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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第54回河川整備基本方針検討小委員会

平成18年11月30日


出席者(敬称略)
委員長  近 藤   徹
委   員  綾   日出教

石 原 由美子
伊 藤 和 明
楠 田 哲 也
黒 木 幹 男
小 松 利 光
坂 元 隼 雄
佐 藤   準
大悟法   滋
谷 田 一 三
塚 本 隆 久
辻 本 哲 郎
福 岡 捷 二
高 橋 はるみ
泉 田 裕 彦
伊 藤 祐一郎


1.開      会

(事務局) ただいまより第54回社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催いたします。
 私は、本日の進行を務めさせていただきます河川計画調整室長の〇〇でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、お手元に配付しております資料のご確認をお願いいたします。まず議事次第、それから名簿、配席図がございます。次に、資料の目次というペーパーがございます。資料1、これは「補足説明資料」ということで3水系分、十勝川、関川、肝属川がございます。資料2、これも3水系、「河川整備基本方針(案)の骨子」というのがございます。資料3「工事実施基本計画と河川整備基本方針(案)」と、これも3水系、1、2、3とございます。それから参考資料がございます。参考資料1「流域及び河川の概要」こちらも1、2、3と3水系ございます。参考資料2「管内図」でございます。こちらも3水系ございます。参考資料3「流域図」、こちらも3水系ございます。参考資料4「特徴と課題」これも3水系ございます。参考資料5「河川整備基本方針の基本高水等に関する資料(案)」、こちらも3水系ございます。参考資料6「流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する資料(案)」、こちらも3水系ございます。参考資料7、「土砂管理等に関する資料(案)」、こちらも3水系でございます。それから最後に、本日ご欠席の〇〇委員より意見が来ておりますので配付しております。A4、1枚でございます。過不足等ございませんでしょうか、ご確認お願いします。よろしいでしょうか。
 本日はAグループでございます。〇〇委員、〇〇委員、〇〇委員はご都合によりご欠席されております。
 傍聴の皆様におかれましては傍聴のみとなっております、審議の進行に支障を与える行為があった場合には退出していただく場合がございます。議事の進行にご協力願います。
  それでは〇〇委員長よろしくお願いいたします。 

2.議      事

(委員長)  〇〇でございます。本日は委員の皆様にはご多用中のところをご出席いただきまして、まことにありがとうございます。それでは議事に入ります。
前回は十勝川等3水系の特徴と課題につきまして審議いただきました。今回は前回の審議を踏まえて、十勝川等3水系の河川整備基本方針の本文案について審議をいただきたいと思います。まず、前回で委員の皆様からご説明あった点等の補足説明につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
(事務局)  事務局を担当しております河川計画課長の〇〇でございます。お許しをいただきまして座って説明をさせていただきます。
 委員長からご指摘ございましたように、前回の審議の際に各委員からご質問・ご意見のございました点につきまして、補足説明資料、資料1−1から1−3までを使いましてご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、十勝川水系に関するご質問・ご意見についてでございますが、資料1−1をご準備いただければと思います。よろしいでしょうか。
 まず1ページ目、十勝川の地震・津波対策についてということでございますが、〇〇委員のほうから、この地域は日本海溝・千島海溝周辺の海溝型の大規模な地震があるということで、堤防の耐震化、液状化対策、こういったものについて考慮すべきだというご意見がございました。これにつきまして、まずポイントをご説明しますが、この十勝地方は過去に何度も地震に襲われ、最近では平成15年9月に大きな地震があり被害を受けました。河川の堤防等につきましても被害を受けております。平成18年2月に日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域にこの流域全体が指定されております。そういったことを踏まえましてご説明をいたします。
 真ん中のところに年表がございます。十勝沖、釧路沖の主な地震ということでございますが、これまでのわかっておりますこの地域の地震でございます。マグニチュード7から8を超えるような大きな地震に見舞われております。〇〇先生からご指摘のございました500年間隔地震というのも17世紀の初頭にあったということでございますけれども、津波の堆積物調査では津波高10メートル以上ということでございますけれども、詳細は不明でございます。平成15年9月の地震の際の被災ですけれども、左側の図でございます。十勝沖地震による河川被害状況でございますが、この赤でずっと記載されたところが被災箇所でございまして、堤防が側方流動などで崩れたり亀裂が入ったり、あるいは樋門が被災したりというようなことが生じておりました。それに対しまして地震後の復旧工事としましては、左にありますような堤防自体がかなりやられてしまっているような場合には全面切り返しというふうに言っておりますけれども、堤防自体の盛り直し、こういったものを行っております。またあわせまして、軟弱地盤が分布しておるところでは基盤処理をやっておるということでございます。堤防の損壊が一部の場合には、この右側の図にありますように、部分切り返しというようなことで、被災していないところは残して、その上の部分を、堤防を盛り直すというようなことをしております。
 津波につきましては、このときには河口から11km上流で最大50cmの水位の上昇をこの十勝川でも観測しております。ただ、直接的にこれに伴っての大きな被害があったということは伺っておりません。
 それから、これから想定される地震でございますけれども、真ん中の下の図、想定される最大震度でございますけれども、日本海溝・千島海溝周辺海溝型の地震、これを想定しますと、十勝川の河口では震度6弱というようなことで想定されております。さらに津波でございますけれども、右の想定される津波高さの最大値というのがございますけれども、そこの図にございますが、500年間隔地震というのが発生いたします津波というのは、十勝川の河口で15mぐらいの高さになるというようなことでございます。それに対しまして、十勝沖あるいは釧路沖地震ですと、ちょっと見にくいのですけれども、3mから4mぐらいの津波の高さというようなことでございます。500年間隔地震から地域を守るためには、そうすると15m以上の堤防をずうっとつくるのかということでございますが、十勝川の20km地点ぐらいまで影響が出るということでございまして、そういったことが実際可能なのかというようなこととかを考えますと、今後ソフト・ハードあわせて対応を考えていく必要があるのではないかということで、右の下のところに今後の方針とございますけれども、こういう日本海溝・千島海溝の地震防災対策推進地域に指定されております関係上、今後防災関係機関と連携を図りながら、ハード・ソフト両面の検討を進めて必要な対策を実施することになろうと考えております。
 1枚めくっていただきまして、札内川の急流河川対策でございます。〇〇委員のほうから、水制に頼り過ぎた守り方でほんとうに大規模な出水があったときに大丈夫かというようなお話と、十勝川本川と札内川の合流点付近、ここに堆積が予想されるけれども大丈夫かというようなご指摘だったかと思います。ポイントをまずお話ししますが、水衝部の洗掘・侵食防止・複列状の河道の解消、安定した流路の確保を目的に水制工等を実施し、これまで低水路の安定化を図ってきました。計画規模の洪水に対しては、堤防の安全性や本川合流点付近への土砂堆積について留意が必要であり、適切な河道管理とともにモニタリングといったものを行い、さらには洪水時の土砂動態の予測手法について検討し、結果を踏まえて必要な対策を実施するというようなことを記載してございます。
 これまでの取り組みでございますが、左側の上にございますけれども、昭和23年以降水制工をずっと実施してきております。その効果がそこの右のグラフにございますけれども、ここで言っております最大澪筋幅、川の流れの振れがございますけれども、最大澪筋幅が昭和34年に比較しますと、かなり小さくなってきておりまして、現在では堤防幅の半分程度までになり、さらに安定化してきているという効果を発揮しております。それに対しまして治水上の課題、2つございますが、右側にありますとおり、計画規模の洪水が来たときに堤防がどうかという話でございますけれども、これは平成4年に水理模型実験をやっておりまして、その結果水制工近傍では一時的に最大7m程度の洗掘が発生するということが考えられております。こういった場合には、水制工それから低水護岸の被災のみならず、高水敷も洗掘を受けて堤防の安定性への影響を及ぼすおそれがあるというようなことで、さまざまな対応が必要というふうに考えております。もう1点の計画規模の洪水時の本川合流点への土砂堆積でございますけれども、昭和56年の洪水あるいは平成13年の洪水の前後の河床高の変化は、合流点付近では堆積傾向ということでございます。これは右側の昭和56年、それから平成13年の札内川の川の中の河床変動の状況を示してございますけれども、昭和56年の洪水を挟んで、相生中島地区合流点付近は堆積傾向にあるというのがわかります。それから平成13年を挟んでも堆積傾向にあるというのがわかります。
 こういったようなことで、今後の方針といたしましては、右の下にございますが、合流点付近の流下能力を確保するため、河道掘削計画を検討中ということで、千代田新水路のような河道掘削計画を検討しております。現在検討中でございますけれども、ちょっとパワーポイントでお示しをさせていただきたいと思います。現在検討中の地区でございますが、これは現在の低水路を広げる案でございます。次をお願いします。こういう川の中の堆積した部分を切るような赤で表示されているところがカットする部分ですけれども、こういうような案を考えております。川の水深によっては幅広く掘るような場合もあります。こういうようなことを今、検討をしております。
 こういうようなことで、モニタリングなどを行いつつ今のような検討を行いまして、今後の対応を考えていきたいと考えております。
 次、3ページでございますけれども、〇〇委員からのご指摘で、十勝川下流部の河道の安定についてということでございますが、十勝川の下流部で掘削を続けているのですが、これが河床の安定に影響を与えないかというご趣旨のご質問だったかと思います。浚渫でございますけれども、十勝川下流部の流下能力不足に対処するために、昭和40年代から浚渫を行ってきております。ここでは、水質汚濁への影響とか、さまざまな点を考慮しまして、ポンプ船で浚渫を行っております。さらに水中の掘削工事は、サケとかシシャモとかに考慮いたしまして、6月から8月に限定して実施してきているというようなことでございます。浚渫後の状況でございますけれども、右側の上に浚渫区間における河床高の推移というのがございますが、ちょっとわかりにくいんですが、浚渫後の河床高は大体安定している、短期的なデータで、必ずしも十分ではないかもしれませんけれども、傾向としては安定しているように見えます。それから右側の下でございますけれども、河床材料の粒度分布も調べておりますけれども、浚渫の前後に大きな変化は見られないというようなことでございまして、ご指摘のような河床の安定に影響が出ているかということにつきましては、基本的には大きな影響は出ていないと言えるかと思います。
