なんですね。だから、洪水到達時間というのが大体決まって、それは雨の大きさによっても違うんですけれども、そこで降る雨の降り方を問題にするのが、これは理論的には正しいと思います。
 ただ、実はきょうの議論は、洪水到達時間を計画降雨継続時間とするというような議論は、この球磨川で初めてやっているんです。今までは、やはりいろんな川で経験的にも含めて、大きな流域では3日雨量が効くだろうとか。実はそれにも理はあって、ピーク流量の算定の話だけしているからそうなんですが、そこまでの雨というのは、今までも例えば出てきたように、流域の湿潤度を決めるといいますか、だんだん洪水を底上げする力になっているので、そういう意味では、洪水到達時間を対象にするんだったら、その前に湿潤度をつくる雨はどうかということはちゃんとはっきりして、それが3日雨量なのか、10日雨量なのかと。さらに、ピーク流量だけを対象にするのなら、今のような単純なある時間内でいいんですけれども、梅雨前線を伴うような豪雨というのは、調節施設を考えた場合には、一山で終わらないことがあるわけです。だから、そういう意味でも、計画降雨継続時間というのと洪水到達時間というのは、ピーク流量をやるための考え方と、そうでなくて、計画全体の波形を考えると、調節施設なんかも、それを分けて考えなければいけないので、実はその辺の整理がちゃんとできないで今まで議論してきたということがあろうと思いますので、そこは今後事務局でも、また、我々も整理してやっていかなければならないと思います。
 それから、次に、資料4に移りますが、前回お願いしました、過去に近くであった梅雨前線豪雨が球磨川流域に降った場合のシミュレーション、どうもありがとうございました。やはり梅雨前線と言えども、地形の効果はあるはずで、そのままスライドさせるのが正しいとは思いません。ただ、ことしのように、梅雨前線が南の分水界にいる場合、それから、北の離れたほうにいる場合で、真ん中はなかったんですが、分水界が球磨川の北側あたりに停滞したときには、湿舌が入ってくる可能性はあって、こういうことが起こる可能性はあるんだろうという気がして、そういう意味では、平成2年7月とつい最近の川内川が、その流量が人吉地点の現在の計画対象流量より大きい、このぐらいのは起こり得るという実感は持っていただけるんだと思います。
 1つ、次までに調べてほしいのは、3ページの人吉地点の流出算出で、右側の表の下から2段目ですね。ここに、川内川の上流域を平行移動したときの人吉上流域の雨量が書いてあります。ここで最大12時間雨量が250mmとなっています。球磨川での1/80の12時間雨量は262mmでしたよね。つまり、250mmという、それよりも小さい雨で大きな洪水量が出ているというのは、これまで議論したように、集中度、つまり、降雨強度の非常に高いものが集中していると思うんですね。先ほどの棄却の議論がありましたけれども、どこで棄却するかというのは難しいんだけど、この雨について、これは実績雨量ですから、どんな短期間降雨強度になっているかというのを、棄却の議論をするのとあわせて、それの参考にするために、降雨の時間分布を調べて、今度教えていただければというのが1点です。
 次に、先ほども歴史的洪水についても、過去にこういう大洪水があったということは、やはり十分認識しておくべきだろうと思います。それをまとめた7ページをどう見るかという話なんですが、今申しましたように、過去の近辺の川での実績流量の試算というのは、こういうものがあり得るということ、これが確率的にどうなっているかというのも、できれば球磨川の中でどうかということもちょっとやっていただければと思いますけれども。それから、歴史的な洪水もあったということですね。
 それから、流量確率手法というのはこれまでやってきたことですが、今回提示されたのは、新しくモンテカルロ法を用いたシミュレーションによる確率評価です。これは、この前も言いましたように、引き伸ばし率というような人工的なことを加えないでという方法で、過去の資料の確率的性質が保たれるという仮説に基づいて、長期の洪水を発生させてやるというわけです。強度の降り方が定常的、つまり、時間とともに変化がないという前提はありますけれども、たくさんのデータを派生してできるという意味では、それから、人工的な手を加えてないという意味では、まさに確率論的な手法としてあるわけですが、それでやっても7,000何がしというような値になるということです。
