江の川流域には、川や水と関わりの深い祭事 ・年中行事、川を主な舞台としたイベントなどが数多くあります。川に対する感謝やおそれは、私たちの生活に直接かかわるため、川の神様、水の神様である水神への信仰、あるいは水神が姿を変えた龍や大蛇にまつわる言い伝えとして受け継がれています。また、古くから舟運や漁業など、川によって支えられた暮らしがあったため、それらに関わる人々によって水上安全・漁業守護の神様である厳島社、住吉社、金比羅灯籠などが祀られてきました。
江津市江津本町にある山辺神宮は古い式内社(『延喜式』にのっている神社)で、江津が北前船の寄港地、江の川舟運の拠点であったため、水運守護の神としても信仰されてきました。7月に行われる祇園大祭礼では、数年に一度、江の川の河口付近を舞台に、勇壮華麗な船神事「川渡御式、ホーランエー」が行われます。この神事は、川の鎮護、航海安全などを祈願して1713年頃から始まったと言われます。