 1枚めくっていただきまして4ページでございます。〇〇委員からのご指摘でございましたけれども、十勝川の魚類の生息環境等への配慮ということで、河口から上流部までの連続性の確保という点と、シシャモの産卵場の確保という2点ご指摘がございました。まず、連続性の話ですけれども、魚類の生息環境についてということで記載してございますけれども、上流、中流、下流部の魚類等を見ますと、回遊魚についても確認されているということでございますが、この十勝川は千代田堰堤というのがちょうど池田町の上流ぐらいにございまして、ここで実際に漁業としてサケ等の捕獲が行われております。言葉が適切かあれなんですけれども、千代田堰堤の下流側で一網打尽にしているというような、そんな感じの漁獲だと思いますけれども、そのほかにも猿別川にもウライというのが設けられまして、サケの捕獲が行われております。こんな環境の中で、魚類が上・下流自由に移動できるという環境づくりということで、千代田堰堤のところの千代田新水路を設ける際に、ここに分流堰を設けることにしてございますが、新しく階段式の魚道と水路式の魚道が設置されることになっておりまして、こういったものが完成いたしますと、上・下流の分断というのは相当解消されていくのではないかと思っております。なお、現在の千代田堰堤にも魚道はございますけれども、そういった意味でかなり機能の向上したものが設置されることになりますが、今後サケ等の漁業と上・下流の分断解消というのをどういうふうに両立していくかというのが重要な課題になっていくのではないかと考えております。
 次に、シシャモの産卵場でございますけれども、これまでの調査結果によりますと、KPの7から11kmということで、主要な産卵場が確認されております。1ページ戻っていただきまして、左上の図のところで、シシャモの主要産卵床というのが書いてございますけれども、下流の河口から7kmから11kmの地点がシシャモの主要な産卵床になっております。
 もう一度4ページに戻っていただきまして、ここに浚渫工事の影響がないかということでございますけれども、先ほど申しましたように、浚渫に当たりまして、シシャモの産卵にも考慮しながらやってきておりますし、浚渫前後でも河床高は安定しておりますし、河床材料の粒径分布も大きな変化は見られない。そんなこともございまして、シシャモの漁獲量の推移を見ましても、十勝川につきましてはわりと安定しているというような感じに見えております。今後、下流部では高水敷掘削等残っておりますけれども、シシャモの産卵床に配慮してやっていくというようなことを考えております。
 以上、十勝川でございます。
 続きまして、資料1−2をご準備いただければと思います。
 1ページ目でございますけれども、委員長からのご指摘でございましたけれども、新潟県内の1級・2級河川の河口間の距離はどうなんだと、放水路の維持が可能かどうかというようなこととつながってくるかと思いますけれども、ご質問がございました。放水路の歴史というのがございますけれども、江戸時代から現代まで、18カ所の放水路ができているという驚くような状況でございました。新潟平野自体は、かつては、左側の下の1645年の新潟平野という図がございますけれども、河口は新潟のところとそれから荒川と書かれておりますが、この2カ所でございました。要は、海岸線の砂丘によって川が閉じ込められているというような状態だったと考えられます。これでは自然排水が出水のときに困難ですので、江戸時代からずっと地元の人たちの努力でこれを開削するというようなことが続けられてまいりました。現在では先ほど申しましたように放水路18カ所が完成しておりまして、基本的にはそれらも維持ができている状態ということでございます。ちなみに、新潟県内の河川及び放水路の河口間の延長は約3.7kmということでございますが、関川の河口から今予定しております保倉川放水路の河口までは約4.4kmでございますので、大体同等のものでございます。現在の放水路と同様の努力で維持が可能ではないかと考えております。
 次に、2枚めくっていただきまして3ページのほうへお願いいたします。
 これも委員長からご指摘がございましたけれども、これまでの引堤事業の経緯についてもう少ししっかり説明しろということでございました。関川については、激特で急に整備が進んだような説明になっていたようだが、実はそれ以前から相当取り組んでいたのではないかというご指摘だったかと思います。これまでの経緯でございますけれども、昭和44年8月の出水を契機としまして、工事実施基本計画を改定し、昭和48年から大規模な引堤に着手しております。右側のところに赤の点線が現在の堤防本川でございますけれども、引堤の範囲は青のハッチで示しております。このように大規模な引堤工事が、昭和48年に着手されております。ちなみに保倉川のところ、後ほどお話に出てまいりますが、ここも引堤を実施しております。こうやって改修の途上に、昭和56年、57年、60年に相次いで大出水に見舞われました。実際にその46年から家屋補償等はかなり進んできておりまして、昭和56年までに394戸直江津地区では家屋の補償が終わっております。こういった補償が終わっていた関係もありまして激特事業が採択されてスムーズに工事が進んでいったんだと考えられます。
 激特前には、その全体、700戸弱のところの3分の2、約460戸の家屋移転が行われております。こういうような努力がありまして現在の河道ができているということでございます。
 1枚前に戻っていただきまして、次に、関川の改修計画の変遷ということでお話をさせていただきますけれども、昭和40年の台風24号による出水で、工事実施基本計画を策定し、それを44年8月の出水を受けて改定しております。そのときに放水路というのが計画されまして1,900m3/sの放水路をつくって、保倉川の水を全量日本海に流すという計画を考えております。これは昭和46年当時の土地利用の状況等を踏まえまして、引堤が困難だという考え方で全量放水路ということにしてございます。この右側に、ちょっとわかりにくいのですけれども、写真がございます、保倉川の右岸側に工場があったり、左岸側に貯木ヤードだとか貯炭場だとか、それからそこを運搬に使う鉄道が張りめぐらされているという状況もございまして、引堤が困難と考えて、こういう全量1,900m3/sの放水の計画ができております。それに引き続きまして、昭和56年、57年、60年と立て続けにまた出水がありまして、早急にいろいろ対策をしないといけないということで、計画の見直しが行われております。保倉川沿線にありました鉄道が昭和61年ごろに廃止されたということで、ある程度は現川の拡幅ができるというような環境が出てまいりまして、土地利用上可能な限りまず拡幅をする、その上で足りない分は放水路をやるというようなことで考えを変えまして、放水路は700m3/s、それから保倉川、基準点では1,200m3/s、その下流で100m3/s、合わせて1,300m3/sというような計画になったわけでございます。基本的には、このときの計画を踏襲して現在の整備基本計画方針の案ができておりますが、放水路の部分につきましては、都市化の進展だとかそういう関係がございまして、工事実施基本計画の第2回改定で想定した場所より少し上流側のほうに移させていただいておりまして、ルートは変更されております。
 次に、4ページでございますけれども、保倉川の、ただいまの放水路の案につきまして、〇〇委員からのご指摘でございますけれども、放水路案と引堤案について比較検討をどのレベルぐらいまで行っているのか。きょうの先ほどの意見書にもございましたけれども、そこのところの説明がちょっと不足していたのではないかということでございまして、前回の説明の中でも確かにきっちりご説明できていなかったと思いますので、きょう説明させていただきます。
 保倉川のその放水路案、引堤案につきましては、ここにございますように、まず引堤案にいたしますと、保倉川で最大90mの引堤をやらなくちゃいけないということになります。それから関川と合流いたしますので、関川の本川のほうも影響が出てしまいますので、こちら側も左岸側に最大20m引堤をするということになっておりまして、かなり大きな引堤になります。保倉川、先ほども申しましたように、1回20mの引堤を昭和62年以降にやっておりまして、再引堤ということになってしまいます。〇〇委員の意見書の中には、これまで保倉川引堤はやっていなかったじゃないかというご指摘がございましたけれども、ここの説明も私、十分でなかったところがあったと反省しておりますが、今回引堤をすると2度目の引堤になるということでございます。
 それに対しまして、放水路案700m3/sにしますと、河床の掘削をやりまして、河道でできるだけたくさん分担をするという考え方にしましても、関川本川との関係もありまして、沿川200m3/sがマックスでございますので、そういったところからすると700m3/sの放水路が必要になってくるということでございます。経済性という観点で見ますと、ここに記載してございませんけれども、放水路案のほうが引堤案の半分ぐらいで済むということでございまして、そういったことも考慮しまして、現在の放水路案というのを組み立ててございます。
 ちょっとまたパワーポイントでお願いをいたします。
 保倉川の放水路のルートの案でございますけれども、平成8年に地元のほうには説明してございますけれども、こういう、直接海に流れ出していくような案で、今、調整を進めているところでございます。〇〇先生からご指摘がありました夷浜地区というのは、海に近いところでございまして、この地域の分断というのを先生がご指摘いただいておりました。やはり現川を拡幅するというと、先ほど言いましたような最大90mの拡幅になりますので、そういったものと比較をして、先ほどのような結論を得たところでございます。
 では、もう一度明かりをつけてください。
 次に、5ページでございます。〇〇委員からのご指摘でございまして、洪水のときに河床がどういう状況になっているのか、これまでもいろいろな川でご議論がございましたけれども、フラッシュされている可能性があるのではないか、洪水時の水面形をしっかりはかって川底の状況が推定できないかというご指摘だったかと思います。河床のフラッシュについては、平成7年7月の洪水でシミュレーション、それから河床堆積物の調査を実施しておりまして、洪水のピーク時には河床が約1.2m程度低下している、フラッシュという言葉になろうかと思いますけれども、そういうふうに推定しております。下に図がございますけれども、下流部の代表粒径から粗度係数を設定しまして、痕跡水位が平成7年のときにはとれておりますので、この痕跡水位と計算水位が一致するような河床高がどの辺だということをシミュレーションで推定いたしました。それによりまして、変動前の河床高とそれから洪水のピーク時の変動後の河床高というのを推計いたしましたところ、1.2m程度下がっているということが推定されております。また、右側の図でございますけれども、河床堆積物調査というのを実施しておりまして、出水時にフラッシュされる可能性のある河床堆積物、砂だとかシルトになりますけれども、これの厚さを計りますと、1mから1.8mということになっておりますので、1.2m程度低下したのではないかという推定が、おおむねオーダー的には大きな誤りはなかったのではないかと考えております。
 今後の取り組みといたしましては、先生ご指摘の水面形の把握に向けまして、水位計を増設いたしまして、その辺の挙動について把握できるようにしていきたいと考えております。いずれ、時間的な変化を再現する不定流計算等を行って、そういったところが確認できればと考えております。
 1枚めくっていただきまして6ページでございます。魚類の遡上・降下環境の連続性でございますけれども、この関川では、河口から上流の笹ヶ峰ダムまで取水堰は13カ所あり、一応魚道は12カ所あるということでございます。一番下流にあります上越工業用水道の取水堰でございますけれども、平成2年に中央部に階段式魚道が設置され、その後中央部の魚道を国土交通省におきまして、デニール式魚道としたり、傾斜隔壁型階段式魚道と言っておりますけれども、階段式魚道を新設したりしております。また、平成17年には、水路式の魚道を設置するという取り組みをしております。連続性がどの程度確保されているかということでございますけれども、真ん中の図のところの、関関高3と書いてあるところの結果を見ますと、アユとかサクラマスとかヨシノボリが、上越工業用水道の取水堰より上流で確認されておりますし、それから矢代川のほうでもアユ、サケ、ヨシノボリが確認されておりますので、ここの取水堰は一応魚が遡上しておるということが言えると思います。
 あと、関関上1と書いてあるところはヨシノボリ系だけですので、この辺は少し魚道の機能を回復させていくような取り組みが今後必要かなと考えております。いずれにいたしましても、こういうモニタリング調査等で、魚類がどういうふうに移動できているかということを今後とも引き続き確認し、機能が十分でない魚道については、機能維持ができるように取り組むとともに、大きな支障となっているものにつきましては、今後関係機関と調整するということになっていこうかと思っております。
 次は、関川の水質改善についてということで、〇〇委員から環境基準を平成17年に厳しく見直したのはどういう背景なのかというご指摘でございました。これにつきましては、一番下流部はC類型でずっときておりましたけれども、ここのところ、平成10年以降は、環境基準値を大きく下回るような、水質がかなりよくなってきたということで、それを受けまして、新潟県が類型指定の見直しを実施されたということで、従来5のC類型から3のB類型へ移した。水制がよくなってきたことを受けまして、基準値もより厳しいところで管理するようにしていったということでございます。背景につきましては、左の下に下水道の普及率がございますけれども、順調に伸びてきておりますので、こういったことが効果を挙げたのかなと考えております。
