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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第59回河川整備基本方針検討小委員会

平成19年1月29日


出席者(敬称略)
委員長  近 藤   徹
委   員  浅 枝   隆

綾   日出教
池 淵 周 一
上    真 一
岡 本 敬 三
谷 田 一 三
中 川   一
福 岡 捷 二
宮 村   忠
森    誠 一
森 田 昌 史
上 田 清 司
石 原 慎太郎
井 戸 敏 三
藤 田 雄 山


1.開      会

(事務局)  ただいまより、第59回社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催いたします。
 私、本日の進行を務めさせていただきます事務局○○でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、お手元に配付しております資料のご確認をお願いします。まず、議事次第、名簿、配席図がございます。次に、資料目次がございます。資料1、補足説明資料、資料2、河川整備基本方針における正常流量の記載方針について、資料3、荒川水系、揖保川水系、太田川水系、3つございますが、河川整備基本方針(案)の骨子、1、2、3とございます。それから、資料4、工事実施基本計画と水系の河川整備基本方針(案)ということで、これも3水系ございます。それから、参考資料が、1、流域及び河川の概要ということで、こちらも1、2、3と3水系分ございます。参考資料2、管内図、こちらも3水系分ございます。参考資料3、流域図、こちらも3水系分でございます。参考資料4、特徴と課題、これも3水系でございます。参考資料5、河川整備基本方針の基本高水等に関する資料(案)、こちらも3水系分ございます。参考資料6、流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する資料(案)でございます。こちらも3水系ございます。参考資料7、土砂管理等に関する資料(案)と、こちらも3水系ございます。
 資料に不備がございましたら、お申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、本日はBグループでございます。○○委員、○○委員、○○委員、○○委員は、ご都合によりご欠席されております。
 また、傍聴の皆様におかれましては、傍聴のみとなっております。審議の進行に支障を与える行為があった場合には、退出いただく場合があります。議事の進行にご協力願います。
 それでは、委員長、よろしくお願いいたします。

2.議      事

(委員長)   ○○でございます。本日は、委員の皆様には、ご多用中のところ、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、議事に入ります。
 前回は、荒川等3水系の特徴と課題につきまして審議いただきました。今回は、前回の審議を踏まえて、荒川等3水系の河川整備基本方針の本文案について審議をいただきたいと思います。
 その前に、前回質問がありました事項について、事務局より説明をお願いいたします。
(事務局)  事務局を務めさせていただいております○○でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料で、まず補足説明資料という資料1、こちらのほうで前回のご質問、ご意見に対する説明をさせていただきます。また、あわせまして、お手元に資料2として「正常流量の記載方針について」というペーパーを配ってございますが、これにつきましてもご説明をさせていただきたいと思います。
 それでは、お許しをいただきまして、座って説明をさせていただきます。
 資料1、1ページをお願いいたします。前回の委員会で、○○委員から、荒川水系についてですが、洪水氾濫等により甚大な被害を受けるため、首都圏では治水対策をしっかりと講ずるべきではないか、首都を守る気構えでしっかりやれという叱咤激励をいただきました。これにつきまして、少し補足説明をいたします。
 沿川には資産・人口が集積して下流にはゼロメートル地帯を抱えております。ひとたび氾濫すると、政治経済の中枢機能に障害が発生するとともに、地下鉄等の交通麻痺や電力途絶による経済活動停止等の甚大な被害が発生いたします。
 破堤等による壊滅的な被害を防ぐために、高規格堤防の整備、堤防補強、それから高潮堤防や水門の整備等、ハード対策を推進するとともにソフト対策を推進することが必要という認識でございます。
 氾濫時でも被害を最小化するために、これまで幾つかの委員会でご提言をいただいています。そういったことを踏まえまして、必要な対策を講じていこうというふうに考えております。
 また、最近では政府全体となった取組みといたしまして、中央防災会議、こちらのほうで委員会を設置いたしまして、荒川等の氾濫による被害が甚大な大規模水害について検討をするということになってございますので、ご紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、左側、我が国の中枢機能が水没というところがございます。荒川が破堤しますとどういうことが起こるかということでございますが、都内の鉄道・地下鉄35路線、167駅、首都高のIC44箇所、主要国道7路線、これが浸水するということで、交通途絶等の麻痺状態が生じます。日本の全ての証券を取り引きする「兜町」、それから、大手企業の本社が立地する「大手町」、こちらも浸水し、経済の大混乱。さらには、我が国の行政の中枢機能、ここ「霞ヶ関」でございますけれども、ここも孤立状態となるということで、行政機能も麻痺するということが想定されます。
 それらを少し整理したのが、左下にございます「社会的影響は甚大」というところにございますけれども、直接被害、間接被害を含めますと、かなり大規模な被害が出るということで、被害総額は約33兆円という見積もりもございます。
 右側のほうに参りまして、壊滅的な被害の防止と減災対策ということでございますけれども、最近、大規模な水害、それから、アメリカで起きましたハリケーン・カトリーナ、こういったことを踏まえまして、大規模降雨委員会、そちらのほうで「洪水氾濫時・土砂災害発生時の被害最小化のあり方」、こういう提言をいただいてございます。また、ゼロメートル地帯の高潮対策の検討会、こういったところで「ゼロメートル地帯の今後の高潮対策のあり方について」ということで、ご提言をいただいております。こういったことを踏まえまして、ハード、ソフト両面の対策を実施するということでございます。
 さらに、政府全体といたしましては、右下にございますとおり、総理が会長を務められております中央防災会議、こちらのほうに「大規模水害対策に関する専門調査会」というものを昨年の6月2日に設置いたしまして、現在検討を進めておるところでございます。ここでは、荒川や利根川など、こういった大河川が氾濫して首都が大きな被害を受けた場合を想定いたしまして検討を進めてございまして、いずれにしましても、政府挙げて荒川、利根川、こういった重要な河川の災害対策に取り組んでいるということでご承知置きいただければというふうに思います。
 次のページでございます。荒川の横堤に関するお話でございます。○○委員からもご指摘ございました。○○委員からもご指摘ございました。さらに、委員長からも、歴史的な経緯を踏まえた対応が必要ではないかというご指摘がございました。それにつきましての説明でございます。
 大正7年から着手されました荒川中流部の改修工事、これによりまして河川敷に多数の家屋が残存いたしております。川幅を広く取って堤防をつくったということで、河川敷に多数の家屋が残存したということでございます。近年の洪水時を見ましても、大規模な浸水は確認されていない状況ではありますけれども、住民の安全の確保の観点から、ソフトの対応も必要でございますし、今後の河川整備にあたって、生活環境に配慮した治水対策の検討が必要というふうに考えてございます。
 まず堤外家屋の現状でございますけれども、左上のところに写真等ございますけれども、荒川の44k付近、こういったところにかつて堤外の家屋がございまして、改修にあわせまして横堤の横に集められたという歴史がございます。それが左下でございまして、堤外家屋の移転というところがございますけれども、荒川中流部の改修のにおいて、改修の最中にというんでしょうか、昭和13年、16年、22年、23年の洪水により、堤外家屋に大きな被害が発生した。このため、堤外家屋の多くを横堤の付近に腹付を施した盛土工――下のほうにイメージ図がございますけれども、横堤というものの横に盛土をしまして、その上に移転をさせるような対応をとったということで、ちょっと小さいですけれども、そこに写真がございますけれども、水路の横に横堤がございますけれども、このすぐわきに家が並んでいる状況がわかるかと思います。横堤の付近には50戸、それ以外にもいわゆる堤外家屋というのは10戸あるというようなことでございます。
 洪水時の状況は、右側にございますけれども、盛土がしてございますので、こういうふうな浸水の状況でも、堤外家屋は最近の洪水の際には無事な状況であったということでございますけれども、やはり孤立するとか、いろんな生活の不便な面とか、万が一の危機管理だとか、そういう観点で抜本的な対策が必要ではないかということでございます。
 今後の方針といたしまして、右下にございます。堤外家屋の歴史的な経緯を踏まえつつ、治水対策の実施を検討ということでございますが、ここに例示として小貝川の母子島遊水池を示してございまして、こんなやり方をやるということではないのですけれども、例えばの例として、こんな例もありましたということでございますが、小貝川で母子島遊水池というのがつくられる段階で、点在しておりました家屋、これを一カ所に集めて集約化したというようなこともございます。こういうような例も踏まえつつ、歴史的な経緯を勘案して、多様な手法を駆使して対応する必要があるのではないかというようなことでございます。
 次、3ページでございます。中流部における調節池群ということで、○○委員から、川幅の広いところで遊水池を、それも複数つくるということだが、どうやって、どういう間隔で、どういうふうにやるんだというところがなかなか難しい、そういう技術的な面からの検討が大事ではないかというご指摘でございました。
 荒川中流部では、広大な高水敷と横堤を有しております。これを活かして、その遊水機能を活かした洪水調節というのを今までやってきておりましたけれども、さらにそれを効率的、効果的にやるということで、連続した調節池群の設置を検討してございます。そういった調節池で計画どおりの洪水調節を行うためには、越流堤の構造等十分な検討が必要でございます。さらに連続する調節池の場合、全国でもあまり例がないものですから、調節池相互の水理的影響が複雑となるというようなこともあって、一層効率的・効果的な洪水調節を行うためには、相当しっかりした技術的な検討が必要だというふうに考えてございます。このため、今後とも洪水時の水位観測等の調査・研究を行うべきだというふうな考え方でございます。
 基本方針における中流部の洪水調節ということで、左上にございますけれども、先ほど申しましたように、これまでの横堤と高水敷という遊水機能を活かしたやり方から、中を仕切りまして、堤防と横堤をつなぎ、連続した調節池群の設置を検討ということでございます。左下にございますけれども、第一から第五まで、これは現在の工事実施基本計画でも5つの調節池を検討してございますが、こういうふうに並べまして、遊水効果をより計画的に管理していこうという考え方でございます。
 既に完成しておりますのは荒川第一調節池でございまして、規定計画に基づいて、平成16年に完成してございます。やはりこういう施設をつくる際には、越流堤の幅だとか、越流水深だとか、そういう技術的な検討を十分に行ったというようなことでございまして、その成果もございまして、平成11年8月の出水時には690m3/sの調節効果があったというようなことも報告を受けてございます。
 今後の話ですが、右の下にございますけれども、連続する調節池となるため、調節池相互の水理的影響が複雑となるため、さらには、連続した幾つかの調節池をどういう順番で使っていくのかとか、同時に入れるのかとか、いろんな検討が必要でございまして、そういう検討を経て、より効率的・効果的な洪水調節を行うというような観点から検討が必要だというふうに考えてございます。このため、模型実験のみならず、広大な高水敷と河道における洪水時の水位観測など、効率的・効果的な洪水調節のための調査・研究が不可欠だというふうな認識でございます。いずれにいたしましても、初めての取組ともなりますので、先生方のご指導を得ながら、技術的な検討を深めてまいりたいというふうに考えてございます。
 荒川につきまして、準備した資料以外に、ちょっと補足をさせていただきます。前回の小委員会で委員からご発言のあった件でございます。何点か補足説明をさせていただきたいと思います。
 まず、○○委員から、荒川の正常流量でサケを検討の対象にしてはというご質問がございました。我々調べましたが、サケは利根川が南限というふうに言われているということで、荒川には生息はしておりませんで、正常流量の検討にあたりまして、現時点で生息していないサケを対象とするまでの必要はないのではないかというふうに考えております。
 なお、蛇足でございますが、多摩川で「カムバック・サーモン」というような取組が行われておりますけれども、本来多摩川には生息していないというご指摘もありまして、いろんなご意見があったというふうに伺ってございます。
 順不同でございますが、次は、○○委員から、荒川の河口部で土砂が堆積しているが、掘削により維持できるのか、実態をちゃんと調べてほしいというご指摘がありました。荒川の河口部につきましては、計画高水流量が7,000m3/sに対して、現況の流下能力が6,350m3/sということで、現在の計画では不足分を掘削するという考えでございます。また、この川は、ご承知のとおり、船舶の航行が非常に頻繁だということもございまして、喫水深を維持するために掘削も必要となっています。そういうこともございますし、近年の洪水の際のデータを見ますと、河口部の土砂はフラッシュされておりませんでしたし、今後ともさまざまなことを踏まえまして、横断測量をはじめ、モニタリングを実施しながら、適切な河床を管理、こういったものを行っていきたいというふうに考えてございます。
