Use Cases

LINKSのデータ活用・アプリ開発

鉄軌道事業の実績報告・事業報告データおよび事故等の報告データの可視化(2025年度)

ユースケースの狙い

鉄軌道事業の実績・事故データの統合による安全確保支援の高度化

鉄軌道事業者は毎年度、事業実績報告書や事業概況報告書を電子媒体でオンライン提出しており、国土交通省はこれらを基礎資料として鉄道統計年報等を公表しています。一方、事故・輸送障害時には別途、鉄道運転事故等報告書が提出され、各種報告書が個別に存在するため、事業実績と事故・災害を一体的に把握・分析しにくい面があります。
こうした課題を踏まえ、事業実績報告書や事業概況報告書と運転事故等報告書・災害報告書等を横断的に分析・集計することにより、事故・災害の総合的な影響把握と、鉄軌道の安全確保施策の効果を定量的に把握することを目指しました。
LINKS VedaおよびLINKS BIを用いた実証では、「鉄道運転事故等および鉄道災害の発生状況の把握」「鉄道の事業概況および事業実績の集計と可視化」の2つのテーマについて検証を行いました。

(出典)
国土交通省 軌道事業の営業報告書及び実績報告書の様式を定める告示
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/1987/62129000/62129000.html
国土交通省 鉄道運転事故等報告書等の様式を定める告示
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/2001/62aa2699/62aa2699.html

LINKS Veda&BI 

Project LINKSでは、専門知識がないユーザーでもデータを簡単に構造化しチャット機能や可視化アプリケーションで利用できるノーコードのシステム「LINKS Veda」および可視化ツール「LINKS BI」を開発し、行政情報の再構築を行っています。
「LINKS Veda」は、国土交通省が行政手続等を通じて保有するワードやエクセル、PDF、紙などの「非構造データ」を「構造データ」として再構築するためのソリューションです。LLM(大規模言語モデル)を用いて自然言語を解析し、非構造データから意味情報を抽出。指定されたカラムに格納することで、テーブルなどに構造化されたデータを自動生成します。
また、「LINKS BI」は、LINKS Vedaで作成したデータをそのまま投入し、チャットによる分析指示を可能とする「対話型BI」を実装することで、ユーザーが欲しいアウトプットを手軽に作成することが可能となります。

▲LINKS Veda&LINKS BIの活用の流れ

「LINKS BI」は、以下に示す機能を有しており簡単に分析結果を可視化できます。

①過去のチャット履歴…これまでに行った分析の履歴を一覧で確認
②現在のチャット履歴…現在の分析テーマに関するAIとのやり取りを表示
③チャット入力欄…AIに対して指示や質問を入力するための欄
④分析結果の表示…テーブルやグラフなどの可視化結果を表示

▲LINKS BIの画面構成イメージ

使用するデータ

元データ名鉄道運転事故等報告書(第1号様式)
データ作成方法
・内容
PDF形式のデータをLINKS Vedaにより構造化
データ構造化後の主な項目運輸局名
 北海道運輸局
事業者名
 〇〇〇〇
発生日時
 2024/4/24 0:00
列車両数
 6
死傷者数公衆重傷者
 0
年次2024年度
範囲全国
レコード数31
原典情報国土交通省 鉄道運転事故等報告書 第一号様式
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/2001/62aa2699/62aa2699.html
元データ名鉄道運転事故等報告書(第2号様式)
データ作成方法
・内容
Excel形式のデータをLINKS Vedaにより構造化
データ構造化後の主な項目運輸局名
 関東運輸局
事業者名
 〇〇〇〇
天候
 晴
事故等種類
 ク.輸送障害
死傷者数
 0
年次2019~2023年度
範囲全国
レコード数35,350
原典情報国土交通省 鉄道運転事故等報告書 第二号様式
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/2001/62aa2699/62aa2699.html
元データ名災害報告書
データ作成方法
・内容
PDF形式のデータをLINKS Vedaにより構造化
データ構造化後の主な項目提出日
 2025/3/31
運輸局名
 北陸信越運輸局
事業者名
 〇〇〇〇
災害の原因
 〇〇〇〇
応急費合計(万円)
 〇〇
年次2024年度
範囲全国
レコード数26
原典情報国土交通省 鉄道運転事故等報告書 第6号様式
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/2001/62aa2699/62aa2699.html
元データ名鉄道事業概況報告書
データ作成方法
・内容
PDF/Excel形式のデータをLINKS Vedaにより構造化
データ構造化後の主な項目事業者名
 〇〇〇〇
報告期間開始日
 2023/4/1 0:00
賃借対照表_資産_合計
 5,821,893
損益計算書_全社_営業損益_営業利益
 82,000,000
鉄道事業設備投資実績_合計
 244,651
年次2023~2024年度
範囲全国
レコード数475
原典情報e-GOV 鉄道事業等報告規則
 https://laws.e-gov.go.jp/law/362M50000800009
元データ名鉄道事業実績報告書
データ作成方法
・内容
PDF/Excel形式のデータをLINKS Vedaにより構造化
データ構造化後の主な項目事業者名
 〇〇〇〇
提出日
 2022/5/31
営業収益表_定期_通勤_千円
 517,144
役職員数及び職員給与額表_役職員数_本社部門_運輸
 3
走行キロ表_自己車両自線走行キロ_千キロメートル
 623
年次2019~2024年度
範囲全国
レコード数1,410
原典情報e-GOV 鉄道事業等報告規則
 https://laws.e-gov.go.jp/law/362M50000800009

その他のデータ

本UCのアウトプット例

1.鉄道運転事故等および鉄道災害の発生状況の把握

運転事故等報告書、届出書、災害報告書を統合して、事故件数、原因分類、死傷者数、損害額、影響列車数などを集計・可視化することで、鉄軌道に係る事故・災害の発生状況や要因を総合的に把握し、安全対策や政策立案に活用できます。

2.鉄道の事業概況および事業実績の集計と可視化

事業報告書や事業実績報告書から、JR各社や大手民鉄各社の営業収益、人件費、輸送人員、平均輸送密度を集計・可視化し、事業実態や安全確保施策の効果を分析。施策検討に活用できます。

検証会の様子

国土交通省職員を対象に有用性検証会を実施した結果、統計整理や資料作成の効率化に有効であり、実務への活用可能性が高いとの評価が得られました。あわせて、UIや運用ガイドの整備による操作性向上に期待が寄せられました。


\ 利用者の声 /

国土交通省職員

短時間で集計やグラフ化ができる点は非常に有用で、内部資料や統計資料の作成負担の軽減につながると感じました。一方で、鉄道分野のように誤りが許されにくい業務では、結果をそのまま使うのではなく、補助的に活用するのが現実的だと思います。

自分でエクセルで作ったものと AI の結果を突き合わせて確認する用途には使えると思いました。

国土交通省職員

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