 それから、最後に示された方法は、1時間、2時間・・・12時間とそれぞれの時間単位で、1/80確率で降雨強度を出し、強い雨が集中する分布波形を作って、洪水流量を計算するもので、都市河川ではこれはやるんですよね。都市河川では、短時間降雨が効くというんで、こういう波形をつくってやるので、それをここに持ち込むのはいいとは思いませんけれども、それだと8,000トンが出るということです。
 結局これ全体をどう見るかというのは、いずれもかなり大きい値が出ているんですが、人吉7,000トンは、決して過大な評価ではないと。今までいろんなところで過大であるという議論が出ていますが、過大な値ではないという見方をするべきだと思います。このようにいろんな検討をして、もしほかの川だったら、私の個人的な感想では、流量を上げることになっただろうと思っています。
 以上です。
(委員長)  ただいまのご意見は、降雨継続時間がピークに影響するけど、治水計画はそれだけじゃないよと。
(委員)  いや、降雨継続時間をピークのために評価する部分を見るのか、あるいは、計画全体で見るのかで違うから、到達時間というものと継続時間というものを整理して、何のために使うかということを整理して議論すべきであろうと言っているんです。
(委員長)  ちょっと整理していただいて、ただ、ピークを議論しているときに重要なのは……
(委員)  洪水到達時間であると。
(委員長)  と思いますので。
(委員)  で、降雨継続時間というのは、単にピークだけを議論するためのものではないのではないかということを申し上げました。
(委員長)  ただ、○○委員もおっしゃっていましたが、何ページでしたっけ、資料3の5ページですね、これで見てわかるでしょうというのは、私はわからないと言ったほうが近いのかなとか。○○委員もわかりづらいと言ったけど、私もわかりづらいと思います。これは、いろいろな思想がまぎれ込んでいるんで、やっぱりピーク流量を決めるにあたっては、理念はしっかりしておいたほうがいいのではないか。じゃあ、これは次回の宿題にすることにいたしましょうか。
 それでは、ご発言のなかった各委員にもご発言をお願いします。○○委員、お願いいたします。
(委員)  きょうのテーマの基本高水とか、あるいは洪水流量の問題、もう既に議論がいろいろ出ていまして、私も専門ではありませんので、これには触れませんけれども、防災上、特にきょうのテーマからは離れるんですが、申し上げておきたいことがあります。
 というのは、ことしの7月の梅雨前線豪雨による球磨川の出水の被害状況、先ほど事務局から説明がございましたけれども、それには載っていなかったのですが、実はきのうだったかおとといか、河川局から7月のこの豪雨による治水対策、あるいは土砂災害対策が各地でどんな効果を発揮したかという事例を、資料として多分委員の皆さんにも送ってこられたかと思いますが、その中で、この地区に関係しているのが、川辺川の砂防堰堤、田口砂防堰堤というのがあります。これは4年前に完成したということですが、7月24日に大量の土石、あるいは流木を、およそ6,000m3食いとめたということが紹介されておりました。その写真を見てみると、その砂防堰堤の下には、五木村の湯治地区があって、たくさんの民家、あるいは公共施設があるんですね。これも写真を見ると一目瞭然なんですが、もしそこの堰堤がなかったら、多分、この土石、あるいは流木が流れ込んで、大きな被害を生じたと思うんですね。
 この問題、地元ではマスコミはどう扱っているかがこちらではわからないわけですけれども、こういうことは、やはり河川局は声を大にしてPRする必要があるだろうと私は思っております。1999年に広島で、6月29日だったと思いますが、大きな土砂災害がありまして、多くの死者が出ましたが、あのとき、私、現地を視察に行ったときに、そういう砂防堰堤が大量の流木を捕捉している。それでもあの大きな災害にはなったんですが、もしその堰堤がなかったら、さらに大規模災害になった可能性があるので、そういう事例を思い出した次第です。
