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交通分野の国際的取組国際建設交流組織構成データ・リンク集

経済協力開発機構

(OECD:Organization for Economic Co-operation and Development)


  1. 沿革及び加盟国
  2. 目的と機能
  3. 組織と機構
  4. 関係委員会・作業部会

1.沿革及び加盟国

(1) 米国マーシャルプランの欧州受入機関として1948年に欧州経済協力機構(OEEC)が発足。欧州経済の復興に伴い、自由主義経済圏の発展を図るための組織として1961年に米国、カナダを加えた計20ヶ国で経済協力開発機構が設立。日本は1964年に加盟。

(2)
加盟国は以下のとおり。
原加盟国: フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、オーストリア、スイス、デンマーク、アイスランド、アイルランド、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、スペイン、ギリシャ、トルコ、イギリス、アメリカ、カナダ
加入国: 日本(64')、フィンランド(69')、オーストラリア(71')、ニュージーランド(73')、メキシコ (94')、チェコ(95')、ハンガリー、ポーランド、韓国(以上96')、スロバキア(00')
<欧州委員会(EC)がオブザーバー参加。>

2.目的と機能

(1) OECDの目的は、次の3点。
  1. 経済成長:最大限の経済成長、雇用、生活水準の向上
  2. 開発  :経済開発過程にある加盟国・非加盟国の経済の健全な拡大
  3. 貿易  :多目的かつ無差別な世界貿易の拡大
(2) OECDは自由主義経済体制をとる先進工業諸国のグループとして、経済・社会の幅広い分野を対象としていることを特色とし、優れた事務局スタッフによる高度な問題の分析をもとに加盟国代表が自由な討議を行い、そのような意見交換・情報交換を通して加盟国間の共通の認識を醸成することをめざしている。なお、意思決定を行う際は原則として全会一致による。

3.組織と機構

(1) 理事会・・OECDの最高機関
  • 閣僚理事会(Council at Ministerial Level)
  • 通常の理事会(Council) には、加盟国のパリ常任代表が参加する。
(2) 執行委員会、新執行委員会(執行委員会特別会合)
  • 通常の執行委員会(Executive Committee:EC)は理事会を補佐し、理事会の決定事項を執行する。各国のパリ常駐代表(我が国は代表部公使が対応)が参加する。
  • 新執行委員会(執行委員会特別会合、Executive Committee on Special Sessions:ECSS)は、各国次官クラスの出席者を得て主要問題につき大局的観点から論議する。
(3) 機構(委員会・関連組織)
  • 委員会:経済政策、経済開発検討、行政管理、情報・コンピューター・通信政策、国際投資多数国企業、保険、租税、農業、教育、科学技術政策等
    (国土交通省関係:海運委員会、観光委員会、環境政策委員会、造船部会、地域開発政策委員会、)
  • 関連組織:国際交通フォーラム(ITF)、OECD/ITF共同交通研究センター(JTRC)、国際エネルギー機関等
(4) 事務局

事務局は事務総長が総括し、加盟国の中から選ばれた経済、統計、法律科学等の専門家及び行政官によって構成される。理事会の決定に従い、各種事務の分担、委員会等の事務作業を行っている。

4.関係委員会・作業部会

【海運委員会】

 OECD加盟国30カ国及びEUが参加し、本部において年2回会合を持っている。
 海運委員会においては、先進国間の海運政策についての討議を通じて、「海運自由の原則」に基づく自由で公正な国際海運市場の形成に向けた活動を行っている。
近年、同委員会においては、海事分野におけるテロ対策、サブスタンダード船対策等の安全と環境問題に関する討議を行うほか、非加盟国とのワークショップの開催などを通じて、海運自由化へ向けた取り組みを推進している。なお、現在、OECD改革の中で、組織の整理・合理化が検討されており、海運委員会についても、廃止などを含めたそのあり方について検討がなされている。
 我が国は世界有数の海運国としてこれまで積極的に参加してきており、1998年には議長国に選出され、また、1999年には非加盟国との政策対話に係るワークショップを神戸で開催する等、委員会の活動に貢献している。


【造船部会】

 各国とも深刻な状況に陥っていた造船業についての不況対策を検討するべく、1966年5月に理事会直属の作業部会として設置。
 1造船業に関する唯一の多国間政策協議の場であり、船価の正常化や需給の安定化等の市場問題、公正な競争条件の確保に関する問題等についての協議、新興造船国との対話の強化等の活動を行っている。
 造船業においては、便宜置籍等の船舶取引の特殊性により、産業一般を対象とするWTOの枠組みが有効に機能しないことから、2002年12月より新たな造船に特化した通商協定の策定(新造船協定)に向けて交渉を行っていたが、協定の一部内容について合意に至らず、2005年9月に交渉は中断した。
 2006年7月からは、OECD加盟国のうち関係国が活動費を分担する2部予算の下で活動することとなった。
(関与)
 我が国は主要造船国として、造船部会設立当初から参加している。新造船協定交渉の際も、事務局とともに協定の策定に向け最後まで尽力した。今後も積極的に参加していく考え。


【観光委員会】

 1961年に設置され、国際観光の自由化、政府観光局の役割、観光統計等について作業が行われている。
 国際的な観光振興を図るための国際協力を目的として1961年に設立。OECD全加盟国の他、世界観光機関(UNWTO)等のオブザーバーが参加する会合が年2回開催されている。最近では、第80回会合が平成19年11月にパリで開催され、平成20年4月には第81回会合が、平成20年10月には第82回観光委員会ハイレベル会合(次官級を想定)がパリにて開催される予定。
(関与)
 観光委員会は、米国、北欧諸国等UNWTOに加盟していない国を含む先進諸国と観光政策全般に関する議論や情報交換を行うことができる重要かつ貴重な場。我が国は会合の副議長国を務めており、毎年日本から代表団を派遣するなど積極的に議論に参画しているところ。近年は、ビジット・ジャパン・キャンペーンを初めとした我が国の観光立国実現に向けた取組の発表を行い、これに対する各観光先進国等からの有益な助言を所要の施策に反映すべく取り組んでいる。我が国において近年整備を進めつつある観光統計の活用促進に係る議論も活発であり、2008年11月にはパリで観光統計に関するフォーラム等が開催される予定。


【JTRC(OECD/ITF共同交通研究センター)】

 2004年1月、ECMT(ITFの前身)の経済研究部門とOECDの道路研究部門(RTR)を統合し、JTRC(OECD/ECMT共同交通研究センター(当時))を設立。陸上交通を中心として、交通分野における安全、セキュリティ、環境等の広範なテーマについて研究を行っている。JTRCは、3年単位で事業計画が策定されており、現在は2007年1月〜2009年12月までの3か年計画に基づき個別の調査研究プロジェクト(約25件)が実施されている。なお、その結果は、ITF閣僚理事会とOECD理事会の双方に毎年報告されている。