苔の洞門
このエリアの火山活動がもたらした最も興味深い「贈り物」の1つが、風不死岳の西側にある長く(400メートル)、深く(10メートル)、狭い(1~3メートル)岩の峡谷です。これは、大昔に起きた樽前山の噴火によって残された岩の割れ目を長年にわたって水が侵食した結果です。これがただ深く狭い峡谷であったとしても、それはそれで面白いでしょう。しかし、この峡谷を唯一無二な存在としているのは、峡谷内には苔の生育に適した温度と湿度、そして日光の欠如が揃っており、そこには80種類もの苔が生えているという点です。(直訳だと『この峡谷の特徴は、峡谷内の適切な温度と湿度、そして日光の欠如のおかげで、およそ80種類もの苔が生えているという点です。』)残念ながら訪問客はもうこの峡谷を歩くことはできませんが、床から天井まで届く、臨場感あふれる峡谷の写真が支笏湖ビジターセンターに展示されています。