 それから8ページでございますけれども、矢代川の流水の正常な機能を維持するため必要な流量の設定ということですが、これは〇〇先生のほうから支川の矢代川は夏には水が流れなくなる。正常流量をこういった支川でも考える必要がないかというご指摘でございました。8ページの左下に流況がございますけれども、10カ年の最小ということで、渇水流量が0.01、最小流量が0.00ということで、瀬切れというような状態がここでも起こっていることが確認できているようでございます。ただし、矢代川の流域面積は、関川流域全体の1割程度でありまして、本川流況に与える影響が小さいことから、正常流量の基準点を設置するまでは必要ないと考えております。基準地点の設定方針については、既に北上川のときにご議論されておりますが、そういったことを受けまして、今のような判断をしております。ただし、ご指摘のありまして面的にちゃんと流量管理していくということは、非常に重要な課題だと考えておりまして、今後関係機関とも協力して検討してまいりたいと考えております。
 以上が関川でございます。
 次が肝属川でございます。資料1−3のほうにまいります。
 まず、1点目、床止めと流下能力ということでございますけれども、〇〇委員からのご指摘でございました。肝属川の床止めが川底を規定していないか、仮に床止めをとれば流下能力が上がるのではないかというご指摘だったと思います。床止めを切り下げるという検討をしてみましたけれども、効果としましては9cm程度ということで、床止めを切り下げて1m下げましても、そんなに大きな効果がなくて、やはり全川的に流下能力が不足しているということで、鹿屋市街地の区間につきましては、川底を掘る、それからその下流のほうでは、高水敷を掘るというようなことが今後も必要だと考えております。
 次は地震と津波への対応でございますけれども、〇〇委員からのご指摘でございました。南海トラフを震源とする巨大地震が発生する懸念がありますので、それらの影響について考慮すべきではないかということでございました。東南海・南海地震、これが同時発生した場合の津波の高さでございますけれども、肝属川の河口で約2.8mということになっております。ここは高潮を想定した堤防の高さを確保してございますので、高さ的には十分な高さを保持しております。ただ、高潮区間として堤防をしっかり補強しているのは1.4km地点まででございまして、そこから奥にまだ津波の影響が及ぶ可能性もございます。これらにつきまして、今後対策が必要か必要でないか検討していきたいと考えております。
 あと、堤防の耐震対策につきましては、東南海・南海地震では震度4程度までということになっておりますけれども、一応震度5を想定して検討を行いまして、液状化対策等で必要な対策がありましたら今後引き続き対策を実施していきたいと考えております。
 1枚めくっていただきまして2ページでございます。正常流量における基準地点の考え方ということで、〇〇委員からのご指摘だったかと思いますが、清流ルネッサンスUの基準点を河原田橋としている、それに対しまして正常流量の基準点はその上流の朝日橋になっている、合わせるべきではないかというご指摘だったかと思います。まず、清流ルネッサンスUにつきましては、鹿屋市街地とか、笠野原台地とか、汚濁負荷が出てくるエリアを5ブロックに分けてございます。5ブロックに分けて、一応抑制計画を検討するに当たりましては、最下流のところにそういう基準点を設置する必要があるということで、この5つのエリアの最下流の河原田橋地点を基準点と設定しております。ただし、この河原田橋地点は流量観測は行われていないということでございまして、正常流量の設定は、この地点では難しいということもございました。肝属川では、右側にございますとおり、王子橋、朝日橋、高良橋、俣瀬地点の4地点で流量観測を行っております。正常流量の基準点は、周辺で水利用が行われておって、流量観測データが充実している朝日橋地点で設定せざるを得ないということでございました。ちなみに、朝日橋地点における正常流量が満足していれば、河原田橋地点の流水の清潔の保持の観点からも必要流量が満足するというのが確認されておりますので、そういう意味からも朝日橋地点で大丈夫だと考えております。
 もう1枚めくっていただきまして3ページでございますけれども、〇〇委員をはじめとする皆さんからのご指摘だったと思いますけれども、畜産排水等についてのご質問でございました。左側ですが、清流ルネッサンスUで、家畜の排泄物対策とか、汚水等についての想定ですけれども、畜産の将来予測はどうしているのだというご質問がございました。これにつきましては、家畜の飼育頭数は昭和50年代に急増していましたけれども、平成2年ぐらいからは横ばいになっていますので、一応は変化がないだろうという想定で、この清流ルネッサンス計画をつくらせていただいております。それから清流ルネッサンスUで、具体的な削減計画、畜産排水について盛り込まれているのかというご質問がございましたけれども、一番下にありますとおり、豚については野積みにされていた小規模の養豚排泄物を鹿屋市の畜産環境センターで全量処理するとか、牛については各事業者において排泄物処理施設を整備するなど適切に処理するということになっております。
 それから排泄負荷の図が見にくいというご指摘でございました。確かに図が小さくて申しわけございませんでした。今回は表示しておりますが、ブロック1とブロック5が汚濁負荷量が多い。事業場としては、どういうものがあるのかというご指摘でございましたけれども、澱粉の関連工場、イモからとる澱粉ですけれども、これが全体負荷量の93%ということでございました。そのほか、クリーニング工場だとか酒造会社といったものがあるということでございました。
 あと、肝属川と十勝川の流域内の家畜頭数の比較でございます。十勝川のほうは土壌還元ができているけれどもこっちはどうなんだというご指摘でございますけれども、調べてみますと、流域の単位面積当たりの牛・豚の頭数は、肝属川が十勝川の88倍になっておりまして、面積当たりものすごく多いということで、先日ご指摘のあったようなことが起こっているのかなというようなことでございました。
 ちょっと長くなりましたけれども、ご指摘いただいた件についてのご説明をさせていただきました。
(委員長)  ありがとうございました。
 では、ただいまの説明について、それぞれ質問された委員のご意見を伺いたいと思いますが、まず十勝川の資料1−1の1ページ、これは〇〇委員でございましたが、いかがでございますか。
(委員)  はい、堤防についてはよく調べていただいて、復旧工事もかなり進んでいるということで安心をいたしました。それから津波のほうですが、先ほどの話で、500年間隔ですと、15mということでありますが、これはとてもハードで対応するのはかなり難しいだろうということですから、やはりソフト対策が重要であると。折から気象庁がこの8月から緊急地震速報の運用を始めまして、津波についても10月2日からだったと思いますが適用しようということでございまして、これは地震波のうちのP波を検知して速報を出そうということで、これを利用しますとおそらく、これまで地震発生から3分ぐらいで津波警報を出せるというのが2分以内になると思います。津波防災というのは一刻一秒を争うわけでありますので、こうした速報を利用して、速やかな避難に結びつける体制の整備というのが必要かと思います。以上です。
(委員長)  それでは仕上がりの案文もここに書いてありますように、かなりソフト重視ということで仕上げたいと思います。
 2ページは札内川の関係、〇〇委員でございますが、いかがですか。
(委員)  いろいろ調べていただきましてありがとうございます。こういうことを想像していましたので、これはこういう方向で対応するということはよろしいと思います。ただ、どうもまだまだ問題点があるんじゃないのかと思います。第一には、模型実験をやったというのはいいんですが、札内川のような急流河川というのは、高水敷も洗掘を受けるということを考えるべきなのに、低水路だけ移動するような実験をやって、結論を出していることに疑問を感じます。模型実験では高水敷の前面の水制によって、流速は2.4mぐらいに落ちていますが、北海道の急流河川では、しばしば水制と高水敷のつなぎ目のところで、裏側に回った水が、大きな浸食を起こします。このため、橋梁の橋詰などは、上流側から洗掘されていきます。札内川の水制も洪水時には、おそらくそういう状況にあると思います。ですから、こういうように書いてありますが、もう少し、札内川で起こる現象を深刻に考えたらよろしいと思います。すなわち水制は、低水路を安定させるということについては役割を果たしてきましたが、大流量が出たときに、この方式でよいのか疑問を感じます。この場合には、水制をたくさん入れ過ぎていることもむしろ問題です。水制の構造が弱いように思います。多分2tブロックだと思うんですが、急流河川にしては小さ目のブロックをつないで用いているということもあります。私は大流量に対する低水路の水制の構造安全性を、しっかりと見直していただきたい。水制周りが洗掘を受ける上に裏側が浸食を受けると、水制群が動きやすくなりますので、結果として、かえってそういうものがあるために堤防まで浸食が及ぶ可能性がないとは言えない。むしろその危険をよく意識して対応することが大切ではないのかというのが1点目です。
 2点目は、17万人の人口を抱えている帯広市で、札内川が十勝川と合流しています。合流点には非常に大きな土砂だめのポケットがあります。ここでは、洪水を流すためにどうするのか、土砂がたまってもあふれないようにどうするのか、堤防に対する水の当たり方が問題ないようにすることが大事です。そのために模型実験等でよく検討される必要があるのではないでしょうか。現地には、水制の周りとか、高水敷には大量の樹木が密生していますから、それらが一緒に流される可能性が高いです。ブロックは流下しないにしろ、樹木などが土砂と一緒に流れ下っていったときに起こる災害を、非常に心配します。
 きょうの補足説明資料で、今後こういうことをやりますということで、モニタリングとともにいろいろ安全性のチェックをやるということがわかりましたので、ぜひ今までのやり方の問題点と、今後どうあるべきかのプランをつくって、検証していただきたいと思います。以上です。
(委員長)  それでは、これは実際に整備計画あるいはもっと詳細設計の段階で、今の水制工法が必ずしもベストではないんじゃないか、もうちょっと高速流の場合に安定するものを追求すべきだというご意見と承って……。
(委員)  〇〇先生は北海道におられますので、ぜひそういった点でご検討、ご協力をお願いいたします。
(委員長)  わかりました。
 では、次、やっぱり河道の安定については〇〇委員でございますが、ご意見を承りたいと思います。
(委員)  今の点に関しましても、例えば模型実験でも、広い高水敷が止水池のようになっておりますので、必ずしも高い水に対してこれで安全ということではないようでございますから、また詳細のときに関しては見ていきたいと思っております。
 それと本川の下流部でございます。これは私の比較的単純な実験とか計算によりますと、現在の千代田堰堤のところを土砂が越えてくる流量というのはかなり高いと認識しております。それが今度新水路になりましたときにどういう運用をするか、まだ聞かされておりませんのでよくわかりませんが、下流の土砂環境に対する変化が予想される。そういう点で下流の安定は大丈夫だろうかということも質問させていただきました。これを見てみますと、おおむね2m程度昔から掘られております。これで粒径もそう変わっていないということで、現在は安定しているというご判断のようでございますから、今後の新水路の運用とあわせまして、モニタリングをして見ていっていただければと思っております。
(委員長)  それでは、モニタリング等の文言を本文に入れるということで処理させていただきたいと思います。
 4ページは〇〇委員でございます。
(委員)  ご説明のほうは非常によくわかりました。今後とも魚道の構造がより魚にやさしい方向を目指して改善されていくことを期待します。
 それからご説明の中で、サケがほとんど根こそぎとられているというのは、現在の水産行政としてはそういうような方向ですけれども、おそらくここ数十年の間には、サケをもう少し自由に川を上らせて、自然産卵させるという方向もきっと私は出てくると期待しておりますので、そういうことが担保されるような魚道をこれからもつくっていただきたいと思います。関川についても遡上に関してはご説明はよくわかりました。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