 それから、○○委員から、昭和48年の工実改定の扱いはもっと丁寧にしたほうがいいのではないかというご指摘がございました。これにつきましては、後ほど本文のほうに記載させていただきましたので、そちらでご説明をさせていただきます。
 それから、○○委員から、生物について、個別の種ではなく生物群で記述すべきではないかというご指摘がございました。これにつきましては、後ほどまた本文のほうでごらんいただくこととしてございますが、種の記載の際には、例えば、オオヨシキリ等の生息場所となるヨシ原とか、そういう生物と場を関連づけたハビタットの説明とさせていただいておりますので、そのハビタットのイメージをわかりやすくするために、代表種を記載しているというふうにご理解いただければと思います。
 それから、○○委員から、ハリケーン・カトリーナのような浸水被害が発生した場合に、排水システムをフル稼働させれば浸水期間はどのぐらいなのかというご質問がございました。これは、岩渕地点で仮に破堤した場合を想定しますと、既設の内水排除用ポンプが800m3/s強ございます。これ、すべてそういった状況下でフル稼働できるかどうかの保証というのは必ずしも確認できてございませんが、仮にフル稼働できたとすると、約110時間、4.6日で排除できるという想定でございます。実際にはそのとおり動かないものとか、ほかからの応援とか、さまざまなものがございますので、まだ今のところは確定した数字はなかなか申し上げにくいところでございます。
 以上、荒川についてのご説明でございました。
 次でございますが、揖保川でございます。4ページでございますけれども、○○委員から、龍野地点、ここは深掘れを起こしておりまして、河道計画がなかなか難しいというご指摘がございました。また、○○委員からは、水理学的にも検証しており評価できるというコメントをいただいておりますけれども、少しその辺の説明をさせていただきます。
 龍野地点でございますけれども、龍野地点は両岸とも家屋が連担し、それも小京都龍野とも言われておる景観形成地区や伝統の醤油産業、こういったものの連担している中を貫流していく河川でございまして、ちょうどその部分が狭窄部で堀込み河道ということになっております。低水路は狭くなっておりまして、左岸に偏っております。この区間、かなり狭くなっておりますので、高速流が発生して、洪水時に河床が低下する。実際には深掘れを起こしているというようなご指摘がございます。
 左側の平面図でございますけれども、これを見ていただければ、川沿いにずっとまちなみが形成されておるというのがわかります。特に右岸側は景観形成地区になってございます。左岸側にも家屋連担地区がございますし、この龍野の著名な醤油工場なども立地しております。ちょうどこのあたりが川幅が狭くなり、高水敷も一部なくなっているというようなところでございます。
 現況河道の課題でございます。右側の上のほうでございますけれども、高速流が発生している、あるいは河床が低下しているということでございます。一番右側の流速分布図がございますけれども、これを見ていただきますと、深掘れを起こしている13.2k付近、この辺では、6m/s程度の流速が発生しているというようなことでございます。特に中央部でなくて左岸側に寄っているというのが、ここでは問題になっているところでございます。
 それから、同じ箱の中の一番左、現況の河床変動の状況でございますけれども、これを見ていただきますと、13.2k付近で、平成16年の洪水によりまして、最深河床が1m程度低下したところが見られるというようなことがございまして、大変課題だというふうに認識してございます。
 また、計画高水流量流下時に推定しますと、現状よりもまた60cm下がるというような想定もございますので、ここの対応が必要だということで、その下の河道断面の設定というところにございますが、断面の設定の考え方でございまして、まず、周辺は引堤が困難でございますので、改修にあたりましては、狭窄部の低水路の形を見直しまして、高速流を分散させる。流速がなるべく平均化するように横断形状を変えるというような考え方でやってございます。これによりまして、13.2k地点付近は、6m/s程度あった流速が、4.5m/s程度に抑えられる。これに伴いまして、深掘れについても0.2m程度に抑制できるという、今、計算結果が出てございます。こういうような形で、ここの安全性を確保しながら整備をするという考え方でございます。
 また、あわせまして、○○委員から、基準地点はここでいいのかというご指摘もございましたけれども、一番左の下に書いてございますとおり、水文資料、ここの地点は長年蓄積されております。改修を実施するにあたりましては、仮基準点などを設置しまして、改修前後の水文資料の継続性が確保できるように措置していきたいというふうに考えてございますので、よろしくお願いします。
 それから、揖保川につきまして、資料を準備してございませんが、○○委員のほうから、林田川の水質改善について、導水を薄めるというのは本質的なことではないので、流域もも含めた実質的な改善が必要ではないかというご指摘をいただきました。これにつきまして、先回資料を準備してございましたが、全体の時間の関係もございまして、少し説明をはしょったところがありましたので、補足をさせていただきます。
 水環境の改善につきましては、「清流ルネサンス21」、それから、「清流ルネサンスU」という2回に分けて進めてございます。最初の平成6年から平成12年度に実施しました「清流ルネサンス21」では、河川管理者だとか港湾管理者で汚泥浚渫を行ったり、地元自治体で下水道整備をしていただきまして、さらには沿川工場の廃水の処理で、水質が劇的に改善されるということになっています。その後、「清流ルネサンスU」でも下水道整備が進みまして、水質が改善されましたけれども、その下水道整備というのが若干裏腹になっておりまして、それによりまして河川への放流水が減ったというようなことで、瀬切れをたびたび起こすなど、流況が悪化したということもございまして、その流況の改善のために、本川から余剰水を導水するというようなことが今行われているというようなことでございます。
 いずれにいたしましても、流域全体で運命共同体的に水質改善の取組は重要だというのは論を待たないところでございまして、地域においてこの「清流ルネサンスU」をさらに推進していくというようなことと聞いておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次でございます。太田川のほうに参ります。5ページをお開けください。
 まず、高潮対策についてでございますけれども、○○委員からのご指摘でございましたが、高潮対策事業につきまして、広島市というところの立地条件からすると、非常に重要な事業なので、スピードアップすべきではないかというようなお話でございました。平成16年の台風18号、○○委員からもご指摘がございましたけれども、これは比較的海の潮位が低いときに起こっているので、本当に大潮のときに重なると大変なことになるのではないかというご指摘があったかと思います。
 それにつきましては、「もし、台風18号が大潮の満潮と重なっていたら」という、左上のところにございますけれども、平成16年の台風18号の浸水被害状況が左でございますけれども、これが万が一大潮と重なっていたという想定にいたしますと、中心市街地も含めましたところがほとんど水没してしまう。右の上のほうが広島城になっておりますけれども、その周辺まで全部どっぷり浸かるという、そういうようなことが考えられる、大変な事態が起こっていたということが懸念されます。ただ、実際に、その平成16年のときのみならず、頻繁に高潮被害が起こってございまして、浸水状況は真ん中の写真に記載したとおりでございます。堤防をこうやって越水してくるという恐ろしい状態も見られてございます。
 現在、高潮の堤防の整備でございますが、上の段の一番右にございますとおり、台風の朔望平均満潮位時にルース台風のコースで伊勢湾台風規模の台風が通過した場合を想定して計画を立ててございますけれども、ここはもともとデルタ地帯で、軟弱地盤でございますので、一気にこれをつくるというのはなかなか難しいというのもございまして、段階的に施工するという方針をとってございます。
 これの整備状況が左の下でございまして、グリーンのところは堤防高4.4mというようなことが書かれてございますが、第3段階の高さまでは確保できているところでございます。黄色、赤のところは、それよりも低いというようなことでございまして、中心市街地に近いところのほうが低い状態になっているという、大変心配される状態になっております。
 右側でございますが、高潮対策事業につきましては、地権者等の関係もありまして、難しい問題はあるのですけれども、今後とも水の都広島にふさわしいまちづくりと一体となった整備を進めていかなければならないというふうに考えてございます。
 次の6ページでございます。中・上流部における床上浸水対策についてということでございます。○○委員からご指摘がございまして、中・上流部の川沿いの被災に対する具体的な対応策がわかりにくいというご指摘がございました。また、委員長からも、公共事業としてどうあるべきかというご指摘が最後にもございまして、これについてのご説明でございます。
 平成17年台風14号では、広島市の中心市街地は大きな被害はなかったのですけれども、中・上流部におきまして、太田川の本川沿いに浸水被害が438棟、道路冠水による通行不能が38カ所、施設被害35件、こういう大きな災害が出てございます。その被害の状況でございますけれども、上の図がずっとそうですけれども、左側が上流、右側が下流になってございますけれども、川沿いに、赤いところが浸水箇所でございます。道路冠水箇所は、スター印で示してございますけれども、こういうようにずっと被害を受けてございました。
 これに対する対応でございますけれども、やはり地域の地形特性、あるいは居住形態、これに応じた対応をすべきではないかということで、下に3つぐらい対応のイメージを記載しました。
 まず河川沿いの平地に人家が連担している地区でございますけれども、これにつきましては、連続堤による整備をしていこうと。場合によって、堤防にかかるところは移転していただくという考え方でございます。
 それから、河川沿いの平地の一部に人家が立地している地区でございますけれども、これにつきましては、田んぼだとか畑地と人家は区分いたしまして、輪中堤による整備などを検討するということでございます。
 それから、川沿いの道路に隣接して人家が立地しているのですけれども、そこが浸水が頻発している地区もございます。これにつきましては、道路の嵩上げにあわせた宅地の嵩上げ、いろんな整備手法があろうかと思いますけれども、そういったものを考えてございます。
 いずれにいたしましても、地域の特性に応じまして多様なメニューを準備して対応するというのが基本かというふうに考えてございます。
 次に7ページでございます。樹木管理についてということでございます。これにつきましては、○○委員から、樹木管理については、太田川で大変いい取組をやっているので、ぜひ紹介してほしいというご指摘でございました。太田川でございますけれども、河道内の樹木管理というものに資するために、○○委員からのご指導もあったと伺ってございますが、平成15年度より垂直の航空デジタル画像と河道内の樹木情報を照らし合わせる。そこに写真がございますけれども、川の中に赤いプロットがございますけれども、これが樹木でございまして、これにつきまして、1本ずつ戸籍といいますか、位置だとか、樹種だとか、大きさだとか、いろんなものを記録するということでございます。一番左の樹木調査表(例)とございますが、こんなふうに樹種、樹高、胸高直径、株数、枝下高、こんなようなことを一本一本調べてございます。
 それに対しまして、平成17年9月の出水で、かなり樹木が流されてしまっております。下側のほうの写真でございますが、左側が災害前、右側が災害後でございますけれども、こういうように、川沿いにありました大きな樹木も、かなり根こそぎに流されたというような状況が見られたというふうに聞いてございます。
 こういうような情報をもとに、今後の方針、右側にございますけれども、引き続き調査を実施しまして、要は、樹木と、例えば河道内の流速だとか、いろんなものの分布だとかと照らし合わせてみますと、どういう樹木が流され、どういう洪水との関係があるとか、いろんなことがわかってまいりますので、河道内の樹木管理、それから河道計画の検討、あるいは河川管理の今後の資料として活用するというような考え方でございます。
 次は8ページでございます。平成11年6月の土砂災害でございます。○○委員から、平成11年6月に、梅雨前線によりまして、「広島豪雨」と呼ばれる大きな土砂災害があった。それについて全然記載していないのはおかしいではないかというご指摘がございました。それを踏まえまして、今回、説明の資料を準備させていただきました。
 太田川流域には、上の左の図でございますけれども、ピンクのところでございますけれども、広島花崗岩類というふうに分類されている岩がございます。この花崗岩が風化しますと、「マサ土」と言われる、じゃりじゃりとした、風化した弱い土砂に変わります。こういうような「マサ土」が太田川の流域には広く分布しています。こういったところも広島市の周辺にございますものですから、その下にございますけれども、山麓まで進展した宅地開発と書いてございますが、山麓だけではなくて、山の上まで行っているところもございますけれども、昭和40年代以降の人口増加に対応するために、山のほうの開発が行われまして、こういったところが開発されてしまったということでございます。
 これに対しまして、平成11年6月の豪雨でございますが、上の右側に豪雨の分布もございますけれども、左側の図で、丸でプロットしたところが土石流の発生した箇所でございますけれども、3時間雨量の非常に大きかったところと全く重なってございますけれども、こういう雨で「マサ土」のところが崩れたというようなことでございます。
