太田川上流部は、西中国山地国定公園内にあり、一帯は自然景観美を誇り、中でも戸河内(とごうち)町にある三段峡(さんだんきょう)は国の特別名勝にも指定されています。また、平成13年度末に完成した温井(ぬくい)ダムはアーチ式ダムにおいては、富山県の黒部(くろべ)ダムに次ぐ2番目の156mのダム高を誇り、年間30万人の方がスポーツや自然観察などに訪れています。太田川下流部の広い河川空間では、地域の方々にとって手軽に自然とふれあえる場であり、一帯が魚釣り、水遊び、バードウォッチング等の場として親しまれている他、河口部は潮干狩りや魚釣りなどの身近なレクリエーション施設の場として、市民に深い愛着をもたれています。また、支川古川(ふるかわ)では、市街地近くにありながら自然豊かな環境を活かした多自然川づくりが行われ、年間を通じた清掃活動や夏には「せせらぎの夕べ」と題したお祭りが開催されるなど、地域の方々の取り組みが盛んに行われています。太田川下流デルタ域では、広島に原爆が投下された8月6日には、元安川を始めとする市内各所において灯籠流しが行われるなど、人々が水と接することができるようになっており、周辺の原爆ドームや平和公園などとの景観にも調和しています。