水管理・国土保全

  

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地域と千代川

江戸時代から続く農業用水

 千代川は昔より漁場・飲料水・輸送路として流域住民に多大な利益を与えてきました。特に農業に与える恩恵として、約7,600haの農地をかんがいしています。

大井手用水
 大井手用水は千代川左岸側をかんがいする用水で、慶長5年(1600年)に亀井武蔵守により築造された用水路です。この用水の開発を契機に、領主の亀井武蔵守は新田開発を積極的な施策を推し進め、これまでかんがいの難しかった川沿いの微高地周辺や秋里・江津・晩稲などの荒涼とした乾田も生気を取り戻したといわれています。

大口用水
 大口用水は千代川右岸の沖積平野をかんがいする用水です。この用水はいつの時代に築造されたのか明確な記録もなく、今なお謎につつまれています。堰の規模や構造からすれば、大井手用水と時を同じくするものと推論されていますが、右岸側の藩主池田氏は土木事業といえば鳥取城下町を中心とした袋川の付け替えや城下町の拡張整備などで、農耕地の記録はあまり残されていません。



農業用水のかんがい範囲




もちがせの流しびな
 鳥取市用瀬(もちがせ)町では、旧暦の三月三日ひなまつりに男女一対の紙雛を桟俵にのせ、厄災を託して千代川に流す情緒豊かな民俗行事が行われます。雛流しの原型は平安時代にさかのぼるといわれ、草人形を体でなでつけ、けがれを移して海や川に流し、1年の無病息災を祈った儀礼でありました。用瀬の流し雛は時代の変遷とともに形を変えながらも受け継がれています。この行事は、昭和60年に県無形民俗文化財に『もちがせの雛送り』として指定されました。

 用瀬(もちがせ)町では流しびな行事にあわせて、個人宅を開放して家に古くから伝わるひな人形やそれにまつわるものなどを飾る『ひな飾り公開』、公民館や流しびなの館で体験できる『流しびな製作実演』など、さまざまな催しも行われます。また「流しびなの館」では、流しびなやひな人形の歴史に触れることができます。


もちがせ流しびなの様子


流しびなの館



浜坂遊水池
狐川内水対策事業
千代川水系袋川支川の狐川は、鳥取市中心部を貫流しており、度々内水被害を引き起こしてきました。このため狐川排水機場を設置し、狐川流域の内水被害をかろうじて軽減してきました。

 浜坂遊水池は、袋川の氾濫防止と狐川流域の内水被害解消を目的に整備を行い平成21年より運用を開始しています。狐川排水機場と浜坂遊水池を一体利用することにより、計算では「10年に一度の洪水」でも沿川道路の浸水を防ぎ、「50年に一度」の洪水でも住宅の床上浸水を防ぐことが出来ます。

 また、浜坂遊水池は、鳥取市街地(中心部)に近く、貴重なオープンスペースとなっており、自然豊かな多目的公園としても利用することができます。


浜坂遊水池


遊水池内の公園




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