千代川は昔より漁場・飲料水・輸送路として流域住民に多大な利益を与えてきました。特に農業に与える恩恵として、約7,600haの農地をかんがいしています。
大井手用水
大井手用水は千代川左岸側をかんがいする用水で、慶長5年(1600年)に亀井武蔵守により築造された用水路です。この用水の開発を契機に、領主の亀井武蔵守は新田開発を積極的な施策を推し進め、これまでかんがいの難しかった川沿いの微高地周辺や秋里・江津・晩稲などの荒涼とした乾田も生気を取り戻したといわれています。
大口用水
大口用水は千代川右岸の沖積平野をかんがいする用水です。この用水はいつの時代に築造されたのか明確な記録もなく、今なお謎につつまれています。堰の規模や構造からすれば、大井手用水と時を同じくするものと推論されていますが、右岸側の藩主池田氏は土木事業といえば鳥取城下町を中心とした袋川の付け替えや城下町の拡張整備などで、農耕地の記録はあまり残されていません。