企業情報 | 旭化成株式会社/旭化成ホームズ株式会社 | ||||
表彰・認定 | 「生物多様性につながる企業のみどり100選」企業緑地部門 | ||||
緑の取組み | 対象地 | あさひ・いのちの森 | 静岡県富士市 | ||
対象面積 | 敷地面積: | 58,695 u | うち、緑地面積: | 10,570 u | |
概要 | |||||
対象地は、静岡県富士市の田子の浦湾に面する旭化成の工場策内につくられた、地域固有の植生再生を目指した約1万uの緑地です。 2007年に旭化成へーベルハウスの技術開発拠点である住宅総合技術研究所建設に際し、新設する研究施設群と時を同じくして計画・造成・植栽等が行われました。工事に先立つこと2年間にわたり周辺域の植生を調査し、「富士市沿岸部の原風景」を基調とした再生目標を設定、潜在自然植生(環境保全林)ゾーン、二次林(雑木林)ゾーン、草地ゾーン、湿地ゾーン、田んぼ、深さの異なる池、流速の異なる流れなど多様な環境が創出されています。造成に際しては建物工事の際の残土を余すところなく利用して最大4mの高低差を設け、変化のある景観を生み出しています。富士市の協力を得て市内に残る数少ない低層湿原、浮島が原の埋土種子を含む表土の客土による湿地を形成、ここにおいても地域固有の植生の保全再生に挑んでいます。 竣工後、年2回の植生モニタリングを継続しながら、計画当初の目標である地域固有の多様な植生再生に向けた管理をつづけており、竣工後3年目になる2009年モニタリング調査では、ヤマザクラやアカマツなど木本類の実生が見出され、この森が少しずつ自力で育ちつつあることが確認されました。この地に森をつくり、生物多様性保全に取組む目的はひと言で言えば企業による自然との共生の意思表示です。すなわち、高度経済成長期にはヘドロの海として知られた田子の浦湾に面する立地、あるいは総合化学メーカーとして環境高負荷型の産業として成り立ってきたこれまでのあり方から持続可能性を意識した21世紀型の企業のあり方への切り替えの象徴として、地球と地域に(経済成長優先で犠牲にされた)多様な自然を再生し返していこうと考えています。この森は社員だけでなく地域の人たちとつくり活用することが、この目的をより効果的に達成できると考え、社員、地域有志2000人余の人々による2万本の植樹からスタートし、学童による森の見学会、ホタル鑑賞会なども継続的に行っています。また、田んぼでの稲刈り(田植えは地元JAに依頼)、収穫祭なども行事として定着しています。 |
![]() 全体図 |
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![]() 全体写真(07年7月) |
![]() 植樹50日後(07年7月) |
![]() 植樹2年後(09年8月) |
![]() カモの飛来(08年12月) |
![]() 再生された湿地(09年5月) |
![]() ホタル鑑賞会(09年6月) |
![]() 小学生の自然観察会(09年7月) |
![]() 稲刈り(09年10月) |