(委員長)  では、次は、関川関係でございますが、1ページは私でした。ちょっと予想以上に放水路が多いのでびっくりしましたが、これらも一応現在それなりに河口が維持されているということで了解いたしました。
 2ページでございますが、これは〇〇委員からでございました。〇〇委員の意見等の処理については一括して後ほど事務局から意見書の紹介とあわせてご回答願いたいと思います。
 3ページは私からでございます。やはりこういうはずだったと思いますが、この昭和56年までに400世帯の人たちが協力して動いておられるという実績が、整備局の中に伝承されていないのかと、大変不可解な印象でございまして、やはりこの歴史の重みを感じて、放水路案なり本川の拡幅案を検討すべきではないかと思います。担当の説明を聞きますと、〇〇委員への説明が足りなかったのではないかという不審感を持ちました。
 4ページは保倉川の改修方針について、これは〇〇委員と〇〇委員でございましたが、〇〇委員のほうからお願いいたします。
(委員)  きょうのご説明で、放水路案のほうがすぐれているということはよくわかりましたけれども、この資料にはないOHPのほうで計画の路線といいましょうか、ルートをお示しくださいました。既に平成8年に公表しておられるということでありますが、私が心配いたしましたのは、こういうルートそのものが公表されて、この実現性がどのぐらいあると踏んでおられるのか、実現できればそれはそれで私は結構だと思っておりますが、私も北海道で苦い経験をしておりますので、その辺の見通しを、今すぐ示せということではないですが、見通しをお持ちになっておやりいただけばと思っております。
(委員長)  これは、せっかく提案したんでかなり自信を持っているんだと思いますが、どなたかからでも、事務局からお答えいただけますか。
(事務局)  平成8年に現計画のルートを地元に提示をして、一部地元の方々からやはり地域分断を理由に反対という声が挙がっておると聞いております。そういったことを受けまして、現在、地元では関川流域の望ましい姿についてのフォーラムというのを行っておりまして、これは〇〇先生にも少しお手伝いいただいておりますけれども、流域全体でどういうふうに治水対策を考えていくのかというようなことを皆さんとご議論をしているところでございます。反対をされている方々も含めてそういう議論が今、進んでおりますので、そういった状況を受けながら今後合意できるところから順番に手をつけていきたいと考えております。
(委員長)  いずれにしても、基本方針ではっきり放水路と書いたということは、最高の意思決定をしてご提案いただいていると思いますし、これまで何回も放水路案が練られては改定、改定で来て、本川側については私は最大限の努力をした挙げ句の話だと理解して、この原案は認めたいと思いますが、また皆さんのご意見を承りたいと思います。
 6ページでございますが、これは〇〇委員でございます。
(委員)  これは先ほど申し上げたように、魚道の状況はよくわかりました。
(委員長)  次は、7ページでございますが、これは〇〇委員、きょうはご欠席でございますが、これは事情説明ということで、ご質問だったということで、後ほどお答えいただきたいと思います。
 8ページは〇〇委員でございますが、全体として流域の主要な流量の部分ではないという事務局の説明です。整備基本方針では基準点はかなり大きな流域を持った基準点で設定するべきだということで、これでいいんではないかと思いますが、後で皆さんのご意見も、仕上がりのときにお伺いしたいと思います。
 それでは肝属川でございますが。
(事務局)  委員長、私が説明を順番を間違ったところが、〇〇委員からのご質問のところが残っております。
(委員長)  5ページ。
(事務局)  はい、今の関川の5ページ。
(委員長)  ではお願いします。
(委員)  河口部の河床変動についてですけれども、最近、どこでも問題になるのが、河口部が流れないということで、河口を掘りますという議論になるんですが、きょうここで、北陸地整の関川から出てきた河口の検討方法が、1つの考え方だろうと思うんです。すなわち日本海側は非常に水位変動が小さいんです。せいぜいで20cmから大きくても40cmの間ぐらいで、ほとんど水位変動がない。ところが洪水水位は数m変化します。そうすると河川と海との境界の河口で数mの水位差がつくことになります。もし、川底が変わらないとすると、海との間で大きな落差で滝のように水が落ちないと河口では水は流れないということになります。現実には洪水の痕跡水位を見たらそうなっていないんです。ということは、川底が掘れて滑らかに水面がすりついているだろうということは間違いないんです。あちこちの河口で計画流量が流れないから河道を掘るとか言っているんですが、実は大洪水が来ると、あっという間に河口が掘れて、その計画が飛んでしまった大河川もあるわけです。ここで考えなきゃならないのは、洪水時の河口の実態はどうなのかということをちゃんと理解してやっていかないと永遠に維持浚渫をやることになる。関川水系もそこが確かでないから前回の会議資料で維持浚渫をやる案が出てきたと思うんですが、今度は私が言ったように、川底が洪水中に掘れるとして、河口付近の水面形の痕跡がありますから痕跡にあわせて水面形を計算すると、1.2mぐらい掘れているはずだという答えになっているのです。私はこの1.2mが正しいのかどうかわかりませんけど、少なくともそれぐらい掘れるだろうと思います。今まで北陸の川について私は同じやり方でやってきたんですが、大体1mから1.5mぐらい掘れているはずなんです。これが非常に大事なところです、1点目。ほんとうに計画流量が流れるか流れないかが問題です。洪水で河床が掘れるから何もしなくていいんだというつもりは全くありません。対案として水面形の把握に向けた今後の取り組みとして出てまいりました。これは、利根川もそうですし、流下能力がよく分からないという課題のあるところでは、水面形を測定しています。水面には川底の変化や、流れのいろんな状態変化が全部水面に出てくるので、水面がどの位置にあるのかというのを時間的に追うことによって、川底がどうなったのかという推定がつくわけです。流量が増えてくるのに、水面の高さが上がらないという状態が実は河口で起こります。それは流量が増え、水深も増えているのだけれども、川底が下がるほうがもっと大きいために、水位が上がらないということが起こっています。私が申し上げたいのは、こういうような調査を今後河口で行いながら、ほんとうに洪水中の河口がどんな状態なのかということを合理的な河口計画をつくるためにはやっていかなきゃならないと思っています。そういう意味で、きょういただいたこの資料で、ウォッチしながらやっていく、計画としては浚渫も考えるというのがあるのかもわかりません。しかし河口では十分調査をし、モニタリングしながら、検討するというような文案で進めていっていただく。日本海側の河口計画は、こういうやり方で計画を進めていただきたいということをお願いします。
(委員長)  紹介を飛ばして失礼いたしました。これは、河川全般の河口部における水理特性のお話ですね。
(委員)  おっしゃるとおりで、別に日本海側だけじゃない、日本海がとりわけその影響があるということです。そういうことで、河口に砂州ができている場合とできていない場合、あるいはどれぐらいの大きさとか、いろいろ条件はあるんです。やっぱり同じことだと思いますので、ぜひ河口計画のご検討をお願いしたいと思います。
(委員長)  研究者でない私たちでやると、洪水が来る前の河床、洪水が去った後の河床、その上に洪水が来たという計算をするんだけど、実際は洪水の大流量のときは、河床の砂も巻き上げて、その下のところまで流れているはずじゃないか、それにあわせて計算をすべきだということだろうと思います。その辺をまた研究・調査・観測いろいろ提案していただいて、洪水時には、川ばっかり見てないで、川底はどのぐらい動いているかも観測したらどうだということにもつながるんだと思います。現場のほうで重く受けとめていただきたいと思います。
(委員)  1点だけ付け加えさせて下さい。その場合に、河川法では河川のゼロ点ぐらいまでしか測量をやらないんですが、実は河口部の土砂の動きには河口の出たところの海床高が非常に重要で、河口が深く落ち込んでいるか落ちてないかによって、その川の土砂の出方が違うんです。前回、斐伊川の河口で計画水位を越えたんですが、斐伊川河口は宍道湖ですから土砂がたまる、湖の水面の高さが変わらないところに、土砂がどーっと出ていくもんですから、やっぱりいろいろなやり方を検討しなきゃならないのことがわかりました。そういうことでお願いは、河口から出たところの深浅測量を河川としては必ずやるんだということで、そこを見ながら、デルタがどう形成されたか、デルタができるのかできないのかということによって、今、委員長が言われたこととかかわってきますので、それもあわせてこれからの調査研究課題としながら検討していただきたいと思います。以上です。
(委員長)  それでは肝属川に移らせていただきます。
 1ページの左、床止めと流下能力、これは〇〇委員でございます。
(委員)  ありがとうございました。これで納得いたしました。私はもうちょっと床止めの敷高がきくのかと、鹿屋放水路をつくったのにまだ流れないというのはまずいなと思って、床止めの構造を検討したらどうですかという気持ちで申し上げましたが、そんなものではないということがよくわかりました。ありがとうございます。
(委員長)  じゃ、右側は〇〇委員でございます。はい、わかりました。
 それでは2ページでございますが、正常流量における基準地点の考え方、これは〇〇委員でございますが、一応これはまた別途浜田委員にはご了解をいただきたいと思います。
 3ページは〇〇委員でございます。
(委員)  かなりいろいろわかりました。やはり肝属川のほうは、豚の多頭飼育、それから牛は、当然のことですが、肥育等が多くて、経営規模は小さいということで、やはり川のほうに当然のことながら負担がかかる。特に、おもしろいのは人口が、肝属川は12万人ですが、両方合わせますと20万頭以上おりますので、大体負荷がうんと低くて5倍から、10倍から20倍、1頭当たりありますので、非常に大きな汚染源を抱えておるということがはっきり出てくるかと思います。いずれにしましても、BODはわりととりやすいんですが、窒素分をとるにはすごくお金がかかりますので、ぜひとも地元に余り負担がかからないようなうまい計画を立てていただくべきかと思います。参考になりました。ありがとうございました。
(委員長)  それでは、委員の皆様の質問にはただいまで整理させていただきました。続きまして十勝川等3水系の河川整備基本方針の本文案について事務局より説明をお願いいたします。
(事務局)  お手元の資料3−1、3−2、3−3を使いまして説明をさせていただきます。あわせまして、2−1、2−2、2−3も配ってございますが、こちらのほうは骨子になっておりますので、本文案のほうでご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、十勝川は資料3−1でございます。めくっていただきまして、河川の総合的な保全と利用に関する基本方針の1で、流域及び河川の概況でございます。
 3ページの最後のところでございますけれども、前回の〇〇委員からご発言がございましたサケ、カラフトマスの増殖事業、こういったものが地域の産業文化としても根付いているということをつけ加えさせていただきました。
 それから9ページでございます。河川の総合的な保全と利用に関する基本方針の中のアの、災害の発生の防止または軽減というところでございますけれども、〇〇委員からのご指摘がございましたとおり、急流河川の特有の土砂を含んだ流水の強大なエネルギーにより引き起こされる洗掘、侵食、こういったものが懸念されるということでございまして、真ん中あたりでございますけれども、そういったことに対する対策などについて記述をしてございます。また、一番下でございますけれども、〇〇委員からのご指摘がございまして、大きな津波の話が先ほどございましたけれども、情報連絡体制が必要な施設整備等について検討を進めるということで、ソフト、ハードの両面で対応していくということを書かせていただきました。
 次、11ページでございますけれども、ウの河川環境の整備と保全ということでございますけれども、先回、〇〇委員のほうからご指摘がございまして、ここの記述を書き加えさせていただきました。〇〇委員からは、治水を進め、氾濫を防ぐようにするとその反面、生物多様性が減少していく。治水を進めた分だけ生物の多様性のリハビリテーションをするんだという方向性をうたうことができないかというご指摘でございまして、それを受けまして、ここの4行目からでございますけれども、良好な河川環境の整備と保全に努めるとともに、河川工事等により河川環境に影響を与える場合には代償措置等によりできるだけ影響の回避・低減に努め、良好な河川環境の維持を図るということを加えさせていただいてございます。
