環境の変化を受けやすい淡水魚26種(環境庁自然環境保全基礎調査対象魚種)の生息状況については、１級水系で既往文献調査結果(1970年代以前)と河川水辺の国勢調査結果(1990年代)を比較してみると、26種の中で２種以上の生息が確認された河川が57水系から30水系へと減少し、１種のみ生息もしくは１種も生息が確認されなかった河川が52水系から79水系へと増加しています。

　代表的な外来種であるブラックバス(オオクチバス)は、大正14年に初めて日本の芦ノ湖に持ち込まれましたが、繁殖力が強く在来の魚類相に影響を与えると考えられており、芦ノ湖からの持ち出しを禁止されていました。

　しかし、釣り人に人気が高く、密放流等により、分布が拡大し、既往文献調査結果(1970年代以前)では、一級水系109水系のうち、４水系で確認されていただけですが、河川水辺の国勢調査結果(1990年代)では54水系で確認されています。また、ダム湖でも81ダム湖のうち、27ダム湖で確認されています。

　環境庁のレッドデータブックで希少種に指定されているオシドリは、全調査ダム等の約８割にあたる65ダム等で確認されています。オシドリを含むカモ類は、ダムの湖面を休息の場として利用しますが、オシドリは湖面に加え、湖岸の林内も餌場や休息の場として利用します。オシドリがダム湖で確認されるのは、湖面と森林を併せ持つダム環境の特徴ともいえます。

　平成２〜７年度の調査では、次に示すような特別天然記念物及び天然記念物(文化財保護法)、国内希少野生動植物種(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)が確認されました。