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国土交通省 都市局 公園緑地・景観課
企業のみどりの保全・創出に関する取組みの表題の画像
企業のみどりの保全・創出に関する取組みの表題の画像
 
 
企業情報 株式会社神戸製鋼所
 
表彰・認定 「生物多様性につながる企業のみどり100選」企業緑地部門
第17回「地球環境大賞」文部科学大臣賞
緑の取組み 対象地 灘浜サイエンススクエア 兵庫県神戸市
対象面積 敷地面積: 8,674  u うち、緑地面積: 5,251  u
概要
『灘浜サイエンススクエア』は(株)神戸製鋼所が地域交流施設として設置したもので、「製鉄」「発電」「エネルギー」「環境」をテーマに、科学・技術の面白さや不思議さを遊びながら学ぶ体感型学習施設として2004年4月に開館しました。神戸市内の小中学生や一般市民など年間約6万人の来館者があります。
約8,700uの敷地に緑地面積をできるだけ多く確保すべく展示館の建物の1階部分は地下に埋める形にすることで、緑被率が60.5%となっています。緑地の特徴としては、隣接する灘浜緑地との連続性への配慮、および海に近い環境にあった郷土種の樹木の植栽を行うとともに、当館のテーマ「環境」学習の一環として生物多様性を取り上げ、約280uを生物の生息空間に配慮したビオトープとして整備しました。緑地のデザインにおいては建築デザインとの一体性にも配慮しました。
 
(株)神戸製鋼所では、環境経営基本方針として定めた3つのビジョンのうち「社会との共生・協調」の主要課題として「生物多様性保全」を位置付けており、「灘浜サイエンススクエア」のビオトープはその実践の場といえます。敷地は工場地帯の一角であり周辺も完全に都市化されている状況の中で、都賀川の下流に立地することから、六甲山系から大阪湾へ流れ込む河川の下流域にあたる低地の環境の再生することを目標としました。メダカ、トンボ、様々な湿性・水生植物などの一般的な水辺の生き物に加え、カワバタモロコ、イヌタヌキモなどの希少種の生育環境を再生しています。維持管理は、当館の職員に加えて地域のNPOなどの専門家の支援も受けた管理体制により推進しており、設置後6年が経過して当初目標とした生態環境が再生できつつあり、海岸の埋立地という厳しい環境のもとにありながらも、着実に地域のエコアップに貢献できています。
また、地域の環境教育の拠点として地域のNPOなどの専門家とも連携し、ビオトープ観察会や六甲山系などの周辺地域の自然環境を題材としたセミナーなどのイベントを開催して、都会で育つ子供たちや地域の皆様が身近な自然に触れることで、自然や環境の大切さの理解につながる「気づきの場」を提供することを目指しています。イベントには年間約1500名の参加者があります。

これらの活動が評価され2008年4月には第17回「地球環境大賞」文部科学大臣賞を受賞しています。
全体写真の画像
全体写真
敷地南西からの緑地全景の画像
敷地南西からの緑地全景
建物側から見た緑地・ビオトープの画像
建物側から見た緑地・ビオトープ
池(10月の観察会)の画像
池(10月の観察会)
池(5月の観察会)の画像
池(5月の観察会)
せせらぎ(5月の観察会)の画像
せせらぎ(5月の観察会)
観察会におけるモンドリの説明の画像
観察会におけるモンドリの説明