 それから13ページでございますけれども、ここも〇〇委員のご発言を踏まえまして、一番最後に河川空間に対して、市民団体やNPO等、人々が積極的に携わっていこうとする気風を尊重し、次世代に引き継げるように努めるということを入れさせていただいてございます。
 それから14ページでございますが、河川の整備の基本となるべき事項、基本高水並びにその河道及び洪水調整施設への配分に関する事項でございますけれども、ここは基本的に変わっておりません。また、2の15ページの主要な地点における計画高水流量に関する事項も変更がございません。
 十勝川につきましては以上でございます。
 次に、関川のほうに進めさせていただきます。関川、資料3−2でご説明をさせていただきます。
 まず河川の総合的な保全と利用に関する基本方針でございますが、(1)の流域及び河川の概要でございます。4ページでございますけれども、委員長からこれまでの改修の経緯をしっかり後世にも伝えていく必要があるというご指摘もございましたので、5行目でございますけれども、この辺に、昭和48年から始まった計画高水流量を2倍とするための大引堤工事は困難をきわめたが、多数の家屋移転が必要となった直江津・高田両地区において、連日熱心な住民協議等を行い、事業を進めてきたというようなことをしっかり書かせていただきました。
 それから少し飛ばしまして、河川の総合的な保全と利用に関する基本方針でございますけれども、8ページでございます。ここにつきましては、先ほどの〇〇委員のご指摘を受けまして、十勝川でも記載いたしました代償措置等についての記述を加えさせていただいてございます。
 それから11ページでございますけれども、河川の整備の基本となるべき事項、(1)の基本高水並びにその河道及び洪水調整施設への配分に関する事項でございますが、ここは工事実施基本計画と少し書き方が変わっておりますけれども、保倉川では、700m3/sの放水路分波というのを明確にこういうような形で書かせていただいてございます。河道への保倉川の配分流量は1,200m3/sということでございます。
 それを受けまして、12ページの主要な地点における計画高水流量に関する事項の書き方も変わっております。
 それから、〇〇委員から関川の基本方針に関する意見書というのをいただいてございまして、ちょっと補足をさせていただきたいと思いますけれども、〇〇委員からは関川本川では一貫して引堤による流下能力の向上が図られてきたのに対し、支線の保倉川では放水路案が採用された。保倉川では相対的にかなり自由度があったにもかかわらず、流下能力の抜本的向上が図られてこなかったということで、その拡幅というのがこれまで行ってきていなかったとしている記載がございますけれども、ここは我々、委員長から先ほどご指摘がありましたように、説明が十分でなかったところがございまして、若干誤解をされているところがございます。それから放水路案、引堤案を相互比較の上でより詳細に検討する必要があろうというふうにされていますが、先ほどご説明したような形で、これまで検討を行い、それから平成8年には既に放水路案について地元にお示しし、地元ではフォーラム等を行いながら住民の皆さんと対話をしているというようなことでございまして、その辺の説明を補足させていただきます。
 それから2つ目の事項としまして、古い砂丘の上の歴史的な町というのが、夷浜というところがございますけれども、新興都市開発のツケを伝統ある集落の分断という形で払うことに対して、地域における合意を形成することの難しさという河川整備計画上の問題点に加え、河川基本方針という国土計画上の見地からもその妥当性を検討する必要があるということで、これにつきましても、先ほどからご説明いたしておりますとおり、これまで地域の皆さんとフォーラムというのを重ねまして、合意形成に向けて今、努力しているところでございますので、補足をさせていただきます。
 次に、肝属川の基本方針(案)でございますが、資料3−3でございます。
 まず、河川の総合的な保全と利用に関する基本方針の(1)、流域及び河川の概況でございますけれども、4ページでございます。前回、資料でご説明した内容について、記載が十分でなかった点がございまして、そこを少し補強させていただいている点が何点かございます。4ページの真ん中あたりでございますけれども、環境基準をおおむね満足しているものの、他の河川と比較すると悪く、総窒素濃度等も高い状況が続いているというようなことを加えさせていただきましたことと、そこの一番下の3行でございますが、上流部の鹿屋市街地区間や、中・下流が連続したコンクリート護岸により水辺に近づきにくい状況にあり、水質の悪さも相まって、水辺や水面の利用はほとんどないということを加えさせていただいてございます。
 それから(2)の河川の総合的な保全と利用に関する基本方針でございますけれども、6ページのところでございます。アの災害の発生の防止または軽減というところで、前回〇〇委員からもご指摘がございましたけれども、シラスを使った堤防の話でございますが、堤防の質的強化については築堤材料として使用されているシラスの特徴を踏まえ、堤防の詳細な点検及び堤防の質的強化に関する研究、対策を実施し、堤防の安全性の確保に努めるということを加えさせていただいてございます。
 それから7ページのウの河川環境の整備と保全でございますけれども、先ほどと同様、〇〇委員のご指摘がございました代償措置等につきまして、記述を加えさせていただいてございます。
 それから8ページでございますけれども、河口部の生態系について、記述が十分でないというご指摘、〇〇委員から前回、河口部の生物による生態学的に見た使われ方のところの表現がもう少し書き込んでいただけないかというご指摘がございました。それを受けまして、6行目のところですが、生物の多様性を考慮し、生物の生活史を支えている環境を確保できるよう配慮するというようなことを加えさせていただいてございます。
 また、前回説明した内容で記述が少し足りなかったところを補足させていただいていますが、8ページの直線的で単調な河川空間となっている本川の中下流区間については、ワンド等により流れに変化を持たせるなど、多様な自然環境の創出を図るという記載を加えてございます。
 また、9ページでございますが、水質につきましては、肝属川の現状を踏まえ、関係機関とともに策定された水質改善目標及び行動計画に基づき、関係機関や地域住民と役割を分担しながら計画的に水質の改善に努めるとともに、水質に関する啓発活動を行うなど、水環境改善に向けた総合的な取り組みを推進するということで、清流ルネッサンスUに関する取り組みを記載してございます。
 それから10ページでございますけれども、河川の整備の基本となるべき事項の(1)の基本高水並びにその河道及び洪水調整施設への配分に関する事項でございますけれども、これは工事実施基本計画の段階から基本高水のピーク流量については2,500m3/sということで、変更はございませんけれども、洪水調節施設というのがここではなくなりまして、河道にすべて配分するということにしてございます。これにつきましては、高水敷の洪水時の侵食、これらについてシラスという特有な地形地質でございますので、従来きっちりした知見がなかったんですけれども、そういったところの検討が進んだ結果、高水敷の掘削により河道への配分流量を増加させることが可能だということが明らかになったために、ダムの計画というのを見直しまして、河道に全量配分するということにしてございます。
 11ページに主要な地点における計画高水流量に関する事項でございますけれども、工事実施基本計画のところの場合には、高山川という川のところにダムのマークがついておりますけれども、今回の整備基本方針では高山川のところにはそういう記載がないということでございます。
 以上、駆け足になりましたけれども、基本方針(案)につきましてご説明させていただきました。
(委員長)  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明、先ほどの補足説明もあわせまして、仕上がりの文章についてご意見をお伺いしたいと思います。私のほうから指名させていただきます。
 十勝川水系から専門委員としてご参加の〇〇委員お願いいたします。
(委員)  今、説明をしていただいた内容を、先ほどちょっとよく読ませていただきました。まず、2点私のほうから言わせていただきます。
 まず、9ページですが、前回私のほうからは特に災害についての意見は述べさせていただかなかったんですが、やはり私たち地域の、地元の住民といたしましては、大変地震の多い地域ですので、前回の十勝沖地震の災害、堤防の大きなダメージとか、その辺を常に見ておりまして、やはり私たちは非常に不安を感じて生活をしております。ですけれども、ほかの委員の皆さんに、前回地震に対するご意見を言っていただき、今回もこのような形で文章として入れていただいたことで、私自身もちょっと安心をしておりますし、この地震、津波の災害については、ほんとうに重点的にお願いしたいと思っております。
 それともう1点ですが、13ページ、前回私のほうからこの十勝川水系につきまして、住民が河川空間の利用とか教育、または川づくりについて非常に積極的にかかわっている者が多いというお話をさせていただきまして、それを受けとめていただいてこのような形で文章にしていただいたことを感謝申し上げます。ただ、この13ページの部分なんですが、できましたら、確かにここに書いていただいている河川空間は、というところからの文章なんですが、人々が積極的に携わっていこうという気風を尊重しと、このとおりのことですが、ここの文章だけ見ますと、十勝川水系だけではなく、どこの水系でも当てはまる文章ですけれども、やはり私たち十勝川水系に関しましては、前回もお話をさせていただきましたが、非常に川に親しむ気風がある。これは海ではなく、やはり川がそういう意味では非常な重要な役割を担っていて、私たちも親しんでいるということ、それと歴史的な背景、開拓の歴史は、実は十勝川から始まっているという認識が非常にありまして、やはり十勝川を上っていって、それぞれの開拓が始まったという歴史的な背景もあり、また砂丘文化のこともあり、地元としましては、かなり十勝川水系には強い思い入れがございます。ですから、できましたらこの中の文章のところに、一文そういうような背景があって、こういうような人々の川づくりについての思いが非常に強いのでというようなことをぜひ、創始の精神として非常に大事だと思いますので、できましたら加えていただければと思っております。以上です。
(委員長)  それではまた、ご提言いただいた上で調整させていただきたいと思います。
 それでは〇〇委員にお願いいたします。
(委員)  この基本方針の比較案でございますが、9ページの一番最後のところに、地震対策のことが書いてございます。ここで必要な施設整備等について検討を進めというような文言になっております。これはこれで読めないこともないのかなと思って見ておりましたら、例えば肝属川の例ですと、極めて簡単ですが、また、地震・津波対策を図るため、堤防の耐震対策等を講ずるとはっきり書いてございます。この辺が、事情が多少違うのでしょうけれども、堤防の地震対策をどのように洪水との関連でお考えになっているのか、もう少し整理がなされたほうがいいのかなと。例えば2003年でございましたか、8月と9月に地震と洪水と両方ございました。これが順序が逆になっていると、多分大変なことになったんだろうなというふうに想像しておりますので、この辺のスタンスの整理が必要なのかなというふうに思いました。
 もう1つ、先回の委員会でも、14ページに関連するところでございますが、茂岩の河道配分流量と言いましょうか、洪水調整施設による調節流量のお話を伺いました。これは既存の2ダム以外にも調節施設が必要だという認識であるというお答えをいただきました。ただ、それがその次の15ページあたりですと、どこにというようなことまでは踏み込んでおられない、これはこんな書きっぷりしか、今、できないのかどうか、あるいはまだ全く計画がないのかというようなことも含めまして、教えていただければと思います。以上でございます。
(委員長)  前段はまた他河川との調整、肝属川との横並び等調整させていただきたいと思いますが、後半の部分については、事務局から説明をお願いします。
(事務局)  ご指摘の件、前回もお答えいたしましたけれども、1カ所ダムを想定しておりまして、実は既存のダムの再開発みたいな形のものを想定してございますけれども、基本方針上は洪水調節施設、具体的なところまでは記載しないということにしてございますので、それからまだ今、申しましたように、構想はありますけれども準備中でございまして、それを明らかにすることによって社会的にいろんな影響も出るということもございまして、今の段階ではこういったところで明示することは控えさせていただいております。