 それから、問題は、では今回守られたからといって、次回守られるかという問題があると思うんです。同じ堰堤があってですね。これ、非常に重要なことだと思うのは、住民は一般的にハードな施設ができると、100%安全だと思い込んでしまうことが多いんですね。ところが、自然というのは往々にして人間の予測を超えるわけでありまして、そういうことを考えますと、やはりハードな施設を過信してはいけないということを、常々住民に伝えておく必要があると思います。これは砂防施設だけではなくて、治水の施設についても全く同じことが言えるのではないかと思って、あえて申し上げた次第です。
 以上です。
(委員長)  いっそなければ、もうみんな危険だと思うからいいじゃないかという議論も呼び起こすんですね。ハードに頼るのはだめだ、みんな避難の方法を教えればいいじゃないかというのもありますが、これは別な文化の話にもなると思いますので、一応避けたいと思いますが。
 では、○○委員、お願いします。
(委員)  途中抜けている回もありましたので、全体はつかめておりませんが、河川工学的な専門的なところは私もわかりませんので、せっかく机の上に分厚い「小委員会に寄せられた意見等」というのがありまして、これ、全文目を通していたんですが、それで幾つか感じた点を申し上げておきます。
 1つは、この中の33番のファイルの中に、これは従来からこの川辺川ダムに反対される方が主張されていることだと思うんですが、今まさに議論している基本方針の中の基本高水量とかピーク流量のことですが、これが即すべて何か治水対策の具体の姿を選択するもので、ここで決まるという議論では全くないと思いますので、やはり今は我々は淡々と、このピーク流量がどうなのかとか、あるいは、計画高水量をどうすべきかということで、やはり一回議論を集約しておいたほうが、私はそれは適切だと思っております。
 それから、もう1点は、これは私はちょっとわからなくて伺いたいんですが、この基準点2つ、1つという問題、これがどういう意味なのかがよく私はわかりませんので、これはやはり一本化しておく必要があるのか、あるいは、いろんなのをやはりどこかで説明をしておいたほうがいいのかなというのは感じました。
 それから、もう1点は、過去の資料の中で、上流のダムのコントロールの問題がやはり過去随分議論があったようですので、これもやはりひとつ、このどこかの中で、今回の基本方針の策定の中でどこまで議論が関係の、私もちょっとわかりませんが、現実にこの反対をされている方が、このことをかなり取り上げているということがありますので、やはり一度説明をされていたほうが、この市房ダムのコントロールの問題があるというように思います。
 それから、今回の資料の中で、各委員のそれぞれの発言に対してのご意見なりコメントなりまでいただいておりますので、せっかく用意されていますから、ちょっと感じた点だけ申し上げますと、ファイルの21番のところに、ちょうど5月10日の小委員会に関する各委員の発言について、やはりかなり詳細ないろいろなコメントをいただいております。それで、私は主にこの緑のダムの議論の中と、現実の森林管理の状況について発言をしたわけでありますが、これを見ますと、現実にはむしろ、私、本当にそうなのかなと思うんですが、現実に存在している森林が保水機能はあるんだということのご主張のように、このコメントを見ると感じました。
 つまり、私自身が思いますのは、現実に民有林が大多数で、少なくとも国はこの民有林に対して、何らかの森林経営上の施策をすることはないだろうと。それから、現実にこれまで熊本県として、あるいは地元の地方公共団体がそういうことをするということは、少なくともこれまでの配付資料の中では拝見しておりませんので、そういう森林の林相の転換とか植生管理ができるのかということの趣旨の質問だったわけでございますけれども、現実に緑のダム機能はあるんだというふうに、これは受け取れます。これは実際どうかわかりません。ですが、そうであれば、現実に今回の降雨とか含めて、現実の姿で議論すればいいということになりますので、1つは、議論としては、もしそういう、これまでのさんざん議論していた緑のダムがそういうことであるんだったら、現実の状況の中で降雨とか洪水の状況で素直に議論すればいいのかなと、私はそういうふうに感じました。果たしてこれまでの長い地元の議論の中でどうなのか、これだけではわかりませんが、もしそういう議論であるんだったら、かなり議論は単純化されるのかなという印象があります。
