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河川局

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記者発表
馬淵川・庄川各水系に係る河川整備基本方針の策定について


【同時発表記者クラブ】
青森県政記者会、岩手県政記者クラブ、富山県政記者クラブ、高山記者クラブ
平成19年6月29日
国土交通省河川局

  標記の2水系の河川整備基本方針の策定につきましては、河川法第16条第3項に基づき、国土交通大臣から社会資本整備審議会会長へ意見を求め、同審議会から河川分科会に付託されました。その後、社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会において審議を行ったのち、平成19年5月11日に開催した社会資本整備審議会河川分科会の審議を経て平成19年7月2日付けで、河川整備基本方針を策定し、同日付で官報に公表されることとなりました。




<馬淵川・庄川の河川整備基本方針の概要>

 平成9年に河川法が改正され、豊かでうるおいのある質の高い国民生活や良好な環境を求める国民のニーズに的確に応えるため、制度を見直し、それまでの工事実施基本計画に代え、新たに、河川整備の基本となるべき方針に関する事項『河川整備基本方針』と具体的な河川整備に関する事項『河川整備計画』に区分されました。
 河川整備基本方針は、各水系における治水、利水、環境等に関する河川管理の長期的な方針を、総合的に定めるものであり、河川整備の基本となるべき事項等を定めます。
 今回策定した2水系についても、各水系の地形、降雨、環境等の特性を踏まえた治水・利水・環境に関する整備の方向性を示しています。また、治水計画の基本となるべき事項として、目標とする洪水の流量である基本高水のピーク流量(計画の基本となる洪水の流量)を最新の水文データ等も加えてその内容を検証した結果、2水系ともに既定計画と同様とすることとしました。

【河川整備基本方針・河川整備計画について】
https://www.mlit.go.jp/river/basic_info/jigyo_keikaku/gaiyou/seibi/index.html
【社会資本整備審議会河川分科会について】
https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/bunkakai/index.html

今回策定する2水系の河川整備基本方針の主な特徴的内容は次のとおりです。


●馬淵(まべち)川(がわ)水系 (流域面積2,050km2、幹川流路延長 142km)

 馬淵(まべち)川(がわ)は、岩手県北部より青森県南東に位置し、その源を岩手県北上(きたかみ)高地の袖山(そでやま)(標高1,215m)に発し、いったん南下したのち流路を北に変え、高原状の北上高地と脊梁(せきりょう)奥(おう)羽(う)山脈の山間を北流しつつ、県境付近にて奥羽山脈に源を発する安比(あっぴ)川(がわ)等の支川を合わせ、青森県に入り、その後、熊(くま)原川(はらがわ)、猿(さる)辺(べ)川(がわ)、浅水(あさみず)川(がわ)等の支川を合流し、青森県南部の八戸平野を貫流して太平洋に注いでいる。
 その流域は、八戸(はちのへ)市、二戸(にのへ)市など3市7町1村からなり、沿川には、東北新幹線、JR八戸線、東北本線、青い森鉄道、いわて銀河鉄道の他、東北縦貫自動車道八戸線、国道4号、45号等の基幹交通ネットワークが形成されるなど、交通の要衝となっている。また、上流部は、十和田八幡平国立公園や久慈(くじ)平庭(ひらにわ)(岩手県)、折爪馬仙峡(おりつめばせんきょう)(岩手県)及び霊峰名久井(なくい)岳(だけ)(青森県)の各県立自然公園の指定など、豊かで貴重な自然環境が随所に残されている。
 上流部(青(せい)岩橋(がんばし)上流)は、北上高地の北縁にあたり、川幅は比較的狭く、河床勾配が急な山間狭窄部を縫うように流れ、氾濫は川沿いの狭い範囲で生じる流下型の特徴となっている。中流部(櫛引(くしびき)橋(ばし)〜青岩橋)は、自然河川に近い掘り込み河道が多く、段丘上に宅地が点在し、川沿いの平地は主に農地として利用されているが、洪水時に浸水しやすく浸水常襲地帯にもなっている。下流部(櫛引橋下流)は、河床勾配が緩やかで川幅も広くなり、沖積平野には八戸市街地が形成されており、右岸側の段丘より北東に広がる低平地にはん濫が広がる地形となっている。
 このような状況等を踏まえ、それぞれの地域特性にあった治水対策を講じることにより、水系全体としてバランスよく治水安全度を向上させるため、馬淵川の豊かな自然環境に配慮しながら、堤防の新設、拡築及び河道掘削により、河積を増大させるとともに水衝部等には護岸等を整備する。また、洪水調節施設を整備し計画規模の洪水を安全に流下させるため、洪水時の水位の縦断変化等について継続的な調査観測を実施し、結果を反映した河川整備や適切な維持管理を実施する。
 なお、馬淵川の青岩橋から上流部においては、大規模な河道掘削は行わず、河道の整備にあたっては、自然河川を色濃く残している良好な河川環境等に配慮する。青岩橋から櫛引橋までの中流部においては、遊水機能を活かした洪水調節により河道への負担を軽減させるとともに、治水対策を早期かつ効果的に進めるため、河道や沿川の状況、氾濫形態等を踏まえ、地域との合意形成を図りつつ、連続堤の整備だけでなく、輪中堤や宅地の嵩上げ等の対策を実施する。櫛引橋から下流部の河道の整備にあたっては、自然環境に配慮するとともに、八戸市中心部における水辺空間をできる限り維持するよう努める。また、掘削にあたっては自然環境や河道の安定性等への影響をモニタリングしながら実施する。

