○韓国では、海洋に関する政府機関として日本の省にあたる「海洋水産部」がある。また、国策のシンクタンクの一つに「海洋水産開発院」(KMI)があり、この問題に対してのリーダーシップを担ってきた。
○97年に海洋水産部がKMIに海のごみについての管理問題の研究を委託したことをきっかけに、モニタリングシステムを民間団体、市民団体とで共同開発し、展開している。民間団体の調査結果をKMIが分析し、それを基に海洋水産部に政策提言するしくみ。
○中国、ロシアや日本を含めた物流が大きく進展しようとしている、中国が発展する中で海洋環境をいかに管理していくか、韓国では非常に重視している。
○2000年初頭、民間団体のネットワークができてくると、単に調査のためのモニタリングではなく、地域の人々に対しモニタリングを通して環境問題に関心を持ってもらうなど、地域に根を張っていく。このネットワークの中で、環境教育の教材なども生まれてきた。
○現在、民間のモニタリングを吸い上げて政策化する動きは、停滞状態にある。それは、政策の基本骨格がかなり実現されてきたからである。
○この1年、海洋水産部が海洋生態系の保全及び管理に関する法律の制定を準備している。この中で、環境負荷を与える事業者等からの負担金で基金をつくり、クリーンアップを含めた活動費を捻出する仕組みも議論されている。モニタリングの環境教育的な効果が高く、その継続費用の捻出など、沿岸域の自治体のまちづくりを含めたシステムづくりの段階に入っている。
○また、強化プラスチック製の漁船が放置されている問題に対しては、アルミニウム合金系の漁船の建造費用への支援を行っている。漁師が回収したごみの買取制度への予算も、今年度は拡大の方向。
○モニタリングの積み上げがどのように政策のバージョンアップにつながるのか、という視点での意見を出していく必要がある。
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