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河川局

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記者発表

河川敷地占用許可準則(別紙)



   第一章 総則

 (目的)

第一
 この準則は、河川が公共用物であることにかんがみ、治水、利水及び環境に係る本来の機能が総合的かつ十分に維持され、良好な環境の保全と適正な利用が図られるよう、河川敷地の占用の許可に係る基準等を定め、地域の意向を踏まえつつ適正な河川管理を推進することを目的とする。

 (定義)

第二
 この準則において「河川敷地」とは、河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第6条第1項の河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。)をいう。
2 
この準則において「占用の許可」とは、法第24条の許可をいう。
3 
この準則において「占用施設」とは、占用の許可の目的である施設をいう。

 (占用許可の手続)

第三
 占用の許可に関する手続は、行政手続法(平成5年法律第88号)に定めるところにより、適正に行わなければならない。

 (適用除外)

第四
 この準則は、法第23条の水利使用のためにする河川敷地の占用には、適用しない。


   第二章 通則


 (占用許可の基本方針)

第五
 河川敷地の占用は、第六に規定する占用主体がその事業又は活動に必要な第七第1項に規定する占用施設について許可申請した場合で、第八から第十一までの基準に該当し、かつ、河川敷地の適正な利用に資すると認められるときに許可することができるものとする。
前項の規定により占用の許可を行おうとする場合には、期限を定めて当該占用に係る河川敷地が存する市町村(特別区を含む。以下同じ。)の意見を聴くものとする。
3 
 前項の場合において、占用による影響が広域に及ぶこと等により必要があると認める場合には、同項の規定による意見聴取に併せ、期限を定めて他の関係市町村又は関係都道府県の意見を聴くものとする。
4 
 河川敷地の占用は、その地域における土地利用の実態を勘案して公共性の高いものを優先するものとする。また、公共性の高い事業のための占用の計画が確定し、当該占用の計画について河川管理者が知り得た場合又は河川管理者に申出があった場合においては、他の者に対する占用の許可は、当該占用の計画に支障を及ぼさないようにしなければならない。

 (占用主体)

第六
 占用の許可を受けることのできる者は、次の各号に掲げるものとする。ただし、第七第1項第五号に規定する占用施設を設置することが必要やむを得ないと認められる住民、事業者等及び同項第六号に規定する占用施設を設置することが必要やむを得ないと認められる非営利の愛好者団体等もそれぞれ当該占用施設について占用の許可を受けることができるものとする。
 一
 国又は地方公共団体(道路管理者、都市公園管理者、下水道管理者、港湾管理者、漁港管理者、水防管理者、地方公営企業等である場合を含む。)
 二
 日本道路公団、都市基盤整備公団、地方公社等の特別な法律に基づき設立された法人
 三
 鉄道事業者、水上公共交通を担う旅客航路事業者、ガス事業者、水道事業者、電気事業者、電気通信事業者その他の国又は地方公共団体の許認可等を受けて公益性のある事業又は活動を行う者
 四
 水防団体、公益法人その他これらに準ずる者
 五
 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第7項に規定する市街地開発事業を行う者又は当該事業と一体となって行う関連事業に係る施設(以下「市街地開発事業関連施設」という。)の整備を行う者
 六
 河川管理者、地方公共団体等で構成する河川水面の利用調整に関する協議会等において、河川水面の利用の向上及び適正化に資すると認められた船舶係留施設等の整備を行う者

 (占用施設)

