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河川局

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記者発表

平成17年度 地域と連携した川づくりに係る
事業の新たな登録・認定等について



【各事業の概要とポイント】

<水辺プラザ>

 本事業は、市町村にある水辺の魅力を最大に引き出す整備により、そこを訪れたくなるような、地域交流の拠点となる「にぎわいのある水辺」を創出するため、市町村の行う河川、渓流沿いの交流拠点整備と一体・連携して河川整備を実施するものです。
 水辺プラザの整備を行うためには、地域の特色を活かした整備計画を登録する必要があり、水辺プラザの必要性、市町村の活用計画等の熟度の高いものを登録しています。
 平成8年からはじまり、今年度5箇所を新たに登録することにより、全国で122箇所が「水辺プラザ」に登録されました。


<水辺の楽校プロジェクト>

 本プロジェクトでは、地域の身近な自然空間における河川において、子どもたちが自然体験の場として活用できるよう、自然の状態を極力残しつつ、必要に応じてアクセス施設の整備や水辺に安全に近づけるよう河岸の整備等を行うものです。
 なお、本プロジェクトは、地域で活動する市民団体や河川管理者、教育関係者等が一体となって子どもたちの水辺での体験活動を行うことを目的とした「「子どもの水辺」再発見プロジェクト」を推進するにあたり、必要なハード面の整備を行うものとして位置付けられています。
 平成8年からはじまり、今年度5箇所を新たに登録することにより、全国で249箇所が「水辺の楽校プロジェクト」に登録されました。


<桜づつみモデル事業>

 本事業は、周辺の自然的、社会的、歴史的環境等との関係を反映しつつ、堤防の緑化を推進することにより良好な水辺空間の形成を図ることを目的としています。
 今回は2箇所の計画内容の変更がされました。なお、昭和63年度に制度が創設されて以来、全国では296箇所が認定されています。


<河川防災ステーション>

 本事業は、出水時や地震時に活動の拠点となり、避難場所、あるいは支援活動の拠点や物資輸送の基地、ヘリポートとして活用でき、災害が発生した場合には迅速な復旧を行う基地となる河川防災ステーションの整備を行うものです。平常時にはレクリエーション空間、コミュニティースペース等として多目的に活用できる河川防災ステーションを地方自治体と連携して整備します。
 平成6年に制度が創設されて以来、今回新たに認定される2地区(計画の変更が1箇所)を加え、全国の108地区で整備計画が承認されました。


<地域に開かれたダム>

 本事業は、地域の意見、創意工夫を生かし、ダムが地域にとってより密着した施設になるように関係機関が支援して整備を行い、ダムを核とした地域活性化を図ることを目的としています。
 平成4年に制度が創設されてから今回新たに1ダムを指定することにより、全国の46箇所で指定されました。また全国の38ダムにおいて整備計画が認定されています。


<都市山麓グリーンベルト整備事業>

 本事業は、都市域の土砂災害に対する安全性を高め、豊かな都市環境と景観 を創出することを目的に、市街地に隣接する山麓斜面にグリーンベルトとして 一連の樹林帯を形成する制度です。
 グリーンベルトの整備により、市街地周辺の無秩序な市街地を防止するとともに、都市周辺に広がる緑のビオトープ空間(多様な動植物の生息生育区間)の創出に寄与します。
 平成8年に制度が創設されてから今回新たに1箇所を登録することにより、全国の16箇所で登録されました。


【個別事業の概要】

○水辺プラザ

1北上(きたかみ)川水系北上(きたかみ)川 (岩手県平泉(ひらいずみ)町)
 平泉町は、中尊寺などの奥州藤原氏の文化遺産が数多く残っている町であり、平成20年度を目標に世界遺産の登録認定を目指しています。
 当該地区は北上川を機軸として、平泉の文化や歴史、自然等を素材とし、地域交流拠点となる水辺プラザ整備を平泉町と国が連携して実施し、あわせて既存の自然を活かした親水空間の創出を図るものです。


2利根(とね)川水系鬼怒(きぬ)川(栃木県二宮(にのみや)町)
 利根川の支川である鬼怒川の豊かな自然環境を生かしながら、野外活動センターを拠点とした子供たちの健全な育成の場や、小さな子供から高齢者まで全ての人が安心して快適に鬼怒川とふれあえるような水辺拠点となる水辺プラザの整備を二宮町と国が連携して進めます。


3小矢部(おやべ)川水系小矢部(おやべ)川(富山県高岡(たかおか)市)
 小矢部川水辺プラザは、既存の土屋親水公園、福岡防災センターやクリーンシステムとなみ、岸渡川の桜並木やせせらぎ公園等の周辺施設と連携、一体的な空間を形成することにより、水辺を通した交流拠点、より多様で魅力的なにぎわいのある空間の整備を図ります。


