トップページ  >  優良な取組み事例  >  事例一覧  >  六花の森
国土交通省 都市局 公園緑地・景観課
企業のみどりの保全・創出に関する取組みの表題の画像
企業のみどりの保全・創出に関する取組みの表題の画像
 
 
企業情報 六花亭製菓株式会社
 
表彰・認定 「生物多様性につながる企業のみどり100選」企業緑地部門
緑の取組み 対象地 六花の森 北海道帯広市
対象面積 敷地面積: 100,000  u うち、緑地面積: 85,000  u
概要
北海道を拠点に展開する当社は新たな生産拠点として、新工場を帯広市郊外の中礼内村に建設することを計画しました。1997年2月より敷地調査を始め、計画地周辺の豊かな自然環境に溶け込んだお菓子工場、ランドスケープづくりを目指し、約10年の歳月を掛けて整備し(工場は1998年竣工) 2007年9月に約10haの広大な「六花の森」がオープンしました。
生物多様性、地域の自然景観などに配慮し、自然環境の調査をもとに敷地内に存在する自然環境資源を丹念に抽出することで、敷地固有の植物の保全、河畔林の保全とネットワーク化、微地形や河道跡を手掛かりとした湿地の回復などのエコロジカルな緑地環境づくりに取り組みました。また、自然に溶け込んだお菓子工場、古民家の再生による美術館、地元作家によるアートの配置など環境に調和した設計を心掛け、来場者に地域の自然と文化に触れ合う場づくりを目指しました。生物多様性というキーワードが今日ほど声高に叫ばれていない時分から、時間を掛けて取り組んだランドスケーププロジェクトです。
当社の特徴の一つに画家の坂本直行氏の描いた包装紙があります。当社は包装紙に描かれている北海道の山野草などを守り育て、地域の景観を保全し、地域に親しまれる企業として日々活動に取り組んでおります。この北海道中札内に創出した「六花の森」は主に敷地全体を流れる調整池やせせらぎなどの水の景をつくりだすことにより、湿地を回復することで荒れた耕地で敷地全体に進行していた乾燥化を抑制することにつながりました。またこれら湿地によりエコトーンをつくりだすことにより、抽水植物から水辺林まで幅広い多様な地域の植物を誘うことが可能となりました。丁寧な敷地の踏査と航空写真の読み取りや地形図の変遷をたどることで、微地形を活用した自然な景観づくりが可能となりました。
地域と共にある企業の生産拠点がその敷地の自然環境とどのようにあるべきか、単に工場緑化という観点にとどまらず、地域・敷地の固有植物などの自然環境資源に着目し、企業活動に取り込みながら、新たな地域住民とのコミュニケーションの場として取り組んだプロジェクトとなっております。
全体図の画像
全体図
湿地を回復したランドスケープの画像
湿地を回復したランドスケープ
工場前庭に調整池を活用した湿地の画像
工場前庭に調整池を活用した湿地
敷地内の乾燥化を抑制するせせらぎの画像
敷地内の乾燥化を抑制するせせらぎ
湿地近くで見られる赤トンボ類の画像
湿地近くで見られる赤トンボ類
せせらぎに蘇生したエンコウソウの画像
せせらぎに蘇生したエンコウソウ
湿地に産みつけられたオタマジャクシの画像
湿地に産みつけられたオタマジャクシ
既存林内のオオバナエンレイソウの画像
既存林内のオオバナエンレイソウ
保存した既存のエゾノコリンゴの巨樹の画像
保存した既存のエゾノコリンゴの巨樹