 これを踏まえまして、この地域、いわゆる直轄の砂防事業というのが新規に設定されまして、広島西部山系、こちらのほうが直轄砂防区域になりまして、集中的に土石流対策を実施することになりました。また、この災害を契機といたしまして、いわゆる土砂災害防止法、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律という法律が制定されました。これによりまして、土砂災害危険区域等の指定が可能になったというようなことでございます。太田川流域におきましては、こういう直轄事業による対応、さらには補助事業による対応、さらにはソフトな対応、こういったものをあわせましてしっかり対応していくことが必要だというふうに考えております。また、大きな雨が降りまして、土砂流出で河道内に異常堆積が生じた場合には、速やかに除去するという考え方でございます。
 あと、太田川のほうで、○○委員から、川海の一体性を取り組んだ河川計画が必要だというご指摘がございました。これは本文にも一部反映させていただきましたが、大変重要なことで、水源から海岸までの総合土砂管理というのは検討を始めてございますけれども、今後引き続き勉強していきたいというふうに考えてございます。
 また、○○委員から、放水路、河口部の河床は最近徐々に上がってきており、長期的に見た場合に、河口部がさらに埋め立てられれば、沖に河口が出ていくことになりまして、土砂もたまるなど、悪影響が出るのではないかというご指摘がございました。それにつきまして、資料は準備してございませんが、確かに堆積の傾向が、河口部の埋め立て浚渫による河床低下のリバウンドみたいな形で起こってはいますが、最近は比較的安定しているというふうに考えられると思っております。長期的に見た河口部の埋め立ての影響でございますけれども、海の深浅測量結果、海の測量結果によりますと、現在の河口から広島湾のほうに向けては、これは放水路の特性かもしれませんが、急激に落ち込むという海底地形になってございますので、現在の河口の先端がさらに沖合にどんどん出ていくというのは、今のところはあまり考えられないことではないかなというふうに思っております。仮に新規の埋め立てが行われることになっても、埋立事業者と協議・調整を行うということになってございますので、そこの段階で調整ができるのではないかというふうに考えてございます。
 一応前回の補足説明は行いましたが、さらに資料2のほう、あわせて説明をさせていただきたいと思います。○○委員のほうから、例えば、10分の1渇水流量と正常流量、この関係が大きく乖離しているものもあります、したがって、正常流量の考え方を一回ちゃんと整理してほしいというご指摘がございました。資料2のペーパーに整理をさせていただきましたが、説明の資料は、その2枚後ろについてございますA3の横長の紙を使って説明をさせていただきます。
 正常流量の確保に関する考え方というのは、平成16年5月の第12回の小委員会でご説明をしておりますが、正常流量は、動植物の保護、漁業、景観、流水の清潔の保持等を考慮するとともに、利水流量も併せて確保するために必要な流量であり、低水管理上の目標として定める流量であるということでございます。したがって、河川整備基本方針においては、確保の難易にかかわらず基本的にその流量を定めるべきものとするという考え方でございます。正常流量の確保を図るためには、既存の施設の有効活用や水利用の合理化、さらには河川管理者が新たな貯留施設をつくって補給する、さまざまな方法があるということでございます。そういう考え方が、平成16年5月に示されてございます。
 それから、正常流量の用途でございますけれども、左の下に整理させていただいておりますが、新規の水利権許可の判断根拠、ダム等貯留施設の建設計画・管理、河川環境の保全、その他というようなことで、さまざまな使い方が、河川の特性に応じて、あるいは地域特性に応じて用いられてございます。
 これらにつきまして、考え方の整理でございますが、右側の上でございます。「正常流量の確保」に関する基本方針本文での書き分けの考え方でございますが、現状において正常流量の確保の見通しがある場合につきましては、従来と同じような形で必要な流量を確保するというふうに書かせていただきます。それから、確保が困難、確保の見通しがない場合、これにつきましては、必要な流量の確保に努めるという書きぶりにしようというふうに考えてございます。
 それから、「正常流量の用途」に関する基本方針本文での記述でございますけれども、これまでの記述は、その四角の中に書きましたとおり、○○地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量については、利水の現況、動植物の生息・生育等を考慮して、概ね○m3/sとするというような書き方を従来してございました。
 今後の記述でございますけれども、先ほどと同じく、正常流量の確保の見通しがある場合と、見通しがない場合で書き分けることにしてございまして、正常流量の確保の見通しがある場合には、○○地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量については、概ね○○m3/sとするというふうにいたします。それから、確保の見通しがなかなか立たない場合、確保が困難な場合でございますが、○○地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量については、概ね○m3/sとして、以て○○、○○等に資するものとする。そこに入ってくるのは、下に書いてございますが、「流水の適正な管理」だとか、「円滑な水利使用」だとか、「河川環境の保全」だとか、先ほど正常流量の用途ということで左側で説明しましたような事項が入ってくるというような考え方でございます。
 以上、ちょっと長くなりましたけれども、前回の質問、ご意見に対応する説明をさせていただきました。
(委員長)  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの補足説明について、それぞれご意見を承りたいと思いますが、資料1の1ページは○○委員ですが、きょうはご出席いただいておりません。ここに私の名前でいろいろ委員会の報告等もございます。特にニューオリンズのゼロメートル地帯の破堤等を契機にしまして、我が国でも1,000mm以上の雨が降ったということから設置された、大規模降雨災害対策検討会で、私、委員長を務めました。ニューオリンズのようなことは日本には起こらないというのではなくて、日本にも起こるということを前提にいろいろお考えいただきたい。これは河川事業ばっかりで災害を防げるわけでもないんじゃないかということで、これをまとめたわけであります。今、内閣のほうでもやっているようでありますが、やっぱり道路行政から都市計画行政、住宅行政、全部束になってやるべきだというのがこのときの委員会の報告でございます。ひとつ国土交通省全体として取り組んでいただきたいということを一応申し添えます。
 2ページでありますが、これは○○委員からも出たんでしょうか。○○委員、いかがですか。
(委員)  こういうふうに留意していただければ結構で、新たな模索をしてほしいということで結構です。
(委員長)  ほかに、この際、ご意見ありましたら何か。席を立たれるようですから。
(委員)  すみません、資料4の基本方針(案)のところですね。対比表として、新しく、この前、私、ちょっと老婆心で言ったことでまとめられて、直していただいて大変結構だと思います。
 ただ、この文章でちょっと気になるのは、5ページの表の案のほうです。上から2段目の段落の下から2行目で、文章で細かいことなんですが、「派川隅田川」と書いてあるんですが、「派川」という言葉はふさわしくないかなと思うので、ちょっとご検討ください。同じように、3段落目の下から5行目ですが、「派川隅田川」と書いてあります。それから、その1行下に、「荒川本川からの」というふうにある。この中には、「荒川放水路において」というのと「荒川本川」と両方使い分けしているんですけれども、実はこのことを何で気にしているかと言いますと、荒川放水路ができ上がってもう大分たちますが、40年ごろだったと思いますが、40年と48年の間なんだろうと思いますが、地形図からも放水路という言葉はなくなって、正式にこの言葉はなくなったんですね。実は、地元から、10年ぐらい前から盛んに放水路という名前をもう一回使いたいんだという意見がありまして、そのときの答えは、河川審議会で変えたので、これは河川審議会で変えないとだめだというお答えを聞いています。それが本当かどうかは知りませんが。
 実は、この放水路は地元にとって大変待ちに待った放水路で、こんな時代に言うと変ですが、寺島小学校というのは140年ぐらいの小学校なんですが、ここの50年誌というのがあるんですが、まだ荒川放水路が完成する前ですが、この50年誌のところに、「荒川放水路の工事はもうすぐ終わる」というのは、大体この学校の沿革史の大変なバックボーンになって、以降、そのほかにも、校歌に「放水路」と歌っているのがいっぱいある。それから、バス停で「放水路」というのが幾つもある。ということから入って、何で荒川なんだよと。で、派川隅田川というのは、いかにも隅田川から言うとばかばかしい名前で、それから、隅田川を旧川というわけにはいかんでしょうということで、荒川放水路と言ってもらったら、すべてが丸く収まるという意味で、もしこの委員会で決めなければいけないのであったら、ご配慮願えたらありがたいということ、大変変なことをお願いして恐縮ですが、ひとつよろしくお願いします。
(委員長)  わかりました。これは、河川整備基本方針で書かれる名称は、河川法で決めた河川名でありますので、結果そうなるんですが、地元の方がどの名前をお使いになるかは差し支えないです。例えば、犀川の上流を地元では梓川だとか、そうしている例は多いのですけど、最近、地元の熱意で、河川法の名称を河川分科会で変えている例はあります。
(委員)  地理院の方に聞くと、河川審議会で意見を出してくれないと困るという意見は、それが我々の答えを聞いている部分なものですから、本当かうそかもわかりません。ただ、もし会議で決めていただけるなら、そうしていただきたいというだけです。
(委員長)  地元から強いお話が出てくればということですが、今のところはこの委員会では河川法に書いたとおりです。場合によれば河川法に基づいて名前を変えるという手続が必要になると思います。
 それでは、今の件はよろしゅうございますね。
 これは私からも意見を申し上げましたけれども、荒川は、もともと住んでいる人をそのままに置いて、遊水池的に横堤をつくった経緯があるので、河川の中に後から人が入り込んだ他の河川とは違うので、早急にここに住んでおられる人の対策が必要だということであります。例えば、横堤に家が移転したという事例も1つの解決策でありますので、これらは早く計画的にそういう方向に持っていっていただきたい。なお、この横堤の横についている住宅の土地は、これは河川区域になるのかならんのか。広さにもよると思いますが、もう少し河川法の中でも、この辺の土地利用条件の制限等を柔軟にしてはいかがかということをあわせて、意見を申し上げたいと思います。
 3ページでありますが、これは○○委員からであります。いかがでしょう。
(委員)  どうもありがとうございます。
 荒川では、連続する調節地を効果的に機能するようにどう設計するのかというのは大変難しい課題です。特にここの川では、7,000m3/sの水が流れてきて、入間川とか市野川から相当量が入って、荒川の調節地で4,000m3/sクラスの水をため込もうという、ピーク時4,000m3/sもため込もうというわけですから、その重要性は高く、荒川調節地については徹底的に勉強していかなければならないという意味で申し上げました。前回この調節地群についてほとんど説明がありませんでした。洪水調節池である遊水地については、ダム等と同様に河川砂防技術基準等にも、そこでの計画ハイドログラフがどうで、どういうふうにして大きさ等を決めるんだということはしっかりと書かれているということを考えたときに、この調節地群、十分な技術的な検討に基づき、種々の洪水ハイドログラフについて効率よく機能するにはどうするのかということ等を相当慎重に検討すべきだと思います。こういう連続する遊水地問題については、洪水位のピークがどのように伝搬していくのかとか、もしも途中から水が取られたとき、その洪水がどんなふうに変形し、水位はどうなるのか、そうすると、また下流で取り込むのは問題ないのか等大変難しい問題です。概略については、本日示されたもので結構ですけれども、今から徹底的に勉強して、整備計画の段階で、例えば第何番目の遊水地を考えるにしろ、連続する遊水地全体のことを考えた何番目ということでないといけないと思います。そこは技術的な検討のレベルを上げていただきたいということをお願いします。
 以上です。
(委員長)  ありがとうございました。
 どう効率的にということと、災害防除、あるいは、例えば破堤が起こったときはどうなるかとか、いろんなケースを考えながら整備計画ではご検討いただきたいと思います。
 それから、○○委員からの質問に追加説明がありましたけど、今の事務局の答えでよろしゅうございますか。
(委員)  結構です。
(委員長)  それから、河床の問題、○○委員、これでよろしゅうございますか。
(委員)  荒川の河床の説明、結構です。
(委員長)  それから、○○委員から、48年改定の関係でございましたが、これは本文で議論をお願いしたいと思います。
 ○○委員からは、生物種の問題がありましたけど、いかがでございますか。
(委員)  文章さえ気をつけていただければ結構です。
(委員長)  わかりました。
 それから、○○委員、排水量の問題がございましたけど、110時間ということでしたね。よろしゅうございますか。
(委員)  はい。
(委員長)  次は、揖保川水系へ移らせていただきまして、これは○○委員でございます。