第七
 占用施設は、次の各号に規定する施設とする。
 一
 次のイからニまでに掲げる施設その他の河川敷地そのものを地域住民の福利厚生のために利用する施設
 イ
公園、緑地又は広場
 ロ
運動場等のスポーツ施設
 ハ
キャンプ場等のレクリエーション施設
 ニ
自転車歩行者専用道路
 二
 次のイからホまでに掲げる施設その他の公共性又は公益性のある事業又は活動のために河川敷地を利用する施設
 イ
道路又は鉄道の橋梁(鉄道の駅が設置されるものを含む。)又はトンネル
 ロ
堤防の天端又は裏小段に設置する道路
 ハ
水道管、下水道管、ガス管、電線、鉄塔、電話線、電柱、情報通信又は放送用ケーブルその他これらに類する施設
 ニ
地下に設置する下水処理場又は変電所
 ホ
水防倉庫その他水防活動のために必要な施設
 三
 次のイからハまでに掲げる施設その他の河川空間を活用した街づくりに資する施設
 イ
遊歩道、階段等の親水施設
 ロ
河川上空の通路、テラス等の施設で病院、学校、社会福祉施設、市街地開発事業関連施設等との連結又は周辺環境整備のために設置されるもの
 ハ
地下に設置する道路又は公共駐車場
 四
 次のイからハまでに掲げる施設その他の河川水面の利用の向上及び適正化に資する施設
 イ
公共的な水上交通のための船着場
 ロ
船舶係留施設又は船舶上下架施設(斜路を含む。)
 ハ
港湾施設、漁港施設等の港湾又は漁港の関連施設
 五
 次のイからハまでに掲げる施設その他の住民の生活又は事業のために設置が必要やむを得ないと認められる施設
 イ
通路又は階段
 ロ
採草放牧地
 ハ
事業場等からの排水のための施設
 六
 次のイ及びロに掲げる施設その他の周辺環境に影響を与える施設で、市街地から遠隔にあり、かつ、公園等の他の利用が阻害されない河川敷地に立地する場合に、必要最小限の規模で設置が認められる施設
 イ
グライダー練習場
 ロ
モトクロス場又はラジコン飛行機滑空場
 前項に規定する占用施設については、当該施設周辺の騒音の抑制及び道路交通の安全の確保上必要やむを得ないと認められる場合に限り、当該施設と一体をなす利用者のための駐車場の占用を許可することができる。この場合においては、本体施設の利用時間外及び洪水のおそれのある場合の使用の禁止、使用禁止時間帯における車両の撤去、洪水時の駐車車両の避難に係る夜間及び休日を含む情報伝達体制の整備等の許可条件を付するものとする。
 第1項に規定する占用施設については、必要に応じて、施設利用者のための売店、便所、休憩所、ベンチ等を当該施設と一体をなす工作物としてその設置を許可することができる。

 (治水上又は利水上の基準)

第八
 工作物の設置、樹木の栽植等を伴う河川敷地の占用は、治水上又は利水上の支障を生じないものでなければならない。この場合、占用の許可は、法第26条第1項又は第27条第1項の許可と併せて行うものとする。
 前項の治水上の支障に係る技術的判断基準は、次の各号に掲げるとおりとし、河川の形状等の特性を十分に踏まえて判断するものとする。ただし、法第6条第2項に規定する高規格堤防特別区域、同条第3項に規定する樹林帯区域及び河川法施行令(昭和40年政令第14号)第1条第2項に規定する遊水地における占用につい ては、適用しない。
 一
河川の洪水を流下させる能力に支障を及ぼさないものであること。
 二
水位の上昇による影響が河川管理上問題のないものであること。
 三
堤防付近の流水の流速が従前と比べて著しく速くなる状況を発生させないものであること。
 四
工作物は、原則として、河川の水衝部、計画堤防内、河川管理施設若しくは他の許可工作物付近又は地質的にぜい弱な場所に設置するものでないこと。
 五
工作物は、原則として河川の縦断方向に設けないものであり、かつ、洪水時の流出などにより河川を損傷させないものであること。
 前項に規定するもののほか、樹木の栽植に関する治水上の支障に係る技術的判断基準については、別途定める河川区域内における樹木の植樹等に係る基準(以下「植樹基準」という。)によるものとする。

 (他の者の利用との調整等についての基準)