 それから、これは適当な機会で、事務局としては多分いろんな資料整理に時間がかかって大変だと思うんですが、ぜひ地元の公共団体が、どれまでこの川辺川を含めて、球磨川水系の治水対策、あるいはダムについてのどういう意思表示をしていたのかというのは、ぜひ知りたいと思います。具体的に言いますと、地方公共団体というのは議会ですね。あるいは、首長を含めて、どのように意思表示をされたのか。それは当然ながら時代によって違うと思いますし、首長は選挙で変わるわけですから、違うと思いますが、それは地域の民意ということで、当然ながら、議会の議論と何らかの地域の直接利害にかかわる方の意思が違うことは、世の中間々ありますが、とは言いながら、最終的には公共事業としてどうするかというところで、国が判断する場合に、地域がどう公式に、例えば、地方自治法に基づく総務局の中でこういうものをどう扱ってきたのかとかを含めて、一回整理されたほうがいいのかなという気が私はいたします。
 その中で、基本方針と……何を言っているかと言いますと、なぜこんなことを申し上げているかと言いますと、ただ資料を出していろという意味ではなくて、基本方針の策定の話と、最終的に国としてどうか、実際の事業をどうするかという選択の問題があると思うんですね。その際に、やはりこういうことについての経過は確認されていった上で、どこかで多分政策判断をするという場面が出てくるのかなという気がいたします。あくまでその前提での資料ですから、何かありとあらゆる資料を出してくださいという意味ではございません。可能であれば、そういうことも、基本方針策定が終わるまでに一度教えていただければと。
 以上でございます。
(委員長)  それでは、森林の保水力の問題については、委員が欠席のとき、第3回で一応結論を出しておりますので、結構だと思います。後半の部分については、また地元のほう、あるいは県、国で資料をつくっていただくということにしたいと思います。
 それでは、○○委員のほうからお願いいたします。
(委員)  時間が大分経ちましたので、簡単に。
 1つ、流出量の話なんですが、これ、精度の問題があんまり議論されていないと思います。いろんな仮定が山のように入って、しかも、引き伸ばしとかいろいろありますので、せいぜいあって一けた、有効数字は。それも端っこのほうは怪しいんじゃないかという気がいたします。
 そうなってきますと、非常に気にしておりますのは、何で球磨川だけが80年に1回なのか。やはり、これ、数字等をずっと見ましても、ほかの河川でこの程度の数字でしたら、100年に1回で、7,000m3/sにしても一向に差し支えないし、それから、流出の計算の場合でも、先ほどの精度のですが、例えば、流出係数をちょっと振れば、簡単に変わっちゃうんですね。そういうのは不謹慎な言い方かもしれませんが、そこで行われるべきことは、きちっとした判断、ここはこれでいいんだという判断こそが必要であって、いろんな計算は参考資料じゃないかという気がいたしております。
 それから、もう1つ、八代のほうですが、この河川の延長を引き伸ばしてみますと、狭窄部から下のほうは、何かうちわの手みたいな格好で、延長の割に流域面積は増えていないんです。ということは、八代と人吉の間は流出形態が違うはずであります。もうこういう言葉ははやらないんでしょうけれど、いわゆる遅滞みたいなのが起こっているわけですから、そこいらを判断されて、いきなり人吉のほうが下流のほうにぽんと行くということでは、距離が短いからいいのかもしれませんが、もうちょっときちっと判断されてしかるべきかと思います。
(委員長)  さっきの基準点の問題は、また次回に当委員会として結論を出したいと思います。それから、係数をちょっといじればというのは、これは大変不謹慎で、事務局がそれをやっているんだったら、我々も審議する必要はないわけですから。これはまじめにやっていただいていると、私は考えたいと思います。
 恐縮ですが、○○委員のほうからお願いいたします。
(委員)  よろしくお願いいたします。あまり時間もありませんので、実は私自身、きょうのご議論をお聞きしていて、専門外からもいろんな質問をさせていただきたいと思いますが、それは今日は下げさせていただきます。
 2点お願いと、質問が1点ございます。きょうも洪水の議論がずっとされてきたわけでありますけれども、生態学的に見れば、洪水というのも1つの生態学的な、いわゆる攪乱という機能を持っているわけであります。そこで、ぜひ1つお願いしたいことは、土砂の流動というようなこと、あるいは堆積量の変遷についての資料というのはとられているかどうか、あるいは、もしあれば、ぜひお示しいただきたいというふうに思っております。
