海事

IMO(国際海事機関)の概要

最終更新:2017年1月

1.はじめに

 国際海事機関(International Maritime Organization: IMO)は、海上の安全、船舶からの海洋汚染防止等、海事分野の諸問題についての政府間の協力を推進するために1958年に設立された国連の専門機関です。本部は英国(ロンドン)に所在し、2017年1月現在で172カ国が加盟国、香港等の3の地域が準加盟国となっています。
 船舶が国際的に活動することから、海事分野の取組は必然的に国際的な取組となるため、海事分野のルールは各国が連携・協力して全世界的なものとして定められてきました。既に19世紀後半には、主要な海運国が中心となって、各種の技術的事項や灯台業務、海難防止・海難救助等の海上安全の確保を目的とする国際条約等の取決めがなされています。
 例えば、1912年4月に発生し世界に大きな衝撃を与えたタイタニック号沈没事故は、船舶の安全に関する措置の国際的な取決め策定へ向けた大きなきっかけとなり、1914年1月に「1914年海上人命安全条約」(1914SOLAS条約)が採択されています(第一次世界大戦の影響により未発効)。
 現在、このようなルール作りはIMOで行われており、世界の主要な海運国・造船国である我が国も、国際機関の場で積極的に活動を行い、世界の海事分野のルール作りに積極的に貢献しています。

2.歴史

 第二次世界大戦後、国際連合は、船舶輸送の技術面の検討のため、常設の海事専門機関の設置の必要性を指摘した運輸通信委員会の報告に基づき、1948年3月、国際連合海事会議をジュネーブで開催し、政府間海事協議機関(Intergovernmental Maritime Consultative Organization: IMCO)の設立及びその活動に関するIMCO条約を採択しました。
 当時我が国は、戦後の対日平和条約の締結がなされていなかったため、この会議には参加できませんでしたが、1958年3月、我が国が同条約の受託書を寄託することでその発効要件が満たされ、IMCOの設立が果たされました。
 その後、1975年11月には、機関の活動内容の拡大と加盟国の増加に伴う名称変更等の必要性に鑑み、IMCO条約の改正が採択され、1982年5月の改正条約発効により、IMCOはIMOに改称され、現在に至っています。

3.組織

 IMOは、総会、理事会、海事関連各分野における5つの委員会、その下部組織である7つの小委員会及び事務局で構成されています。

  • IMOの組織図

(1)総会
 全加盟国及び地域で構成されるIMOの最高意思決定機関であり、通常2年に1回、2週間程度開催されます。総会では、機関の事業計画及び予算の決定、補助機関の設置、理事国の選挙、理事会の報告の審議等が行われます。

(2)理事会
 総会で決定された理事国(40カ国、任期2年)で構成され、総会の下でIMOの業務を監督するIMOの執行機関としての役割を有しています。通常年2回開催されるほか、総会の開催年には、総会直前に臨時理事会が開催され、総会最終日に通常の理事会が開催されます。
 理事国は、カテゴリーA(国際海運業務の提供に最大の利害関係を有する国:主要海運国)、カテゴリーB(国際海上貿易に最大の利害関係を有する国:主要荷主国)、カテゴリーC(その他の海上運送又は航海に特別の利害関係を有する国:その他海事関係国)に分類され、我が国はIMO設立以来の理事国として、IMOの活動に積極的に参画しています。

  • 現理事国(任期:2015~2016年の2年間)

(3)我が国とIMO
 我が国は、IMOの設立以来の理事国として、その活動に積極的に参画してきました。また、主要海運・造船国としての知見を活かして、各種条約を始めとしたルール策定の審議にも積極的に参加しています。例えば、2011年7月に国際海運として初めてとなる温室効果ガス削減対策として採択された、MARPOL条約附属書VIの改正に際しては、我が国が主導的な役割を果たしました。
 また、IMOの運営は大部分を各加盟国からの分担金(分担率は各国の保有船腹量等によって算出)で賄われており、我が国は支払額において第12位を占めております(2017年)。

(4)事務局長
 IMOの事務局長は、2016年1月より、韓国が擁立したイム・ギテク氏が務めています。
 なお、前任の事務局長は日本人の關水康司氏でした(2012年1月~2015年12月)。關水氏は、1989年からIMOで勤務し、実績を積み、2011年に実施された事務局長選挙で当選しました。關水氏は就任以降、財政が悪化していたIMOの「見直しと改革(review and reform)」として、委員会構造の見直し(小委員会の整理統合(9 → 7))に伴う会議コストの削減、事務局ポストの削減等を行い、人件費の自然増と加盟国からの分担金増加を軽減する2014~2015年次及び2016~2017年次予算を実現するなど、着実に成果を上げました。多くの加盟国からその取組が評価され、關水氏は第29回総会にてIMO名誉事務局長に任命されました(2015年12月)。

  • IMO分担金上位10カ国(2017年)

4.主な条約

海上における人命の安全のための国際条約 (SOLAS)
船舶による汚染の防止のための国際条約 (MARPOL 73/78)
船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約 (STCW)
満載喫水線に関する国際条約 (LL)
船舶のトン数の測度に関する国際条約 (TONNAGE)
海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約 (COLREG)
国際海上交通の簡易化に関する条約(FAL)
海上における捜索及び救助に関する国際条約(SAR)
海事債権についての責任の制限に関する条約 (LLMC)
油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約(CLC)
船舶バラスト水規制管理条約(BWM)
シップリサイクル条約(HKC)

※設立以来、約60の条約を採択。

5.会合スケジュール

総会は2年に1回、理事会は1年に2回定期的に開催されるほか、各委員会は年に1~2回程度開催されています。
船舶の安全及び環境保全に係るIMO会合に関する情報はこちらからご確認下さい。  

6.参考リンク

・IMOウェブサイト: http://www.imo.org/ 
・外務省ウェブサイト(国際海事機関(IMO)について):http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/imo/

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