無人航空機の事故対策に関する現状
国内無人航空機ビジネスの市場規模は今後ますます拡大すると見込まれており、今後の飛行回数は飛躍的に増加すると想定されます。また、従来の空撮、測量、点検、農薬散布等の用途に加え、物資輸送等への利用用途の拡大による機体の大型化・長距離化が図られており、事故リスク増大への対応が課題になっています。
航空局では、事故及び重大インシデントの原因を把握・究明し、再発防止を図っていくため、ドローン情報基盤システム2.0(DIPS:Drone/UAS Information Platform System)において事故等報告制度を運用し、事故情報の収集と蓄積を進めています。
他方、事故等報告に含まれる情報がDIPS上で他の情報(機体登録や飛行計画など)と独立して個々に管理されていること、またDIPS上での事故等報告の際、項目によっては一定の選択肢は用意されているものの、「事故等報告の概要」や「人や物件に対する被害状況」などの状況に応じて記載する自由記述欄として用意されているものもあるため、カテゴライズやこれに基づくデータ抽出、他データとの横断的な関連性分析が容易にできない、などデータ活用の点から課題があります。
ファイル名 | 主なデータ項目 | データ形式 | 年次 | 範囲 |
---|---|---|---|---|
無人航空機 機体登録データ |
•機体の登録記号 •製造区分 •型式名 •種類 •改造有無 •重量 •全幅 •全長 •全高等 |
csv |
2022-2024 |
全国 |
無人航空機 操縦者リスト |
•操縦者ID •技能証明 •使用機体名称等 |
csv | 2022-2024 | 全国 |
無人航空機 飛行計画データ |
•機体の登録記号 •飛行日時 •場所 •事業者 •機体(型式) •飛行目的 •飛行カテゴリー |
csv,json | 2022-2024 | 全国 |
無人航空機事故報告データ (DIPS) |
•機体の登録記号 •事故発生日時 •場所 •事業者 •機体(型式) •事故概要 •原因 •事故等区分 |
json |
2022-2024 |
全国 |
無人航空機に係る 事故等報告一覧 (PDF) |
•機体の登録記号 •機体(型式) •事故の概要 •事故等の種類 •再発防止策 •機体の損壊概要 •報告の概要 |
2022-2024 | 全国 | |
各種区域情報① | •人口集中地区区域情報 •行政区域データ |
geojson | 2020 | 全国 |
各種区域情報② | •空港等の周辺空域 •有人機発着エリア •レッドゾーン •イエローゾーン |
geojson | 2024 | 全国 |
①無人航空機に係る事故等報告一覧
発行元: 国土交通省航空局(PDFで公開済みのデータ)
参考URL: https://www.mlit.go.jp/koku/accident_report.html
②無人航空機飛行計画通報データ
発行元: 国土交通省航空局
参考URL: https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
③無人航空機飛行許可・承認申請データ(操縦者情報)
発行元: 国土交通省航空局
参考URL: https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
④無人航空機機体登録データ
発行元: 国土交通省航空局
参考URL: https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
⑤各種空域情報
発行元: 国土交通省航空局
参考URL: https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000041.html
無人航空機に関する情報を活用したデータベースシステム
LINKS_FLIP (Flight Information and Planning) [プロトタイプ]
無人航空機の安全運航に関する施策立案業務の効率化と品質向上を目的としたシステムです。
航空局が保有する無人航空機の飛行計画情報、機体登録情報、事故等報告情報、さらに飛行禁止区域や人口集中区域(国土数値情報)などの外部データを組み合わせて、無人航空機の飛行特性や事故等の傾向・要因等を分析・把握することを目指しています。
1.無人航空機の飛行特性分析機能析機能
飛行計画、機体登録情報、無人航空機操縦者リストを一元化し、構造化したデータを作成することで、横断的な検索・絞り込み、グラフが作成できます。
一元化した飛行計画等の情報を各種条件で絞り込み、地図上に可視化できます。
2.事故等報告データに基づく事故分析機能
過去の事故等報告の情報やドローンの規制エリア、通報された飛行計画等の情報を一元化することで事故等の類型の絞り込み、グラフ作成、地図による可視化ができます。
国土交通省職員を対象に有用性検証会を行いました。「データを活用した無人航空機の安全運航等に関する施策立案」をテーマに、無人航空機の飛行特性や、事故の現状(発生件数・事故分類)からみた地域別の事故防止施策の検討を想定したシステム操作を体験し、システムの使いやすさや業務への有用性について意見交換を行いました。
\ 利用者の声 /
これまで個別に準備していたデータを、簡単かつ一元的に作成・管理ができるようになると感じました。また、多くのデータを簡単に扱えるようになったことで、傾向の把握や高度な分析が提示できると期待しています!