(委員)  ご説明はわかりました。ただ、この流下能力のない区間は、引堤もできないので河床を掘るんだということですが、断面を見ると河床掘削も結構難しいと思います。特に左岸側、特殊堤で畳堤で守っているようなところを、さらに掘って河岸を不安定にしないのか。もっとそれ以外の方法はないんだろうか。これまで、既に一度引堤をしているということは聞いていますので、引堤は非常に難しいところだということは十分承知しているんですが、掘削を考慮に入れた計算をしたらこうなりますと言うけれども、本当に計算通りになるのか、安全な河道に出来るのかということについては、模型実験とかやっていただいて、慎重に検討していただきたいということです。
 特殊堤というのは、球磨川のときにも議論があったんですが、やはり堤防前面の安定性、川底の安定性が重要で、局所的に掘れていくようなところに特殊堤でいいのかということは、よく考えていただきたい。一番安全なやり方とは言わないまでも、ただ流量が流れればいいというのではないんじゃないのかなというのが、感じているところです。
 この河道の平面線形を見ますと、洪水は、上流側で内岸側を走ってきます。この4ページの図にありますように、走ってきて、それがこの湾曲の旭橋の付近、堀家というんですか、この辺で相当の洗屈を引き起こすのは自明だろうと思います。提案も1つの方法で、その方向でこれから検討されると思いますけれども、私が心配するのは、流量が流れても堤防等の安定性に対して、大丈夫なんだろうかということを、杞憂であれば結構ですけれど、申し上げておきます。
 以上です。
(委員長)  大変重要なご指摘で、整備計画の段階でまた十分議論していただきたいと思います。流下能力を増やすということと、堤防を破堤させないということは、時に相反することがあります。そのときは、やっぱり破堤させないというほうを優先して考えていただきたいということを、委員長としても申し添えます。
 次に、5ページでありますが、これは○○委員、お願いします。
(委員)  高潮対策については、計画課長の言われたとおりだと私も思っています。大変危険なんだと。だんだんよくなってきていると地元は言うんですけど、私に言わせればたまたま比較的小さな災害で絡まっているだけで、非常に大きな高潮が来たら、広島市の中心部は沈んじゃうということはもう前から言われていることなのです。100万都市、しかも中枢市街地ですので、安全度を高めることについては、何としてもこれをやらなければだめだと思います。洪水の安全性と同等及びそれ以上に、高潮の安全性が懸念されていますので、ぜひ計画的に安全度を高めていただきたいと思います。
 以上です。
(委員長)  ちょっと失礼しました。4ページに戻っていただきまして、○○委員のほうから、導水問題についての注文がございました。
(委員)  説明は了解しましたけど、都市河川の下水道整備に伴う渇水というのは非常に大事な問題で、整備計画でそこら辺の、水を戻す方向も、導水に変えるのではなくて、流域内で解決する方向も検討していただきたいと思います。
(委員長) それでは、次が6ページでございますが、これは○○委員と私です。
(委員)  これは、委員長と私、現地に一緒に行って、見せてもらったときに感じたことを、前回の会議であんまり上手に言えなくて、わかりづらい言い方になってしまいましたが、もう一度申し上げます。この中流域の治水対策は、土地利用に応じた治水方式について十分な検討する必要があるということであり、本日の資料はその様な視点で整理されていると思います。
 そのときに、河道に面した1列だけじゃなくて、背後にたくさんある家も被災したのであればそれを公共事業としていろんな守り方がなされるべきでしょう。だけど、河道沿いの非常に少ない家を守るような議論になったときに、そこの人々は、そのことを分かって住んでいるんじゃないか。好きでそこに住んでいるのを、どうして治水という公共事業で守るのかという議論を現地で委員長と行ったということなんです。きょう挙がっている対策箇所は、土地利用に応じたいろいろなやり方をするというものです。そのほかにも、何十カ所という場所が被災していますから、そういったところをどうやるのか、何もやらないところがあってよいかもしれません。治水事業の持っている意味というものを十分考えてやらなきゃいけないんじゃないかと思います。もっと言えば、多くの人々の財産を守ることが大切で、少数の特定の人の財産を守るための治水事業にはならないようにすることが必要であると言うことです。
(委員長)  実は現地でこれを見ながら、大変白熱した議論がありました。もともと、この上流で河川改修しているわけではなくて、つまり、河川改修で洪水を集めてきたわけではなく、全くの自然の洪水で氾濫していると。一級河川だから安全にしなければいかんと思い込んでいるとすれば、では二級河川で同じようなところはどうするのか。そもそも一級河川にしたというのは、大広島を守って、堤防を破堤させないために、安全度100とか200とかをセットしているので、その上流もおのずから安全度を上げるんだという発想はおかしいのではないか。そもそも、確かに住んで被害に遭っている方は大変お気の毒ですから、何かの対応をとるんですけど、それはあくまで公共事業の範囲でしょう。もしある住宅を動かすんでしたら、この左側の図で白くなっていますが、この白い人の家を動かすということは、背後地にたくさん住んでいる人を助けるために移転補償しているのであって、この人が水に浸かったから動かすわけではない。それが、一番右の図へ行くと、この人たちは、仮に河川事業で動かすとすると、だれを助けるために動かすのか。水に浸かっているからその人を動かすんだとすれば、これは水害危険区域に住んでいる人を、国が全額負担して動かすのかねという議論になりますね。
 そうすると、例えば、河川局でも、急傾斜地に住んでいる人の対策には必ず負担金を取っていますね。私人の資産を安全にするために、国が何か出来るとしたら、せいぜい助成までであって、必ず自己負担は伴うわけです。たまたま一級河川のわきに住んでいるから、公共費で安全にするために嵩上げするんだというのはいかがかと思います。この提案は道路事業の判断でやると読みましたので結構です。ただ、一級河川の上流でこういうところは結構見受けられるので、一級河川の安全度何分の1と決めたら、機械的にどんどん移転補償するというのではなくて、公共事業である河川事業でやらなきゃいかんのかという原点に留意していただきたい。非常に典型的な例でしたので、現地で○○委員と大いに議論したことを紹介しておきます。
 それから、7ページでありますが、樹木管理、これは○○委員です。
(委員)  太田川の樹木についてと同様の調査を、ぜひ全国的にやっていかなければならないと思います。太田川では、計画規模に相当する流量が出たことによって、この樹木群が、左の図が右の図のように、きれいに消失しました。だから喜んでいいかというと、実はそうではなくて、これより少し流量が小さかったら、洪水外力が小さくて樹木は残るかもしれません。そうすると、樹木の抵抗が大きくなり、水位はもっと上がるということが起こり得ます。この事象をもって安全な川だということにはならないということで、ほかの場所は残っているところはあるわけですから、河道の線形と、川の縦横断形に対して、樹木が、どういったところに、どんな大きさのものが、どれくらいの量あれば、この規模の洪水に対して、ここならば飛ぶ、ここは飛ばないということをしっかり見きわめて、それで、飛ぶところは、当然樹木があってもいいんですけど、飛ばないところをどうするのか、それによって水位が上がるというところがあるわけですよね。それから、樹木が飛ぶ限界流量というのを経験しているところは、流れの計算をあわせながら、こういうことでここは飛んだんだという情報をしっかりファイルして、いろんな川にこれを使っていく。今回の経験は樹木の管理のために必要な情報を与える嚆矢となるようなものだろうと思います。
 太田川河川事務所は、随分前から樹木群のデータを計画的に集めてきて、こういうような情報がファイルされていて、洪水が起こったときにそれら樹木群がどうなるかということを各番地ごとに調べられて、流れとの関係がわかるということですので、やはりこういったことを早くからやっていると、相当計画的に樹木管理できますので、ぜひこういった方法が検討されていくべきと思っています。
 以上です。
(委員長)  次は8ページでございますけれども、これも○○委員です。
(委員)  これは、この断層に沿って支流から土砂が出てきて、それらが太田川にたまることから、太田川では土砂問題が重要です。これまで河川整備基本方針では、どうも河川の計画だから、砂防の問題が、なかなか一緒に議論されず、一体性が不十分なことに対して忸怩たる思いで聞いていたんです。この太田川につきましては、これまでも土砂災害を受けていまして、砂防と河川は一体に議論しなければならず河道計画と砂防計画が一体なんだということを示しています。土砂の視点から、砂防と河川を連続する計画にしていただきたい。河道計画では触れられなくても、その上流の砂防計画で土砂問題が検討され、河川計画につなっがっているという形にしていただきたいということでお願いしたいと思います。
(委員長)  それから、○○委員、川と海と一体ということで。
(委員)  これについては了解いたしました。文章上での考慮をしていただいているということで、ありがとうございます。
(委員長)  では、本文のときに審議させていただきます。
 それから、河口の河床高の関係、これは○○委員、お願いします。
(委員)  その後、ちょっと調べてみたんですが、どうも課長さんが言われるほどのことではないなと私は思っていましたが、やっぱり延びていくと。延びていくと、川が延びていくので、そこはちょっと勉強しなければならないテーマじゃないかなと思いますので、ぜひいろいろとまた一緒にやらせていただきたいと思います。
 以上です。
(委員長)  それから、資料2、これは私も前に言いました、○○委員からも出ております。
(委員)  私のほうから何回となく質問しているものですから、少しあれですが、今回、このように一定の統一基準といいますか、考え方を示していただいたというのは、一歩前進かなというふうに考えておりますけれども、幾つかの疑問点とか問題点がまだあると思いますので、これをスタートとして、もう少し議論を進めていただきたいというふうに思っております。
 この資料の、先ほど説明の3ページのところでありますけれども、ここに下線が引いてあるところに、河川基本方針においては、「確保の難易にかかわらず基本的にその流量を定める」という言い方がされております。それで、右の本文の記述例で、確保の見通しがある場合は「必要な流量を確保する」、困難な場合は「確保に努める」という言い方なんですけれども、こういう書き方で、この困難な場合と見通しがある場合というのを判断し分けることが可能かなと、そういうのが1つであります。
 それから、「確保の難易にかかわらず基本的にその流量を定める」という根拠はどこかなというところ教えていただきたいと思います。これ、河川法を見ますと、正常な流量は、9項目といいますか、あと動植物の生息の状況等を、確保等を総合的に考慮することということでなっておりますけれども、この関係を少しお願いしたいと思います。
 それと、砂防基準を見ますと、砂防技術基準に正常流量の考え方というのを書かれておりますけれども、これは9項目といいますか、10項目といいますか、そういうものと、及びということで、下流における流水の占用、水利使用、利水容量を合わせて正常流量とみなすという書き方と、この35ページのところでは、正常流量の設定というところにおきましては、原則として10カ年の第1位相当の渇水時において維持できるよう計画するものとする。解説には、10カ年、第1位相当基準として策定しており、また、水利使用許可も10カ年第1位相当を基準として処分されているためであるという書き方がなされています。そういうことを、2つを考えながら、基本方針本文での記述のところに入るんですけれども、今回は見通しがある場合とない場合で書き方を変えるということになっておるんですけれども、この正常流量の量を今までずっと見てきたんですけれども、大体10分の1渇水量の3倍から、一番多いのは10倍ぐらいの量が設定されております。そうしますと、これの上の「確保する」とか「確保に努める」というところに非常に大きく制約を持つのではないかなというのが、これは私の率直な心配であります。
 それで、ここの3ページの左側に、新規水利許可の判断という表がありますけれども、ここには文章で、「10年に1回程度の渇水の年(基準年)における流量図」と書かれています。この表現であれば、今の砂防基準等と整合するような感じがします。と言いますのは、この表で、ここに記載される3倍から10倍の量が仮に正常流量とみなされた場合は、新規許可水利権対象というのは、全く不可能になるのではないかなと。ですから、ここに書かれているのは10分の1回程度のものを正常流量の基準流量とするんだということがやはり必要だろうと思っています。それで、次の右の表を見ますと、ダム等貯留施設からの補給で、正常流量を下回るものをダムの貯留で確保するということになりますと、私は、3倍から、極端なところは10倍ありますけれども、それを確保する――確保しなくてもいいんだという一番最初のところにも引っかかるものはあるんですけれども、仮に水源に依存するとしたら、膨大な水源依存量になるというふうに思っております。
 そういった意味で、きょうは結論は出ないと思いますけれども、この右側の正常流量の記述案でありますけれども、必要な流量についてはということで、砂防基準で書かれていますように、環境用水とか動植物の保護用水というものと、利水容量とを分けて考えるか、あるいは、ここの量では10分の1渇水量に努めるものとするという表現にしたほうがいいのか。いろんなご意見があろうかと思いますけれども、ここらあたり、もう少し議論をしていただきたい、そんな感じがしております。きょうは議論はそんなに進められないかもわかりませんが、その流量を定めるものとするという、そこの根拠のところだけ、ちょっと教えていただきたい。
 以上、私の気持ちです。
(委員長)  事務局からお願いいたします。
(事務局)  事務局○○でございますけれども、正常流量については、これまでの小委員会で幾度となく、○○委員等からご質問ございまして、きょうはちょっと一定の考え方を整理させていただいたところでございます。