(委員長)  よろしゅうございましょうか。
(委員)  十分その辺の事情はわかっているつもりでございますけれども、要は、この方針というのは、将来の流域の姿を国民の皆さんにお示しするということだろうと私は思っております。そういう意味で言いますと、可能性のあるのはこの帯広と茂岩の間の大きな川ということですから、利別川か猿別川か、どちらかにという、常識的にそう読めるわけです。一体どちらなのかなというようなことも含めて、あるいは本流の脇に遊水池をつくるというようなこともあり得るのかもしれませんが、そういう縛りを全くここにお書きにならないという、別にどこの施設をつくれということではないですが、そういうものなのかなと思って聞かせていただきました。
(委員長)  一応帯広と茂岩と設定していますので、これでご理解いただきたいということです。行政的にはいろいろな問題を抱えており、決定にあたっては、責任があるということで控えさせていただいているようでございます。
 それでは次に、関川に移りたいと思いますが、〇〇委員よろしくお願いいたします。
(委員)  ほんとうならば〇〇委員が出席されていれば一番よいのかと思いますが、先ほどもありましたように〇〇委員が委員長になって、住民との対話その他を今、図って、いろいろな活動をしているところです。私個人としては整備基本方針、基本方針としてはこれで特に問題はないかなと思っているんですが、ただ気になりますのは、住民が例えば洪水に遭った地域とそうでないところとではものすごく意識の違いがあるというようなことが今回調査でわかりまして、そういった問題をどうやって埋めるかというが、やっぱり下流と上流との意見の違いとかいうような問題があって、実際の整備を進めていくときには、やっぱりそういうものをきちんとしていかなきゃいけないだろう。そのときに実は問題になるのが、私も個人的にもそうなんですが、例えば流量だとか何とか、深さがどうという数字は出るんです。もちろんそれは、根拠がないわけではないので、それなりの根拠があって数字を挙げられているのですが、こういう数字が上がってきた、だからこうだというふうに言われると、そうかなと思うんです。よく考えてみるとほんとうにそうなのかなという部分がちょっとあるんです。
 実際に過去に魚が、住みか、隠れ場所ができるような堤防を考えたことがあって、これは大丈夫かと言ったら、この水量だから大丈夫だと言ってつくってみたら水量がそこまで来なかった。結局魚が隠れるところがなかったというケースが過去にあったんです。ですから、これはあるときのある条件下での数値をもとにしてそういうものが出ているので、全くそれは無意味という意味ではないのですが、ある程度はそれでいろいろ図っていかなきゃいけないのでしょうが、やはりでも、こうこうこういうわけでこういう水量だから、どうしてもこれは、例えばこの関川水系の場合でいくと保倉川に放水路をつくるかどうかというのは結構具体的な問題なんですが、何でつくるんだという部分の説明ですね、だから川をこれ以上掘ったってこのぐらいしか流れないし、今度はこうやるんだとかというような話が、もっとわかりやすくちゃんと説明されないと、数字だけがどんどんいって、こうなんだからそうなんだよというふうに、専門家が言っているからと言われると、専門家が言ったらみんなそうなのかと、実は専門家は専門家なりに結構また逆にいろんなケースを考えて、こんなこともあるんじゃないかという、でもまあまあこんなところだろうということで数字が出てくるのだろうと思うので、その辺を気をつけないと。
 例えばちなみにここに挙がっている数字がそのとおりでなかったらどういう対応をとるかということはどこにもうたわれていないですね。それを測る人が今のところいないんでしょうが、特に環境問題になると最近は対抗してそういう測定を始めて、この根拠はおかしいとかということでクレームをつけるかもしれないということも考えると、ただ数字がこうだからということではなくて、もっとちゃんとしたわかりやすい理由と言いますか、説明というのが必要だろうし、もしその予測が違っていた場合にはどうするんだということが、実はどの場合にもないんですね。
 要するにどうしたら例えば洪水が防げるかというような問題は必ず出てくるんですが、もし起こっちゃったらどういう対応をするんだということについてはほとんどないんです。これもやっぱりある程度考えておいて、いざという場にはこういうことを一応考えていますというような部分までないと、この数字を超えたらあとは知りませんということだとすると、それこそ例えば津波が15m、でもそれは何年かに一遍はそれを超えるかもしれないというと、じゃ、それを超えたときはだめなんですよという上で了解を得るという話も、何か考えてみるとおかしいので、そのときはどんなふうにとりあえず対応するかという、避難も含めてですが、そのようなこともどこかにやっぱりちょっと取り上げてもいいんじゃないかなというような気がいたします。ですから基本的には私はこの基本方針で別に反対はないんですが、ただ、こういう数値を扱う場合に、その数字がこうだからというだけで説得をされても、一般的には受け取りがたい部分があるので、その辺は一工夫、特に実際に実施の過程でも構わないのですが、そういう配慮が必要かなと思います。以上です。
(委員長)  大変重要なお話です。昭和何年ですか、大変直江津地区が大水害に遭って、したがって、昭和46年から結果、600世帯ぐらいなんでしょうか、その大引堤をやった。当時、私が聞いているのは、いろいろ議論はありましたけれども、一戸一戸立ち退いていった結果、直江津の町が冬の猛吹雪ではもたないんで、それじゃ、みんなで集団で移転しようということになり、地元の皆さんが納得して行った結果、今の川幅になったんです。それから保倉川につきましては、たしかこれは鉄道に並行していて、もうぎちぎちになっていて広げられなかったという経緯があって、当時からこの河道が地元に納得していただいて保倉川遊水池放水路ありきだったという経緯があるのですが、どうもこの説明の資料のときにふわっと出てきたんで、僕は今の委員のああいうご意見や説明、あるいは地元の委員会でそういう経緯を踏まえた議論がされてなかったのかなと感じました。要は、関川は非常に水害頻発の川だったという認識があって、一歩一歩安全度を高めてきたという歴史で今、この安全度を、我々としては全国の川とのバランスでこれを了解しようとしているんですが、その前提でこの委員会でよろしゅうございますかということなんですね。地元説明については、もう少ししっかり歴史を勉強した上で必然性をよく説明していただきたいなと、委員長としては注文をつけたいんです。そういう前提で今のご提案についてはこの原案、また後で知事さんにもお伺いしますが、ここで数字が決まったから行くんだということでは大変困るので、長い歴史の過程において、一歩一歩安全度を上げてきたということを踏まえつつ、全国の河川と少しでもバランスをとって、それなりに、一応100年に1回の洪水にまで耐えるようにしたいということで、ご発言があったというふうに理解します。今後整備計画の段階では、そういうことを踏まえて現場出先がしっかり説明していただきたいと要望します。それでよろしゅうございますか。
 それでは、〇〇委員にお願いいたします。
(委員)  今、ご意見があったように、非常に大きな課題を抱えたところだと思います。その1つは、まず基本方針と言っても、多分整備計画に位置づけていかなきゃいけない問題なんだというふうに認識しています。ということで、きちっとやはり議論しないといけない。その中で、今、この委員会、委員長の認識でも、説明が十分地元でされていないために地元が理解していないというふうな判断では私は決してまだないんだなという気がするんです。というのは、我々もまだちょっと理解できてないところがあるんじゃないだろうか。本日の説明でも、例えば関川本川についての引堤については、非常に努力されて600戸にわたるそういう引堤があったという歴史、ところがその間、保倉川のほうは、ほとんどと言っていいぐらい引堤がされていない。なおかつ今、委員長がおっしゃったように、鉄道があったり工場があったり貯木場があったりして引けないと言ったんだけれども、今日的な感覚では、そういうものであればむしろ引けるんじゃないかという感覚も住居連担地に比べればひょっとしたらあるかもしれない。
 そういう中で、どうして保倉川のほうは引堤できなかったんだという話はあると思います。そうすると、保倉川は昭和60年と、平成7年に激特が入っているんですけれども、激特で、ここに書いてある説明も何をやったのか書いてないんです。これは地元に説明が足らないどころか、ここにも説明が足らないのは、激特で何をやったんでしょうか。激特というのは、その河川のその地先できちっと再度災防止なんだから、少しは断面を広げているとかそういうことがないと、当然再度災対策はできないはずなので、激特で何をやったかもきちっと説明すべきだ。ここでは激特を踏まえて、計画がどんなふうに変わったか、すなわち結局は流量の見直しのほうの話だけされているんですけれども、激特というのは、その計画の見直しが激特でなくて、むしろそのときの事業でどれだけの例えば洪水疎通能力を上げたかとかいうふうなことですので、その辺の記載が私はまだちょっと足らなかったかなという気がするんです。
  だから我々としても地元に説明が足らないというだけじゃなくて、ここでの認識もまだ十分でないという気がします。だからと言って、私はこの計画そのもののレベルを問題としているわけではなくて、実はそういうことも踏まえて計画が立てられているということは私は十分認識できていると思いますし、それから先ほどの委員が非常に心配された量の問題も、洪水流量の問題は環境の問題と比べて予測が外れていた、外れていなかったという問題は、根本的な意味では多分ないと思います。多分気象というふうな確率の中で起こるか起こらないかであるとか、そういう中での事象である標準的な手法で決めたものが、多分1つの整備水準になるという考え方からしますと、そんなに外れるものでもないし、それからもう1つは、今の量を見ると、そんなに倍半分の問題でもない、いくら保倉川で拡幅したって、放水路というのはやっぱり残ってしまうというふうな気がします。
 それからもう1つのポイントは、低平地を抱える合流点の話と、それから放流、放水路を抜くところのいわゆる砂丘ですね。これの土地利用の仕方というのは、当然全く歴史的にも違っていて、発展の仕方も違ってきた中で、議論しているのはいつも保倉川の拡幅側だけの絵が載っていて、先ほど平成8年に公表されたにもかかわらず、資料がちょこっと出ただけだとおっしゃったように、ここにやはりきちっと砂丘の住居連担の中でどんな放水路を抜く問題と、保倉川の住居連担地の中で拡幅する問題との比較なんだという比較ができなかったんだろうか、その辺がちょっと気になったところでございます。
 その辺は、私は十分説明できる素地があるし、私自身はわかるので、私としてはこれでお認めしたいと思うんですけれども、少しこういう委員会があって、議論したという価値の中で、その点は書きとどめていただけたらという気がして申し上げました。本文でも、やはりそういう意味で、歴史的な発展の中で砂丘地と低平地がどんなふうに発展してきたかという話と、そちらの両方もやはりこの地域として大事なんだということをきちっと書くべきで、低平地の発展後この地域をどう守るかといった中で放水路計画が決断されたのだというふうなシナリオが、今のさらっとした整備計画の中にちょっと読めない。それは一番最初に、いろいろ書いてあるんだけれども、砂丘丘陵地と低平地の発達状況がまた記載が十分でないこと、それから最後にここは特別ですので、放水路決断に至るどういう判断があったかということ、それからやはりそれに対しては地域流域全体での相互理解と互恵といいますか、片方が恩恵を受ければ相手に対して恩恵を考えるというような地域間のやりとりみたいなものも含めて、後ろのほうに書いて合意に至る道筋まで少し、道筋を示すような雰囲気だけでも基本方針に書けないかなと思いました。
 あとは、個別のことですので、発言が長くなりますので、きょうはこれで結構でございます。