4木曽(きそ)川水系木曽(きそ)川(愛知県一宮(いちのみや)市)
 この地域は、玉石積護岸(特殊堤)で河岸の自然景観と一体となった景観を形成しており、全区間でワンドが形成されている豊かな自然環境があります。
 「太閤堤」を中心として、スポーツや散策などと共に、ワンドなどの豊かな自然の体験・観察、治水の歴史学習の場として多くの方に利用してもらい、水辺に親しんでいただくことを目的に水辺の整備を図ります。


5斐伊(ひい)川水系斐伊(ひい)川(宍道湖)(しんじこ)・玉湯(たまゆ)川(島根県松江(まつえ)市)
 宍道湖の湖畔や支川玉湯川河口部の自然景観に恵まれ、近隣の玉造温泉を訪れる観光客や地域住民が訪れる機会も多い松江市玉湯町において、河川に親しみやすい護岸の整備を公園整備と連携して行うことにより、観光客や地域住民が集い、散策、湖畔の美しい風景や夕日の鑑賞、水遊びなどを行うことができる憩いの場を提供し、河川環境の向上と併せて、地域の交流促進、活性化、魅力向上を図ります。


○水辺の楽校プロジェクト

1利根(とね)川水系思(おもい)川(栃木県野木(のぎ)町)
 のぎ水辺の楽校は、利根川水系思川の左岸の野木地区に位置し、渡良瀬遊水地の東端に接しており、近隣には野木小学校など5つの小学校があります。湿地環境の現状を基盤に多くの自然体験学習や自然観察会の場として活用するとともに、近傍の歴史的建造物や浄化センター等を含めた総合的な学習の場として通年利用を図っていきます。
当該地区は基盤整備・進入路整備・環境整備を国と町が連携して「水辺の楽校」として整備していくものです。


2利根(とね)川水系江戸(えど)川(東京都江戸川(えどがわ)区)
 江戸川の右岸の南篠崎地区(11.5km付近)は数種の希少種植物が生育する、都市部の河川である江戸川においては数少ない貴重な場所であります。
当地区を子どもの体験活動・環境学習の場にしていこうと、市民団体が中心となり区教育委員会・河川管理者・地元小学校・区関係部局で協議会を立ち上げ、現在「えどかわ子どもの水辺“vol.1−えどがわ−南坂”」として活動を展開しています。
当該地区は基盤整備・進入路整備・環境整備を国と区が連携して「水辺の楽校」として整備していくものです。


3多摩(たま)川水系宮(みや)川(山梨県小菅(こすげ)村)
 多摩川の源流に位置する小菅村は多摩川流域の都市住民との交流が盛んで特に源流の水辺を利用した体験交流が盛んであります。また、地域の小、中学生も自然体験の場としての河川の整備を望んでいます。
当該地区は近自然型、親水型の護岸に改修し、子どもたちが親しみやすい自然体験の場とするとともに、都市住民との交流の場として県と村が連携して「水辺の楽校」として整備していくものです。


4阿賀野(あがの)川水系阿賀野(あがの)川(新潟県阿賀野(あがの)市)
 阿賀野市大和地区付近の川は、緩やかな流れの浅瀬が多く、鮎や鮭の産卵場所となっていることから、水辺では水生生物の観察や漁協による鮭の稚魚の放流等、子供たちの自然体験学習の場として利用されています。
 良好な河川環境の保全と市民のやすらぎの場ともなる親水空間の創造を目的として国と市が連携して河川空間整備を行います。


5吉野(よしの)川水系祖谷(いや)川(徳島県三好(みよし)市)
 吉野川の支川の当該箇所は清流でありアユをはじめ多くの魚類が多数生息する優れた自然環境を形成しており、近隣の小中学校の子供達の自然体験活動や、周辺住民の憩いの場となっています。
 自然観察や環境学習等の自然体験活動を支援するため、淵や浅瀬(ジャブジャブ川)の整備、水辺までのアクセス向上のためのバリアフリーに配慮したスロープなどの水に親しみやすい水辺空間の整備を行います。


○桜づつみモデル事業

1(あら)川水系入間(いるま)川(埼玉県川越(かわごえ)市)(変更)
 入間川の川越市地区は、沿川に川越水上公園をはじめ、川越氏館跡(国指定文化財)、上戸運動公園等があり自然と歴史に恵まれた地区です。一方、入間川の川越市地区は過去に被災する等台風や豪雨等による被害が多く発生しています。このため、地区の更なる環境向上と堤防強化等を図るため、平成3年から桜づつみモデル事業を認定し、これまで計1,350m区間の整備を行い、現在、地域住民の憩いの場として機能しています。
 今回は更に鯨井付近の540m区間を追加認定し、全体で1,890m区間の桜づつみ整備を行うものです。


