櫛田川は、標高1,000m級の山々が連なる山間地帯を渓流となって流れ、その後細長い羽状の流域を下り、両郡橋付近から伊勢平野に出て田園地帯を流下している。
山間渓谷部を流れる上流部は、1,000m級の山々が連なる山間地域でスギ、ヒノキの人工林の間にブナの原生林やモミ、シデなどの樹林が残存するほか、トガサワラの本州の北限分布地となっている。このような樹林地帯には、樹林の環境に依存するモリアオガエル、ホンドザル、ニホンカモシカなどの動物が生息している。さらに、高滝など点在する滝が変化に富む渓谷美を形成している。このような水辺等には、三重県指定の天然記念物であるオオダイガハラサンショウウオをはじめ、アマゴ、タカハヤ、ゲンジボタルなど山間の清流に棲む生物の生息がみられる。