(基本高水のピーク流量及び計画高水流量)
 馬淵川の基本高水のピーク流量は、既定の工事実施基本計画と同様に基準点大橋(おおはし)で3,500m3/sとし、このうち流域内の洪水調節施設により300m3/s調節して河道への配分流量を3,200m3/sとする。


●庄川(しょうがわ)水系 (流域面積:1,189km2、幹川流路延長:115km)

 庄川は、その源を岐阜県高山市(たかやまし)の烏帽子(えぼし)岳(だけ)(標高1,625m)に発し、岐阜県内で尾上郷川(おがみごうがわ)、六厩川(むまいがわ)、大白川(おおしらかわ)等を合わせて北流し、富山県に入り南砺市(なんとし)小牧(こまき)付近で利賀川(とががわ)を合わせたのち砺波(となみ)平野に出て、射水市(いみずし)大門(だいもん)で和田川(わだがわ)を合わせて日本海に注いでいる。
 その上流域は、飛騨山地の急峻な峡谷地形が発達し、中流域では、河岸段丘が点在し世界遺産の白川(しらかわ)郷(ごう)、五箇山(ごかやま)をはじめとする合掌造り集落が開けている。下流域に広がる扇状地は、富山県の主要都市である高岡市(たかおかし)、砺波市、射水市などからなり、県内一の穀倉地帯であるとともに、交通の要衝ともなっており、富山県西部地域の社会、経済、文化の基盤を成している。
 庄川は、我が国屈指の急流河川で流水のエネルギーが強大であること、流域が多雨・多雪地帯であることなどから、昭和9年、40年、51年、58年の洪水をはじめ、平成16年10月洪水では大門(だいもん)観測所において観測史上最大流量を記録するなど、度々甚大な被害が発生している。
 このような状況を踏まえ、沿川地域を洪水氾濫による被害から防御・軽減を図るため、堤防の拡築及び河道掘削等により河積を拡大させるとともに、流域内の洪水調節施設により洪水調節を行い計画規模の洪水を安全に流下させる。
 河川環境の整備と保全に関しては、庄川の流れが生み出す良好な水質及び庄川峡や広い石河原や砂州などの特有の河川景観を保全するとともに、湧水によるワンド・タマリや連続した早瀬・平瀬をはじめ、多様な動植物が生息・生育する豊かな自然環境を次世代に引き継ぐよう努める。また、流域の歴史、文化、風土に深く根ざしている庄川の現状を踏まえ、自然環境との調和を図りつつ、人と河川との豊かなふれあいを確保する。

(基本高水のピーク流量及び計画高水流量)
 基本高水のピーク流量は、既定の工事実施基本計画と同様に基準地点雄神で6,500m3/sとし、河道と洪水調節施設への配分についても工事実施基本計画と同様にそれぞれ5,800m3/s、700m3/sとした。




問 い合わせ先
【総括】
国土交通省河川局  河川計画課  河川計画調整室  課長補佐   矢崎 剛吉
    代表03(5253)8111   直通03(5253)8445   内線 35372
【馬淵川・庄川】
国土交通省河川局  河川計画課  河川情報対策室  課長補佐   安原 達
    代表03(5253)8111   直通03(5253)8445   内線 35382


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