 と言いますのは、もちろん土砂の流動ということは、海浜に関しての砂浜、あるいは干潟の形成といったようなこと、あるいは瀬淵構造の形成、あるいはその消失といった物理環境は、極めて生物生態にとって重要な要素を持っております。もしお願いできましたら、例えば、河道内のいろいろな変化、例えば陸化が進んでいるかとか、あるいは河床低下が起こっているかとか、あるいは土砂が溜まっているか少なくなっているかというような程度でもよろしいので、ぜひそうした資料を集めていただければというふうに思います。
 それと、もう1点は、これは次回か次々回か、いつになったら環境面が出てくるのかわかりませんけれども、荒瀬ダムの現状についての議論を含めた内容についても、これは簡潔でもよろしいので、お示しいただければというふうに思います。
 それと、質問でありますけれども、資料3のほうの4ページの真ん中のあたりに、流量配分の考え方というところで、これは、私、どういうことで流量配分ということが書かれているのかちょっとわからない部分があるんですけれども、例えばダムに関しましても、その流量配分、例えばアユの生息環境云々というようなことが書いてありますけれども、どういった水を、どういう時期に、どれぐらい流すのかといったようなことが議論されているかどうかという点をお伺いしたいと思います。つまり、一定量を毎日毎日10m3/sずつ流し続けるのか、そうでないのかといったような議論がされているかどうかということだけ、ぜひ今日お示しいただければというふうに思います。
 それと、もう1点、先ほど委員言われましたけれども、この小委員会に寄せられた意見等に関する扱いというのはどのように、つまり、個人的にお答えしていいのか、あるいは、この委員会として何かコメントをする必要があるのか、そのあたり、ここで議論するのか、委員長の見解をいただくのかわかりませんけれども、少しお示しいただければというふうに思っております。
 以上であります。
(委員長)  最後の質問は、いろんな意見が出ておりますが、この審議に具体的な材料として出されているものについては、私は審議対象にしたいと思います。例えば、単にダムが嫌いだからだめよという話は、個々人の信条に基づくご意見でありますが、取り上げません。手法、体験について議論があったものについては、参考にしていただきたいということで、私の判断で皆さんに今までお配りしてきた次第であります。
 ただ、大変審議会の直前に参りますので、なかなか読み切れないところもありますが、この審議にあたってテークノートすべきものはテークノートしていただきたいというつもりでございます。
 それから、今の最初の話は、河道の話ですので、今回のテーマではなくて、次のテーマになると思いますから、その段階でまた資料提出を求めたいと思います。
 では、○○委員のほうからお願いいたします。
(委員)  きょうは河川工学の皆さんのご意見を聞かせていただいて、この地球を相手の仕事というのはつくづく大変だなといいますか、いろいろわからない点がある中で、それなりに一生懸命努力してこられた結果、きょうまじめにご議論いただいたと考えております。それで、その結果の数字についても、今、事務局からお出しになっておる数字について、いろんなご意見はありましたが、この河川工学の先生方のお話ですと、おおむね妥当かなというふうに理解をしております。
 ただ、確率論のお話ですから、江戸時代でしたら、過去どこまで水が来たかというような程度でやってきたところに、確率論、それから、国交省のほうの事務局もいろいろ資料をお出しいただいておって、きょう初めてのような理屈といいますか、そういうものもお出しいただいているということは、最初に○○委員がおっしゃっていましたけど、たくさんのものが出てきておると。これは、ある面では大変大事なことですが、また一方では、その方向に持っていくためにこういうことをやっているんじゃないかという疑問を投げつけられるということであると、非常にまたこれは不可解といいますか、と思いますので、その辺の整理もきちっとやっていただくということをお願いしたいと。
