平成16年度河川局関係予算決定概要 |
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V.重点事項 |
1 重点4分野への重点化 (1)人間力の向上・発揮−教育・文化、科学技術、IT
地球環境の変化により、気象の変動幅が大きくなり、計画を上回る集中豪雨や予期せぬ災害が発生している。国民の生命・財産を守るためには、ハード整備と合わせて防災に資するあらゆる情報を広く国民と共有することが重要であるとの認識に基づき、情報を共有化するためのハード・ソフト一体となった施策(水情報国土の構築)を推進する。
人と自然の関わりについての理解を深め、豊かな人間性を育んでいくため、「水辺の楽校プロジェクト」、「『子どもの水辺』再発見プロジェクト」などのしくみを活用し、子どもたちや地域の人材を対象とした環境学習や自然体験活動や人材育成を推進し、また、これに必要な自然の状態を極力残した瀬や淵、せせらぎ、ワンド等の自然環境の保全・復元、整備を図る。水辺に近づきやすい河岸の整備、遊歩道の整備など、地域や水辺の特色を活かした整備を推進する。 (2)魅力ある都市・個性と工夫に満ちた地域社会 (2)−1 魅力ある都市
都市再生プロジェクト、都市再生緊急整備地域等に係る河川整備を推進し、21世紀における我が国の活力の源泉である都市について、文化と歴史を継承しつつ、豊かで快適な、さらに国際的にみて経済活力にも満ちあふれた都市に再生する。
水辺環境が著しく劣悪な市街地等において、貴重な自然空間である河川を本来の川らしい姿に再生するともに、市街地整備等のまちづくりと一体となった河川整備を推進することにより、安全で良好な水辺空間を創出し、都市の魅力を向上させる。
近年、都市部において頻発している水害、土砂災害、高潮災害等により激甚な被害を受けた地域や床上浸水が頻発している地域等を対象に、同規模の災害を再び発生させないための対策を重点的に実施する。 (2)−2 個性と工夫に満ちた地域社会
近年、集中豪雨や高潮、火山噴火による被害が頻発している地域において、同規模の災害を再び発生させないための対策を集中的・重点的に実施する。
河川、海岸、火山等の魅力あふれる自然環境を活かした観光地域づくりや、近年の環境学習や自然体験活動への関心の高まりを踏まえた地域の特色ある取り組みを積極的に支援するとともに、生活用水の確保など、地域の活性化に必要な基盤整備を実施し、個性あふれる安全な地域社会の形成を目指す。
(3)公平で安心な高齢化社会・少子化対策
河川の近隣に病院や老人ホーム、福祉施設などが立地している地区や、高齢者の割合が高い河川において、水辺にアプローチしやすいスロープや階段、緩傾斜堤の整備等バリアフリー化対策を実施し、高齢者、障害者、子ども等を含む全ての人々が安心して河川を訪れ、憩い親しめる河川空間を創出する。
厚生省(現:厚生労働省)、文部省(現:文部科学省)等と実施した緊急点検結果等に基づき、土砂災害の犠牲者となりやすい自力避難が困難な災害弱者に関連した老人福祉施設等の災害弱者関連施設に係る土砂災害防止施設及び人工リーフ等の海岸保全施設を重点的に整備する。 (4)循環型社会の構築・地球環境問題への対応
生物の良好な生息・生育環境を有する河川・里山・海岸環境等を保全・再生するため、湿地や干潟の再生、魚が住みやすい川づくり等の自然環境の再生を目的とした事業を実施するとともに、自然環境に配慮した多自然型川づくり、既設のダム容量の活用による河川の水量の確保、山腹工を主体とした里地・里山の保全などの多様な自然共生型の河川、ダム、砂防、海岸事業を推進する。
水質汚濁が著しい河川及び湖沼においては、河川水の浄化等の水質浄化対策や河川湖沼を結ぶ導水路建設を実施し、また、富栄養化等により水質汚濁が著しいダムにおいても、曝気による貯水池水質対策及び貯水池周辺の水質改善対策を実施する。特に、水環境の悪化が著しく、緊急に水環境改善が必要な河川等については、「清流ルネッサンスU」により、流域における取組みと一体となって河川事業及び下水道事業を進め、水質の改善、水量の確保を図る。
流木や間伐材、土木工事から発生する建設発生土、コンクリート殻等を建設資材として積極的に活用することにより、環境負荷の少ない事業を推進する。また、河川やダムに漂流する流木のリサイクルを推進する。
2 重点的施策の推進
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