名称を構成する3つの個々の漢字を見ると、歌舞伎がどのようなものかを解釈しやすくなります。「か(歌)」は歌唱を指し、「ぶ(舞)」は踊りに焦点を当て、「き(伎)」は演技を意味します。簡単に言えば、この伝統的な日本演劇は舞踊劇の一形式です。役者が凝った衣裳を身につけ、顔全体に独特の化粧(隈取と呼ばれ、通常は主役、権力のある役、または鬼や精霊役をそれぞれ表す)を施して、様式化され、かつ、誇張された動きで演じます。
歌舞伎には長い歴史があります。実際に、歌舞伎はシェイクスピア演劇とほぼ同時期に始まっています。シェイクスピア演劇は全ての役を男性役者が演じることで始まった一方、歌舞伎は、それとは正反対の形式でした。歌舞伎は、元々16世紀から17世紀にかけて、女性役者によって公演されました。しかし、官能的で挑発的な面が問題として指摘され、1629年に女性による演技は禁止され、男性が引き継ぎました。 この伝統は今日まで続いています。 男性役者は「たちやく(立役)」と呼ばれ、女性役の役者は「おんながた(女形)」と呼ばれます。公演一座には他に囃子方(演奏者)と黒子もいることで、舞台を完成させます。黒子は、見えないように全身黒い衣装をまとっている舞台係です。
4世紀にわたる長い歴史を通して、歌舞伎はその時代の流行を盛り込むだけでなく、能や文楽人形浄瑠璃(語り手の太夫、三味線、人形が一体となった総合芸術)などの伝統芸能からも様々な要素を借用してきました。進化して適応するこの独特の能力により、歌舞伎は折衷的で興味深い形に発展するようになり、今でも人々の心を魅了しています。2008年、ユネスコは歌舞伎を人類の無形文化遺産として正式に認定しました。
近年は、スーパー歌舞伎と呼ばれる革新的なスタイルもできました。スーパー歌舞伎は、今日使われている日本語を使用し、古典的な話を現代文化にフィットさせることで歌舞伎をより多くの人に伝える役割を果たしています。
