バードウォッチングと市民活動の関わりの中で |
(財)日本野鳥の会京都支部 |
野鳥の会京都支部は府の自然環境保全審議会委員、環境庁鳥類標識調査員、京都府鳥獣保護員、自然観察指導員等の協力を得ながら活動を進めており、会員数は1500人です。 京都市内には、観光地として有名な嵐山を含む「桂川」と、ユリカモメの訪れが今では冬の風物詩となっている「鴨川」が流れており、共に建設省が定める一級河川です。盆地の中を流れる2つの川は市民にこよなく愛され、市民に親しまれています。 平成8年12月の河川審議会において、今までの河川法の目的として盛り込まれていた治水・利水の中に、新たに「環境の保全」が加わり、河川の整備計画や利用方法を決定する過程の中に、住民参加参画の場が与えられ、河川法の目的を3本の柱とする有り難い提言がなされました。 私たちは野鳥の会として、野生生物の生息できる環境の保全を願う時、ある程度はそれらの状況を把握する必要がある様に思い、まず”私たちにできること”から実行に移すことにしました。川の近くで生活する人たちの声にそっと耳を傾けてみました。 (1) 川の中に釣り糸が放置されており、その糸に絡まってサギが苦しんでいた・・ (2) 目の前で多くのカモが首を絞められて殺されていた(カモ猟) (3) 河原でこのような珍しい花が咲いていました。 (4) なぜ川の中州を除去するのか理由を知りたい・・ (5) お嫁に来た頃からあった堤防の大きなクヌギの樹を伐採しないで欲しい・・ など地域に住む人たちから多くの声が聞こえてきました。野鳥だけを守るのではなく、お年寄りや子ども達と一緒に、周りの環境も含めて大切に守っていくことが、やがては野鳥を保護することにつながるのではないか、という結論に達し、それぞれの地域に棲む野生鳥獣、水生昆虫、植物等の観察ができるよう計画を進めてみることにしました。 |