(委員長)  地元の詳しい河川工学の委員からこれだけ意見が出ると、もう1回ぐらい審議をやらなければならないという気にもなるんですが、若干私もこの計画には行政側にいたときから担当していましたので、その説明が現場で足りないのかなといらいらしながら聞いているんです。工事実施基本計画、昭和46年、資料1−2の2ページで、もともともう保倉川は全部海へ出す。100m3/sだけ流す、ほとんどゼロにしていた。ここが鉄道とか何かの密集地帯で、大変厳しいところだったんですが、その後の昭和61年ですか、大水害の後で、放水路を抜く暇がない。何とかしてくれというので、これが放水路700m3/sで、本川1,300m3/sという計画を急遽62年に変えました。このとき私は担当課長だったものですから鮮明に覚えていて、あらゆる努力の結果このように結論したと、当時の最大限の判断としてこうなったということです。そのときに、どうせやるんだったら全部関川に合流させたらどうだという大議論をいたしました。しかし、とても広げるのはもうこれ以上無理でした。それから本川も昭和46年以降の大引堤のあった後で、再引堤は無理でした。そういう判断で決まったという説明が何となく外事に聞こえるもんだから、おそらく○○委員も地元からそういう説明は余りなかったんかなということでしょう。そもそも昭和46年の大引堤の説明がさらっと現地でされていることに懸念をするし、このままではなかなか放水路も地元では納得してくれないんじゃないかと懸念をいたします。そういう事情説明はちょっと地元側に理解を求めながら、最終的にこの扱いはまた県知事さんのご意見を承って判断したいと思います。
(委員)  地元には多分きちっとされると思いますし、私自身も説明も受けていますので、私は、今回事務局の説明だけでむしろ委員会への説明が十分でない。委員会というのは全国的な発信の場でもある、委員会の議事録はきちっと公開もされているし、資料も公開されているわけですから、全国的な議論をしたときに、北陸のここの事情が十分全国的レベルで認識されていないことがむしろ問題だということで、きょう、意見を述べさせてもらって、私自身は委員長がご存じであることも認識しているし、地元では十分、多分それはここの委員会以上には認識されている中でのまだ不満があるというところなんだというとこで私はあえて発言させていただいて、この会で了解いただくことについては私は賛成でございます。
(委員長)  わかりました。議事録にとどめたということでご理解いただきたいと思います。
 それでは肝属川のほう……。
(委員)  議事録にとどめるだけでなくて、先ほど言いましたように、本文中でこの地域の発展の仕方と、それからもう1つは合意への道筋、連携への道筋というものを少し工夫していただきたいというのが意見でございます。
(委員長)  わかりました。それではまた、案文を提案していただきたいと思います。
 それでは次に、肝属川のほうのご専門である〇〇委員からお願いいたします。
(委員)  水質の立場から一言ご報告します。
 肝属川の周辺には透水性の非常に良いシラス台地の上で畜産業並びに、そこでは水がなくて、農業が行われなかった場所に大隅湖というダムをつくり、そのダムからの水を導水して、台地の上で農業が行われています。畜産・農業の影響を受けた肝属川の問題が、将来起こるのではないのかなと考えておりました。先ほどいろいろ報告がございましたように、面積当たりの豚の数が非常に多い。人間は数万人ぐらいのところに豚は10万頭ぐらい、人間に比べて豚は10倍から20倍と言われるぐらい、汚濁負荷量が多い。現在、鹿屋市で糞尿処理センターがつくられて堆肥化されています。しかし、堆肥化されたものがほかの地域に持っていかれるのではなくて、また周辺のシラス台地――農地に還元されている。そこが問題ではないかと思います。
 先ほど、河川整備基本方針(案)の9ページに書かれているように、いろんな関係機関、農畜産関係であるとか鹿屋市、それからその周辺住民の方々、協力体制がないとなかなかこの肝属川は生き返らないのではないかと思います。
 現在、国交省で、清流ルネッサンスUというような10年計画が進んでおり、それに対する周囲の方たちの関心が非常に高い。このような機会をとらえ、水に親しむ環境教育の場として肝属川の汚れた河川という汚名を返上すべく、努力したいという地域の協力体制要望があるようでございます。この際、国交省で引き続いて音頭をとっていただき、適正規模の畜産頭数とか、あるいは適正施肥農業のやり方、農畜産の方々との連携をとっていかれる必要があると思います。この基本方針に書かれている案のとおりで結構であると思います。以上でございます。
(委員長)  わかりました。それでは、〇〇委員のほうからお願いいたします。
(委員)  前回休んでいたので、ひょっとしたら前回若干触れられていたのかもしれないんですが、肝属川の場合は、水災害のうちの7割が台風被害だということなんですね。太平洋に面していて、志布志湾が南東に開いて太平洋に直接つながっているということからやっぱり高潮がどうしても心配になってきます。地球温暖化で、今後台風が強大化すると言われているわけですが、高潮での吹き寄せ効果による水位上昇というのは高波と同じでヘッチといいますか、吹送距離が直接かかわってくるわけです。こういうふうに太平洋に面しているということで、吸送距離が非常に大きくなる可能性がある。ただ、先ほどのご説明で、1.4kmまでの高潮区間は堤防の補強が進んでいるからということで、余り触れられていないのかなという気がするんですが、もともと鹿児島ということで台風銀座、それからこういう地形的なものを考えると、台風のコースや強さ、それから干満が一致すると、すぐ超過洪水になってしまうのではないかという気がします。では、今、どうしたらいいのかというと、これは非常に難しいのですが、鹿児島県の大隅半島、それも太平洋側に位置しているということから、基本方針に一言ぐらいやっぱり高潮のことに触れていていいのではないかなという気がします。その点いかがでしょうか。
(委員長)  じゃ、また案文のほうでひとつご議論いただきたいと思います。
 それでは、〇〇委員お願いいたします。
(委員)  どの河川ということではないんですが、時間ということで1つお願いがあります。基本方針とか整備計画いずれにおきましても、最後の到達目標の姿は記載されているんですけれども、それに達する早さというのは記述されていません。きょう、工事を早く進めるという視点ではなくて、生物生息空間を確保するという視点で、生物の移動を考えた人為的働きかけの速度を調整するという考え方をどこでも結構ですので、どこかに含めていただければと思います。以上です。
(委員長)  ではまた案文のご提案をお願いいたします。
 それでは〇〇委員お願いいたします。
(委員)  まず、1点目、今ごろこんなことを言ってという気もしながら、本文中の維持管理についての部分の書き方が、これでいいのかをまず確認させてください。それは、どれでもいいのですが、関川のもので見ていますと、資料3−2の6ページです。基本方針の中に河川の維持管理について書く、それから整備計画でも河川の維持管理について書くことになったのは十分承知しているのですが、この6ページの下から5行目、河川の維持管理に関しては災害の発生の防止、河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持・・・・と 書かれています。そのすぐ後に、ア、イ、ウに同じように大きく出てくるんです。ほんとうにこのア、イ、ウに相当する大きな見出しの文章と同じものが河川の維持管理で書かれていいのかどうか疑問に感じます。河川の管理と言ったらこの書き方はわかるんですけれども、維持管理という言葉でこういう書き方をするのが、ほんとうの意味を伝えているのか、今後ともこの書き方でいいのかなということです。
 河川の管理というと河川行政そのもののいろんなことを言っていると思うんですが、維持管理というのは、どちらかというと比較的狭い意味の管理で使っているように思います。この書き方で、皆さんはよろしいと思っているんでしょうか。すなわちここに維持管理について5行書いた後、すぐ同じことがア、イ、ウで大きく出てくるということに疑問を持っています。
 第2点目は各論ですけれども、十勝川は私が申し上げたように、今後、調査しながらいろいろやっていきますということを、河道掘削による河積の確保、また河道の維持、河川環境に配慮して実施するとあわせながら、その上に現象の十分な把握を目的とした監視調査を継続的に実施し、その結果を踏まえて必要な対策を行う、これはこれでよろしいと思うんです。しかし、関川が何か普通の河川と同じ表現になっちゃっているなと感じます。私はもうちょっと強い意識で申し上げたつもりなんですが、それは7ページです。単純に河道掘削による河積の確保に当たってはというのがアのところで数行下に出てくるのですが、河道の安定・維持、河川環境に配慮するとともに、監視・把握しながら計画的に実施するという書き方になっています。これはまあ、当然の話なんですが、もうちょっと関川の問題として書き込めないのかと。上流も、中流もそういう問題があるだろうと思いますが、河口のところは問題が大きいにも関わらず、これではわかりづらい。単なる監視・把握しながらではないんじゃないかなと私は思います。以上です。
(委員長)  じゃ、また具体的な案文あるいはどこが不十分だと思っているのか、お聞かせいただいた上でご提案お願いいたします。
(事務局)  済みません、事務局から1点だけ補足させていただきたいのですが、河川の維持管理に関しての文章の後にア、イ、ウがあるのではなくて、(2)の関川水系ではから始まって、3つの段落がございますけれども、これらをあわせて、前文みたいな形になっておりまして、その後にア、イ、ウが出てきているという、そういう記述になっております。ちょっと見方がわかりにくいところがありますので、工夫はさせていただきますけれども、考え方はそういう考え方になっておりますので。
(委員長)  それでは、〇〇委員お願いいたします。
(委員)  生物に関しては、細かいことなのでここで討議するまでのこともございませんので、コメントを書いてありますので、後で見ていただければいいと思います。
(委員長)  〇〇委員お願いいたします。
(委員)  十勝川、肝属川の地震津波対策については議論もかなり出ましたし、これで結構でございます。
 関川なんですが、この間申し上げなかったんですが、過去の災害としてぜひ入れていただきたいものがあります。ここには洪水のことは随分書いてありますけれども、実は、たしか昭和53年だったと思うんですが、妙高山の山麓で大規模な土石流災害が起きまして、太田切川だったか白田切川だったか、ちょっと今、記憶があいまいですけれども、多くの死者が出る災害がありました。これは突然の土石流だったんです。考えてみますと、この関川の上流部というのは、妙高山であるとか焼山というような火山があります。火山の噴出物というのは、大変崩れやすいというか未固結でありますので、大雨などが降ったり、あるいは火山が噴火したりしますと、たちまち泥流、土石流を引き起こすということでありますので、これは当然大量の土砂生産が行われるということになります。これはやはり今後の上流部での防災上の課題になってくるのではないかと考えておりますので、その上流部の地質環境も含めた過去の災害もぜひ入れていただければと思っております。以上でございます。
(委員長)  案文等でご意見ありましたらお願いいたします。
 それでは〇〇委員お願いいたします。
(委員)  しばらくしっかり見てなかったのですが、ちょっと気がつきました。つまんないことですが、参考図というのが本文に必ず載るんですね。よその図面を持ってきて使ったからしようがないと思うんですが、例えば関川では保倉川のところに直轄機関の矢印が残っていますし、氾濫域は要らないのではないかと思いますし、これは3つを比べてみるとよくわかるのです。十勝川のほうにはスケールが入っていません。ほかの2つには入っています。それから肝属川には何かスケールの下のところに余計なのがくっついています。というふうなことでありますので、よろしく。ときどきしっかり見ていただくようにお願いいたします。
(委員長)  じゃ、そこはお願いします。ただ、氾濫区域は、私は載せたほうがいいと思いますので、私の意見でございます。
 〇〇委員お願いいたします。
(委員)  本文につきましては特にこれでよろしいかと思っておりますが、先ほどから肝属川の関係で、畜産の水質汚濁の話がございましたが、畜産の廃棄物対策というのを農水省としても本格的に取り組むことにしておりますので、これで多分全国的にもかなりそこら辺は軽減されるだろうと思っています。特に鹿児島、宮崎というのは、窒素収支でいきますと、ばかでかく収入のほうが多くて支出が少ないところでございまして、まさに県全体で畜産の窒素過多分をどうにかしなくてはいけないと、そんなような問題意識も持っているところかと思っております。
 それからもう1つ、ちょっと教えていただきたいのですが、肝属川水系の4ページ、河川の流況がいいということで、平均渇水量の比流量で2.2m3/s/100km2というこの表現でございます。僕は、川を比較するときの比流量というのは、非常に比べやすくて好きなんですけれども、豊か、ある程度流況がいいという、または普通の流況というのは、100km2を大体1m3/sぐらいの平均渇水量を想定されておられるのかなと感じるのですが、そこのところをちょっと教えていただけたらと思います。
