大分川の水利用は、古くから農業用水として利用されています。
大規模な用水開発としては、由布市庄内町の篠原ダムを水源とし、大分川左岸の鬼瀬(おにがせ)、平横瀬(ひらよこせ)、国分、中苑(なかぞの)、古国府(ふるごう)と続き、途中三ヶ田(みけた)町から北流して大分市生石(いくし)地区までをかんがいしている延長約23.4㎞の初瀬(はつせ)井路があります。これは、天正年間(1583年)に、大友義統(よしむね)が大分川の支流である賀来川を水源として井路をひらき国井手(くにいで)と名付けたのに始まり、その後、元禄7年(1694年)に用水不足のため府内藩は、大分川筋の由布市挾間町向原(むかいのはる)を水源として開発した井路等を総称して初瀬井路と呼ばれています。初瀬井路は、府内藩領と臼杵(うすき)藩領にまたがる長大な井路です。
また、初瀬井路の他にも、七瀬川流域には野津原(のつはる)三渠(大龍(おおたつ)井路、鑰小野(かぎおの)井路、提子(ひさご)井路)、賀来川の上流には朴木(ほうのき)井路など、巨岩を掘り抜いて難所を開削した井路が残っています。
大分川では、現在、流域外も含めて農業用水として約8,500haの農地でかんがいに利用され、水道用水としては大分市や由布市挾間町等で、工業用水としては大分市内で利用されています。また、水力発電として芹川発電所をはじめとする14ヵ所の発電所による最大出力約52,530kWの電力供給が行われています。