 正常流量につきましては、維持流量と水利流量の双方を満たす流量として設定しているところでございまして、維持流量については、河川環境の保全と整備を考えながら、最低限必要な流量として、地域の学者さん等の意見等も伺いながら、検討して定めているところでございます。また、水利量につきましては、すべての水利権量が満たされるように設定して、当該河川への流入量、取水量、還元量を検討した上で、正常流量を設定しておりまして、今後とも円滑な水利使用に資するべく、その確保に努める必要があるというふうに考えておるところでございます。
 それと、今委員おっしゃられました、正常流量が渇水流量の3倍とか10倍になっていることもあるんじゃないかという話と、それから、河川砂防技術基準の解説の中で、10カ年第1位相当の渇水時においてもというような記述もあるというようなこともございます。さらに、これまでの小委員会でも、魚のための水深でほとんど決まっているじゃないかというような話もございました。正常流量検討の手引き、これは平成13年に案として出したものでございますけれども、標準的な数値を一律に適用するのではなくて、各水系ごとに、地域の先生方の意見も踏まえて、最低限必要な流量となるように検討を行っているところでございまして、今後、まだ十分に確立されたものではございませんが、従来の検討内容、さらに最新の研究成果等も踏まえて、この手引きの必要な部分を早急に見直すように、現在準備中でございます。これらも含めまして、さらに事務局のほうで検討させていただいて、○○委員おっしゃられましたような整合のとれるような表現ができるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
(委員長)  私もいろいろご意見を申し上げてまいりました。しかし、ない水はないものですから、相互融通ということになるんでしょうね。いかにもダムをつくって、どんどん水を生み出すという時代でもありませんから、ないものはお互いに譲り合う。そのめどの流量である感もありますね。10分の1なんかとても満たせないと。しかし、それに応じて、今まで水利権も発行してきたというものもあるでしょう。
 ですから、この最後に、「以て云々」という、ここを「資するものとする」というのを、いろいろ知恵を使って、現場の所長も水利利用者も誤解のないように、整理していただくことが大事なんだと思います。突き詰めてみても、そう急に水が出てくるわけではありませんね。ただ、今まで生物ばっかりで決めてきたような印象があるものですから、○○委員が言うような誤解もあるんだろうと思いますし、誤解じゃなくて正解なんです。そういうことで、ここは丁寧にやっていただきたい。今まで決めてきたものも、場合によっては見直すぐらいの勇気を持って、現場の水利秩序が混乱しないようにお願いしたいということを要望しておきます。そういうことで進めさせていただきます。
 それでは、ちょっと時間が厳しいのでございますが、本文案の審議を事務局からお願いいたします。
(事務局)  それでは、本文案のご説明に入らせていただきます。資料4ー1、4−2、4−3、こちらのほうを使いまして、時間の関係もございますので、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
 まず荒川水系、資料4−1でございます。1枚めくっていただきまして、まず河川の総合的な保全と利用に関する基本方針、(1)で流域及び河川の概況ということで、ずっと荒川の特性について記載してございます。4ページでございますけれども、下から7〜8行目ぐらいのところでございますが、この中で、先ほど横堤のお話がございましたので、それに関する記載をしてございます。「築堤や低水路整備、河道拡幅と併せ、広大な川幅を利用した横堤の築造による遊水機能の確保により、下流の洪水を軽減させる工事に着手し」という話を記載してございます。
 それから、5ページでございますけれども、○○委員からご指摘のありました昭和40年の工事実施基本計画の改定につきまして、非常に重要な意味があるので、しっかりその経緯等を記載してほしいということでございましたので、そこに少し紙面を使いまして、説明をさせていただきました。
 それから、8ページでございますけれども、(2)河川の総合的な保全と利用に関する基本方針でございます。ここに、荒川水系が、「我が国の社会経済活動の中枢を担う東京都及び埼玉県を抱える国土管理上最も重要な河川の一つである」というふうに書かせていただいておりますが、○○委員のご要望からすると弱いところもございますので、この辺はこれから文案をつくっていく上で、もう少し充実させていきたいと思います。
 それから、10ページでございます。災害の発生の防止または軽減の中で、10ページの一番上でございますけれども、堤外民地のことをしっかり記載しろというご発言がございましたが、「堤外民地に存在する家屋については、その歴史的経緯を踏まえ、必要な対策を実施する」ということを書かせていただきました。
 それから、そのすぐ下に、いわゆるスーパー堤防、高規格堤防のお話、○○委員からもございましたので、「計画規模を上回る洪水の対策として高規格堤防の整備を図る」とさせていただいてございます。
 また、そのすぐ下でございますけれども、○○委員からございました、複数の調節地のお話でございますが、「広大な高水敷が有する遊水機能を効果的に確保するために、広大な高水敷と河道における洪水時の水位観測などの調査・研究を行い、洪水調節施設を整備する」というふうに記載させていただいてございます。
 11ページの10行目ぐらいでございます。○○委員から、前回、水循環マスタープランについて触れてくれというお話がございました。支川柳瀬川で水循環マスタープランを作成してございますので、その辺につきまして、「健全な水循環系を構築するための取り組みを自治体、地域住民と協力しながら進める」というふうに書かせていただいてございます。
 それから、12ページでございます。イの河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持というところでございますが、これは先ほどご説明いたしました正常流量の記載でございまして、イのところに、5行目からでございますが、「関係機関と調整しながら広域的かつ合理的な水利用の促進、水資源開発施設とそのきめ細かな運用などにより、必要な流量を確保する」。荒川の場合には、いろんな対応で確保することにしてございますので、確保できるということでございますので、こういう記載にさせていただいております。
 13ページの上から3行目でございますが、代償措置の話がございますが、これは、何回か前に○○委員からご指摘のあった、ミティゲーションの関係の記載でございます。
 その下に、○○委員からご指摘のありましたハビタットの話がございますが、例えば、「上流部は、イワナ・ヤマメの生息する渓流環境」、それから2行後につきましては、「中流部は、コアジサシ・イカルチドリ等の営巣場となる砂礫河原」、「アユ等の産卵・生息場となる瀬と淵」、「ミドリシジミ等が生息するハンノキ等の河畔林の保全・再生」、このように、ハビタットを表現する代表種という形で種を入れてございますので、今後ともそういう記述に努めていきたいというふうに考えてございます。
 それから、その少し下のほうでありますが、汽水域などの場合には、「生物の生活史を支える環境を確保できるよう配慮する」というような記載をということで、○○委員からご意見のありました点を記載してございます。
 それから、15ページでございますが、2の河川の整備の基本となるべき事項でございますが、基本高水並びにその河道及び洪水調節施設の配分に関する事項、これにつきましては、工事実施基本計画の基本高水から変更はございませんし、河道への配分流量についても同様ということでございます。
 17ページでございますけれども、入間川でございますけれども、前回、小委員会で埼玉県さんのほうからご指摘がありまして、ちょっと調整をというご指摘がございました。工事実施基本計画段階と今回の基本方針では、支川の流量、基本高水が変わってございますが、これは洪水調節施設を見直しまして、わかりやすく申しますと、ダムから遊水池になったものがございますけれども、そういったものを反映して計画高水の変更をしておるということで、これからも埼玉県さんのほうとは、河川整備計画段階でも緊密に連携をとりながらやっていきたいというふうに考えてございます。
 それから、19ページでございますけれども、先ほどの正常流量関連のお話でございますけれども、「流水の正常な機能を維持するため必要な流量は」、ここでは見通しがございますので、「寄居地点ではかんがい期概ね23m3/s、非かんがい期概ね9m3/s、秋ヶ瀬取水堰下流地点では、年間を通して概ね5m3/sとする」というふうに記載をさせていただいてございます。
 以上が荒川でございます。
 次が揖保川でございます。揖保川のほうは、資料4−2でございます。基本的には荒川と同じような記載でございます。
 1ページでございますけれども、○○委員のほうから、揖保川の水がいろんな地域の薄口醤油だとか、そういう産業に活かされているというお話がございましたので、そういう点も記載してございます。
 それから、2ページの最後のほうは、「丸石河原」と呼ばれる礫河原、こういったものが揖保川の原風景となっているということでございますので、そういったことも記載させていただいてございます。
 それから、3ページの一番最後でございますけれども、この地域の、ある意味では創意工夫みたいな、畳堤の話を記載させていただいてございます。
 それから、4ページでございますけれども、林田川の水質のお話、○○委員からのご指摘もございましたけれども、その点につきましても、ここでご紹介をさせていただいてございます。
 6ページからは、河川の総合的な保全と利用に関する基本方針でございます。アの災害の発生の防止又は軽減ということで、7ページでございますが、ここにも2行目に、「丸石河原に代表される揖保川の豊かな河川環境や景観にも配慮しながら」ということで、原風景を大事にするという○○委員のお話がございましたので、記載させていただいております。
 それから、少し下がったところで、「内水被害の著しい地域については、関係機関と調整・連携を図りつつ」という記載をさせていただいておりますが、この揖保川下流のほうは、内水排除が非常に重要だという○○委員のご指摘もございまして、入れさせていただいております。
 それから、8ページ、イでございますが、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持、正常流量の件でございますけれども、ここにつきましては、先ほどのご説明の中で、見通しがなかなか立たないところという評価でございまして、「必要な流量の確保に努める」という書き方にさせていただいてございます。
 次、9ページ、ウでございますけれども、2行目に、○○委員の「地域の原風景ともなっている丸石河原」というようなことを記載させていただきました。
 それから、10ページでございますけれども、真ん中辺に水質についてございますけれども、○○委員からもございました。それから、○○委員からもございましたけれども、水質について、流域全体で取り組めというお話でしたので、そういう記載をさせていただいてございます。
 12ページが、河川の整備の基本となるべき事項でございまして、(1)が、基本高水並びにその河道及び洪水調節施設の配分に関する事項ということでございます。工事実施基本計画と比較いたしますと、基本高水のピーク流量は龍野地点で変わってございませんけれども、上流の洪水調節施設、ダムの実現可能性を検討しまして、洪水調節施設による調節流量を600m3/sから500m3/sに減じ、河道への配分流量を3,300m3/sから10m3/s増やしまして、3,400m3/sとしてございます。
 最後、15ページでございますけれども、正常流量の記載でございますが、ここでは、先ほどご説明をしたような延長線上でございますが、下から5行目ですが、上川原地点におけるいわゆる正常流量は「概ね3m3/sとし、以て流水の適正な管理、円滑な水利使用、河川環境の保全等に資するものとする」というような書き方にさせていただいてございます。
 最後に、太田川でございます。資料4−3でございます。
 まず、1ページ、河川の総合的な保全と利用に関する基本方針、(1)流域及び河川の概況ということで、河川の全般的なお話を説明させていただいております。
 2ページに参りまして、上から6行目ぐらいですか、○○委員からご指摘がございました、「下流デルタ域の江戸期から明治期において干潟の干拓により形成された区域はゼロメートル地帯となっており、高潮被害を受けやすい」と記載をさせていただいてございます。
 また、すぐその下に「マサ土」の話も出てございましたので、広島花崗岩類は、「風化が進んでおり、崩壊しやすい「マサ土」と呼ばれる砂質土になっている場合が多い」というような記載も加えさせていただいてございます。
 4ページでございますけれども、高潮のお話、大変重要であるというご指摘でございましたので、一番下のほうでございますけれども、「太田川の下流デルタ域に発達した市街地はその形成過程から地盤が低いため、高潮被害を度々受けてきた」ということで、一番下に、「しかしながら、ゼロメートル地帯を守る高潮堤防の整備率は未だに低く、今後とも関係機関と連携を図りながら高潮対策を実施していく必要がある」という認識を示させていただいてございます。
 5ページに参りまして、7、8行下ったところで、「また」とございますが、○○委員からご指摘がございました、広島県西部を中心に発生しました平成11年6月の土砂災害、これを踏まえた記載を加えさせていただいてございます。
 それから、5ページの一番下でございますが、○○委員から前回ご指摘がございました、発電による取水が非常に課題だというお話がございましたけれども、現状について、ここに記載をさせていただいてございます。
 それから、8ページからが河川の総合的な保全と利用に関する基本方針でございます。
 1枚めくっていただきまして、9ページ、災害の発生の防止又は軽減ということでございます。そこで、7行下ったところで、「中・上流部は、堤防の未改修区間が多いため、土地利用を考慮した効率的な改修を推進する」。先ほど中・上流部のほうの治水対策について、○○委員、それから委員長からご指摘がございましたけれども、こういう書き方をさせていただいてございます。
