第1回「高潮・津波ハザードマップ研究会」の開催結果
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 第1回「津波・高潮ハザードマップ研究会(座長:河田 惠昭 京都大学防災研究所 巨大災害研究センター長)」は下記の通り開催された。

  1. 日時
     平成14年11月22日(金)13:00〜15:00

  2. 場所
     国土交通省11階特別会議室

  3. 出席者
     河田、磯部、今村、中野、廣井、藤吉、山田の各委員

  4. 議事
     事務局から研究会の設置目的、検討課題等について説明の後、以下について議論を行った。

     1)ハザードマップの防災対策上の位置付け等
     2)ハザードマップのあり方、情報提供の方法等
     3)外力条件等、モデル地区を設定して実際に試作する際の条件等

  5. 内容
     各委員等からの主な意見は次の通り。

    (ハザードマップの防災対策上の位置付け等)

    •  ハードとソフト施策は互いに相互補完の関係にあり、これらのトータルなシステムを考えるべき。例えば、避難が困難な地域があることが分かれば、その地域について重点的にハード整備をすることが必要となる。

    (ハザードマップのあり方、情報提供の方法など)

    •  住民用のハザードマップと行政用のハザードマップでは含まれるべき情報量が異なる。住民用については混乱を生じないよう提供する情報を限定すべきである。

    •  海外のハザードマップの事例も参考にすべき。

    •  住民に対しては、避難が必要なのか、またどのような経路で避難が必要かを適切に示す必要がある。このため適切なメッシュの大きさの選定が必要。またシミュレーションの実施によって適切な避難経路を見出す必要がある。

    •  住民が自らの取り組みで、浸水予測の情報を元に自らが使えるマップにしていくという視点が重要。

    •  市民に高潮や津波といった現象自体がどのようなものかを理解してもらうことが重要。過去の災害の痕跡や歴史的なエピソードを提供することも重要。

    •  災害後の情報(例えば、何時間で水が引くのか等の生活に関連した情報)についても提供が必要。

    •  住民から見れば、情報が提供されるルートが複数存在(国、自治体、メデイア)しており、情報提供経路の整理が必要。

    •  浸水予測は家のサイズまで認識できる程度の精度が必要であるが、これはTVでは放映することはできない。このため他の情報周知方法(携帯電話など)が必要。

    •  避難経路をマップだけではなく、現地に標識を設置して周知するという方法もある。

    (外力条件設定の方法等)

    •  浸水予測については、過去に行った予測との整合性を保ちつつ、国が自治体に対して考え方の一定の方針を示す必要がある。

    •  現在、外力の設定は行政単位を基本に行っているが、行政境ではなく、地理的な条件を考慮して単位を設定することも検討すべき。

    •  津波高さ等の量的な予測については、無用な安心または心配を住民に与える可能性があるので、情報の提供の方法に注意が必要である。

配付資料(PDF形式)

 資料-1 高潮・津波ハザードマップ研究会の背景と目的
 資料-2 高潮・津波ハザードマップ研究会 〜全体検討フロー〜
 資料-3 説明資料(1/22/2
 参考資料1-1 近年の高潮・津波災害の事例
 参考資料1-2 近年の高潮・津波災害の事例
 参考資料2 津波ハザードマップの実例
 参考資料3-1 ハザードマップの試作状況
 参考資料3-2 ハザードマップの試作状況
 参考資料3-3 ハザードマップの試作状況

高潮・津波ハザードマップ研究会の概要

【問い合わせ先】
内閣府(防災担当)地震・火山対策担当
電話03-5253-2111 (内線51414)
農林水産省農村振興局防災課
電話03-3502-8111 (内線4978)
水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
電話03-3502-8111 (内線7293)
国土交通省河川局砂防部海岸室
電話03-5253-8111 (内線36322)
国土交通省港湾局海岸・防災課
電話03-5253-8111 (内線46735)

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