生命のインターバル:裏磐梯の冬(熊と森と春夏秋冬~冬~)
冬になると、木々から葉が落ち、一面雪景色となりますが、あたりの環境は不毛とは程遠いといえます。オニグルミ(学名:Juglans ailantifolia)やハルニレ(学名:Ulmus davidiana var. japonica)の木の枝、リョウブ(学名:Clethra barbinervis)やナナカマド(学名:Sorbus commixta)などの低木から蕾が出てきます。
ツキノワグマ(学名:Ursus thibetanus japonicus)が、木のほら、洞窟、土の巣穴などに籠って冬眠します。その時期は気候や準備した食料の分量によりますが、基本的に11月から4月までを冬眠の期間としています。冬眠中、クマの代謝速度は遅くなるため、食事や排便をすることなく、蓄積された脂肪で生き延びることができます。妊娠中のメスは、冬眠状態でいる間も目を覚まし、出産や子育てを行います。
コハクチョウ(学名:Cygnus columbianus)は、冬に裏磐梯に飛来してきて、湖や川に生育している水生植物の葉や根を探し回ります。ベニヒワ(学名:Acanthis flammea)やオオマシコ(学名:Carpodacus roseus)が、白い雪や剥き出しになった枝を背景に羽で赤い閃光を放ちながら森の中を一瞬にしてすり抜けるのが見られます。