 それから、10ページでございますけれども、河道内の樹木について、「生育状況及び樹木の阻害による洪水位への影響を十分把握し」ということで、○○委員からご指摘がございました樹木管理について記載をさせていただいてございます。
 それから、その何行か後には、ゼロメートル地帯と高潮被害との関係についても記載して、整備を実施するということを書かせていただきました。
 11ページでございます。イの河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持ということでございますが、正常流量の記載でございますが、ここにつきましては、先ほどの揖保川と同じで、見通しがなかなか難しいところもございますので、「必要な流量の確保に努める」という3行目の記載にさせていただいてございます。
 それから、ウの河川環境の整備と保全でございます。12ページに参りまして、真ん中あたりでございますけれども、「また」の段落の中に、「さらに、流域と海をつないでいる川が有する機能に配慮しつつ、適正な管理を行う」ということで、○○委員からございました海と川の関係、その辺について記載をさせていただいたつもりでございます。
 それから、14ページ、2の河川の整備の基本となるべき事項ということでございますが、基本高水並びにその河道及び洪水調節施設の配分に関する事項でございます。基本高水のピーク流量につきましては、玖村地点で12,000m3/s、基本高水については変更がございません。それから、ダムによる調節流量は、工事実施基本計画の4,500m3/sから洪水調節施設の見直しを行いまして、4,000m3/sに下がってきております。その分、河道への配分流量が500m3/sアップしまして、7,500m3/sから8,000m3/sということになってございます。

 それから、17ページ、最後のページでございますけれども、正常流量の記載でございますけれども、ここも見通しがなかなか立たないというところもありまして、矢口第1地点における必要な流量は、「概ね15m3/sとし、以て流水の適正な管理、円滑な水利使用、河川環境の保全等に資するものとする」というような書き方にさせていただきました。
以上、3水系の基本方針の案につきまして、ご説明をさせていただきました。
(委員長)  ありがとうございました。
それでは、ただいまの本文案の説明について、ご意見を伺いたいと思います。まず荒川水系ですが、○○委員にお願いいたします。
(委員)  よく考慮していただいているかなと思いますけれど、細かい点で幾つかお願いできればなと思うんですが、5、6年前ですが、荒川未来会議という住民の方からご意見をいただく会議をやったんですが、そのときに一番大きな要望というのが、具体的に言いますと、調整池の計画だったんですけれども、そういう河川敷のところにいわゆる湿地をもうちょっとつくってくれないか、使い方をうまく考えてくれないかということだったんですね。
ここでも、中流部では、13ページあたりで少し書いてあるんですが、その中で、1つは、だから、調整池という言葉がこの中に表れないのであればそれでいいんですが、もう少しそのあたりを強調したような書き方にしていただければ、皆さん喜ぶかなという気がします。
そのときに、実は、河川敷がいわゆる民地化して畑地になって、それでいわゆる土ができて、それが荒川の従来は礫河原だったところがそうではなくなってきていると。もちろん、そうではない可能性を指摘されている方もいらっしゃるんですが、それと、樹林化ですね。そうしたものが全部複合されて、いわゆる荒川の河床の形態が変わってきていると。それは、言ってみれば、土砂管理に通ずるものなわけですね。そのあたりのつながりみたいなものをもう少しニュアンスとして出していただければなというように思います。
それと、14ページに、中流部では高水敷におけるゴミの不法投棄とかに代表されるようなというふうに書いてあるんですが、実は下流部でも、もちろん大きな産業廃棄物は出てこないんですが、非常に細かいゴミに困っているということがございます。ですから、下流部の話は地権者どうのという話ではないんですが、少し加えていただければなと思います。
それと、昔、市民会議のときに一番要望が強かったのが、いわゆる高水敷と低水路の間の水際部ですね。最近、かなり幾つかそこをうまくワンドのような形にされている部分が出てきていますけれども、そこの部分は非常に皆さん何とかしてほしいなというふうにおっしゃっていました
以上です。
(委員長)  それでは、また案文がありましたらご提案願いたいと思います。
それから、○○委員は退席されました。揖保川の○○委員は、きょうはおられませんので、太田川で、○○委員、よろしくお願いします。
(委員)  私は、生物または生態系のことから、海と川とのつながりのことで、12ページの中ほどでしょうか、こういう表現で加えていただきました。先ほど、荒川ではハビタットの代表種などを入れるということがございました。これは私の要望ですが、海の中でのハビタットの代表種は、広島湾の場合にはやはりマガキの養殖なんですね。そういう言葉が入るかどうかはわかりませんが、海への配慮ということであるならば、下流の広島湾のマガキ養殖の持続性を、可能であれば考慮していただきたいと思います。
以上です。
(委員長)  それでは、これは、○○委員、またお願いします。
(委員)  では、お願いします。
まず、1ページ目の流域及び河川の概要のところです。この6行目までを読んでいると、まず太田川の水がどこに出ていくのかがわかりづらい。すなわち、3行目ですが、広島市安佐北区可部町付近で根谷川、三篠川を合流する。その後、広島デルタを南南西に流れ、広島市街地に入り、旧太田川を分流し、何々何々川で一級河川であると書いてありますから、おそらく河口は太田川放水路だと思いますので、河川水が旧太田川に出ていくように見えますので、これを書き直していただきたいというのが1点目。
2点目は、下流デルタ域の太田川放水路という言葉と、下流デルタ域の5つの派川というのが本文中にしばしば出てくるんですが、僕は、先ほどの○○委員が言われた、放水路という名前を残せということと逆にいつまでも太田川放水路でよいのかと考えています。太田川も建設後40年たって、太田川放水路の役割を今後考えていくときに、放水路としてあるんですけど、ふだんの太田川としての役割も実は非常に高くなってきていると、私は地元に住んでいてそう思いました。もちろん放水路の名前を残すべきだという議論もあるんでしょうし、これは地元が決めることなんですが、この本文の中では、太田川放水路という言葉が、もうしょっちゅう出てきて、太田川でよいのではないのか、本当にこの書き方でいいのかどうか。太田川放水路というのは太田川なんですよね、具体的には。私は治水の専門家ですから、太田川放水路は治水のためにありというのはわかるんですけれど、太田川全体の川の話の中では、今回配られた原案を見て、少しそこをご検討願ったほうがいいのではないのかというふうに思いますので、よろしくお願いします。
最後は、16ページの基準点、主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項の中に、長和久が外れました。実は長和久というのは非常に重要なところにあります。それは、大芝水門と、祇園水門を分かれるところにあります。放水路側の入り口のところにある祇園水門の水位なんですが、こんな大事な構造物のところの主要点の計画高水位、川幅等を外していいのでしょうか。そこはいつも水位は見ていなければならない場所だと、私は思っています。委員長に一任をいたしますけれども、ご検討願えたらいいし、私としてはあったほうがいいと考えています。
以上です。
(委員長)  わかりました。
それでは、そのほかの委員にもご意見を承りたいと思います。○○委員からお願いいたします。
(委員)  前回も欠席したので、何も申すべきことはないんですが、いつも概要とか特徴を、これはリクエストなんですけれども、ご説明になるときの資料に、いわゆる観測系が、いろんなイベントごとにいろいろ出てくるんですけれども、降水観測とか流量観測は水位観測点、さっきの主要地点では何を測られているのか、それから、正常流量を定めるときの観測点は。それから、どうも方法論とかを出すときに、データの存在状況とかの長さとか、そういう形のものが、今回荒川を見せてもらって、複合確率が非常に、確率論からすれば、合理的だというふうに思ったりもするんですけれども、そういった形で、治水、利水、環境という形のときに、基準点とか主要地点とか、いろんな観測系のネットワークとか存在期間とか、そういう形のものがちょっと最初に示されておくと、これぐらいのデータで、だから、こういう定め方、考え方、定量化しているんだなとかいうことも意見として申し述べられる内容があるやに思ったりするものですので、できたら、一番最初に、1回目にいつも説明される、そういうところにやっぱりそういう形のものを添付していただくとありがたいなと。これはちょっとリクエストとして。
それから、いろんな事業をしたときに、効果とか、そういうやつを見るときに、いろんな場所で、今後ともそういう形のものをどう評価したり見ていくのかというときにおいても、そういった観測系で実態を把握したりすることも、以後、基準点だけではなしに、いろんなところでいろんなことを見ていく、そういう形において必要ではないかなというふうに思ったりしたものですので、そういう資料なりそういうものを添付いただくとありがたいなというふうにちょっと申し述べさせていただきたいと思います。
この基本方針の案文については、別段意見等は持っておりません。
以上です。
(委員長)  それでは、今後、添付資料等の作成にあたって、ご配慮をお願いしたいと思います。
次、○○委員、お願いいたします。
(委員)  これは、3つの川に共通して言えることなんですけれども、例えば、広島、1999年に集中豪雨で土砂災害が発生したわけでございます。そのときに、山地部で斜面崩壊等々が発生して、多量の流木が出てきたんですね。流木が何の問題もなく出てくれば、それはいいんですけれども、やはりいろいろ災害を起こしているということもあるわけです。したがいまして、水系に関しては河川整備を行うとうたっている限りにおいて、やはり砂防とも連携して、河道内樹木だけではなくて、山中での流木等々に対する対策を、砂防との連携のもとでやっていくような、そういったことについてもちょっと言及していただきたいなというふうに思います。これは要望でございます。
それから、荒川についてですけれども、ニューオリンズの高潮の災害のことにこだわるわけではないんですけれども、10ページのところの中ほどの段落に、高潮区間においては云々ということで、今後も継続して堤防等の整備を実施する。地盤沈下の影響等により云々というところについても、計画的に橋梁等の付け替えを実施する、こうあるわけですけれども、できましたら、ここの箇所については、やはりハードとソフトというんでしょうか、ニューオリンズの高潮災害でこういう問題があったと。ですから、こういうソフト対策も、同時にやはり実施するということを、ここでちょっと閉じていただきたいなというような気がしています。後々、いろんなところでハード・ソフトと連携した整備を行うというような文言はあります。ハザードマップの作成とか活用支援、住民参加による防災訓練、いろいろそういったことは書いていますけれども、この高潮のここに限って言えば、もう少し具体的なソフト対策を盛り込んだ文言を記述していただいたらありがたいなというふうに思っています。
以上です。
(委員長)  これは、また案文がありましたら、ご提案をお願いしたいと思います。
○○委員、そのほかの川でお願いします。
(委員)  荒川についてお願いします。
まず、これから遊水池等の検討をおやりになるという先ほどの話がありました。遊水地群とダムをあわせた統合管理が大事になると思うんですが、統合管理について、触れられていない。特に連続する遊水池の統合管理というのは、いろんな新しい課題を持ってきますから、これはどこかに触れる必要があるんじゃないのかなというのが1点目です。
2点目は、4ページなんです。4ページに「治水対策としては」というのがありまして、それの6行目、「久下村地先において新川を開削して、利根川と荒川を分流し」となっていますが、これは「分離し」ではないんですか。分流ではないですよね。「分離し」に直してください。
3点目は、これは同じことが書かれているんじゃないかなという、6ページの下から10行目では、六堰頭首工のことが書かれています。六堰頭首工と流水改善水路、それから瀬切れの解消。ところが、次のページの上から4行目、「特に」以下、「中流部の熊谷市付近では瀬切れが発生し……六堰頭首工に併設した流水改善水路により被害の軽減を図っている」。これは同じようなことを両方書いています。もっと上手に書けるんじゃないかなと思いますので、ご検討をお願いしたいということです。
以上です。
(委員長)  ありがとうございました。
では、この辺は事務局で、私も含めて検討いたしましょう。
それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  すいません、言葉の問題で、「努める」と「何々する」というのがはっきり違うとおっしゃったんで余計気になってしまうんですが、もう1つ、「図る」というのがございますよね。「何々を図る」、これはおそらく河川管理者としてできないけど、ほかの人への協力をお願いする、あるいはエンカレッジをしてやることが「図る」んだと思うんですけど、そこら辺の言葉遣いを頭に置いてもう一度点検し直してみますと、例えば、わかりやすいのは、荒川の13ページから14ページ、環境についてのことが並んでいるんですが、多分、これは意図とは違うと思うんですけど、言葉の問題だけなんですけど、生態関係、あるいは環境関係のことですと、例えば、「エコロジカルネットワークづくりに努める」、「景観の保全に努める」、「湿地などの保全・再生に努める」、「自然環境の保全に努める」、「水域の連続性の確保に努める」、「水景観の維持・形成に努める」と、全部「努める」になっているということは、先ほどの言葉遣いの定義で言うと、実現が非常に困難なことということになってしまうと、ちょっと困るんですよね。ここら辺は「図る」にしていただくか、しっかりとやっていただきたいというのが希望です。これは、今1例だけ挙げさせていただいたので、ほかのところも全部そうなっていますので、過去形のものは仕方がないんですけど、せめてこの3河川については、そういう表現の統一をしていただきたいなと思います。
