水管理・国土保全

  

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地域と江の川

棚田が彩る風景

 山や谷を切り拓き、石垣や土盛りで傾斜地に築きあげられた棚田 は、昔の人の工夫や技術、苦労の結晶です。山地が多くの面積を占める江の川流域では、細い谷の水を活用した棚田が古くから拓かれてきました。また、たたら製鉄が盛んだった江の川流域には、鉄穴流しの跡地に棚田が造られた所も多くあります。島根県邑智郡邑南町の矢上盆地では、山麓に広がる棚田のほとんどが鉄穴流しの跡地に造られています。

 棚田は、農業の機械化が困難で、維持管理も大変ですが、国土保全や環境保全に役立つと同時に、美しい農村の風景を造り上げています。


旭町の棚田


邑南町の棚田



江の川の年中行事

 江の川流域には、川や水と関わりの深い祭事 ・年中行事、川を主な舞台としたイベントなどが数多くあります。川に対する感謝やおそれは、私たちの生活に直接かかわるため、川の神様、水の神様である水神への信仰、あるいは水神が姿を変えた龍や大蛇にまつわる言い伝えとして受け継がれています。また、古くから舟運や漁業など、川によって支えられた暮らしがあったため、それらに関わる人々によって水上安全・漁業守護の神様である厳島社、住吉社、金比羅灯籠などが祀られてきました。

 江津市江津本町にある山辺神宮は古い式内社(『延喜式』にのっている神社)で、江津が北前船の寄港地、江の川舟運の拠点であったため、水運守護の神としても信仰されてきました。7月に行われる祇園大祭礼では、数年に一度、江の川の河口付近を舞台に、勇壮華麗な船神事「川渡御式、ホーランエー」が行われます。この神事は、川の鎮護、航海安全などを祈願して1713年頃から始まったと言われます。


山辺神宮祇園大祭礼(ホーランエー)




水に親しむ川づくり

 河川空間は、豊かな自然とうるおいにあふれた場所です。特に公園・緑地といったオープンスペースが不足している都市部においては貴重な空間となっています。このため、環境整備事業として身近な自然にふれあうことができ、うるおいのある水辺空間を造るために、様々な施設を備えた高水敷の親水公園、水辺に近づきやすい親水護岸、生物の生息に配慮した多自然型護岸、子どもたちの学習の場となる水辺の楽校、親しまれるダムの湖畔整備を進めています。


土師ダム湖畔整備



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