 それから、あくまでもこれは確率論で計画を立てるわけなんですが、最近の雨の降り方というのが、この前も私申し上げましたんですが、本当に異常になってきておると。今回、幸いにしてと言いますか、球磨川のほうに、いわゆる川内で降ったような雨が来なかったから、あの程度の被害で終わったということが考えられます。これをまたシミュレーションでこっちへ持ってきたらどうなったかというのも、きょうもお出しになっていましたけれども、おそらくこういう過去のことでは想定できないようなことが、これから起こるんじゃないかということから言いますと、暗たんとしたような形でこれを取り組むというのは、私は非常に危ないと思います。そういう面で、ひとつ確率としては、理論的にはきちっとした数字を出していただくということなんですが、それに加えて、やはりそういう想定外のことも頭に入れた対策というものを、これからの河川行政ではやっていただきたいと思います。
 それから、もう1つは、この河川工学の専門家の方がおっしゃる言葉というのは、なかなか一般には理解しがたい面もございます。私も土木屋の端くれではございますが、河川のほうが専門というわけではございませんので、そういう面で、ここで出てくるいろんな確率の話だとか、いろんなことが一般の方に、先ほども○○委員おっしゃいましたけれども、やはり理解できるようにお話しできるような形に翻訳するというのは、これはどうしたらいいんかなと思いますが、私も長らく役所におりましたから、そういうことで随分苦労はしてまいりましたが、どうしてもやっぱり自分が専門ですと、その言葉が世の中で当たり前みたいに思うんですが、なかなかよくわからないという面がおそらくあると思います。きょうお見えになっている聴講の方たちも、おそらくその辺はお持ちだと思いますので、そこをわかりやすくといいますか、いう形でお互いやっていただいて、これでこの球磨川の流域の繁栄に持っていくということで、決して国交省対地元というような対立ではなくて、という形のまとめ方をしていきたいと、これは感想ですが、そういうふうに思います。ありがとうございました。
(委員長)  それでは、一通りご意見をお伺いしましたが、1時間20分も超過して、大変重い議題でございました。○○委員。
(委員)  時間も迫っているんで簡単に申し上げます。先ほど○○委員のほうから、きょうの議題とは違うけれどもということで、ダムの話がありました。前回、私、ダムについて若干ご質問をしたんですが、このことについては、直接の答えはなかったんですけれども、私が申し上げたかったことは、ダムがあるのでかえって洪水が起こるという地元の人たちの話があるんですが、それに対して、そんなことはないよという、こういうことなんですが。
  私も全くダムの素人なんですけれども、例えば、参考資料、きょうは説明はなかったんですけれども、この3の9ページのところに、市房ダムの洪水調節として書いてあるんです。その中で、一番下に赤丸1234と書いてあるんですよ。そうすると、ピーク流量が落ちたところで放流をすると書いてあるんですが、これは理論的には、なかなか落ちない、もう相当の雨量がある場合もあるわけです。だから、そういうときには落ちないわけですよ。そのときにどうするかということは、この説明には書いてないんです。例えば、そういうふうに、もっと一般の人に、いや、ダムにも限界があるんだと。森林にも限界があるという話がありましたけれども、ダムにも限界があるんだということをちゃんと説明するようなことをすれば、ダムがあるからかえって洪水が起きたというようなことはないんじゃないかなと、こういうふうに思いますが、そういうことを実は前回申し上げたかったんですけれども、そういうようにしていただいたほうがいいんじゃないかなと、これは私の意見です。
 以上です。
(委員長)  ちょっと事務局の、不手際ですね。たしか流入量と放流量はどういうふうにはかるんですかというご質問があったはずですね。私も失念しましたが、申しわけありません。次回に資料をつくるようにさせます。
 そういうことで本日の総括としたいと思いますが、この意見書の中の35番に幾つかの質問が来ておりまして、これは答えを用意していただきたいと思います。3ページ、相関係数の2日の根拠が、今まで事務局が出した資料と、ここで既に九州整備局が出している平成14年3月の資料と違っているという点、これには明快に答えていただきたい。
