昭和以降の水害

昭和30年代後半から流域の都市化が急速に進み、水田・ため池等の保水機能が減少していることや、奈良県側においては亀の瀬狭窄部の上流付近では、勾配の緩い地形特性と狭窄部の堰上げにより、洪水時に大和川本川水位が上昇し、洪水はん濫や内水浸水等の水害を受けやすい地形的特性を有している。近年では、平成19年7月に低気圧の影響で柏原上流域の12時間雨量が約90mmに達する豪雨によって、柏原地点で1,500m3/secの流量を記録し、藤井地点では計画高水位を超過した。

戦後最大洪水（昭和５７年）

近年では、昭和57年（1982年）8月2日に柏原地点において約2,500m3／secの流量を記録した戦後最大となる洪水が発生した。7月31日から2日明け方にかけて、台風10 号通過に伴う降雨が続いた後、2日夜から3日朝にかけて台風9号崩れの低気圧が通過したため、柏原上流域の12時間雨量が146mmを記録した。大和川本川では、1日から3日にかけて、藤井付近や支川西除川合流付近では計画高水位を超えたほか、奈良県や大阪府内の支川のはん濫や内水浸水の発生により、21,956戸の家屋が浸水する等の被害が生じた。

平成２９年台風２１号による出水

　大和川流域では、台風21号の北上に伴い、本州南岸の前線の活動が活発となり、台風通過前の21日夜から、断続的に降雨が観測され、22日の夜から23日の未明にかけ、最大１時間降水量約20mm、柏原上流域平均累加雨量で約260mmを記録し、遠里小野、藤井、王寺及び河合の水位観測所では、計画高水位を超過した。
大和川本川の水位上昇により沿川の柏原市、王寺町、三郷町において、溢水し床上・床下浸水が発生した。また、国管理区間沿川の広域に渡って内水被害が発生した。

過去の主な渇水