目次 > 第3章 水害・土砂災害の発生要因と社会構造の変化 > 3-2 急峻な地形、ぜい弱な地質が土砂災害を招く
2004年7月・福井豪雨(福井県鯖江市)
がけ崩れは、長雨などにより地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め、集中豪雨や地震などの影響によって急激に斜面が崩れ落ちる現象。2004年の新潟県中越地震では、7月の新潟・福島豪雨をはじめとする大雨が続き、地盤がゆるんでいたことからがけ崩れが多発し、被害に拍車をかけた。
がけ崩れの発生は突発的に襲ってくるため、逃げ遅れる人も多く、他の災害に比べると死者の割合も高い。
傾斜度30度以上、高さ5m以上の急傾斜地で、その斜面が崩れると被害が出ると想定される個所は「急傾斜地崩壊危険箇所」に指定され、2002年現在、全国33万ヶ所以上に及んでいる。
こうした危険ながけ地は、山地の丘陵地だけでなく、近年における開発に伴なって都市域でも増加してきた。