佐保川の上流部にある春日大社の奥山には原生林が広がっています。841年に木を切ることを禁止されたため、天然記念物のルーミスシジミや樹齢1000年を超える木などの自然が残され1998年12月に世界遺産に登録されています。
このように源流部ではきれいな自然が残されていますが、その下流部である奈良県域、大阪府域とも昭和30年以降著しい宅地開発や工業団地の誘致などの都市化に伴い、人口の増加や産業が集中し、生活排水、工場排水等が要因となって水質が著しく悪化しました。
平成6年に「清流ルネッサンス21(水環境改善緊急行動計画)」を制定し、下水道整備、水質浄化対策などを行い行政間が一体となって水質改善に努めています。活動が実り、水質は徐々に改善されつつありますが、まだ目標とする環境基準に達しておらず、現在は平成14年に策定した「大和川清流ルネッサンスⅡ(第二期水環境改善緊急行動計画)」に基づき、平成22年には環境基準を満たすように、地域と一体となって水質改善を進めています。