今年は、梅雨期の集中豪雨や度重なる台風の上陸により新潟、福井県等全国各地で水害、土砂災害及び高潮災害により大きな被害が発生しています。特に、多くの箇所において堤防が決壊するとともに、的確な避難ができなかったことなどにより高齢者を中心に多くの死傷者が発生しています。
気候変動の影響等により、近年集中豪雨が多発する傾向にあります。また各地で今まで経験したことのないような大きな降雨が発生しています。
少子高齢化が進展し高齢者世帯が増加するとともに、旧来の地域コミュニティーの衰退が見られるなど、災害時の共助の体制は脆弱になってきています。加えて災害の危険性の高い低平地や斜面地に住宅が拡がってきており、社会的にも災害に対する脆弱性が高まっています。
このような自然的社会的状況の変化を踏まえ、自助・共助・公助の役割分担も考慮し、災害に対して安全な社会の形成を図るため、従前からの水害、土砂災害、高潮災害についての対策を緊急に総点検し、抜本的な見直し・強化を図っていく必要があります。
そのため、ソフト、ハード一体となった総合的な豪雨災害対策を進めるため、学識経験者からなる「豪雨災害対策総合政策委員会」を設置し、11月15日、11月29日に委員会を開催し、豪雨災害対策における課題と対応策等について審議を行ってきたところです。
このたび、委員会から、緊急に対応すべき事項についてとりまとめた「総合的な豪雨災害対策についての緊急提言」をいただきました。
なお、緊急提言にもあるように、検討に時間を要するものについては引き続き委員会で検討いただき、抜本的な見直しを図るための総合的な政策について来春を目途にとりまとめていただくこととしています。
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