平成16年度版
今回の新潟・福島豪雨では多くの被害が発生したが、五十鈴川・刈谷田川では上流のダムが無ければ、よりいっそう被害が拡大していたと推定される。
台風21号における四十四田ダム流域平均総雨量は131mmとなり、ダム完成以来最大の流入量約960m3/sを記録した。四十四田ダムにおいては、最大流入量960m3/sに対し、ダムからの放流量を約500m3/sに抑えることにより、下流盛岡市街地では少なくとも約160棟の家屋等を洪水から守ることができ、大きな効果を発揮した。
台風23号による中筋川ダムにおける最大流入量は管理移行後最大の約245m3/sであったが、最大流入時放流量は約49m3/sであり、ピーク時流入量の約8割をダムに貯留し、中筋川ダムの調節により磯ノ川の水位を87cm低減させたと推定される。磯ノ川地点では計画高水位を18cm超えており、中筋川ダムがなければ計画高水位を1.05mも超え、堤防が決壊の恐れのある危険な状態であったと推定される。