 それから、これはもうさっきも議論が出ましたけど、7ページの昭和2年から日雨量ははかっていると。28年から時間雨量ははかっていると。で、2年から27年までの時間雨量を補足すれば流量は下がるのではないかという趣旨ですが、そもそも資料の利用の仕方というか、ものの考え方の問題だと思いますので、次回には委員としてお互いに議論しておきたいと思います。時間がないので、今日はこれに対する決着はつけられませんが。
 それから、8ページ、48時間雨量で人吉が6,190m3/s、47年洪水で最大値になりましたという説明があります。これに対しては、事務局はどう考えているのか。話題の40年が入らない中の6,190m3/sということですが、これは原文がどう書いてあるのかわかりませんので、情報公開の中で出てきた資料にこういうことが書いてあったようでございますので、ちゃんと説明していただきたい。
 それから、2日雨量計画で、人吉、八代を示せ。人吉については、今日既に示しておると思いますが、たしか、2日雨量にして、単位図法でその後の雨量データを入れたら何m3/sと。それから、今度は貯留関数で入れたら何m3/sというところで、既に答えは提出していますが、念を押しておきたい。
 それから、40年災害をなぜ棄却したのか。○○委員からは、大変難しい、過去の気象図ぐらいではそう簡単に出ないということですが、ちょっと物理的にあり得ないんでしょうけれども、気象学的ではなくて、単に統計学的に棄却ということでなくて、検討する手法はないのか。今日提出されたモデルの事例は、都市河川や中小河川でやっているんですけどね。おそらく県ご当局も坪井川の計画等はこういう手法でやっているはずです。それを仮に球磨川に適用したらどうなるか。いきなり40年はやめたということではない別の方法も検討してはどうか。これを私からの宿題にさせていただきたい。
 それから、いずれにしても記憶に残っている40年災害で、工事実施基本計画7,000m3/sと言っているものが出るとしたら、大体どのくらいの流域雨量だったら出てくるのか。この辺も検討していただきたい。
 以上の検討をしていただきながら、やはり委員会として総合判断に対してどういう視点を持つのか、そういうことを含めて、次回議論をさせていただきたいと思います。
  そういうことで、○○委員のほうから何かご意見ありますか。
(委員)  私どもも、きょう各先生からおっしゃっていただいた中身、それも加味しながら、再度内部で検討して、また次回にというふうに思います。
それと、先ほど○○委員だったでしょうか、防災上の問題にお触れになられまして、これまでどれぐらい治水対策の効果があったか、各委員の先生方に配付されたというようなことでございましたが、これは熊本県はいただいていないんですけれど、その辺はどうなんでしょう。
(事務局)  すいません、最近の災害ですので、外にご説明用につくって、○○委員、多分いろんなところにお関わりになっていたので、うちから中でお配りしたんです。早速皆さんのお手元に行くようにさせていただきたいと思います。
(委員長)  私にもまだ届いていませんが、できるだけ届けていただきたいと思います。
 それでは、本日の議論は大変超過しまして、1時間半超過しましたので、この段階で閉じたいと思います。各委員には、本議題につきまして、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
 最後に、本日の議事録につきまして、内容について発言者の氏名は除いたものとし、各委員のご確認を得た後、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします。
  本日の議題は以上でございます。

3.閉      会

(事務局) 長時間のご審議ありがとうございました。次回の本委員会は、Bグループにつきましては、球磨川水系の審議のため、9月6日水曜日13時から15時の間、場所は本日と同じこの場所、11階の特別会議室でございます。よろしくお願いいたします。
 また、お手元の資料につきましては、お持ち帰りいただいても結構でございますが、郵送をご希望の方には後日郵送させていただきますので、そのまま席にお残しください。
 それでは、閉会いたします。どうもありがとうございました。








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