【背景】 |
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霞ヶ浦の自然環境は、利水治水を目的とした護岸工事と淡水化、及び開発や汚水の 流入によって損なわれてきた。こうした背景から、霞ヶ浦アサザプロジェクトは流域を視野においた環境保全策を実施することを目的として開始された。
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【内容】 |
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アサザプロジェクトは、大学研究者による助言をうけ、「生物多様性の確保」「湖の自浄力の再生」「流域管理の確立」「行政政策の統合化」などを掲げ、流域の様々な社会活動と作業、教育などとのネットワークによって活動を展開している。 |
1. |
連絡会議は、湖岸の再生をアサザの植栽によって行うことを提案しており、アサザを育てる「アサザの里親」を公募している。これには流域内の小学校の9割を越える121 校、36500人(1999年現在)が参加している。 |
2. |
湖岸を波浪から守るための粗朶沈床を設置するために、年間で5000本の間伐林が使用されている。市民団体が仲介役となり、河川管理者と林業組合の協力で行われている。 |
3. |
プロジェクトによってヨシ原が創出されており、これを魚類の保護増殖の場として重視した漁協、茨城県も活動に積極的に参加をはじめている。
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【特徴】 |
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アサザの里親や植栽事業、さらに実験的に設置した粗朶沈床など連絡会議の提案で始まった取り組みが成果を上げ、プロジェクトに参加している自営業者によって「霞ヶ浦粗朶組合」が設立されることとなった。このように、流域の森林保全、湖岸の自然回復など流域の環境産業育成までも取り込んだ活動展開となっている。 |
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プロジェクトを中心に、多くの市民参加による現地セミナー、公開講座の開催など霞ヶ浦にかかわる市民団体、学校、漁協、森林組合、大学、自治体、企業、河川管理者などの主体が連携する総合的な流域活動となっている。 |
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「アサザ基金」は本年11月にNPO法人として認証された。 |