Use Cases

LINKSのデータ活用・アプリ開発

無人航空機の飛行特性に関するデータ整備拡充・地域間比較分析(2025年度)

ユースケースの狙い

無人航空機の飛行計画・事故データの整備と地域別分析による安全施策の高度化

昨年度の実証では、無人航空機の飛行特性分析機能および事故分析機能を開発しました。一方で、特定の飛行目的での事故要因の解明、飛行計画データ等の大容量データに起因する処理の不安定さ、実務ニーズに即したグラフ・絞り込みのプリセット機能の不足、地図上の表示区域のわかりにくさといった課題が明らかになりました。
こうした課題を踏まえ、行政区域単位での事前集計によるアプリ処理の高速化を図り、コロプレスマップや地域間比較グラフ等の機能を拡充することで、特定の飛行目的での飛行状況や事故発生状況等の分析を支援することを目指しました。
LINKS VedaおよびLINKS BIを用いた実証では、「特定の飛行目的 (農林水産業)での飛行状況に関する可視化」「特定の飛行目的(農薬散布)での事故発生状況に関する分析」「無人航空機の登録・抹消タイミングに関する分析」の3つのテーマについて検証を行いました。

(出典)昨年度の実証時の分析システム画面(Project LINKS 公式サイトより)
https://www.mlit.go.jp/links/use-cases/2714.html

LINKS Veda&BI 

Project LINKSでは、専門知識がないユーザーでもデータを簡単に構造化しチャット機能や可視化アプリケーションで利用できるノーコードのシステム「LINKS Veda」および可視化ツール「LINKS BI」を開発し、行政情報の再構築を行っています。
「LINKS Veda」は、国土交通省が行政手続等を通じて保有するワードやエクセル、PDF、紙などの「非構造データ」を「構造データ」として再構築するためのソリューションです。LLM(大規模言語モデル)を用いて自然言語を解析し、非構造データから意味情報を抽出。指定されたカラムに格納することで、テーブルなどに構造化されたデータを自動生成します。
また、「LINKS BI」は、LINKS Vedaで作成したデータをそのまま投入し、チャットによる分析指示を可能とする「対話型BI」を実装することで、ユーザーが欲しいアウトプットを手軽に作成することが可能となります。

▲LINKS Veda&LINKS BIの活用の流れ

「LINKS BI」は、以下に示す機能を有しており簡単に分析結果を可視化できます。

①過去のチャット履歴…これまでに行った分析の履歴を一覧で確認
②現在のチャット履歴…現在の分析テーマに関するAIとのやり取りを表示
③チャット入力欄…AIに対して指示や質問を入力するための欄
④分析結果の表示…テーブルやグラフなどの可視化結果を表示

▲LINKS BIの画面構成イメージ

使用するデータ

元データ名無人航空機 飛行計画データ
データ作成方法
・内容
無人航空機安全課が保有するシステム「DIPS2.0」からCSV出力して、Vedaにて年次別のファイル結合やランク(階層化)設定等を実施
データ構造化後の主な項目飛行計画ID
 00FUITGWAPCFGC○○○WHN,FP○○○○○○○○○
飛行目的
 農林水産業
出発地_緯度/経度
 31.700/132.900
目的地_緯度/経度
 31.600/132.800
最大飛行時間(分)
 700
年次2022年~2025年6月
範囲全国
レコード数2022年度:138,383  
2023年度:970,928
2024年度:1,255,293
2025年度:371,864
原典情報国土交通省 ドローン情報基盤システム2.0(DIPS)
https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
元データ名無人航空機 機体登録原簿データ
データ作成方法
・内容
無人航空機安全課が保有するシステム「DIPS2.0」からCSV出力して、Vedaにて年次別のファイル結合やランク(階層化)設定等を実施
データ構造化後の主な項目登録記号
 JU012345ABCD
期待ステータス
 有効な機体(登録済)
製造区分
 メーカーの機体・改造した機体
重量区分
 25kg未満
所有者種別
 個人
年次2025年11月末時点
範囲全国
レコード数2025年度:521,585
原典情報国土交通省 ドローン情報基盤システム2.0(DIPS)
https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
元データ名無人航空機 事故等報告データ(※事故・重大インシデント以外も含む)
データ作成方法
・内容
無人航空機安全課が保有するシステム「DIPS2.0」からCSV出力して、Vedaにて年次別のファイル結合やランク(階層化)設定等を実施
データ構造化後の主な項目事故受付番号
 I○○○○○○○○○
許可等番号
 東空運航第0000号
発生場所
 秋田県〇〇市
報告の概要
 送電鉄塔撮影の為テストフライト実施中に…
人の死傷状況
 なし
年次2022年~2025年6月
範囲全国
レコード数2022年度:15
2023年度:466
2024年度:467
2025年度:162
原典情報国土交通省 ドローン情報基盤システム2.0(DIPS)
https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
元データ名無人航空機に係る事故/重大インシデントの報告書(PDF)
データ作成方法
・内容
PDF形式のデータをLINKS Vedaにより構造化
データ構造化後の主な項目報告日
 2025年05月09日
申請者氏名
 国土 太郎
住所
 北海道 XXXX
事故/重大インシデント区分
 重大インシデント
操縦者氏名
 国土 太郎
年次2025年5月~2025年6月
範囲全国
レコード数2025年度:31
原典情報国土交通省 無人航空機に係る事故等の報告書(様式)
https://www.mlit.go.jp/koku/accident_report.html

その他のデータ

  • 【集計データ】無人航空機 飛行計画ジオメトリデータ
  • 【集計データ】無人航空機 操縦者リストデータ
  • 【集計データ】無人航空機 機体リストデータ

本UCのアウトプット例

1.特定の飛行目的 (農林水産業)での飛行状況に関する可視化

飛行計画データから農林水産業目的の飛行を抽出し、市区町村単位で出発地・目的地別の件数を集計して、地図やランキングで可視化することで、地域ごとの飛行状況や偏在傾向を把握し、安全対策の検討に活用できます。

2.特定の目的飛行(農薬散布)の事故等発生状況に関する分析

飛行計画データと事故情報を統合し、農薬散布に関する飛行回数と事故発生状況を集計・分析して地域別に可視化することで、事故発生の傾向や地域差を比較把握し、実態に即した安全対策や事故防止策の検討に活用できます。

3. 無人航空機の登録・抹消タイミングに関する分析

機体登録原簿データを用いて、無人航空機の登録時期、抹消時期、抹消理由を集計・分析し、月別の増減傾向を可視化することで、登録機体数の推移や抹消に関する情報を把握し、今後の登録動向や買替需要の予測に活用できます。

検証会の様子

国土交通省職員を対象に有用性検証会を実施した結果、システムの進化により、可視化・集計機能に対して高い評価が得られ、数値等の確認を前提とした補助的活用による業務活用の可能性が示されました。一方で、利用者側の操作習熟や指示精度の向上が必要であることも明らかとなりました。


\ 利用者の声 /

国土交通省職員

昨年と比べてかなり進化していて、全体的に使いやすくなったと感じました。特に、これまでExcelで手作業していた集計や傾向分析がすぐにできる点はとても便利で、実務での活用イメージが持てました。

最初は操作やチャットでの指示の出し方に少し戸惑いましたが、使っていくうちに慣れてきて、結構使いやすいと感じました。少し待ち時間はあるものの、欲しいデータやグラフがすぐ見えるのは分かりやすかったです。

国土交通省職員

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