(委員長)  説明をお願いします。
(事務局)  平均渇水流量の全国の平均は大体100km2当たり0.7から1m3/sぐらいの間ということに、データだけ見ますとそういうことになっております。
(委員長)  よろしゅうございますか。
(委員)  それに比べてということですね。
(委員長)  それでは〇〇委員、お願いいたします。
(委員)  関川についてですが、8月の地元の新聞に、上越関川の川底から縄文中期の埋没林70本が発見されて、NPOや地元グループが調査中という記事が載っておりました。また関川には以前から埋没林が発見されているようで、高田の河川国道事務所で年代を測定したり、樹種を特定したということも載っておりました。埋没林については、これからも発見されることもあると思いますし、また現存のものは環境学習の場としても利用される可能性もありますので、流域及び河川の概況の項目のどこかで、こんなものがあるぞと、その存在について一言触れておかれたほうがいいのではないかと思います。
 それから同じく関川の10ページの最後の地域の魅力と活力を引き出す積極的な河川管理のところですが、十勝川や肝属川のこの項目の記述に比べてちょっと簡単過ぎるので、関川でも市民団体等の活動が行われておれば、そういったことについてもつけ加えておかれたらいかがかと思います。以上です。
(委員長)  これは、検討してください。
 それでは、大変お待たせしましたけれども、北海道知事さんのほうからご意見を承りたいと思います。
(委員)  本文の全般につきましては異存はございません。北海道は現在、食と観光に非常に力を入れており、その1つの柱である食の分野ですが、食料の大きな産地である十勝圏域における十勝川は、まさに圏域の大動脈に当たると認識をしておりまして、多くの委員の方が熱心なご審議をいただいたことに非常に感謝申し上げたいと思います。
 資料にもございますが、十勝川は平成13年と15年に大きな被害を受けまして、15年は人命まで失われております。その後、平成16年、17年というのは、全道的に災害が少なかったのですが、今年度は種々な災害が発生したこともあり、また以前のように年に数回大きな洪水被災を受ける時代がやってくるのではないかと危惧をしております。また地震につきましても、平成5年、平成15年と大きな地震に見舞われて、先ほど〇〇委員からもお話がありましたが、築堤にも大きな被害を受け、その後の雨に不安を持ったことを記憶しております。今年は震度4以上の地震は1回しか発生しておりませんが、それ以下の地震は数多く記録しているところです。河川の整備は非常に長い歴史の中で、一定程度の整備は行われてきているのですが、災害がこれからも来ることを考えますと、まだまだ十分ではないと考えているところでございます。
 また、十勝地方というのは、屯田兵ではなく、民間による開発というちょっと変わった歴史の経過もございまして、非常に地元の方々の河川に対する関心も高い地方です。例を挙げますと、市街地を中心に、国とあわせて8カ所の水辺の楽校というプロジェクトにより河川が整備され、子供たちを中心にいろんな活動が行われているところでございます。このように、河川の利用と非常時の安全確保という面で、地域の中で注目をされておりますので、北海道におきましても、水系の整備を推進するために早い時期の基本方針の策定をお願いしたいと考えております。以上でございます。
(委員長)  一応じゃ、この原案を骨格として固めてよろしいですね。わかりました。
 では、新潟県知事さんのほうからお願いいたします。
(委員)  本日は関川の河川整備基本方針をご審議いただきまして、大変ありがとうございます。特に放水路の問題、地域の抱える課題として非常に大きい関心のある課題でございます。私も平成8年のときに現場のほうにおりまして、保倉川のほうの激特事業の、県のほうの担当をやっておりました。その際にやはり放水路が必要だということで、国のほうから地元説明に入っていただきましたけれども、なかなか地元の合意は得られなかったというのが実情でございます。
 この説明の資料の中にも、やはり上越地域そのものが、今までものすごく苦労をして河川と戦ってきた、要するに洪水と戦ってきたという歴史が如実に書かれております。そういった中で、これからどうしていくのかという議論の中で、ものすごく議論を重ねた結果としてやはり放水路はやむを得ないのではないか。ただこれを行うにはやはり地元の合意形成が大変必要だということで、今、国のほうからもフォーラムを実施していただいたり、やっておりますので、またその経緯を見ながら事業の進捗を進めていただきたい。特に保倉川のほうにつきましては、先回も説明しましたとおり、本川の関川に比べまして安全度がまだ低うございますので、やはりそれを解消するためにも、急いでやらなければいけない事業だというふうには認識しておるところでございます。そういうことで、ほんとにこの上越地域というのは、ちょうど今、北陸道、それから上信越道、それから北陸新幹線、また直江津港も今、大幅に改築をやっているところでございまして、非常に交通の要所としての重要な地域でございますので、ほんとに治水安全度が早急に図られるように期待しておるところでございます。そういうことで、ぜひこの関川の河川整備基本方針を早急に確立していただきまして、整備計画に向けてまたいろいろご検討願いたいと思っておるところでございます。今後ともまた関川水系の整備、それから維持管理、保全に当たりまして、各委員の皆さんのご意見、それからまた国ご当局のご指導をお願いしたいと考えておるところでございます。本日はどうもいろいろありがとうございました。
 最後になりましたが、平成7年度、先ほどの水害、それから10年、12年、16年と、ほんとうに連年新潟県は大災害に見舞われております。また中越大震災におきましても、皆様からのご支援をいただきまして、ようやく今年度末で何とかいろいろ復旧に向けては、見られるといいますか、期待されるものが大体つくれるところまでまいりました。これからまた復興に向けまして頑張っていくところでございますので、いろんな機会を通じまして皆様のご支援をいただきたいと、感謝を申し上げるとともに、お願い申し上げまして意見とさせていだたきます。ほんとうにありがとうございました。
(委員長)  一応それではきょうの提案の案文の骨格でいいと判断してよろしゅうございますね。いずれにしても、国だけでも県だけでもできる話ではなくて、十分な連携のもとにやっていただくよう、委員会としてもお願いしたいと思います。
 それでは鹿児島の県知事さんお願いいたします。
(委員)  本日は、肝属川の河川整備方針のご審議ということでありがとうございました。本文についての意見は特段ございません。これでお願いしたいと思っております。
 肝属川におきましては、去る6年前ですけれども、鹿屋の分水路というのができまして、市街地の治水安全はほんとうに向上いたしました。ところが、先ほど〇〇委員からのお話にありましたように、肝属川の場合は台風による水害といいますか、昨年、台風14号でも流域内の浸水が発生しております。まだ整備のほうはほんとに必要だと思っておりますし、ただこのハード整備の場合につきましても、財政的とか時間的には制約がございますので、これもあわせて、ソフト対策も含めて県も一体となって取り組んでいきたいと考えております。
 またきょう、いっぱい意見をいただきましたけれども、水質の問題ですけれども、鹿児島の場合には大隅半島、この肝属川流域が県の黒豚、黒牛というふうな恰好の家畜の大きな生産地帯になっております。ですからこのあたりの対応ということで、先ほど話がありましたように、窒素の生産量の縮減というふうなものも取り組んでいかなければいけないと思っておりますけれども、これまた国土交通省の皆さん方と一緒になって取り組んでいければと思っております。
 また最後に、利用という観点から、水辺利用ということで、水辺プラザの整備を進めてまいっておりますけれども、これはやっぱり、貴重なオープンスペースということで、活用されるように利用促進に努めていきたいとも思っております。
 また、本日のこの河川整備基本方針をもとにしまして、早期に河川整備計画を策定していただければと思っております。ほんとうにどうもありがとうございました。
(委員長)  それでは、あらかたの意見も出尽くしたと思われますので、本日の議論を踏まえ、皆さんからいただいたご提案等も事務局において整理していただきつつ、十勝川等3水系の河川整備基本方針を取りまとめたいと思います。
 ご提言については、私の責任において他河川との調整等もございますが、その上で、皆様にご確認を得た上で、河川整備基本方針本文を取りまとめ、河川分科会にご報告したいと思います。この件につきましては私にご一任いただければ幸いと存じますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
(委員長)  ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。各委員には、本議題につきまして、短時間の中で熱心なご審議、ご議論をいただき、また貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。特に、審議対象の十勝川水系の関係委員としてご参加いただきました〇〇委員、〇〇委員、関川水系の関係委員としてご参加いただきました〇〇委員、〇〇委員、肝属川水系の関係委員としてご参加いただきました〇〇委員、〇〇委員の各委員におかれましては、今回をもって最後の委員会となります。地域の実情を踏まえた貴重なご助言などをいただきありがとうございました。
  最後に、本日の議事録につきましては、内容について発言者の氏名を除いたものとし、各委員のご確認を得た後、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することといたします。本日の議題は以上でございます。

 

3.閉      会

(事務局)  ありがとうございました。
 〇〇委員におかれましては、社会資本整備審議会の委員を10年間務めていただき、本日は最後の委員会となりました。どうも長い間ありがとうございました。それでは〇〇委員からごあいさつをお願いしたいと思います。
(委員)  10年前に河川審議会の委員に任命されまして、振り返ってみるとその10年前というのが平成8年、1996年12月だったんです。この年は12月6日に、例の蒲原沢の大災害があった年でありまして、考えてみるとあっという間に10年たってしまったなあと、そんな思いでおります。特に最近は、この小委員会で、私の分野である地震とか津波、火山の噴火、さらには土砂災害などについて、いろいろ意見を述べさせていただきまして、多少はお役に立ったのではないかと思っております。ただ、私は河川が専門ではございませんので、この委員会で河川の専門の皆さんから伺ったことは大変勉強になりました。こうして得た知見を、今後の防災対策に私自身も生かしていこうと思います。
 また、河川の整備基本方針、これからもまだ続くわけで、さらに多くの一級河川について続けていくと思いますけれども、私の分野でご協力ができることがあれば、どうぞ内々にご相談いたしますから、事務局のほうもご遠慮なく連絡をいただければと思っております。
 簡単ではございますが、退任のごあいさつにかえさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
(事務局)  それでは、最後に事務局〇〇よりごあいさつを申し上げます。
(事務局〇〇)  毎回非常に長時間ご熱心にご審議いただいておりまして、厚くお礼申し上げます。
 今回は3水系の基本方針につきましてご審議を賜りました。我々といたしましては、早急に成案を得るべく、必要な手続を経まして世に出していきたいと思っております。ご審議大変ありがとうございました。
 また〇〇委員に対しましては、平成8年12月10日でございます。旧建設省時代の河川審議会のメンバーとしてご就任賜りまして、地震、津波等を中心にしまして、防災情報の専門家としていろいろご指導を賜りました。大変ありがとうございました。先ほど温かいお言葉をいただきましたが、審議会のメンバーから外れましても、ひとつ温かいご指導のほどよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
(事務局)  次回の本委員会の日時等は改めてまたご連絡をいたします。お手元の資料につきましてはお持ち帰りいただいても結構でございますが、郵送ご希望の方には後日郵送させていただきますので、そのまま席にお残しください。
 それでは閉会いたします。どうもありがとうございました。

  

 





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