企業情報 | OMソーラー株式会社 | ||||
表彰・認定 | 「生物多様性につながる企業のみどり100選」企業緑地部門 | ||||
緑の取組み | 対象地 | 地球のたまご | 静岡県浜松市 | ||
対象面積 | 敷地面積: | 32,700 u | うち、緑地面積: | 23,759 u | |
概要 | |||||
「地球のたまご」は、OMソーラー(株)の社屋兼研究施設です。2004年6月に「環境と共生」の実践として、太陽熱を利用したOMソーラーシステムをはじめ、多くの環境共生技術を採用した社屋を浜名湖湖畔に竣工しました。 敷地を含めた周辺一帯は、もともとは養鰻池として利用されていましたが、バブル期に埋立てられその後放置されていました。内陸側は市道、湖側は石積護岸で区画され、陸から湖への地形、水系の連続性は失われていました。2002年から3年間に渡って行った浜名湖の流域における動植物の調査は、在来の植生や生物が生息する場所を求めて、敷地周辺部から流域の最上流部にまで及びました。調査の結果明らかとなったのは、農薬、除草剤散布、山林放置等による流域の生物や植生の劣化、年々進行している湖の水質汚染と塩分濃度上昇など、浜名湖を取り巻く環境の厳しい実態でした。「地球のたまご」のランドスケープ計画は、この敷地が浜名湖の新たな水源地となることを目指し、流域の環境を再構築することを意図した試みです。 地球のたまごの植物は浜名湖や周辺の都田川水系に古くからあったであろう木々を選び、実や枝を分けてもらい、野芝とフジを除いて一切の植物を購入していません。ランドスケープ設計者の指導のもと、植栽はすべて社員が実生や挿し木から育てたり、敷地内の自生植物を移植したものです。これらの取組みを「どんぐりプロジェクト」と呼び、採種から育苗、移植、草刈も浜名湖の水源になることを目指して薬品は一切使わずに社員自らの手で行なっています。 竣工2年後に行った調査では、<動物>哺乳類4種、鳥類29種、爬虫類2種、両生類3種、昆虫類56種、<植物>植栽した木本類46種を含め112種(在来種)と、多様な生物を確認できました。 また、環境学習の場として多くの見学を受け入れるとともに、産業観光やイベントの場としても活用いただくことで地域社会に自然環境や生物との共生の考えを広く普及しています。 「地球のたまご」では、小中高生から学生、全国の企業や団体の方々など、年間1500〜2000人の方が理科や環境の学習、視察・研修・旅行の一貫として訪れています。実際に見て触れて、体感していただくことは、環境問題を考え、持続可能な社会を実現していくためにとても重要なことと考えます。地球のたまごでは、環境共生建築という器の提案だけでなく、環境教育の分野にも積極的に取り組んでいます。 |
![]() 全体図 |
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![]() 全体写真 |
![]() 竣工当時 |
![]() 湿地に生い茂るオギ |
![]() 建物南から |
![]() どんぐりプロジェクト植苗 |
![]() どんぐりプロジェクト草刈 |
![]() 見学会の様子 |
![]() 課外授業 |