- 費用便益分析の現状
砂防事業に関する費用便益分析は、本来の目的から見て人命保全や国土保全効果など費用便益分析になじみづらい事業であり、今後人命保全等の効果を評価できる手法を検討。今回は下記の方法により、9年度新規箇所のうち代表的事例について効果の評価を試みた。
- 保全効果等の計測方法
人命保全効果1)、国土保全効果2)について想定被害額を算定し、これを全体事業費で除して、当該流域における砂防事業の「B/C」を試算。
- 1)人命想定被害額
-
= |
保全人口数*人的生産価値の損失(過去の災害事例に基づく値) |
- 2)国土保全想定額
-
= |
(当地域における過去の災害における被害額(平成8年度換算))/実績流出土砂量)*当該流域の計画対象土砂量 |
- 試行結果
結果例は以下のとおりである。
都道府県名/箇所名
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保全効果
B(百万円)
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全体事業費
C(百万円)
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事業効果
B/C
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人命想定被害額
(百万円)
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国土保全
想定被害額
(百万円)
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新潟県/木地屋川
(きじやがわ)
島根県/多陀寺川
(ただじがわ)
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3,019
1,036
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2,680
271
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1.1
3.8
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927
721
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2,092
315
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木地屋川については、平成7年度7月11日姫川流域における災害実績を参考とした。 |
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多陀寺川については、島根県昭和58年豪雨災害における実務を参考とした。
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