2利根(とね)川水系中(なか)川(東京都葛飾(かつしか)区)(変更)
 中川の葛飾区地区は、戦後の一時期まで「中川堤の桜」の名所でしたが、戦時中の伐採や戦後間もない頃の護岸整備等で姿を消してしまいました。
 その後、住民要望を受け葛飾区が総合的な防災拠点整備に併せて当時の桜並木を復活させるため、平成13年度に260m区間を桜づつみモデル事業として着手し、地域の人々の憩いの場として機能しています。
 今回は更に直上流の青戸付近の220m区間を追加認定し、全体で480m区間の桜づつみ整備を行うものです。


○河川防災ステーション

1利根(とね)川水系利根(とね)川(千葉県野田(のだ)市)(変更)
 目吹地区河川防災ステーションは、洪水被害を最小限に食い止めるため、利根川中流部の江戸川分派点より下流における災害時の緊急復旧活動を行うよう迅速かつ円滑な復旧活動の拠点として整備します。また、平常時には、周辺地域の高揚、防災学習の拠点として利用するとともに、地域の交流・憩いの場としての活用が可能となります。
 今回、利根川右岸野田市船形地区に計画されていた防災ステーションについて約1.5km下流の野田市目吹地区に場所を移し整備することについて承認するものです。


2円山(まるやま)川水系円山(まるやま)川および六方(ろっぽう)川(兵庫県豊岡(とよおか)市)
 六方防災ステーションは、平成16年に経験した台風23号の甚大な被害に鑑み、円山川及び六方川の洪水時における河川管理施設の保全活動、災害時の緊急復旧の拠点として機能することを目的として整備を実施するものです。
 なお、円山川は出水の度に氾濫し大きな被害をもたらす一方、母なる川として地域住民に親しまれており、円山川花火大会、マラソン、凧揚げ大会や屋形船下り、カヌー教室など多くの催しが行われ、身近な憩いの場を提供しています。また、これらの催しは既存の施設(堤防、運動公園)で行われており、良好な水辺空間整備の一環として整備された西芝防災ステーションに加えて、六地蔵地先、立野地先の間に河川防災ステーションを整備することで、より一層の河川利用の活用を図る施設となります。


3(よど)川水系草津(くさつ)川(滋賀県草津(くさつ)市、栗東(りっとう)市)
 草津川河川防災ステーションは、既往最大の昭和28年台風13号による破堤実績等の経験基づき草津川及び金勝川の洪水時における河川管理施設の保全活動、災害時の緊急復旧の拠点として機能することを目的として整備を実施するものです。なお、草津川は旧川が草津市街地を縦断して琵琶湖の注ぐ天井川となっており、破堤すれば甚大な被害を市街地にもたらすため平地化したものですが、草津市では廃川跡地を利用した公園・緑地整備を推進しており、現在進められている「草津市草津川土地利用構想」では、本防災ステーション付近は「地域交流ゾーン」「歴史文化伝承ゾーン」として位置付けられているため、本地区に防災ステーションを整備することで、より一層の河川利用を図ることができるものとなっています


○地域に開かれたダム

1大野(おおの)川水系稲葉(いなば)川(大分県竹田(たけだ)市)
 稲葉ダムは大野川水系稲葉川に治水ダムとして現在建設中で平成22年度の完成を目指しています。ダム周辺は九州の屋根といわれる久住連山や、阿蘇山を望むことができる日本でも有数の絶景が広がる地域であります。この地域における豊かな自然を活かし、自然体験やレクリェーションの場として、ダム湖を中心とした地域の創意工夫と関係機関の支援により活性化を図っていきます。


○都市山麓グリーンベルト整備事業

1庄内(しょうない)川水系土岐(とき)川(岐阜県多治見(たじみ)市、土岐(とき)市)
 過去、薪炭材の伐採や陶土の採掘により里山が荒廃した土岐川流域では、緑の復元が徐々に進んできました。一方、近年の都市化の進展により、山麓まで市街地が近接して形成された結果、土砂災害の危険性が高まっています。
 このため、土砂災害に対する安全性を高め、緑豊かな環境と景観を保全・創出することを目的に、多治見市・土岐市で、市街地に隣接する山麓斜面において、地元中学・地域住民とともに間伐や散策路の整備などに取り組んでいます。
 今後は、有識者等からなる検討委員会及び関係者からなる担当者会議において、地域住民と連携したグリーンベルト整備の具体的手法を検討していきます。



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