それから、戻りますが、同じ荒川で10ページの「高規格堤防の整備を図る」、これは大事な問題なので、これは「図る」なんでしょうか、「する」なんでしょうか、「努める」なんでしょうか。河川管理者の意図としては、どちらにあるかは気合いを入れて決定していただきたいと思います。これは、本来、やっぱり「努める」では困るし、人ごとでもないような気もいたしますので、それをもって「図る」だったら、それでも私は結構でございますが、ちょっと文言だけの話はあまりしたくなかったんですが、きょうはあれだけはっきり文言を区別されたので、申し上げました。
それから、もう1つ、やはり生態環境系と利水等を切り離して考えていくというのは、私はこれからの方向のような気がするんですが。維持の流量と低水の流量確保の問題は、そういうのがわかりやすいような気が私はしておりますが、これはきょうのここで結論を出すべきことではないとは思っております。
以上です。
(委員長)  大変重要なご指摘ですので、交通整理させてさせていただきます。
○○委員、お願いいたします。
(委員)  よろしくお願いいたします。前回欠席させていただきまして、申しわけありませんでした。
先ほど○○委員、「努める」ということが気になったということで、私も実はずっと気になっていて、○○委員も言っていただいたので、ちょっと楽になりました。ぜひそのあたり、文言に関して、少し改善のほうをお願いしたいと思います。
私のほうは、文言と質問とお願いという形で、少しそれぞれ何点かずつお話をさせていただきたいと思います。
まず、簡単な文言なんですけれども、荒川の3ページの一番下から2行目の「ボラ・モツゴ」という、大変細かいことで恐縮ではありますけれども、ボラ・モツゴというふうに、こういうちょっと性質が異質なものがこのような形で並んでいると、ちょっと違和感を感じるので、少しこのあたり、もう少し説明的に、汽水域合流云々だとか、多分汽水域とかという言葉が入るとしっくりするような文章となるのではないかと思います。
それから、先ほど○○委員あるいは○○委員も言われましたけれども、連続する遊水池というこの事業の中で、かつてここのあたりは非常に氾濫源が広がっていたかと思うんですけれども、そうした氾濫源に適応してきた動植物、すなわち湿地環境の管理に関する研究もどんどん今後とも進めていっていただきたいと考えております。これはお願いであります。
それから、同じ荒川の7ページであります。これは質問なんですけれども、真ん中より少し下の部分です。「水道用水の取水においては、埼玉県大久保云々」というところであります。「夏場にたびたびカビ臭の発生が見られ、高度処理等の云々」ということが書いてありますけれども、これは、処理するだけではなくて、原因というのは水質悪化ということに多分なっているかと思いますけれども、たびたびカビ臭が発生があるということに関しての原因がわからないと、単に処理のほうだけですと、場合によってはコストが上がるようなこともあろうかと思いますので、こういった原因の解明についても少しご検討をいただければというふうに思います。
それから、9ページであります。こういう文言が入っているということは、私は非常に総体的に環境に配慮する視点から評価できると思います。最初の段落にある、「治水・利水・環境にわたる健全な水循環・物質循環系の構築を図るため」というこの3行の文言、これがあるのとないのとでは、随分河川生態に関して基本整備方針というものの位置づけというのが、我々にとって非常にすばらしい位置づけになっているかと思います。
ただ、ここでお願いとしてですけれども、河川生態系あるいは河川環境というものを、堤防間だけの水の流れているところでないとするならば、つまり、河川によって影響を受けたり、あるいはまた河川に影響を与える範囲というものだとすれば、この荒川も多分そうだと思うんですが、いわゆる日本の特徴的な河川形態として、扇状地河川がそう位置づけられると思うんですけれども、この扇状地河川の研究ということ、すなわち、その地下を流れる伏流水の動態というのをぜひやっていただきたい。この点に関しては、漏水の問題とか、あるいは周辺地域の汲み上げ用水とかの問題もありますので、なかなか難しい部分はあろうかと思いますけれども、河川生態の立場、あるいは河川環境の立場から言いますと、そうした伏流水、あるいはわき水に非常に依存した生物や生態系も存在しておりますので、こうした伏流水の動態に関する研究、もちろん河道内伏流水というのも当然あろうかと思いますけれども、こうした研究をぜひやっていただきたいと考えております。
こうした把握がないと、いつの間にやら河道の外側の水環境というものが非常に貧弱なものになってしまって、そこに生息している、そういった水環境に依存した生物も絶えてしまうことがもう現実に起きておりますので、ぜひ研究のほう――これは、この整備方針、基本方針のところでどこまで議論できるのかはわかりませんけれども、個別にお願いすることになるのかもしれませんけれども、そういった視野も持つ必要があるのではないかと申し上げさせていただきたいと思います。
それと同じく、荒川の13ページであります。これはちょっと確認なんですけれども、下から行の空いている文章の3つ目の段落、「支川は、ヨシ・オギ群落や河畔林云々」というところで、「また、水域の連続性の確保に努める」と。これは、もう既に具体的な事業として何かあるのかどうかという、つまり、おそらく魚道のお話なのかもしれませんけれども、もしそういった事業が具体的にされているとすれば、これは終わってからでももちろん結構でありますので、お教えいただきたいと思います。
14ページの下から2つ目の段落で、これはちょっと○○委員にならうわけではありませんけれども、その下から2行目の部分に、「図りつつ、適正化を図る」と、「図る」が2回も出てきてちょっとくどくないかということで、少し文言を変えていただいたほうがいいのではないかなと。それと、以前はたしか「是正」という形になっていたかと思いますけれども、「適正化」のほうがより積極的な対応をされているよので、これはこれでよいかと思います。
それと、全川にわたって言えることでありますけれども、ここにも書いてあります防災教育というものが一番下の塊に書いてございます。これは、すべての河川に書いてありましたので、これでいいかと思うんですけれども、ただ、防災教育ということだけでなくて、もう少し、先ほどご意見が出たかと思いますけれども、「住民協働による地域防災」とか、何かもう少し積極的な文言にしていただいたほうがいいのではないかなと思います。
それと、ちょっと長くなりますし、もう既に意見も出ておりますので、詳しくは申し上げませんけれども、私のほうからも、流量に関する議論というのは、ここでやるべきと思います。先ほど委員長は、生物の側からだけの議論であったというようなことをおっしゃられましたけれども、私、よくその辺が理解できておりません。本当に生物だけのためにという議論がされているのかどうか、ちょっと私、後で委員長に食ってかかろうかなというふうに思っております。環境面からもその維持流量、あるいは正常流量に関しての議論をしていくべきではないかということであります。
ちょっと長くなって申しわけありません。それから、○○委員がおっしゃられた――太田川のほうの話です。太田川のほうの樹木管理の○○委員の質問に対してのお答えということで、樹木管理の資料の1の後ろから2ページ目にあります、樹木管理の図を見ると、なかなか水生生物にとってはいい中水敷というんでしょうか、場所になっております。つまり、○○委員は治水、安全上を前提とした形での樹木管理のことをおっしゃられましたけれども、多分それと同時にやはり治水と環境もこういったところでは同時に議論をする必要を感じます。こういったワンドあるいは溜まりが散見されている、こうした環境をむしろ保全していく方向で、ぜひ管理のほうを進めていただければと思っております。
あとはちょっと細かい点ばかりですので、また事務局のほうに個別にお話をさせていただきたいと思っております。
以上であります。
(委員長)  ありがとうございました。
食ってかかる前に弁明させていただきますが、その川をよく見詰めて決めてくれているのかという思いがあります。この川で何という魚を上らせるのでは何センチの水深が必要だね、だから何m3/sですねというマニュアルどおりにつくっているのではないのか。例えば、瀬切れを起こしているような川にまで機械的に書くというのはいかがかと。そういうときは、おそらく自然状態でもお魚は上っていないんじゃないかと。そういう意味で、その川の実態をよく見た上で決めてほしいということを申しましたので。今まで見ますと、ほとんどお魚のところに赤丸がついて、その後とんとんと上がってきましたので、私はちょっと疑問を感じていました。もっと川の実態を見て、今まで魚が上っていなくても、そういう流量が流れれば上ってくるねというつもりだったら、よく見直してくださいという意味であります。決してお魚を犠牲にするつもりは全くありませんので、釈明させていただきます。
それから、質問の件について、今、お答えできるところがありましたら、お答え願います。
(事務局)  カビ臭の件なんですけれども、ちょっと確認をいたしましたけれども、原因はまだ今のところ把握できていないようで、調査中ということでございました。
それから、ご指摘の中で何点かございましたが、扇状地河川の研究という観点では、河川生態学術研究の中で、木津川を対象としておるのは、たしか伏流水の動態なんかも含めてやっていたと思いますが、あそこは非常に砂の多い河川なので、ちょっとまた違いますので、この荒川においてもそういう研究をしっかりやっていく必要があるのかなと、またその辺につきましては、先生も非常にお詳しいですので、ご助言をいただければありがたいなというふうに思います。
それから、太田川の樹木管理の件なんですけれども、治水と環境のお話、ご指摘ございましたけれども、マーキングをしっかりやって管理していくという中には、皆伐するのではなくて、残すべきものは残すという考え方がおそらくあるので、そういうバランスシートを見出していくための手法としても有効な手法ではないかというふうに考えております。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  前回欠席いたしまして申しわけありません。話が随分細かくなったようなので、では私も少し細かく。
荒川で、6ページの下のほうで、武蔵水路が通水能力が低下していると書いてあるんですが、そのとおりなんでしょうが、幾ら低下しているのか、これではわからないですよね。当然のことながら、老朽化とかいろいろあるので、多分補修されるんでしょうが、補修されるとしたら、書かないほうがいいんじゃないか。書くとしたら、当初の能力が幾らで、現在何ぼに低下していて、補修を必要としているとか何とか書くべきだろうと思います。何かそぐわないような気がしてしょうがないです。
それから、ついでですから、今、カビ臭のご返事がありましたけど、これ、おもしろいんで、朝霞の取水場、場所がちょっと下流なんですよね。大久保が上のほうにあります。その湛水域のちょっとの差で、大分カビ臭が違います。最近よく聞いていないんですが、前は非常にはっきり出ておりました。朝霞のほうがにおっているのに、大久保で出なかったり、こういうことがありますので、ちょっとした湛水域であっても、プランクm3/sによるカビ臭の発生は起こる事例だろうと思っております。
それから、荒川の12ページですが、ここで渇水に関して、「被害の軽減を図るために、広域水融通ネットワークを利用し」と、これはあるんでしょうか。いや、あるとは思っていますよ。だけど、こういう名前がついているんでしょうかということです。多分、これは、荒川系に関しては、利根系とつながっておりますし、当然のことですが。それから、多摩川とは、東京都水道局が両方振り分けて運用していますし、相模川系は川崎を通じて東京のほうに来ている。こういうことなので、そこいらで渇水をできるだけ避けるような運用はされていることは事実なんですが、融通ネットワークという機関があるとはちょっと思えないんですが、そこいらはもっといい名前があったら教えていただきたいと思います。
それから、先ほど○○委員のほうから、19ページですが、流水の正常な機能という件ですが、これに関して、先ほどのご説明でも、「還元」という言葉があったと思います。ところが、私の少なくとも知っている範囲では、利水に関しては、幾ら水を取っていいですよということを判断するものに関しては、「還元」という発想法は全くなかったと思います。ずっと利水研究会等で何回も伺ったんですが、それはなかったと思います。つまり、上流から来ている自流を取ってしまったら、そのあとはもう戻ってこないというふうな、全部計算になっていたと思うんですよね。それが、もし還元が今後とも入ってくるんだということになりましたら、発想法が非常にいい方向に向かうんですが、もし還元ということをはっきり打ち出すのでしたら、例えば、典型的なものとしては、下水処理場があるわけですね。都市用水として取水して、戻ってくる。だから、その還元地点を、やはり地図やその他の管理すべきところに記載すべきだろうと思います。それはどこに戻っているのか全然わからない。それから、農業用水も同じでありまして、大体は小さい河川に還元しているから、自流としてわからないうちに戻ってきているんだろうと思いますが、本格的な水路によりますと、上水のほうでも、工水でもそうなんですが、流域外に行っている、流域内に戻ってこない水流が非常にたくさんあるわけです。そういうものは結局戻ってこなくてもいいという利水の考え方、定性流量の考え方があったせいで、全然計算に入っていない。幾ら流域から失われたんだというのもやはり、もしそういう整理をされるんだったら、はっきり打ち出していただきたいという気がいたして、希望であります。19ページのところは、そういう意味で、取水、還元という言葉は、まだ入れるのは早いんじゃないかと存じます。
ついでですが、別の河川でも申し上げたんですが、最後にくっついている図、地図ですが、荒川のは非常によく読めるんですが、揖保川がちょっと字が読めない。同じく、太田川も少し読めないので、ここいらはきれいな図に取り替えてくださいということであります。
