
近時、高齢者の単身世帯が増加している中、民間賃貸住宅等においては、相続人の有無や所在が明らかでない単身者が死亡した際の賃貸借契約の解除や居室内に残された動産(残置物)の処理への不安感から、高齢者の入居の申込みを賃貸人が拒否することがあります。
このような不安感を払拭し、単身の高齢者の居住の安定確保を図る観点から、単身の高齢者が死亡した際に契約関係及び残置物を円滑に処理できるように、今般、国土交通省及び法務省において、賃借人と受任者との間で締結する賃貸借契約の解除及び残置物の処理を内容とした死後事務委任契約等に係る「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を策定しました。
モデル契約条項は、その使用が法令で義務づけられているものではありませんが、モデル契約条項を利用することにより、合理的な死後事務委任契約等が締結され、ひいては、単身の高齢者の居住の安定確保が図られることを期待し、広く普及に努めています。
◇「残置物の処理等に関するモデル契約条項」[PDF形式] [Word形式]
モデル契約条項は、賃貸借契約の解除と残置物の処理に関する委任契約とを別々のものとしており、また、条文ごとに詳細な解説を付しています。
このモデル契約条項をそのまま使える形式とするなど、利便性向上を目的として、以下の[1]から[4]の契約書式を作成しました。
[2] 解除関係事務委任契約に関する契約書式 [PDF形式] [Word形式]
[3] 残置物関係事務委託契約に関する契約書式 [PDF形式] [Word形式]
[4] 上記[1]の委任契約又は[2]と[3]の2つの委任契約の締結を前提とした賃貸借契約を締結する場合に、関連する条項を賃貸借契約書に特約条項として盛り込む際の記載例 [PDF形式] [Word形式]
残置物の処理等に関する契約の締結から残置物への対応までをステップごとに分かりやすく解説したガイドブックです。
【NEW】 令和7年10月(第2版)を作成しました!
残置物の処理等に関するモデル契約条項の活用ガイドブック ~単身高齢者の賃貸住宅への円滑な入居のために~(PDF形式:5.3MB)
単身入居者を受け入れる際の様々な工夫や取組を紹介しています。
【NEW】 令和7年10月(第5版)を作成しました!
(公社)全国賃貸住宅経営者協会連合会 提供
【家主さん向け】身寄りのない単身入居者の死亡時、簡便な方法で残置物を処分する方法を取りまとめたガイドブック(PDF形式:1.3MB)
モデル契約条項に関するよくある質問をまとめています。
【NEW】 内容を更新しました!(令和7年10月)
<更新内容>
・QA1 更新
・QA3、11、12 追加
モデル契約条項の普及と単身高齢者等の居住の安定確保を図るため、モデル契約条項を活用しながら単身高齢者等を賃貸住宅で受け入れるモデル的な取組を補助事業により支援します。
令和6年6月に内閣官房によってとりまとめられました「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」において、残置物の処理等に関するモデル契約条項が紹介されていますのでご参照ください。
入居者死亡時の残置物処理を円滑に行うため、令和7年10月1日に施行された改正住宅セーフティネット法において居住支援法人の業務に「入居者からの委託に基づく残置物処理」が追加されました。
その実施に当たっては、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を活用することが基本とされています。
居住支援法人による残置物処理についての詳細はこちらをご覧ください。