第九
 河川敷地の占用は、他の者の河川の利用を著しく妨げないものでなければならない。
 河川敷地の占用は、必要に応じて、他の者の水面等の利用を確保するための河岸への通路又は河川管理用の通路が確保されていなければならない。また、河川敷地の利用をより一層促進するため、必要に応じて、公園等の占用施設相互の連携を図るための連絡歩道や便所、ベンチ等が確保されていなければならない。

 (河川整備計画等との調整についての基準)

第十
 河川敷地の占用は、河川整備計画その他の河川の整備、保全又は利用に係る計画が定められている場合にあっては、当該計画に沿ったものでなければならない。
 前項に規定する計画において保全すべきこととされている河川敷地については、当該保全の趣旨に反する占用の許可をしてはならない。

 (土地利用状況、景観及び環境との調整についての基準)

第十一
 河川敷地の占用は、河川及びその周辺の土地利用の状況、景観その他自然的及び社会的環境を損なわず、かつ、それらと調和したものでなければならない。

 (占用の許可の期間)

第十二
 占用の許可の期間は、第七第1項第一号から第五号までに規定する占用施設に係る占用にあっては10年以内、同項第六号に規定する占用施設に係る占用にあっては5年以内で当該河川の状況、当該占用の目的及び態様等を考慮して適切なものとしなければならない。
 前項の許可の期間が満了したときは、当該許可は効力を失うものとする。

 (占用の許可の内容、条件、監督処分等)

第十三
 占用の許可は、当該占用の期間内に当該占用の目的を達成するために必要と認められる適切な内容のものとする。
 占用の許可には、水質保全、占用に伴う騒音の抑制等環境の保全上必要な条件、情報伝達体制の整備、工作物の撤去等緊急時の適切な対応を確保するために必要な条件、占用の目的を達成するために必要な維持管理に関する条件その他の河川管理上必要があると認められる条件を付するものとする。
 占用の許可の後、占用の許可を受けた者から報告を徴収するなどの方法により、適宜、占用の状況及び許可条件の履行状況の確認を行うものとする。
 占用の許可を受けた者が法又は許可条件(法第26条第1項及び第27条第1項の許可条件を含む。)に違反している場合その他必要があると認められる場合においては、法第77条第1項に規定する是正措置の指示、法第75条第1項に規定する監督処分等の措置を、状況に応じて適正に実施するものとする。

 (継続的な占用の許可)

第十四
 占用の許可の期間が満了した後に継続して占用するための許可申請がなされた場合には、適正な河川管理を推進するため、この準則に定めるところにより改めて審査するものとする。
 前項の場合において、従前のまま継続して占用を許可することが不適当であると認められるときは、この準則に適合するものとなるよう指導するとともに、必要に応じて、従前よりも短い占用の許可の期間の設定、不許可処分等の措置をとるものとする。

 (一時占用の許可)

第十五
 工事、季節的な行事又は仮設物等のための河川敷地の一時的な占用の許可については、この準則によらないことができる。


   第三章 包括占用の特例

 (包括占用の許可)

第十六
 市町村に対して、治水上、環境の保全上等の河川管理上の支障が生じるおそれが少ない河川敷地について、第七第1項に規定する占用施設に該当する施設を設置する場合に、河川敷地の具体的利用方法を占用の許可後に当該市町村が決定できる占用(以下「包括占用」という。)の許可をすることができるものとする。
 包括占用の許可は、市町村の区域に存する河川敷地のうち、あらかじめ当該市町村が河川管理者と協議し、決定した区域(以下「包括占用区域」という。)を対象とするものとする。
 前項の場合において、第十第一項に規定する計画において保全すべきこととされている河川敷地については、原則として包括占用区域としてはならない。

 (第十第1項に規定する計画等との調整)

第十七
 包括占用区域の具体的利用方法は、第十第1項に規定する計画が定められている場合にあっては当該計画に沿ったものであるとともに、都市計画法第18条の2第1項に規定する都市計画に関する基本的な方針(基本的な方針を定めていない市町村にあっては、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想等)に沿ったものでなければならない。

 (包括占用区域の施設設置者による利用)