幸いにして、この3つの水系とも、しばらく大渇水がございませんので、あまり申し上げることはないんですが、いつの日にかまた大渇水が来るだろうと思いますので、よろしく管理のほうをお願いいたします。
以上です。
(委員長)  ただいまの質問で、事務局のほうからご意見ありますか。
(事務局)  武蔵水路でございますけれども、もともと50m3/sだったところが、今36m3/sぐらいだというデータは聞いております。どういうふうに書き込めるかは、ちょっと検討してみたいと思います。
それから、広域水融通ネットワークというもの自体は確かにないのかもしれませんけれども、先生ご指摘の水源の多様化とか、そういったようなことを意味しております。もうちょっといい名前があるかどうか検討してみたいと思います。
(事務局)  それから、還元量でございますが、どれでもいいんですが、参考資料4−2の揖保川水系の9ページをごらんいただくとわかりやすいと思うんですが、9ページの右上に流量縦断図というのがあると思います。A3の前回の資料でございますけれども、9ページでございます。これを見ていただきますとわかりますように、正常流量の式が書いてございますけれども、一番右側に流入還元量ということで見込んでおりまして、例えば、この図は、右側が上流で、左側が下流でございますけれども、下流に向かって流量が、青い線が上がっているところが還元量、あるいは流入支川があるところでございます。緑のところで、伊沢川とか菅野川と書いているところは、大きく上がっているところは、支川からの流水量でございますけれども、例えば、発電所の取水があって、40kより少し下流のところで還元量があると思いますが、こういったところは発電所の還元量を見ておりますし、菅野川の下流でちょこちょこと上がっているところがございますけれども、これは農業用水の還元だと思いますけれども、そういったものを見込んでおりまして、見込めるところは、このように還元量を現在でも見込んでいるところでございます。
以上でございます。
(委員長)  では、次、○○委員、お願いいたします。
(委員)  これは表現というよりも書き方の問題なんですが、前にも非常に抽象に過ぎておもしろくないというような意見もあったように思うんですけれど、整備計画との関連もあって、かなり抽象的な表現になっているのではないかと思いますけど、1つ、例えば、資料4−1の荒川の10ページ、その段落3つ目に、「洪水調節施設については、既設洪水調節施設の効果的な操作ルールの採用や」となっているんですよ。専門家はよくわかっているんだろうと思うんですが、私どもはよくわからないんですが、これ、国語的に見ると非常におかしいんで、効果的な操作ルールの採用をするということは、では今までは効果的でなかったのかなということにもなって、非常に抽象化しすぎて、かえっておかしなことになっているのではないかなという感じもするんですけど。全般的に少し具体例を入れるとか――整備計画の中にあんまり書いちゃうとまずいということはあるんでしょうけれども、少し抽象に過ぎているかなという感じがするんですが、よろしくお願いしたいと思います。
(委員長)  検討いたしたいと思います。
それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  それでは、少しだけ。全部に書かれているんですけれども、荒川の9ページのところに、総合的な保全のところなんですが、「治水・利水・環境にわたる健全な水循環・物質循環系の構築」ということで書かれているんですが、ほかのところには水循環だけなんですけれども、荒川が物質循環系と書かれているのに、どういう具体的なのがあるかというのをお聞きしたいと思います。水循環とか物質循環も我々も研究しているんですけれども、農薬と水質の関係をどういう形で水循環の中に入れて改善するかというようなことをやっているんですが、この河川の場合、どういうことかなというのをちょっとお聞きしたいと思います。
それと、最後の、正常流量ばっかり言って恐縮ですけれども、先ほど○○委員がお話しになったところなんですけれども、「なお」以下の還元という状況というのはあるんですけれども、農業用水は4割以上の還元があるというふうに言われていますから、還元量というのは当然入るんですけれども、こういった平水とか平均渇水量時点で正常流量、具体的な流量を明記してしまうと、いろんなそういう問題を提起するんじゃないかなという気が非常にしているわけです。それで、「なお」から3行ですか。ほかのところはないんですよね。正常流量何m3/sとする。そして、「また、以下の機能を有するために必要な流量には」という形で、「なお」以下の3行がないんですけれども、荒川だけこれを入れる意味があるのかなという感じがするんですけれども、カットしてもいいんじゃないかという感じもします。
それと、平均低水量と平均渇水量が書かれていますけれども、前のあれで、10分の1渇水量を併記するというふうになっていたと思うんですけれども、どうして平水量、渇水量、平均渇水量を書かれるのかなという気がします。先ほどの議論をもう少し進めてもらうために、これは意見ですけれども、「なお」以下のところの3行が要るのかどうかというのと、物質循環で具体的にあれば教えていただければと思います。
(委員長)  これは、事務局から何かお願いします。
(事務局)  物質循環という観点で、土砂もそうですし、汚濁物質だとか、さまざまな物質で、そういったものを対象に考えてございます。川ごとに起こっている課題によって光を当てる分野が違うのかもしれませんけれども、ここで考えております項目としては、今言いましたような項目を考えてございます。
(委員)  では、ほかのところも物質循環というのは入っていてもいいんですか。
(事務局)  そういうふうに今回改めさせていただきたいと思います。
(事務局)  では、なお書きのところのご説明をさせていただきます。これは荒川と利根川だけ実は書いております。これは、水の運用が、例えば、雨が降ったときに、もう田んぼとか水がある。そういったときには、水を上から放らない、つまり、きめ細やかな運用をしておりまして。流況を見ると、そのときは下がったように見えるんです。そうすると、本来正常流量を確保するところよりも下に流況が下がったように見えるんですが、流域としては水がある。そういうきめ細やかな運用をしているので、ここに、上記流量を目安とするが、その流量は云々という、こういうもので変動するという、水としては、流域としてきちっと利水流量を満たすように補給をしているんですけれども、流況図を見ると、そこはへこんでいる。つまり、上で水をため込んで、水を放らないようにしているような状況もある。こういうような運用をしているので、一遍水を決めたら全部埋めるようなことではなくて、水が流域にあるときには、その水を温存して出さないようにするから、流況としては下がって、穴が開いていてもいいんだということになっている。こういう水の運用をしているということで、非常にわかりにくいんですけれども、こういう書き方をさせていただいている。それで、必要に確保するというふうに言い切っているということでございます。
(委員長)  よろしゅうございますか。
それでは、○○委員のほうからお伺いしたいと思います。○○委員からお願いいたします。
(委員)  先ほど入間川の洪水調節施設の計画について、本県とも十分な調整をいただけるというご説明がありました。どうもありがとうございました。
事情を多少ご説明いたしますと、今現在、本県で全面的に圏央道の整備が進んでおります。県を挙げて、この整備とあわせて地域の発展をということで、産業の誘致その他に非常に汗を流しているところでございますので、特に入間川の流域におきましては、坂戸市と川島町にインターチェンジが設置されると、これから地域の土地利用も変わってくるかと思います。本県や地元市町の産業立地、土地利用に関する方針等と整合を図っていただくよう、よろしくお願いしたいと思います。
どうもありがとうございました。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  東京都といたしましては、これまでご説明いただきましたとおり、岩渕水門付近の流量7,000m3/sを堅持していただきまして、首都の水害を守るため、引き続きご尽力を賜りたい。都も、隅田川など、荒川水系の河川の整備を一層進めてまいります。
また、荒川最下流の左岸につきましては、ご承知のとおり、中堤が国の管理、荒川と平行して流れる中川が東京都の管理となっておりますが、ゼロメートル地帯を高潮から守る機能といたしましては、中川の防潮堤が荒川左岸堤の役割を果たしております。都はこれまで、この中川の防潮堤の耐震強化やテラス整備などを進めておりますが、今後とも国と協力しながら、地元と密着した整備を進めていきたいと考えておりますので、よろしくご協力を賜りたい。
(委員長)  ありがとうございました。
それでは、○○委員、お願いします。
(委員)  基本方針案につきましては、当県としましては、文章表現上の異論は特にございません。ただ、前回も申し上げまして、非常にくどいようでございますが、県管理の引原ダムの操作規則の変更、あるいは、上流の新規ダムの見直しに関しましては、ダム下流の県管理区間への影響がございますので、今後、必要な時期に引原ダムの管理のあり方も含めまして、協議・調整をお願いしたいと存じます。
また、基本方針案にありますとおり、上下流のバランスを考慮することは重要でございます。しかしながら、県管理の本川上流及び支川の整備を進捗させる観点から、下流の直轄区間の整備促進に特にご配慮いただきまして、今後整備計画を策定いただきたいと思います。
以上でございます。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いします。
(委員)  冒頭の補足説明の資料のご議論の中で取り上げていただきましたが、特に中・上流部の改修につきまして、貴重なご意見等をご拝聴させていただき、ありがとうございました。私ども自治体といたしましても、特に上流部――我々の場合は、特に支川の管理を担当させていただいているわけでございますが、山間狭隘部における非常に守るべき資産、あるいは守るべき土地が限られている中で、どのような改修方式をとるかというのは、非常に我々も悩んでいる課題でございます。先ほどお話がありましたように、どこまで公的な手段をもって対応するのかというのは非常に重要な課題である一方で、一昨年の台風被害では、まさにそれがクローズアップされたことが太田川の中・上流部で発生したわけでございます。これは、今回の基本方針の中では、「土地利用を考慮した効率的な改修を推進する」ということで記述いただいたわけであります。これも先ほど来のお話でいくと、当たり前ではないかと言われるかもしれないんですが、基本方針ではこういう表現ができる範囲であろうと我々も思っております。
ぜひこれを今後の整備計画の中で、より具体に地域に見えるような形で、議論を早く展開していただけると、我々、県としてもありがたいと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
(委員長)  この実施にあたっては、単に今の制度だけでは成り立たないところもあろうと思いますが、事務局でなお一層研究をしていただきたいと思います。
それでは、あらかたの意見も出尽くしたと思われますので、本日の議論を踏まえ、私と事務局において荒川等3水系の河川整備基本方針案を取りまとめ、各委員にご確認をいただいた上で、河川分科会に報告したいと思います。この件につきまして、私にご一任いただければ幸いと存じますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
(委員長)  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
各委員には、本議題につきまして、短時間の中で熱心なご審議、ご議論をいただき、また、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。特に審議対象の荒川水系の関係委員としてご参加いただきました○○委員、○○委員、○○委員、揖保川水系の関係委員としてご参加いただきました○○委員、○○委員、太田川水系の関係委員としてご参加いただきました○○委員、○○委員の各委員におかれましては、今回をもって最後の委員会となります。地域の実情を踏まえた貴重なご助言などをいただき、ありがとうございました。
最後に、本日の議事録につきましては、内容について、発言者の氏名を除いたものとし、各委員のご確認を得た後、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします。
本日の議題は以上でございます。
(事務局)  ありがとうございました。
最後に、事務局○○よりごあいさつを申し上げます。
(事務局)  委員の皆様方には、2回にわたりまして大変ご熱心にご議論いただきまして、ありがとうございました。
2つほど申し上げたいと思うんですが、1点目、正常流量の記述でございますが、○○委員のほうからご意見がございましたが、行政できちっと調整を経て、成案を得てまいりたいと思っております。
それから、2点目でございますが、委員長からもご指摘がありましたが、太田川の上流、今回の水害を経験したわけでございますが、土地利用を含めた減災対策、こういったものを重い課題として受けとめておりまして、しっかり対応してまいりたいと思っています。
いずれにいたしましても、3河川につきまして基本方針、ここまでつくっていただきました。所要の手続きを経て、成案を得てまいりたいと思っております。
どうもありがとうございました。 

 

3.閉      会


(事務局)  次回の本委員会は、Bグループにつきまして、球磨川水系の審議のため、2月14日水曜日、15時から18時の間、場所は3号館11階特別会議室で行います。
 また、お手元の資料につきましては、お持ち帰りいただいても結構でございますが、郵送ご希望の方には、後日郵送させていただきますので、そのまま席にお残しいただきたいと思います。
 それでは、閉会いたします。どうもありがとうございました。

  







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