第十八
 包括占用の許可を受けた市町村は、第六に規定する者に、包括占用区域の全部又は一部を第七第1項に規定する占用施設に該当する施設の設置を目的として使用させることができるものとする。
 前項の規定に基づき、市町村が包括占用区域を使用することを認めた者(以下「施設設置者」という。)に包括占用区域を使用させる場合には、当該市町村は、包括占用区域の使用に係る契約(以下「使用契約」という。)を当該施設設置者と締結するとともに、その内容を河川管理者に報告しなければならない。
 市町村は、使用契約を締結するときは、包括占用区域の使用の具体的内容(設置する施設の概要を含む。)、契約期間、施設の撤去に関する事項その他の必要事項を契約の内容とするほか、次の各号に掲げる条件等を付するものとする。
 一
施設設置者による使用は契約の内容に従って適切に行うこと。
 二
施設設置者は市町村の指導監督に服すること。
 三
第二十第1項に規定する工作物の設置等の許可の状況によって契約を変更し、又は無効とすること。
 四
施設設置者による使用が関係法令若しくは契約内容に違反し、若しくは著しく不適切である場合又は河川工事その他の公益上やむを得ない必要がある場合には、市町村の意志表示により契約を解除できること。

 (包括占用の許可の申請及び条件等)

第十九
 包括占用の許可申請に当たっては、第七第1項に規定する占用施設に該当する施設の設置による包括占用区域の利用を目的とするとともに、第十七に規定する都市計画に関する基本的な方針等を申請書に添付するものとする。
 包括占用の許可をする場合には、第十三第2項に規定するもののほか、第六から第十一までの規定を十分に踏まえて具体的利用方法を決定しなければならないこと、施設設置者に使用させる場合には使用契約を締結し、当該施設設置者を適切に指導監督することその他の必要な条件を付するものとする。
 包括占用の許可をした場合には、当該包括占用区域及び許可の内容を適切な公示方法により周知するものとする。

 (包括占用区域における工作物の設置等の許可)

第二十
 包括占用区域において工作物の設置又は土地の掘削等若しくは樹木の栽植等を行おうとする場合には、包括占用の許可を受けた市町村又は施設設置者は、法第26条第1項又は第27条第1項に規定する許可申請を河川管理者に行わなければならない。なお、施設設置者が当該許可申請を行う場合は、市町村を経由して行うものとする。
 前項の許可申請は、第十九第1項の許可申請と同時に行うこともできるものとする。
 第1項の許可申請に際し、治水上支障が小さいと見込まれるベンチ等の工作物の設置又は樹木の栽植については、その設置等の範囲及び上限の数を申請書及びその添付図書に記載すれば足りるものとする。
 前項の規定による許可申請に対して許可を行う場合には、工作物の設置又は樹木の栽植の範囲及び上限の数について条件を付するものとする。
 前2項に規定する樹木の栽植については、植樹基準に定めるところにより、許可するものとする。

 (包括占用許可に係る監督処分等)

第二十一
 施設設置者の包括占用区域の使用が法又は許可条件(法第24条、第26条第1項及び第27条第1項の許可条件をいう。)に違反している場合その他必要があると認められる場合においては、次の各号に定めるところにより措置するものとする。
 一
市町村に対しては、施設設置者に対する指導監督に関する指示、包括占用の許可の取消し等の監督処分等を、状況に応じて適正に実施すること。
 二
施設設置者に対しては、行為の中止、工作物の除去等の指示、監督処分等を、状況に応じて適正に実施すること。


   附 則

 (経過措置)

 この準則の制定の際占用の許可を受けて現に存し、又は現に工事中の占用施設の全部又は一部がこの準則に適合しない場合においては、当該占用施設に対しては、当分の間、この準則は適用しない。
 前項に該当する占用施設について、当該占用の許可の期間が満了した後にも引き続き許可を与えようとするときには、許可申請者に対してこの準則に適合するものとなるよう努めることを指導するものとする。

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